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満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

地球へ…(テラへ…) 作:竹宮恵子

2009-04-17 | 漫画紹介
     
     
1977年から描かれた漫画である。
私は当時、この漫画は読んでいない。
1980年代だと思うが…映画版を見て衝撃を受けた記憶がある
映像の美しさ、ストーリーの展開さの妙、ありえるかもしれない地球の未来
それらが見事に調和し、竹宮恵子の絵の美しさと融合し、私の心を掴んだ(笑)

その後、映画を見終わり…地球へ…の巨大ポスターを買い
部屋にデーンと貼って、毎日眺めては、ご満悦だったのを記憶している
(イイ年の女が、男性アイドル達を無視し漫画のポスターを部屋に貼っている図は
 想像するだに…自分自身でも怖い…ハハハハハハ)

地球へ…は当時ラジオでも放送されており
友人がセッセとラジオからダビングしてくれたテープを聴いた覚えもある
こちらも第一章だけが放送されたが、とっても良かった

今回、「Gファンタジーコミックススーパー 」ってなジャンルで蘇ったので
さっそく、全3巻を大人買いしジックリと読んでみた
あの、懐かしさをもう一度~ってなもんである(笑)

読んでみて、驚いた。
これは・・・映画より数百倍深くて面白い!

時間の決まっている映画では、表しきれなかった部分にこそ
竹宮恵子の言いたかったことが詰まっている気がした
しかも、映画で知っていた結末とは違う!
映画はほぼ…ハッピーエンドだったような~~~

で、今は便利なインターネットっというモノがあるので
色々と調べてみて解ったのだが
映画版監督の恩地日出夫氏は、アニメ制作をしたことがなく
出来上がった作品の「地球へ…」は、アニメとしては異色作品と認識され
その賛否が分かれたっと書かれていた
(本当? そうだったの? いや~私は気に入って見たんだけどね~)

これは、漫画を読んだついでに…映画も、もう一度見てみたくなったぞ(笑)

ストーリーは近未来の、地球ではない星から始まる
昨今、エコエコと、古賀新一氏のホラー漫画で黒井ミサが唱える
「エコエコアザラク」という呪文のように皆が叫んでおるが…
エコ速度より、人間の地球破壊の速度の方が速く
このままでは地球が崩壊してしまう危機感を抱いておる

結局、「人間がいるから地球がダメになるんじゃ」っと思う人も既にいると思う
そこで壮大なプロジェクトが発動した
それは「地球を蘇らせるにゃ~人間を地球から出すしかないべ」という単純なもの
全ての地球人を他の惑星へ移住させ、優秀な人材だけが地球で暮らせるという
エコ思想がエゴになったような発想が起こった(笑)

今じゃありえん話である。
この漫画では「ワープ走行可能な船」があるので、遠い星へでも移住出来るが
今の我々の科学力では「ワープ走行は不可能」と結論づけられているので
我々は崩壊する地球から、一歩も外へ出ることは出来ない。
殆どの人間が地球と運命を共にしなければならない事実を、目の当たりにしたので
マジでエコにも力が入っているのである
かえって現実の方が、より漫画よりシビアだってことだの~(笑)

さて、巨大コンピューターに出生から死ぬまで完全管理された人間は
ランダムに選ばれた精子と卵子により、試験管内で産まれ
またまたランダムに選ばれた両親のもとで14歳まで育てられる
その後、「目覚めの日」なる大人試験なるものを通り
身体能力別に分けられ、適材適所へと配置されていくのである

その場合、人間の持つ疑問・猜疑心・不安という不確かな感情レベルは
コンピュータによって削除され、記憶も塗り替えられる
ま、悩まない・惑わないってことを考えればパラダイスだと思う

漫画を読んでいる我々は、自由な感情を持っているので「なにこれ~」と思うが
漫画内では、殆どの人が満足している

ところが「目覚めの日」を通過する人間の中に…まれにミュータントが生まれる
これはコンピュータによる制御のし過ぎなのか、機械のバグなのかは解らない
ただ目覚めたミュータントは削除され消される運命となる

人間とは異質なミュータントだって、殺されるのは嫌である
そこで逃げ出したミュータントが一人、二人と集団を作り
また新たに生まれたミュータントを助け出し集団は大きくなっていく
その集団を「ミュウ」と呼ぶ
かれらは体のどこかに障害を抱えている
その障害を補うために、普通の人間とは違った能力を持っているのだが
体が弱い彼らは、長時間の労働も、新たな生命を作り出す能力も持ってはいない

「ミュウ」の長、ソルジャー・ブルーは
目覚めの日に救った少年が、健常者なのにミュータントであることに驚く
救われた少年の名はジョミー
人間との確執が深まり、最後の決戦が迫るなか
ソルジャー・ブルーの命は尽きようとしている
予知能力を持つソルジャー・ブルーは、それを察知し全てをジョミーへと託す

一方、人間の側でもメンバーズ・エリートと呼ばれる人物が育っていた
その名をキース・アニアン。
彼は不思議なことに、目覚めの日の記憶も、それ以前の記憶も持っていなかった
コンピュータによって作られた「ミュウ」への刺客なのか?
自分の出生の秘密と「ミュウ廃絶」の使命の狭間で…
彼は自分の成すべき事を真っ直ぐに実行しだす

