バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.2 ピケ-シャセ-グラン・ジュテ・アントルラセ

2010-03-03 12:27:58 | 日記
今回はグラン・ジュテ・アントルラセに助走となるパを組み合わせて練習してみましょう。
鏡に対してアン・ファス、右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バで準備して下さい。
左脚ドゥミ・プリエ、右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスはアン・ナヴァンに引き上げる。
右脚軸でピケ・アラベスク。
アラベスクに上げた左脚を降ろしながら左方向にシャセ(鏡に対して横向き)、アームスはア・ラ・スゴンド。
左脚を1歩踏み込んでトンベ(鏡に背中を向ける方向)、右脚を前方に大きく振り上げて跳び上がる、アームスはアン・オー。
左脚を右脚の方に素早くに引き上げ、左に半回転しながら左脚をさらに引き上げる。
右脚ドゥミ・プリエに着地、アームスは1番アラベスク(鏡に対してアン・ファス)。
これがピケ・アラベスク-シャセ-グラン・ジュテ・アントルラセの基本の動きです。
動線や身体の向きなどイメージは掴めましたか?
大切なポイントをチェックしてみましょうか。
一番はじめのピケ・アラベスクのとき、軸脚の膝を緩め、アラベスクをしながら改めて膝を伸ばすような動きをしてはいけません。それでは失敗したアラベスク・ルルヴェになってしまいます
ピケ・アラベスクのあとのシャセでは、身体の向きが変ります。今回は鏡の方を向いてはじめのピケ・アラベスクをしていますから、シャセは鏡に対して横に移動します。
シャセはきちんと足首と爪先を伸ばして空中で5番ポジシオンに重ねましょう。
トンベは、はじめのピケ・アラベスクとは反対の方向を向いていますよ。これからジュテ・アントルラセで跳び上がる方向にきちんとトルソーを向けましょう。この向きが中途半端なままだと、ジュテ・アントルラセで必要以上に脚を振り回すような動きになって美しくありませんし、腰を傷める 原因になることもありますから気を付けましょう。
シャセのあとのトンベに踏み込んだとき、動きの流れが途切れないように気を付けて下さいね。トンベでトルソーを引き上げる力を抜いたり一旦停止をしたりしては、次に大きく跳び上がれなくなります。
グラン・ジュテで跳び上がったら、アントルラセで半回転する間も着地のときも、下を向かないように気を付けましょう。下を向くとトルソーを上の方へ引き上げようとする力が途切れてしまって、高く跳び上がれなくなりますし、滞空時間も短くなってしまいますよ。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、シャセに移る直前に見えない手にアラベスクした脚の爪先を引っ張られるように重心が横方向に素早く移動する、とイメージして素早いシャセが出来るように練習しています。またアントルラセの直前まで、つまりシャセ-トンベ-グラン・ジュテまでを一つのパとして考えるようにとも伝えています。そして、下を向かないためには自分が跳んで行きたいと思うところに視線を向けなさいとアドヴァイスしています
今回はシャセで練習しましたが、グリッサード-トンベでアントルラセを跳ぶことも出来ます。
ただ、グリッサードからの動きは、両脚のターン・アウトをしっかり守ってきちんとプリエを抑えることが出来ないと脚がバタバタと駆け足をするような印象になってしまいます
このグリッサードがきちんと出来れば、横移動を大きくすることが出来ますし、低い位置で横移動をしたトルソーはジュテ・アントルラセの跳躍によって実際よりも高く跳び上がったように見せることもできます。
いずれにしても、このピケ-シャセ(またはグリッサード)-グラン・ジュテ・アントルラセという一つながりの動きの中で、主役はグラン・ジュテ・アントルラセの部分です。助走の動きであるピケ-シャセよりも主役のグラン・ジュテ・アントルラセの動きが小さくならないように気を付けて下さいね。
1回目のピケ-シャセ-グラン・ジュテ・アントルラセをアラベスク・ドゥミ・プリエで着地したらアラベスクの脚を一度降ろして、改めてピケ・アラベスクから続けるアンシェヌマンもありますし、着地したらそのままシャセの横移動に移ってジュテ・アントルラセを続けるアンシェヌマンもあります。
華やかで大きな動きですから、力任せの乱暴な動きにならないようにアームスのポジシオンや脚の運び、着地のポーズなどを丁寧に練習しましょう。