バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

エシャッペ

2017-04-20 12:42:49 | 日記
エシャッペの練習をしましょう。
エシャッペにはエシャッペ・ルルヴェ、エシャッペ・ソテ、グラン・エシャッペ、エシャッペ・バチュなどいろいろな動き方がありますが、今回練習するのはその基本の≪基≫のエシャッペ・ルルヴェです。
エシャッペ(=echappe)は“逃げる”という意味の言葉が元になっているパです。
両脚の動きをみれば、その意味が納得できますよ
では、はじめましょう。
鏡を正面にして両手をバーに。
右足前5番ドゥミ・プリエ
2番ドゥミ・ポワント
 左足前5番ドゥミ・プリエ
2番ドゥミ・ポワント
右脚前5番ドゥミ・プリエ 
動きとしてはこれだけです。
ですが、注意しなければならない大事なポイントがいくつもあります。
5番ドゥミ・プリエから2番ドゥミ・ポワントに立ち上がるとき。
両足を左右に押し出しながら膝を伸ばします。
ドゥミ・プリエからポン と安直に2番ドゥミ・ポワントに飛び乗ってはいけません。
2番ドゥミ・ポワントでは
左右の爪先・足首・膝はそれぞれ外に向いていますか?
足の親指側よりも小指側に重心が落ちていませんか?
胸が上がって肩甲骨のあたりから後ろに反っていませんか?
両方の内腿をお臍に向かって引き上げるとイメージするといいですよ。
5番ドゥミ・プリエに戻るとき。
膝を緩めて反動をつけ飛び降りるような動きをしてはいけません。
少しおおげさかもしれませんが、2番ドゥミ・ポワントから5番ドゥミ・プリエに下りる動きは
2番ドゥミ・ポワントしている両足をトルソーの真下に、一瞬5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントに引き集めてからドゥミ・プリエに下りる
とイメージしてみて下さいね。
5番ドゥミ・プリエに下りたときに
お尻を後ろに引いてお辞儀のようなプリエになっていませんか?
ドゥミ・プリエはしっかり床を押さえるつもりで、プリエを保って下さい。この時にプリエが緩んでしまうと、次のエシャッペのための“バネ”を溜めることが出来ません。
そうですね、水をたっぷり含んだスポンジを両足でしっかり押し付けて絞るとイメージするといいでしょう。
ドゥミ・プリエをしたとき、ドゥミ・ポワントに立ったとき、いちいちトルソーが前後に動かないように気を付けましょう。
エシャッペで大切なのは、左右の脚が同じ強さ・同じ速さで同じ距離を動かなければならないことです。
例えば2番ドゥミ・ポワントに立った時、身体の中心線からの左右の爪先の距離 は、同じでなければなりません。
エシャッペ・ルルヴェ、とてもシンプルなパですけれども、振り付けのなかでひとつの見せ場にも出来るようなパですから、丁寧に練習していきましょう。
エシャッペ・ルルヴェは、この2番ドゥミ・ポワントに立つ動きのほかに4番ドゥミ・ポワントに立つ動きもがあります。
4番ドゥミ・ポワントに立つ動きでは、後ろ側に開く足の上に重心が残りやすくなっったり、上体が反ってお腹が出てしまいがちです。
トルソーの真下、中心軸の真下で“前後を均等に”とイメージして下さいね。

〈2009.05.06初出 2017.04.20修正〉

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