バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

ポワント・レッスン ジュテ・ルルヴェ、トンベ、ルルヴェ

2012-07-09 09:50:17 | 日記
前回練習したパ・ドゥ・ブーレからプレパラシオンそしてルティレ・ルルヴェまでの一連の動き、スムーズにポワントに立ち上がれるようになりましたか?この動きをきちんと習得出来れば、ピルエット・アン・ドゥオールに無理なく発展させることが出来ますよ。
今回はトンベをして重心の移動をしながらルルヴェをする練習をしましょう。
重心を移動しないでドゥミ・プリエからルルヴェをするよりも、トンベをしてドゥミ・プリエに重心を移した瞬間に足には大きな負荷がかかります。そこからポワントに立ち上がるわけですから、足首が強くなければなりません。
ゆっくりのテンポでもいいのですから、丁寧に練習しましょう。
でははじめましょう。
両手バーで右脚前5番ポジシオン。
プレパラシオン→8 5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ⇒1 右脚ア・ラ・スゴンドにジュテ、左脚ルルヴェ→2 右にトンベ→右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→3 右脚ルルヴェ、左脚パッセ・ルティレ→4 左脚前5番ドゥミ・プリエ→5 左脚ア・ラ・スゴンドにジュテ、右脚ルルヴェ→6 左にトンベ、左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→7 左脚ルルヴェ、右脚パッセ・ルティレ→8 右脚前5番ドゥミ・プリエ⇒1 右脚ア・ラ・スゴンドにジュテ、左脚ルルヴェ→2 右にトンベ→右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→3 右脚ルルヴェ、左脚パッセ・ルティレ→4 左脚前5番ドゥミ・プリエ→5 左脚ア・ラ・スゴンドにジュテ、右脚ルルヴェ→6 左にトンベ、左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→7 左脚ルルヴェ、右脚パッセ・ルティレ→8 右脚前5番ドゥミ・プリエ⇒
いかがですか?
はじめはどこに重心があるのかを確かめながら一つ一つポゼするつもりでゆっくり練習するといいですね。
大事なポイントをチェックしてみましょう。
ア・ラ・スゴンドにジュテをしながらルルヴェをするとき、ジュテする脚の勢いに引っ張られて重心が軸脚のポワントの真上からハズレてしまわないように気を付けましょう。逆に、軸脚側の腰が落ちてしまってもいけませんね。
トンベをするときにはア・ラ・スゴンドにジュテした脚を引き戻してはいけません。ジュテした脚をさらに遠くに押し出すように重心を移します。そして、いつも言うことですが、トンベをしてドゥミ・プリエに着地するときくれぐれも落下しないように気を付けて下さいね。
ク・ドゥ・ピエ・デリエールに引きつける脚も素早く、ドゥミ・プリエとク・ドゥ・ピエ・デリエールが同時に完了するようにしましょう。
次のルティレ・ルルヴェでは、これも度々いいましたようにルティレをする動作脚で軸脚をポワントに引き上げる、とイメージしてみて下さい。そしてトルソーが後ろに引っ張られて反らないように気を付けて下さいね。
ルティレした動作脚は軸脚を伝うように下ろしていき、5番ポジシオン・ポワントを通過して5番ポジシオン・ドゥミ・プリエに下ります。ルティレの脚を踏み下ろすような、そして5番ドゥミ・プリエに落下するような動きになっては美しくありませんよ。

ジュテ・ルルヴェやトンベ、ルティレ・ルルヴェがしっかりポワントに立てるようになり、全体が安定してきたらすこしだけアレンジした動きにも挑戦してみて下さい。
両手バーで右脚前5番ポジシオン。
プレパラシオン→8 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン⇒1 右脚フォンデュ・ア・ラ・スゴンド、左脚ルルヴェ→2 右にトンベ→右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→3 右脚ルルヴェ、左脚パッセ・ルティレ→4 左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン、右脚ドゥミ・プリエ→5 左脚フォンデュ・ア・ラ・スゴンド、右脚ルルヴェ→6 左にトンベ、左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→7 左脚ルルヴェ、右脚パッセ・ルティレ→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン、左脚ドゥミ・プリエ⇒1 右脚フォンデュ・ア・ラ・スゴンド、左脚ルルヴェ→2 右にトンベ→右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→3 右脚ルルヴェ、左脚パッセ・ルティレ→4 左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン、右脚ドゥミ・プリエ→5 左脚フォンデュ・ア・ラ・スゴンド、右脚ルルヴェ→6 左にトンベ、左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→7 左脚ルルヴェ、右脚パッセ・ルティレ→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン、左脚ドゥミ・プリエ⇒
いかがですか?
フォンデュをする動作脚のスピードが曖昧になって浮き上がらないように、フラッペをするくらいに強く伸ばしましょう。

