ホルモン丼を食べた後は、飯塚市内へ車を走らせる。
目的地はここだ。
『花子とアン』で一躍脚光を浴びた、筑豊の炭鉱王、伊藤伝右衛門邸である。
行かれた方も多いと思うが、私は初めて訪れる。
長屋門をくぐる。
白蓮は当然として、花子とアンの影響からか、村岡花子の資料もかなり展示されていた。
資料どころか、玄関のすぐそばには、
アンの家の周辺の風景がスクリーンで掲げられ、記念撮影ができるようになっている。
娘である。
撮影用に三つ編み付の帽子を被っていいのだそうだ。
その帽子がたいそう気に入ったらしい。
満面の笑みである。
小学生か!
季節がら各部屋に雛飾りが飾ってあった。
中でもこの本座敷に飾られた物は、雛飾りの範疇でくくることは出来ないだろう。
もはや、宮廷絵巻、ジオラマである。
うっかり目まいでも起こして倒れたりしたら大変である。
3mぐらい離れて見た方が無難であろう。
館内には、伝右衛門の功績の数々や邸宅の説明をしてくれるおばさんが数人いる。
「伝右衛門さんは、なーんもひどか事やらしとらんとですよ。」(おばさん)
無論、白蓮に対してである。
「なのに、あげなこつになって・・・」
涙目である。
まるで、気の毒な親戚の伯父さんを語るかのようである。
この座敷は女流棋士戦にも使われたそうだ。
この邸宅の唯一の二階屋は白蓮のために作られた。
早速登る。
ここがその白蓮がいた部屋だ。
朝ドラでは、ここから女中が、白蓮に届け物などを差し出していたような記憶がある。
女中は勝手な入室は許されなかったのだろうか。
白蓮の気位の高さが窺える。
白蓮の部屋のすぐ下には土蔵がある。
驚くことに、白蓮のいわば衣裳部屋なんだそうな。
白蓮エリアを後にして、長い廊下を順路に従い進む。
ここは食堂。
言わば、「伊藤家の食卓」である。
生活に役立つ裏ワザは特にはないようだ。
失礼。
言ってみたかっただけである。気にしないでもらいたい。
歪みガラスが年代を感じさせる。
最後は庭園の方へ廻った。
茅葺の東屋は最近葺き替えられたらしい。
まだ行った事のない方は、一度訪ねられ、明治・大正の空気に触れられたらどうだろう。
無料の駐車場もあり、キャンピングカーも楽々止められる。
入館料も大人300円と「これで維持管理できるんかいな」と言う安さである。
帰りの車中
「伝右衛門さんは男の中の男よ。尊敬するよ。うん。」
おばさんの説明を聞くうち、すっかり伝右衛門フリークになった娘。
「なのに、白蓮ときたら(怒)」
伝右衛門の災難を思い、まさに地団駄を踏んでいる。
どうどう、落ち着け、落ち着け。
伝右衛門はお前の親戚の伯父さんじゃないんだから。
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