バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.7 ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テール(グラン・ロン・ドゥ・ジャンブ・ジュテ)

2011-06-02 09:58:51 | 日記
前回練習したフレックスしながらのバットマン・タンジュ、とくにフレックスしたままドゥミ・ロン・ドゥする動き、スムーズに脚を動かせるようになりましたか?ドゥミ・ロン・ドゥをするときに、脚の高さが変わって動線が波打ったりしないように気を付けましょう。
今回は、ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テールの練習をしますが、その中でもロシア派のメソッドグラン・ロン・ドゥ・ジャンブ・ジュテをしっかり練習しましょう。
この動きはグラン・バットマンに脚を振り上げると同時に弧を描くようにロン・ドゥ・ジャンブをしなければなりませんから、軸脚がしっかり床に立っていることと、トルソーが捻じれたり傾いたりしないように真っ直ぐに支える強さが不可欠です。ですから軸脚やトルソーを引き上げて安定させる力がまだ十分についていないのなら、この動きの練習はお奨めしません。股関節や腰を痛めたりする原因になりかねませんからね。身体が柔軟になりトルソーをきちんと支えられるようになってから練習するのがよろしいでしょう。
でははじめましょう。
まず、グラン・ロン・ドゥ・ジャンブ・ジュテの動きを分解してご説明しますね。
アン・ドゥ・オールから。
左手バーで1番ポジシオン、右アームスはア・ラ・スゴンド。
→1 右脚をアン・ナヴァンにジュテ→2 ドゥミ・アティチュード・アン・ナヴァン→3 エファセ・ドゥヴァンの方向へジュテ→4 ア・ラ・スゴンドへグラン・バットマン→5 エファセ・デリエールの方に脚を下す→6 ポワン・タンジュ・デリエール→7 1番ポジシオン→8
このカウント1から7までの動きを途切れさせることなく、大きく楕円の円弧を描くようにグラン・バットマンをします。それはアン・ドゥダーンでも同じです。
次にアン・ドゥダーンです。
→1 右脚をアン・ナリエールにジュテ→2 ドゥミ・アティチュード・アン・ナリエール→3 エファセ・デリエールの方向にジュテ→4 ア・ラ・スゴンドへグラン・バットマン→5 エファセ・ドゥヴァンの方に脚を下す→6 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→7 1番ポジシオン→8
アン・ドゥオールでもアン・ドゥダーンでも脚の高さの頂点はア・ラ・スゴンドです。
では注意しなければならない大事なポイントを確認していきましょう。
アン・ドゥオールの場合、ドゥミ・アティチュードした脚はエファセ・ドゥヴァンのほうにジュテをしてきちんと膝を伸ばし、そのままア・ラ・スゴンドの頂点に向かって引き上げていきます。アン・ドゥダーンでもエファセ・デリエールのほうにジュテをして膝を伸ばした脚をア・ラ・スゴンドの頂点に向かって引き上げます。アン・ドゥオールもアン・ドゥダーンも、ドゥミ・アティチュードからいきなりア・ラ・スゴンドにグラン・バットマンをしてはいけません。
ドゥミ・アティチュードからエファセの方向にジュテをしたあと、トルソーをバーの方に傾けたり、動作脚側の骨盤を持ち上げて・グラン・バットマンをしてはいけませんね。骨盤を持ち上げたりトルソーを傾けたりすると、股関節のターン・アウトが失われてしまいますよ。
アン・ドゥオールで頂点のア・ラ・スゴンドからエファセ・デリエールの方向に脚を下す場合、脚が頂点に達した途端に脚を内向きにひっくり返して脚を下してはいけませんね。それでは股関節のターン・アウトを失ってしまいますよ。
アン・ドゥダーンではエファセ・デリエールの位置からア・ラ・スゴンドの頂点まで股関節をターン・アウトしないままグラン・バットマンをして、ア・ラ・スゴンドからあとをいきなりターン・アウトして脚を下す、という動きもしてはいけません。
ドゥミ・アティチュードからエファセへジュテ、そしてア・ラ・スゴンドの頂点に引き上げてエファセの方向におろして最後にポワン・タンジュ、という一つの動きで、どんな楕円の円弧を描くのかイメージを明確にして練習しましょう。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、身体が十分に柔軟でなく、また経験の少ない生徒にこのグラン・ロン・ドゥ・ジャンブ・ジュテを練習させる場合は、まずア・ラ・スゴンドの頂点の高さを90度に指定して練習させています。それは正確な動線を習得させることを優先しているからです。
正確な動線が身についていれば経験を重ね、身体が柔軟になって筋力も強くなれば無理なく脚は上がるようになりますからね
アンサンブル・ド・ミューズの90度は、ア・ラ・スゴンドのときのカカトの高さが90度、です。
では次回、ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テールのアンシェヌマンにこのグラン・ロン・ドゥ・ジャンブ・ジュテを組み入れて練習することにしましょう。