バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

アラベスクのいろいろ

2009-09-15 15:11:05 | 日記
前回の《ピケ・アラベスク》は、軸脚と同じ側のアームスをトルソーの前に置き、アラベスクに上げる脚の側のアームスをア・ラ・スゴンドにして練習しましたね。
これは《1番アラベスク》です。
アラベスクの基本形は、身体の向きとアームスの位置によって1番から4番まであり、さまざまなバリエーションもあります。
まず基本の形を一つずつ確認しながら練習してみましょう。
今回は全部右脚を軸脚とします。
1番アラベスク
右足前の5番ポジシオン・エファセ(=右斜め45度の方向です)を向いて、準備します。
そのまま、左脚を後ろに上げて、右腕は手の平を下に向けて肩より少し上、前に伸ばし、左腕は肩より少し後ろに、やはり手の平を下に向けて伸ばします。
顔の向きは、実際には繊細で微妙な角度を伴いますが、今は前に伸ばした右腕の指先の方に向けるようにしましょう。
脚を上げた左側のウエストが縮んでつぶれないように気を付けましょう。
前に伸ばしたアームスでトルソーを引き上げるようにイメージするといいですよ。
2番アラベスク
身体の向きも上げる脚も1番アラベスクと同じですが、アームスが変わります。
左腕を前に伸ばし右腕を横に伸ばします。そして顔は左に向けます。
脚を上げた左側のウエストを縮めてトルソーが左に傾かないように気をつけて下さいね。
前に伸ばした左手の指先と後ろに上げた左脚の爪先が大きな円周に触れているとイメージしてみましょう。
3番アラベスク
今度は右足前の5番ポジシオン・クロワゼ(=左斜め45度の方向)を向いて準備して下さい。
その向きのまま、2番アラベスクをして下さい。それが3番アラベスクです。
つまり2番アラベスクはエファセ3番アラベスクはクロワゼということです。
顔は前に伸ばしたアームスの指先のほうを向きます。
4番アラベスク
同じく右足前5番ポジシオン・クロワゼからまず1番アラベスクをしたら、正面から背中が見えるように、ウエストから上のトルソーを大きく捻って引き伸ばします。
顔は前に伸ばしたアームスの肩越しに指先の方を見るようにします。
アラベスクのなかで一番難しいのが、この4番アラベスクでしょうね。
トルソーを大きく捻って引き伸ばしますが、骨盤が傾きすぎて、トルソーが軸脚側に倒れ掛かってはいけません。また、背中だけでなくお尻まで全部正面に向いてしまうほどトルソーが倒れるのは間違いですよ。股関節のターンアウトをしっかり守って下さい。4番アラベスクでもない、ア・ラ・スゴンドでもない、不思議な曖昧な形にならないように気を付けて下さいね。
1番から4番までのアラベスクのほかに、アラベスク・ア・ドゥ・ブラ(=チェケッティ・メソッドでの“3番アラベスク”)があります。
これは、両腕をトルソーの前に伸ばすアラベスクです。軸足側のアームスを高く、後ろに足を上げた側のアームスを肩より少し上にして手のひらを下に向けます。
アラベスクは美しいポーズであり《パ》ですが、決して脚を高く上げることにこだわって、トルソーや股関節、膝や足首のコントロールを無視してはいけません。トルソーが歪み膝が曲がってただ高く脚を上げただけのアラベスクは美しくありません 脚の高さは低くてもトルソーや両膝・足首がきちんとコントロールされて安定しているアラべスクこそが美しいのです

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