ここまでは序章にすぎない
これから十数年に渡り、彼ら人間とミュウは様々な事件・事故から、悩み苦しみ
最終決戦へと進まざるを得なくなる

ミュウたちは「地球(テラ)へ…」と向う
地球や人間達をマザーコンピュータから救うため
人間たちは「ミュウ」を地球へ入れないように戦う

一つの星を守るため、生まれた二つの生命体。
どちらがこの星を手に入れるのか? それとも…全てを失うのか?
それをはじき出すすべは、コンピュータですら持っていない。
全ては地球(テラ)のみぞ知る。

いや~。堪能した~~~(笑)
未読の人は是非、読んでみてください
こんな漫画が30年前にあったことを、じっくり考えてみて下さい
30年以上前から人間は、地球に危機が訪れていたことを知っていたのです
30年たった今、人間に大きな変化はみえるでしょうか
危惧しているだけで、遅遅として進まず
そんな人間を地球は何時まで、同居させてくれるでしょうか

我々が生きていける場所は、現在、地球しかないんだよな~
読み終わったあと、フっとそんな思いが頭をかすめました

映画と漫画では終わりかたが違っています
どちらも、「アリ」な終わり方なので
見る機会があれば、両方見ることをお奨めします

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住んでみたいアニメの家ランキング - gooランキング

2009-04-10 | 漫画紹介
住んでみたいアニメの家ランキング - gooランキング


住んでみたいアニメの家ランキング1位が「磯野家」には驚いた
3位の「サツキとメイの家」も似た雰囲気か?
今では見かけなくなった古い家に憧れるんだの~~

しかし…どちらの家も……きっと、ゴキブリの宝庫だぞ(笑)
夏にはビシバシ虫が入り込むだろうしの~
トイレの裸電球にデッカイ蛾が粉ふりまきながら飛ぶ下で、用を足してみ~
翌朝には帰りたくなること必定じゃ(アハハハハハハ)

2位の「ハイジの家」で思い出したが…
以前に干草で作ったベットにシーツをかぶせた所に寝たことがあったが…
ありゃ~見た目と違い、チクチクして痛かっただよ
ハイジの場合は、もそっと何か工夫をしているのかね?

上記3件とは違い、エライ豪邸もランクインされておる

「ベルサイユ宮殿」や「シンデレラ城」
本当に? 本当に住んでみたいの?
寒そうだし…なんか出そうで怖い感じがするがの~(笑)

すこし笑えるのが「花輪くんの豪邸」
だったら私しゃ少し古いが…「うる星やつら」の「面堂家」がエエな~

このランキング内で私が住んでみたい家は
「ムーミンの家」
もちろん、「ムーミンママ付き」
あの家で「ムーミンママの手作りパイ」が食べたいだ~~
ムーミンママは、スノークのお嬢さんやミィに料理を教えているし
キノコに関する知識は凄いしな
彼女の作る料理は、一度食べてみたいと思っておる(笑)

ランキングだと17位なのだが…
「ドラゴンボール」の「亀仙人のカメハウス」
ココは憧れのリゾートだぞ
小さな離島にある、見かけは小さい家だが中は結構広い
二階建てで屋根裏部屋もある
この屋根裏部屋に亀仙人はエロ本を隠しておった(アハハハハハ)
波の音を聞きながら、ボ~っと一日を過ごす
ああ~~~。憧れる~~~~

異色なところで「黒執事」の「ファントムハイヴ伯爵家」
もちろん「執事付き」(笑)
ま、この感覚は…オタッキーな男子が「メイドカフェ」へ行くのと一緒だな

「精霊の守り人」の「洞窟」も良いな~

昨年、会社の中庭にプレハブ2階家が建った
ちょっとした作業場、もしくは物置に使っておる
2階建てだが中に階段がなく、外からしか2階に行けない
1階にも2階にもトイレはない。水場は外にある。

会長はこのプレハブ2階建ての住居がエラクお気に召したようで
「ココに住んでみたいヤツ、いないか~」
と、若者達に声をかけまくっておる
風呂はないが、外の水場で体を洗えるし
トイレは敷地内に穴を掘ってすればいいとか言っておる
玄関を出て2歩で会社に着くので、こんな良い物件は他にないと言う

もちろん、カーテンを開けたら目の前が会社ってな家には誰も住みたくない
近きゃイイってもんでもないのが会社である(笑)
しかも…会長は「月額2万円」でイイよ~とか言っておるので
「タダ」で貸す気は毛頭ないらしい
あの…ド・ケチな会長のことだから
トイレなし、水場外のプレハブ住宅を出る時に、元とおりに直してから出ろ!
とか言いそうだし、敷金・礼金も取りそうだよね~なんて社員同士は話しておる

さて、皆さんは、どんな家に住んでみたいですか?