ずっとバーでの練習を続けていますが、どんなパでもアンシェヌマンでも軸脚や動作脚の動きの正しいプロセスを理解することが出来れば、バーを離れてセンターでポワント・ワークを行うようになったときに慌てることなく動くことが出来ます。一見時間が掛かるように感じるかもしれませんが、後になって無駄な動きをしないで美しく動けるようになるために必要なことだと考えて下さいね。




ポワント・レッスン パ・ドゥ・ブーレ-プレパラシオン-ルティレ・ルルヴェ

2012-07-05 09:30:22 | 日記
前回練習したジュテ・ルルヴェから2番ドゥミ・プリエ、そしてルティレ-ルルヴェまでの動き、スムーズに動けるようになりましたか?
ドゥミ・プリエからしっかり片脚のルルヴェに立ち上がることはとても大切な動きですから、動きが流れてしまわないように気を付けて下さいね。
今回もプレパラシオンのドゥミ・プリエからルティレ-ルルヴェに立つ練習をしますが、通常のピルエット同様パ・ドゥ・ブーレが先行します。
でははじめましょう。
両手バーで右脚前5番ポジシオン。
プレパラシオン→8 ドゥミ・プリエ⇒1 右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→2 左後ろ5番シュル・レ・ポワント→3 右脚をア・ラ・スゴンドに開いて2番シュル・レ・ポワント→4 左脚を前に引き寄せて4番ドゥミ・プリエ→5 右脚ルティレ、左脚ルルヴェ→6 ポゼ→7 右後ろ5番ドゥミ・プリエ→8 ポゼ→1 左脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→2 右後ろ5番シュル・レ・ポワント→3 左脚をア・ラ・スゴンドに開いて2番シュル・レ・ポワント→4 右脚を前に引き寄せて4番ドゥミ・プリエ→5 左脚ルティレ、右脚ルルヴェ→6 ポゼ→7 左後ろ5番ドゥミ・プリエ→8 ポゼ→…
いかがですか?
パの組み合わせそのものはバレエ・シューズでもう何度も練習しているものですから難しくはないでしょう。
それでは大事なポイントを確認してみましょう。
はじめにドゥミ・プリエから片方の脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに伸ばしますが、5番シュル・レ・ポワントに立ち上がる前にその脚の膝を曲げたり緩めたりしてはいけません。もちろん、ドゥミ・プリエが中途半端に浮き上がって、ア・ラ・スゴンドの脚を引き戻してしまうことがないように気を付けなければなりませんね。
2番ポジシオン・シュル・レ・ポワントに脚を開いたときトルソーが後ろに引かれて反らないように、両ポワントの位置よりもアンダー・バストの方が前、とイメージしてしっかり支えて下さいね。
次に4番ポジシオン・ドゥミ・プリエに下りるときは、前側の脚が床に付くより先に後ろ側の脚がア・テールに落下しないように気を付けて下さいね。重心を前側の脚の上に置くようにイメージするといいでしょう。
次のルティレ-ルルヴェは軸脚の足首と膝、ルティレする脚の内腿を同時に一気に引き上げます。ルティレする脚の膝下が後ろに撥ねないように気を付けて下さいね。
ルティレ-ルルヴェをしたらきちんと真っ直ぐに立てているか確かめるために、バーに置いたアームスをアン・ナヴァンにしてみましょう。停まろうとして身体を固くしてはいけません。床についているポワントの先から頭の天辺を抜けて真っ直ぐな縦軸が通っていることをイメージしてみましょう。

バレエ・シューズでドゥミ・ポワントのときには難なく出来ていたことが、トゥ・シューズを履いてポワントでということになると思うように立ち上がれなかったり、膝や足首が緩んでしまうこともあるかもしれません。ドゥミ・ポワントとポワント。足指の付け根から先のわずか5~6センチの長さが高さの差です。その小さな差は、実はとても大きな距離なのだと考えられますね。その距離を克服するための安易な近道はおそらくありません。丁寧に練習を繰り返すこと、それだけです。取りあえず上辺を誤魔化すような動きで満足していてはいけません。はじめは見過ごしに出来た曖昧さがやがて残念なひずみを生むことになってしまいますよ。

