バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.2 ストゥーニュ

2009-12-06 10:37:45 | 日記
ストゥーニュ、回転する動きです。
センターで練習する前に、バー・レッスンでトルソーと回転軸を確認して正確で美しいストゥーニュが出来るように練習してみましょう。
ストゥーニュにもアン・ドゥオールアン・ドゥダーンがありますよ。
まずはアン・ドゥダーンから。
左手をバーに置いて左脚が軸脚の右足前5番ポジシオン、プレパラシオンはいつもと同じ右腕のポール・ドゥ・ブラをして、ア・ラ・スゴンドで留めます。
1.左軸脚でドゥミ・プリエをしながら、右脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに伸ばします。
2.ア・ラ・スゴンドに伸ばした右脚を左脚の前に引き付けながら、同時に左脚はドゥミ・ポワントに立ち上がり、右脚前5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントに立ちます。
3.ア・ラ・スゴンドに留めた右腕をアン・ナヴァンに引き付けながら左の方(=バーの方)に半分回転して、左脚前の5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントで止まり、それから5番ポジシオン・ドゥミ・プリエに降ります。
同じように右脚でドゥミ・プリエ、同時に左脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに伸ばしてから左脚前5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントに立ち上がり、バーの方向に半回転して、元の右足前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエに降ります。
これがストゥーニュ・アン・ドゥダーンの半回転で基本の動き方です。
半回転ですが、回転するときに“足踏み”するように両足を動かしてはいけません。両足とも床に突き刺すように、床から離れたり浮いたりしないように気を付けて下さいね。
たとえば右脚前5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントでストゥーニュをする場合、左脚だけに重心を置いてしまうと、左脚軸の回転になってしまって、浮いた右脚が回転につられて前にまわり、半回転が終わったときに右脚前になってしまう、という誤った動きになってしまうことがあります 重心は両脚に均等に載せるように気を付けましょうね。
はじめの5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントに立ったときにはア・ラ・スゴンドに保っていた腕を、アン・ナヴァンに引き寄せることを忘れないで下さい。この腕の動きが回転を助けます。腕をアン・ナヴァンに引き付けることで回転の動きが起こるとイメージするといいでしょう
では、ストゥーニュ・アン・ドゥオールの練習をしましょう。
右脚前5番ポジシオン、右腕はア・ラ・スゴンド。
1.左脚でドゥミ・プリエをしながら、右脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに伸ばします。
2.右脚を左脚の後ろに引き付けながら左脚はドゥミ・ポワントに立ち上がり、右後ろ5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントに立ちます。
3.バーに置いた左手をアン・ナヴァンに引き上げながら、右方向(=バーに背を向ける方)に半分回転します。
4.左脚後ろの5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントで止まり、ドゥミ・プリエに降ります。
同じように、左脚をポワン・タンジュに伸ばしてから左後ろの5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントに立ち上がり、左方向(=バーに背を向ける方)に半分回転して、右後ろ5番ポジシオン・ドゥミ・ポワント、そしてドゥミ・プリエに降ります。
アン・ドゥオールアン・ドゥダーンよりも難しいのは、ア・ラ・スゴンドに伸ばした脚を後ろに引き付けて5番ドゥミ・ポワントに立ったとき、重心が後ろに引き付けた脚の上にズレてしまいやすいから、です 重心はあくまでも両足の上に均等に、です。
バーに置いた腕をアン・ナヴァンに引き上げることを忘れたり、タイミングが遅れたりすると、動き遅れた腕に重心が引っ張られてバランスを崩してしまうことがありますから、腕の動きにも気配りをしましょうね。
半分の回転がわったとき、後ろ側の足の上に重心がズレないように気を付けましょう。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、きちんとアン・ドゥダーン、アン・ドゥオールの半回転のストゥニューが出来るようになったら、右脚のポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドからストゥーニュ・アン・ドゥダーン、次は左脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドからストゥーニュ・アン・ドゥオール、それから今度は右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドからストゥーニュ・アン・ドゥオール、最後に左脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドからストゥーニュ・アン・ドゥダーンという具合に、アン・ドゥオールとアン・ドゥダーンを交互に続けて繰り返す練習もします。これは回転軸や重心を真っ直ぐに支えたり、方向の感覚を養うのに役に立つんですよ

バー・レッスン vol.2 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール

2009-12-03 11:18:33 | 日記
ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール、初めの頃のレッスンでは
1.ア・ラ・スゴンドに動作脚を伸ばしたところから
2.5番ポジシオンから動作脚をルティレに引き上げてからア・ラ・スゴンドに伸ばして、そこから
アン・ドゥオールまたはアン・ドゥダーンのロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールをして、1回ずつ5番ポジシオンに収めるという練習を主にしましたね。
今度は少しレベルを上げて、1回ずつ5番ポジシオンに収めるのではなく続けてロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールをする練習に挑戦してみましょう。
左手をバーに置いて左脚を軸脚として右足前5番ポジシオン。プレパラシオンはいつもと同じ右腕のポール・ドゥ・ブラでア・ラ・スゴンドに留めます。
ルティレ→3 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド→5 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール・アン・ドゥオール→6 ア・ラ・スゴンド→7 ロン・ドゥ・ジャンブアン・レール・アン・ドゥオール→8 ア・ラ・スゴンド→1 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール・アン・ドゥオール→2 ア・ラ・スゴンド→3 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール・アン・ドゥ・オール→4 ア・ラ・スゴンド→5 ポアン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→7 右後ろ5番ポジシオン→
同じカウントでアン・ドゥダーンで続けますよ。
実際にロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールを、アン・ドゥオールでもアン・ドゥダーンでもそれぞれ4回ずつ続けるわけですが、ちょっとツラくなるでしょう
ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールのあとのア・ラ・スゴンドの高さは、4回とも同じ高さを守るようにしましょう。繰り返すにしたがってア・ラ・スゴンドの高さが下がってはいけません。
ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールのあとア・ラ・スゴンドに脚を伸ばすときには、足首が緩まないように気を付けて丁寧に膝をのばしましょう。決して蹴り出すように力を抜いてはいけませんね
お腹の中心に向かって内腿を引き上げるように支えて、股関節のターン・アウトを守りましょう。アン・ドゥオールのときは爪先を膝に引き寄せる時に、アン・ドゥダーンのときはア・ラ・スゴンドに向かって伸ばすときに、膝が前の方に倒れやすくなりますから気を付けましょうね
3回4回と続けているうちに、そして2セット、4セットと繰り返しているうちにだんだんツラくなってきて、重心がズレてきていませんか?トルソーがバーの方に傾いて骨盤が動作脚の方に引っ張られないように、軸脚の上に真っ直ぐ にトルソーを引き上げておくことを忘れないでね。
ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールを4回繰り返して最後のア・ラ・スゴンドからポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに脚を降ろすときは、そっと丁寧に降ろしましょう。脱力したように“ボタっっと“おっことしては”いけません。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、ジュニアたちがまだ幼かった頃、バレリーナの爪先は美しいガラス の爪先 乱暴に落っことしたら壊れてしまいますよ、とイメージを伝えていました

これからさらに上達するにつれて、ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールドゥーブル(2旋回)での練習やジャンプを伴った動きなどに発展していきます。そのためにも先ず大切なことは、動作脚の動きや勢いにつられて軸脚の支えが曖昧にならないように気を付けること、トルソーに無理な力をいれず重心を真っ直ぐにコントロールすること、です。
ジャンプを伴う動き“ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール・ソテ”は、バレエ『ジゼル』act2〈ジゼルのヴァリアシオン〉や〈ミルタのヴァリアシオン〉に取り入れられていますね。