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彼方から 作:ひかわきょうこ

2009-03-13 | 漫画紹介

私にしては…大変珍しく…
「ド・ストライクな少女漫画」の紹介である(笑)

むかし、むかし…1970年代の終わりころから、80年代にかけ
少女漫画は黄金期を迎えておった
その頃、現れた大御所たちに混じって、彼女は作品を発表していたのだが
記憶をたどれば…彼女は初期のころは、
私には近寄りがたいほどの「恋愛漫画」を描いていたと思う(笑)

その彼女が、90年代に入り
このようなSFファンタジーの世界を描いていたとは知らんかった
本人が病気をしたらしく、完結までに12年の歳月がかかってしまったそうだが
一気に読んでも12年の歳月を感じさせない勢いがあった

それに、可愛らしい絵柄とは対象的に
作者自身が病気で苦しんだ時代を乗り越えた強さを持った人なので
数々のセリフの中に、愛と勇気と力が秘められており
とても素晴らしい作品に仕上がっていた

「ひかわきょうこ:インタビュー」

女子高校生の「ノリコ」は、何時も自分を待っている「別の世界」があるような
そんな気がしてならなかった。
そんな気持ちを誰かに言っても、夢見がちな少女にありがちな「妄想癖」と
片付けられるのがオチであった

どころが…その妄想が、現実となって目の前に現れたのである

ある日の学校帰りに、ノリコは友人数人とともに爆弾事件に巻き込まれてしまう
ところが友人達は全員助かったのだが…
ノリコ一人が忽然と姿を消してしまったのである
女子高生として生活していたこの世界で、ノリコは行方不明者となってしまった

その頃ノリコは爆弾の衝撃で、日頃感じていた別の世界へと飛ばされていた

普通、物語で異世界へ飛ばされた話を書く場合
ま、作者の便宜上、言葉は何故か通じるように設定されている作品が多い
が、この作品。
あろうことか「言葉は通じない」という、ごくマトモな設定を行使している
よって異世界へ飛ばされてから「渡り戦士のイザーク」と出会い
数々の人々と会うごとに言葉・風習などを覚えながらの旅が続く

絵柄の可愛らしさから…
つい、クヨクヨとスグに泣く「女子(オナゴ)」を想像してしまうが
このノリコ君。体力はないのだが心は強い

この異世界には、古くからの言い伝えがあった
闇の権化「天上鬼」と、それを目覚めさせる「目覚め」がこの世に現れた時
世界は闇に包まれ、崩壊するであろう…っと。

外の世界から来た「ノリコ」が「目覚め」
この異世界で初めてノリコと出会った「イザーク」が「天上鬼」
果たして、本当に二人は出会ってはいけなかったのか?
闇とは外から襲ってくるものなのか?
本当の闇とは人の内側に芽生えるものではないのか?

古くからの言い伝えに縛られない人々の心が一致団結したとき
「目覚め」は目覚め、何かが生まれる

エエ~お話でやんした。うん。久々感動した(笑)


いつも、何かの役に立ちたくって生きているんだよ
今、自分たちが生きているこの世界のために
この世界に生きる色んなものに対して、自分を生かして何かの役に立ちたい
そして役立てるとわかったら…不思議だね。
生きる力が湧いて出てくるんだよ
ありがとうって受け入れることも、それもまた力になれることなんだよ


このセリフ。病気療養中に作者が感じた言葉なんだと思う。
だから、漫画の枠を超えて心に深く突き刺さった

病気療養中は、誰かの手を借りなければ生きられない
やりたい事も出来ないもどかしさ…
でも、こうして病気と闘っている自分の姿を通して
誰かが勇気をもらっているかもしれない
そう感じたら…「よし、ガンバロウ!」と生きる力が湧いてくる

沢山の人が助けてくれて、手伝ってくれている
申し訳ないっという気持ちを「ありがとう」という言葉で返したとき
「よし、元気になろう!」と力が湧いてくる

そんな心を主人公の「ノリコ」の行動一つ一つに感じる
本当に素敵な作品でした

この漫画も、ブログ友の「くまちゃん」にお借りしたのだ
ところで、くまちゃん。元気かの~~~(笑)

素敵な漫画を「ありがとう」

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鉄コン筋クリート感想

2009-03-06 | 漫画紹介
 作:松本大洋

分厚い。
手に持って読むだけで筋トレになる
ゴルフの飛距離に貢献できるかの~~~~(ハハハハハハ)
表紙の「オール イン ワン」が…
「ホール イン ワン」に見えるようになっちゃ~おしまいである(笑)

私の弟、「満月」は幼少のころ
「鉄筋コンクリート」っと言えず「鉄コン筋クリート」なんぞと言っておった
それが面白くって何度も言わせ、よく…遊んだもんである
どうやら、この作者「松本大洋」も、そんな経験があるらしい
姉は居たんだろうか? あこぎな姉を持つと弟は結婚しなくなる
女性に夢と憧れを持てなくなるらしい…
「満月よ、世の中姉のような女ばかりじゃ~ない。
はよう~結婚せぇ~よ~」(ガハハハ)

「宝町」がストーリーの舞台
イメージ的には「新宿」が近いかも…「歌舞伎町」かな?

町があると人が集まり、店が出来、生活が生まれ
気が付くと町が生き物のようになる
そこで暮らす人々も、町と共に泣いたり笑ったり一緒に成長したり衰退したり

町は立ち止まれない。人もまたしかり。
大きくなるには、何かを食い成長しなければならない
変化を受け入れなければ、先には進めない
食べなかったり、尻込みしたりしたら、衰弱して死んでしまうのだ

「宝町」にはクロとシロと呼ばれている二人の少年が住んでいる
空だって飛ぶ。
恐喝だってする。
金も奪う。人を殴ることだってする。
殴られることもある。
親も居ないし、学校にも通ってない。
好き勝手に生きてるようでも、二人にはルールがある。

二人は二人だけで、ズ~っと一緒に居たかった

町に外国マフィアの手が伸び、変化が現れる
日本マフィアの男とクロはその変化に耐えられない
ずっとこのままではいられないのは解っているけど
今、じゃなくてもイイじゃん