ポワント・レッスン  ジュテ・ルルヴェ-ルティレ・ルルヴェ

2012-07-02 09:43:42 | 日記
前回練習した交互にルルヴェをして前に進んだり後ろに下がったりする動き、きちんとルルヴェをしてポワントに立つことが出来るようになりましたか?
中途半端に膝や足首が緩んでいたり、ク・ドゥ・ピエする足が“バナナ足になったりしないように気を付けて下さいね。
今回は少し難しいかもしれませんが、ジュテをしながらのルルヴェと、ドゥミ・プリエからのルティレ・ルルヴェを練習します。
いずれはポワントでピルエットをするようになるのですから、まずはそのためにきちんと立つことを練習しましょう。
でははじめましょう。
両手バーで右脚前5番ポジシオン。
プレパラシオン→8 ドゥミ・プリエ→1 右脚ジュテ・ア・ラ・スゴンド、左脚ルルヴェ→2 2番ドゥミ・プリエ→3 右脚ルティレ、左脚ルルヴェ→4 右脚前5番ドゥミ・プリエ→5 右脚ジュテ・ア・ラ・スゴンド、左脚ルルヴェ→6 2番ドゥミ・プリエ→7 右脚ルティレ、左脚ルルヴェ→8 右後ろ5番ドゥミ・プリエ⇒1 左脚ジュテ・ア・ラ・スゴンド、右脚ルルヴェ→2 2番ドゥミ・プリエ→3 左脚ルティレ、右脚ルルヴェ→4 左脚前5番ドゥミ・プリエ→5 左脚ジュテ・ア・ラ・スゴンド、右脚ルルヴェ→6 2番ドゥミ・プリエ→7 左脚ルティレ、右脚ルルヴェ→8 左脚後ろ5番ドゥミ・プリエ⇒…
いかがですか?
シンプルな動きですが、きちんとバランスをコントロールすることが大切です。
大事なポイントを確認してみましょう。
はじめのジュテ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェをするときに、ジュテをする脚の勢いに負けて重心がズレてしまわないように気を付けて下さいね。ポワントから頭の天辺まで一本の縦線が真っ直ぐに通っていることをイメージして、その中心線からトルソーがズレないように立ちましょう。
2番ポジシオンは少し狭くしても構いません。ただし、落っこちるようなプリエをしてはいけませんよ。また状態が後ろに反り気味になったり、前かがみになったりしないように気を付けて下さいね。
両足で床をしっかり押し返すようにルティレ-ルルヴェをしましょう。軸脚となる脚のほうにトルソーを押し戻しすぎてはいけませんね。バーにしがみ付いたり引っ張ったりしてなんとか立っていられるという状態で誤魔化してはいけません。試しにちょっとバーから手を離してみましょう。
ルティレした脚がまだ床に届かないうちにルルヴェした軸脚がア・テールに落っこちてはいけませんね。両足で同時に5番ドゥミ・プリエをしましょう。
それでは少しアレンジしてみましょうか
両手バーで右脚前5番ポジシオン。
プレパラシオン→8 ドゥミ・プリエ→1 右脚ジュテ・ア・ラ・スゴンド、左脚ルルヴェ→2 右脚後ろ4番ドゥミ・プリエ→3 右脚ルティレ、左脚ルルヴェ→4 右脚前5番ドゥミ・プリエ→5 右脚ジュテ・ア・ラ・スゴンド、左脚ルルヴェ→6 右脚後ろ4番ドゥミ・プリエ→7 右脚ルティレ、左脚ルルヴェ→8 右後ろ5番ドゥミ・プリエ⇒1 左脚ジュテ・ア・ラ・スゴンド、右脚ルルヴェ→2 左後ろ4番ドゥミ・プリエ→3 左脚ルティレ、右脚ルルヴェ→4 左脚前5番ドゥミ・プリエ→5 左脚ジュテ・ア・ラ・スゴンド、右脚ルルヴェ→6 左脚後4番ドゥミ・プリエ→7 左脚ルティレ、右脚ルルヴェ→8 左脚後ろ5番ドゥミ・プリエ⇒…
いかがですか?
これはもうすでにピルエット・アン・ドゥオールのプレパラシオンです。
ジュテ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェをしたら、動作脚はドゥミ・ロン・ドゥをしないで直線的に後ろに下げて4番ポジシオン・ドゥミ・プリエをします。
ジュテ・ア・ラ・スゴンドをしてから後ろに下げる脚の爪先が床に着く前に軸脚がア・テールに落下してはいけませんね。また、後ろに下げた動作脚の上に重心が落っこちたプリエをしないように気を付けて下さいね。
4番ドゥミ・プリエの後ろ側の脚をルティレに引き上げますが、このとき、動作脚をルティレに引き上げることで重心を軸脚の上に押し上げる、とイメージしてみて下さいね。ルティレに引き上げる脚の動きが遅くなると、その分重心が後ろに引かれがちになりますからね、注意しましょう。

ピルエットは誰しも憧れるものでしょう。でもバレエである限り、ただ回ればいいというものではありません。正しいポジシオンできちんとコントロール出来ていなければ意味がありません。膝や足首が緩んで重心がズレたままガラガラと回ったからといって、それをピルエットとよべるでしょうか?焦ってはいけません。まずきちんとプレパラシオンが出来ること、そのプレパラシオンからきちんとルルヴェに引き上げて立つこと、その二つを大事にして下さい。そうすれば遠からずきちんとピルエットを回れるようになりますよ。