バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.3 バットマン・デガージェ・クロシュ

2010-03-18 10:49:22 | 日記
今回はバットマン・デガージェ・クロシュ(battements degagee crochet)の練習をしましょう。
バットマン・デガージェ・クロシュ、ロシア派ではバットマン・タンジュ・ジュテ・パッセとも呼ぶようです。
まず左手をバーに置いて1番ポジシオン、右アームスはア・ラ・スゴンドにして下さい。
右脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァンを通過させてデガージェに上げる→デガージェに上げた脚を1番ポジシオンに戻す→ポワン・タンジュ・デリエールを通過させてデガージェに上げる→1番ポジシオンに戻す→以下繰り返し→
これが基本となる脚の動きです。
動きを分解して説明するために、1番ポジシオンに戻すとしましたが、必ずしも1番ポジシオンで動きを止める必要はないのです。テンポが速くなればなるほど1番ポジシオンは通過するだけになります。もちろん、決して忘れてはいけないポイントではありますが…
少しずつカウントを変えて練習してみましょう。
&2 デガージェ・ドゥヴァンに脚を上げる→3 &4 1番ポジシオンに向かって下ろす→5&6 デガージェ・デリエールに脚を上げる→7&8 1番ポジシオンに向かって下ろす→1 デガージェ・ドゥヴァン→2 下ろす→3 デガージェ・デリエール→4 下ろす→5 デガージェ・ドゥヴァン→1番ポジシオン→6 デガージェ・デリエール→1番ポジシオン→7 デガージェ・ドゥヴァン→1番ポジシオ→ 8 デガージェ・デリエール→1番ポジシオン
最後のカウント5 のところでは1番ポジシオンは通過するだけで、脚を前後に振り動かし続けているように見えます。
カウントがゆっくりであれば、それほど難しくはないでしょう。
デガージェ・ドゥヴァンまたはデリエールから1番ポジシオンに脚を戻したとき、その動作脚は、軸脚と同じターン・アウトを守れていますか?動きのテンポが速くなるにつれて、動作脚の膝が正面に近い方を向いていませんか?
ドゥヴァンのときは膝が上を向いてカン蹴りのような脚になり、デリエールのときには膝が下を向いて蹴り上げるような動きになってはいけませんね。
速いテンポでデリエールに脚を振り上げるときに、骨盤が脚の勢いにつられて横を向いていませんか?
デリエールのイメージはあくまでも動作脚と動作脚側の腰骨との逆方向への引っ張り合い ですよ。
テンポが速くなるにつれて、トルソーが前後に揺れていませんか?ドゥヴァンのときは腰が引けて“お辞儀”のようになり、デリエールのときには肋骨が上がって後ろに反ってしまうようでは腰に負担が掛かってしまいますよ
デガージェの高さはドゥヴァンもデリエールも同じ高さになっていますか?ドゥヴァンは動かしやすいから高く、デリエールはちょっと動かしにくいから低く、というのは間違いです。そして、テンポがゆっくりのときは高く、速くなったら間に合わないから低く、というのも間違いですよ
ア・ラ・スゴンドのアームスでしっかりトルソーを吊り上げて、浮かしたトルソーの下で動作脚だけが振り子のように均等な振れ幅で動き続けるとイメージしてみて下さい。
いずれ練習することになる“ジュテ・パセ”などにも必要な大切な脚の動きを、このバットマン・デガージェ・クロシュで身に付けておきましょう。