そんな気持ちが痛いほど伝わる

シロはどちらかと言えば、頭のネジが10本は吹っ飛んでいる
クロが居なければ、この町では生きてはいけない子なのだ
クロは実生活ではシロの面倒を見ているが
その実、クロの心を支えて心の均衡の平安を保っているのは、シロである
二人は二人で一人前なのかもしれん

本当に難しい漫画である(笑)

「おバカな子」っと思って見ていたシロが
ボソっと言う一言にドキっとする

「夜って悲しい気持ちなのね
きっとあれだな、
死んじゃう事とか考えちゃうからだなっ。」

シロには心のネジが無い、
クロも心のネジが無い、
でもクロの無いネジは、シロがいっぱい持っていた


今回もブログ仲間の「くまちゃん」から漫画を借りて読んだのだが…
何作か「松本大洋」の漫画を見て思った
彼の作品は漫画を超えたアートだと思う。
好き・嫌いがハッキリ分かれる絵柄だと思う。
理解しがたいっと思った瞬間、松本大洋の世界からはみ出し
多分、一生涯彼の作品を愛せないかもしれない

ま、なんだかんだ言ってもしゃ~ないって感じの漫画だな(笑)
言葉なんて、彼の絵に比べたらチンケに感じる(ハハハハハ)
肌で感じる漫画ってのも、イイもんだと思っただ(笑)

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ナンバーファイブ 吾 作:松本大洋

2009-02-20 | 漫画紹介



B5版の美装丁本
我が家にあるゴルフパターの練習用グリーンの上に、横並びに並べてみたが…
B5版全8巻の横並びなもんで、可なりな横長である
私が天井付近まで飛ばない限り、全容を写しきれない事に「ハッ!」っと気付き
試行錯誤した結果、諦めて分割して写真に撮った(笑)
綺麗な装丁なのに…パッとしない写し方になってしまい、残念である

上記、一連の私のアホ~な行動を
そのまま漫画にしたような内容がこの「吾」なんである
「難解」「アホっぽい」「でも、なんか深い」(笑)
今回もブログ友の「くまちゃん」にお借りした。ありがとう~

小学校の時に習う歴史は「地域密着型歴史」であったが
中学に入ると「日本史」と「世界史」に別れ、グローバルな展開をみせる
「世界史」の授業の初っ端は、石器時代やら恐竜の世界が展開し
三大文明に入るまでは、覚えることも少ないので
少しボ~っと授業を聞いていたりする

中学生なんぞは、まだまだ純真無垢で素直なもんだから
ボ~っとした様相がモロに顔に出ていたんだと思う
生徒の意識を授業に向けるためか…
その時の歴史の先生が「デスカッションをしよう」っと言い出した
テーマは「恐竜が滅んだように、人類も滅ぶか?」であった

一クラス50数名いた生徒達の半数以上が「何時か人類は滅ぶだろう」に賛同した
「では、何が原因で滅ぶだろうか?」っと投げかけた先生の言葉に
生徒達は頭をめぐらせた

「食料難」「環境汚染」「宇宙人の侵略」「地球の地軸のズレ」「太陽の破滅」
などと並べていくうちに、自分達がいかに危うい環境で生活している存在なのかを
痛いほど感じてしまって、そのうち皆の口数が少なくなっていった
中でも医者の息子で、将来の夢は医者になることっと言っていた賢い男子が
「病気かウイルスが原因で子供が生まれなくなり、老人ばかりになって滅ぶ」
っと言った言葉が印象深く怖かった

そんな中学生達がワイワイと授業で話しておった世界から
この物語は始まる

人類が起こした何かが原因で生態系が狂い、世界は崩壊の危機を迎えていた
試行錯誤した結果、科学者達は特殊能力を持った人間達を自らの手で作った
そして、作られた中でも特に優秀な9人の超人達を頂点とし
人類を救うために、特殊能力集団「国際平和隊」が組織されたのであった

ここで、9人の優秀な超人達の名前を明記しておこう
ナンバーワン「王」 ナンバーツー「仁」 ナンバースリー「惨」
ナンバーフォー「死」 ナンバーファイブ「吾」 ナンバーシkックス「岩」
ナンバーセブン「亡」 ナンバーエイト「蜂」 ナンバーナイン(苦)
 
一見、この計画は上手くいっているように見えた
だがある日、ナンバーファイブ「吾」が一人の女を連れて逃亡してしまう
いったい何があったのか?

刺客として送り込まれる「国際平和隊」の仲間達を次々と殺し
ナンバーファイブ「吾」は、女と共に旅に出る

難解も度を越すと、脳みそがアメーバーとなり耳から溶け出してくる(笑)
つまり「人間にとって一番大事な事ってな~に?」がテーマなもんで
大層、難解な話となっている。漫画なのに…(ハハハハハハ)

読後、人それぞれに色んなことを考える漫画だと思うが…
多分、答えは何億通りとあるだろう。考えたって埒があかない(笑)

人は本能のままに生きると、いつも戦っていなければならないんだろうか?

一人の人間が理想郷を思い描き、それに近づこうとしても反発が起こる
人それぞれの心の中にのみ、理想郷というのは存在できるものなのかもしれん

愛する女を守りたいっと思う本能は、男の戦いの心を刺激する
刺激された本能を焼却するには、女が必要なのも不思議だ

ってな意味不明な考えが頭をめぐる。
まいったな…すっかりナンバーファイブ「吾」の虜になってしまったかもしれん
そんな…漫画です(笑)
オススメは一気読み。これ以外、この漫画と向き合うすべは有り得ない。

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万祝 望月峯太郎作

2009-01-20 | 漫画紹介

またまた面白い漫画に出会えた(笑)
痛快!爽快!愉快! んで…ちょっとエッチ(笑)最高である(ガハハハハハ)
ブログ仲間の「くまちゃん」からお借りした。ありがとう~

タイトルの「万祝」とは「まいわい」っと読む
大漁の時のお祝いとして、船主から漁師達に揃いの着物が贈られる
その粋な着物のことを「万祝」という

それをイナセに羽織って、神社・仏閣などに全員で参拝しに行ったりする
見たことはないが、そりゃ~壮観であろう
木綿を藍に染め、裾から腰にかけ大漁の様子や、
目出度い図柄を流れるように配置し、背に船主の紋や旗印を染めぬいた
粋で目をひく派手な図柄の着物である
自分の亭主がそんな着物を着て町を練り歩く姿をみたら
女房殿も惚れなおすに違いない(笑)

注)多少ネタバレあり

日本のとある漁港に…
サラリーマンの父と二人で、高校一年生のフナコは住んでいた。

病気の母が、心根が優しすぎる子供だったフナコを心配し
「強く、強くなってね」っと…言い遺した言葉を、文字通りに受け取ったフナコは
気が付くと…母が望んだ「心の強さ」とは、チョイと違う「体の強さ」を身につけ
格闘技で並ぶところ敵なしの強さを身につけてしまっていた
(漫画みたい~って思うほど、強い。ハハハハハハ)

普通の女子高生は、鬱屈としている(笑)
ナゼって…湧き上がるエネルギーと、そのエネルギーを放出する活路との
バランスが取れないからである
「何か」したいのだけれど、「何を」してよいのかが解らない
女として生まれたゆえの制約は、男が思うよりも沢山あるのだ
フナコは、そんな気持ちを人一倍感じていた

そんな時、フナコの前にミョーにカッコをつけた「カトー」が現れる
怪しいカトーの行動に不信感をもったフナコは、カトーの後をつける。
カトーが立ち寄った海の資料館で、フナコは亡き祖父の「万祝」を見つける
フナコの祖父は、「伝説の漁師」っと言われた海の男であった
子供のころに見た「万祝」を着た祖父の背中は、眩しいほどにカッコが良かった

既に亡くなっている祖父とカトーの関係を探るうちに
祖父がカリブ海で見つけた「宝島」の話にブチあたる
その島は、カリブの海賊達が奪った宝を隠す島らしい
生前祖父は偶然にも一人でその島にたどり着き、
そして無事に戻って来た唯一の人間だったのだ(さすが伝説の漁師!)

しかし…宝島の手がかりは何一つとして、残されてはいなかった
伝説の漁師は、宝のありかを頭の中にしまったまま死んで逝ったのだろうか

ところが…フナコ16歳の誕生日に、亡くなった祖父から手紙が届く
手紙に書かれていた暗号を解き、海中深くの洞窟で見つけたものは
一本の大銛(もり)と、一枚の宝島への地図と…
そしてフナコへの、祖父の思いが詰まった手紙であった
「平凡な人生を生きるな!」「大海原へ出ろ!」
亡き祖父は、フナコに、宝探しの冒険の旅へ出航して欲しかったらしい…(笑)

祖父の意思を知って呆然とするフナコ
そこへ宝の地図を狙っていたカリブの海賊達が襲ってきて、
大事な地図を奪われてしまう
「おじいちゃんの思いが消えてなくなる!」一刻の猶予もなくなったフナコ達は
夏休みを利用し「宝探しの冒険の旅」へと出かける決意をするのである~

ってな、ハチャメチャな宝探しの話である
こんなことは絶対にありえんし、
出来ない話であるので、リアリティには大いに欠ける(笑)
しかも…夏休みを利用して宝探しに出かけるなんて…なんて小学生っぽく
そして乙女チックなんだろう(アハハハハハ)

多分、一巻目~フナコが船出するまでの話は、ノリが悪いので飽きるかもしれん
そりゃ~伝説の漁師と、伝説の海賊達の話であるので
陸での話はもたつく感があるのは仕方が無い(笑)

でも、フナコが出航してから先、祖父の残した一本の大銛(もり)を使い
様々な困難を乗り切って行く姿には、感動すら覚える(笑)
こういう所は、漫画ワンピースに近い

それに、なんといってもフナコちゃんの心が爽やか。
百戦錬磨の海賊達も、眩しくってフナコちゃんをマトモに見られない
もちろん、時々っというか…ほぼ毎回見られるフナコちゃんのパンティーも
真っ白で眩しいがの~(アハハハハハハ)

女の子は、好むと好まざるに関わらず「子宮」を持って生まれて来ておるで
子供の頃から冒険心を封じられて育つ(意味解る?)
もし、フナコのように封じられた冒険心を解き放つキッカケがあったなら
私しゃ、迷わず行くね(笑)
冒険は男だけのモノじゃ~ない(ハハハハハハ)

10巻で終わりなのだが、嵐の後の結末みたいな薄めの11巻が付いている
作者の意図か、もう少し色々と知りたいな~ってところで終わっておる
あの…ボインでカッコイイ海女の姉さんの、その後が知りたかった~(笑)

若かりし頃は、暇はあったが金がなかった(笑)
今は、金はソコソコあるが暇がない(ハハハハ)
この先、暇と金の両方を手に入れられるとは、考えにくいので
残念だが「冒険」とは無縁な人生を送りそうだ

「冒険」とは無縁だが、まだ「冒険心」は心の片隅にあるので
チョビッとだけど、この漫画で元気をもらえたような気がする
楽しかったヨ!フナコちゃん!(笑)

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「海街diary 2 真昼の月」吉田秋生

2009-01-14 | 漫画紹介

「真昼の月」作:吉田秋生

前作「蝉時雨がやむ頃」に続き2作目である
(蝉時雨がやむ頃の記事はコチラからどうぞ~)

15年前に父親が女を作って出て行き
その2年後に母親も男を作って出て行き
残された「幸」「佳乃」「千佳」の3姉妹は、鎌倉に住んでいる
ひょんなことから父が亡くなった知らせを受け
ついフラフラと葬式へ出席してしまった先で、異母妹の「すず」と出会う
で、なぜか「すず」を引き取ることになり「4姉妹」となる(笑)
と、ここまでが前作のお話。

ん~~。私が語るとミョ~に簡単な話になってしまうが…(ハハハハ)

さぞ重かろうっと思われる話の内容も、
この漫画の主人公達がドンと受け入れているので、そんなに重くはない。
表紙絵の雰囲気のように、フンワリとした色彩の中を…
時々、特急電車が走り抜けていくだけで、
ちょっと耐えれば、また何時もの静かな日常が戻ってくる
生活があるのだから、何時もの日常に戻らなければ埒が明かない(笑)
そんなところが、実にリアルに描かれている

今回は表題作を入れて4編
「花底蛇」(カテイノジャ)
花底蛇とは…美しいモノの底には、恐ろしいモノが潜んでいるだよ~ってな
中国の故事にちなんだ話である
次女の「佳乃」さんは、地元信用金庫のOLさんをやっておりますが…
酒豪オヤジOLの「佳乃」さんが付き合っていた、大学生の彼「藤井君」が
なんと、ホントは高校生じゃった~ってな
オッタマゲルような事実を知ってしまった4女「すず」(笑)
OLのお姉さんが、10代の高校生男子と付き合っちゃ~ダメってな法律はないが
新参者の妹「すず」としては、放ってもおけないのである。

さて、心の底にヘビを隠し持っているモノの正体は…誰でしょう?
酒豪OL「佳乃」さんなのか? それとも中学生の4女「すず」ちゃんか?
ま・まさか…男性だけど美形な「藤井君」?(笑)
中国故事の「花底蛇」が、後からジンワリと効いてくる良い作品です

「二人静」
このタイトルは、源義経の愛人「静御前」からモジっていると思われる(笑)
頼朝に捕らえられ、白拍子として舞を踊らされたとき
敵将の面前で義経を恋慕う歌を堂々と歌ったという逸話から
美人で聡明で男子の中に混じっても
堂々とした強さを持った女性っという、イメージがある。

静御前と同じく鎌倉在住の4女「すず」ちゃんは
地元の少年サッカーチームに入るほどの、実力あるサッカー少女
最近、男子部員との体力差に悩み始める
この少年サッカーチームには、「すず」ちゃんの他にもう一人女子が居る

同じサッカーチームに所属している少年をめぐる、女の争い!
って程でもないか~(笑)
あんまり爽やか過ぎて、拍子抜けするほどだが…中学生ならこんなもんか?

源義経だって静御前だって、出会って恋に落ちたのは十代
多分、今でいう中学生くらいの年頃だと思う
平均寿命が短かったこの時代、急いで恋をし、急いで出産しなければ
間に合わなかったからか?今に比べれば大人だの~

そういう私も、中学の頃はまだ恋も知らんかった(笑)
親友と呼んでおった女友達に、突然彼氏が出来て
結局、私はお邪魔虫かい?っと寂しくイジケた子供である(ハハハハ)

恋や愛より、友達との友情の方が私にとっては大切だった
何も気にせず男子や女子が入り混じって、ワイワイ遊べた楽しい一時が
恋や愛を知った途端に、壊れて消えてしまうようで怖かった

そんな気持ちを30数年ぶりに思い出してしもうたわい
(フォフォフォフォ)←笑が何故かバルタン星人っぽい(笑)
ま、そんな郷愁にかられるほど、エエ~作品であった

他に「桜の花の満開の下」、
そして今巻タイトルにもなってる「真昼の月」の4編。

吉田秋生さんは、私よりも3歳年上なのだが
よく、中学生の心情なんぞ描けるの~
確かに少し大人びた中学生ではあるが、それにしても凄い(笑)
次回も楽しみである

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海獣の子 五十嵐大介

2008-11-21 | 漫画紹介

いつも遊んでもらっておる「くまちゃん」からお借りした
(くまちゃんの漫画や本がテンコ盛りのブログはコチラからどうぞ~)
(以前に私が読んだ五十嵐大介氏の「魔女」のレビューはコチラから~)

「魔女」で思いっきり頬をぶたれたもんで、この「海獣の子」も期待一杯で読んだ
読んでみて…私の期待を裏切らない、いや、それ以上の作品の出来に脱帽である

1920年代頃だったと思うが、インドで二人の人間の少女が
オオカミに育てられた話を聞いたことはないだろうか?

今回紹介のこの「海獣の子」は…なんと!
ジュゴンに育てられた二人の少年の話なのである
二人の少年の名前は「海」と「空」
漁師に捕らえられ見つかった時は、言葉も話せない3歳くらいの子供であった
ある特殊財団に拾われ育てられた二人は、人間の世界に触れるにつけ
自分達が「何者なのだろう?」っという疑問にぶち当たる

強い太陽の光にあたると弱る肌。
長時間冷たい海に潜っていても平気な体。
人には聞こえない、人には感知できない信号を受け取る感覚。
そこで二人は「自分達が何者か?」を探るために財団に体を調べてもらう

どんな能力を持っているか調べることが出来ても
結局は彼らが人間であり、人間以外の何者でもないことしか解らない

そんな時、世界各地で魚が光を帯びて消えてしまう事件が多発し始める
「海」と「空」は、海洋を中心に、今なにかが起ころうとしいて
それが自分達にも深く影響を与えることを感じていた

二人は財団子飼いの海洋生物学者ジム・キューザックと一緒に
日本の神奈川県は湘南にある水族館へ来る
そこで父親が水族館に勤務している少女「琉花」と出会う

父親と母親が離婚し、母親と一緒に暮らしている「琉花」は
10代特有の心の葛藤を抑えきれずに、学校でも部活でも孤立していた。
その孤立感が、人間であっても人間から孤立している二人の少年と共通したのか
三人はそれと気付かないうちに、真理の中心へと吸い込まれていく

1巻から3巻まで出ているが…まだ途中である

青木雄二作の「ナニワ金融道」と同じように、ほぼ全てが手書きの漫画である
スクリーントーンなんぞ…ほぼ使っておらん(笑)

海の上を走る稲妻。遠い空から沸き起こる台風の雲。
月の光を浴びて光る波間。海中を魚と一緒に飛ぶように泳ぐ子供。
どのシーンを抜き取っても、心を揺さぶらない絵がない
作者渾身の一撃を投じた絵の数々に眩暈すら覚える

「ナニワ金融道」の青木氏も全てを手書きで書ききって
腱鞘炎になってしまった。五十嵐氏は大丈夫であろうか? 少し心配になる(笑)

また、ストーリーも凄い。
海の中の空。空の中の海。地球によって生まれた海。海によって生まれた地球。
陸に住む動物と海に住む魚。
ああ~全ては独立しているようで繋がっているんだな~
自然も生きていて、地球も生きていて、我等人間と同じように生命を持っている
そして生命は繋がって絡み合って…皆、同じなんだ!
そんな思いが読み手を包む

やがて全てが繋がったときに、物語は終わりを迎えられるのだろうか
そんな風に心配してしまうほど、壮大さを肌で感じてしまう(笑)

いや~残念なことに…まだ終わっていない作品だから
今後の展開いかんではダメになってしまう可能性もまだある。

だから手放しではオススメ出来ないのが残念ではあるが…
ほいでも1~3巻まででも読む価値はあると私は思った

「魔女」を読んだ時も思ったが
こんなに入魂して絵を描いて…五十嵐さん体を壊さないじゃろうか?
いや~面白い漫画じゃった~

くまちゃん。快く貸してくれて「ありがとう~~」

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魔女 作:五十嵐大介

2008-09-19 | 漫画紹介

第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した作品です

世界中で「魔女」っと言えば…
その仕事の大半は「生」と「死」の狭間の仕事を司る場合が多い
「医者」という明確な立場を持った人が少なかったり、いなかったりした時代
「出産」といえば村はずれの「魔女」を呼び
「病気」となればやはり「魔女」を呼んだ
「死んだ人」に会いたい時も「魔女」を頼り
「飢饉天災」があれば「魔女」のせいにもした
人々が穏やかに暮らすために都合よく利用されていた者たちだとも言える

だから我々が「魔女」っと聞くと…
「頼りになる」ような気持ちと「不安になる」ような気持ちと
両方の感情がない交ぜとなる

今回この「魔女」っと言う漫画も「雨降り人色バス」のあこちゃんにお借りしたのだが
私はこの作者「五十嵐大介氏」を申し訳ないが知らなかった
知らなかったので他の作品も見たことはない
漫画の表紙絵を見てもらえれば解ると思うが
一本一本の線は細く、ともすれば頼りなさげに描かれているのだが、
線が寄り集まり、絡みあうと…なんとも言えない力強さを感じる
とかく線を乱用するとウルサクなり邪魔になるのだが
そこを旨く利用し「魔女」という不確かな立場の者を見事に描いている

と…漫画を描けないド素人の私でも、そう感じてしまうほどに絵が旨い(笑)
やはり人によって好き嫌いがある絵柄かと思うが…面白いものは面白い

全編、色んな国、色んな時代の「今」を切り取ったオムニバス構成となっている
先にも述べたが「魔女」に対してもその国々で捉え方が違うので
様々な「魔女」が描かれている

第一章 「SPINDLE」では西洋の魔女と遊牧民の魔女が対決する
そこで遊牧民魔女が放った一言がある

言葉で考えるあなたは
言葉を超えることは考えられない
あなたより大きなものを
あなたは
受け入れることができない


また二巻 「PETRA GENITALIX」では宇宙空間で事故をおこし
災いの石を持ち帰ってしまった人類を、身を捨てて守ろうとする魔女が
口先だけで何も動こうとしない教皇たちに言い放つ言葉がある

自分の身を危険に晒さない者は口を慎みなさい

あなた方の立場からみれば、わたしは2つの世界をつなぐ者
言葉のある世界と、ない世界の。

あなた達の世界は「有限」
わたし達の世界は「無限」
あなた達の言葉は、ありとあらゆる可能性を特定の性質に切り分けるナイフ
自分達の都合のいいように世界を刻む道具

わたし達は世界をあるがままに見る
わたし達は言葉を知りながら
それを棄てることができる者


この二つの言葉が心に残る

私たちは言葉に頼り過ぎているのかもしれない
ネットが進化しメールで会話することが多くなり
人と対峙して話すのを嫌うようになってしまった

相手の目の動き、顔の表情、話す態度、それらから読み取れる
言葉よりも大きな情報を読み取れなくなってきている

かといって文章を多く発信していても、文章の構成組立は苦手である
絵文字・顔文字などを多用し
自分の感情を、相手の受け取り方に任せる方法を好んでしまう

何もせずテレビの前で菓子を食いながら文句ばかりを言い募る
自分達で選んだ政治家たちの無能さをあざ笑い
メディアに乗った言葉尻が気に食わないと、つるし上げ謝罪させる

言葉に頼り、言葉を使うが上手く使えないので苛立つ。
言葉意外のモノで感じることができなくなったために苛立つ。
今、何故か誰もが苛立ち怒っている
異様なほどに人のせいにし怒っている
だけど…誰も動こうとしない。総理大臣ですら動くのを辞めてしまった

ありのままを受け入れる懐の深さと
自分自らが動き改革していく力があれば…そんなに怒りも湧いてこないだろう
しかし…いかんせん、我等人間は弱く非力で情けない
そんな自分自身に一番怒っているのかもしれない

心を自由に飛ばし、自然と共存できる魔女たちが羨ましく思えた
何にも縛られない自由は…きっと私が想像している以上に怖い世界なんだろうな

ある魔女は自然に耳を傾けているからこそ
今、自分がすべきことがわかるっと言っていた
だから…それに従うだけだと

一陣の風が読み手の心を突き抜けるような、そんな漫画でした~(笑)

作者の「五十嵐大介氏」は携帯を持っていないらしい
五十嵐氏の「周辺編集者さん」がブログを発信しておられる(笑)
「五十嵐大介周辺日記」で検索をかけると出てくると思うので
覗いてみてはいかがだろうか
(コメント等、交流がないので…リンクは遠慮しています)

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マンホール 作:筒井哲也

2008-09-18 | 漫画紹介

夕暮れの商店街で全裸の男が怪死を遂げた
その体から検出されたナゾの寄生虫。

規格外の感染力で人々を恐怖に陥れる寄生虫は…誰の仕業か?目的は?

怪事件を追う中年男の刑事と若い女性刑事
少しズレた二人の刑事がナゾに迫る

マンホールの中にあるものは…果たして何なのか?

いや~~怖い漫画でやんした(笑)
怖いんですけどね、途中でやめられませんのです(ハハハハハ)
何がなんやら解るまでは、怖くっても読まなけりゃ落ち着きません


人によって心に傷を負う瞬間には差があると思う
メガトン級の暴言に耐えられる人も居れば
テッシュが顔に触れた程度でも「傷ついた」っと感じる人も居る
その人の心の強さに比例するモノなので、なんとも言えない

よく、人を傷つける暴言を吐く人が居るが
犬と同じで「弱い犬ほど、よく吼える」現象だと思う
「バカ」「アホ」「死ね」など、怒りでボキャブラリーが欠如した時に
自己防衛のために発する言葉だと思う
大人になりきれていない脳の持ち主が、よく使う言葉である
単に先に言った方が勝ちのような「バリア効果」を期待して言うのであろう
情けない行為だが、脳が大人に成長しきるには20歳くらいまでかかるので
よく考えてモノが言えるようになるには時間がかかる

時に20歳を超えても脳の成長が達成しきれなかった輩も居るがの

しかし、心にとっては「よく吼えた方が楽なのである」
変に我慢し無口になると違うところに病気が出たりする
不思議なるかな人間の体であろう

っと、ここまでは脳の成熟度が足りない場合。

では、脳が十二分に成熟した熟年男性が傷ついたらどうであろうか
面子も体裁もあるので女・子供のようには吼えることが出来ない
特に自分が守るべき対象が傷つけられ、その犯人がのうのうっと生きていたら?
相手は20歳過ぎても脳が成熟していない病原体である
どこへ怒りを持って行けば良いのかが解らなくなる

考えに考えた末に、彼が出した結論は…最低最悪な行為であった
そんな漫画である

どちらかといえば…犯人も正義の味方も「目には目を」「やられたからやる」の
原理に基づいて行動しているので後味が悪い
が…読み始めたら一気に読んでしまえる(笑)

実際の世の中も「目には目を」「やられたからやる」が
定着しつつあるからだろうか…
フィクションだからといって、笑っていられない恐怖がある

今回、この漫画は「雨降り人色バス」のあこちゃんからお借りしました~
面白かったです。ありがとう

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