紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

バアちゃんと、とびっきりの三日間

2008-06-27 05:44:18 | 1・作品紹介
 あかね書房

 2008年6月

 絵・山本祐司

 小学校中学年以上



「主人公の祥太は小学五年生。突然、バアちゃんと二人で、暑い夏の三日間を過ごすことになる。
認知症があって、糖尿病のインスリン注射が欠かせないばあちゃんとの生活は、まったく予想もしなかったできごとの連続。ジイちゃんが死んだ話しをしていたかと思うと、少し後にはジイちゃんのお見舞いにいってくるなどという。その度に祥太は驚いたり、困ったり、時には腹を立てたり……。
けれども、そんなバアちゃんによりそいながら過ごしているうちに、祥太にもバアちゃんの望んでいることが、ほんの少しわかるようになる。そして、バアちゃんの力になってあげられることはないかと考えて、二人にとって秘密の一日が始まるのだ。」


産経新聞・書評(2008年7月28日朝刊)

著作一覧


4 コメント

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大往生: 立派な死に方 (Heidi)
2008-06-28 05:34:33
私の妹(長女、64歳)が最近、東京の実家で、心臓麻痺か脳溢血で大往生したという悲しい知らせが母から、豪州に住む私のもとに届いた。私の母(90歳)は、あっという間に先立った自分の娘の急死を「大往生」と呼んだのだ。私もこの妹の死が「大往生」という表現に正にふさわしいと思っている。

35年ほど海外で癌研究をずっと続ける(長男である)私に代って、過去25年間の長きにわたって、この妹は我々の両親の老後を献身的に看続けた。(経済的理由で)大学にも進学せず結婚もせず、高卒後すぐ民間企業に勤務し始め、定年に達するまで40年近くいつも率先して仕事に励んできた模範的な「OL」だった。我が家では生前、彼女を「すぐやる社長」と愛称していた。

必ずしも健康が優れていたわけではなかった。子宮摘出という大手術後、最近数年はバセイドウ氏病 (眼の自己免疫病) や不整脈などに悩まされながら、(20
年ほど前に83歳で病死した)父の世話を数年間、更にその後20年近く母の老後を一手に引き受けてくれた。更に病弱な下の妹の世話も快よく引き受けてくれ
た。

ある意味で無欲な「天使」のような人物だった。その妹がある日、買物から帰宅してしばらくして、「倒れる!」と叫びながら台所の床に横たわり、そのまま意識不明になり、救急車が到着したときには、もう心臓が停止していたそうである。ほとんど苦しまずに、とても穏やかな顔で、天国に静かに召された。母はそれをじっと見守りながら「大往生だった」とつぶやいた。心中では、できれば自分がこの優しい娘に代って「大往生」したかったのかもしれない。

近く実家に帰り、亡き妹の納骨と、彼女が(東京郊外の)自身のアパートに残していったトラック4台分の「世帯道具」の整理や処分を、母と下の妹と共にする
準備を目下進めている。アルピニストだった亡父が生前、富士山麓のある霊園に墓地を買っておいた。(「富士」の姿を眺めながら)父の霊が今静かに眠るその直ぐ脇に、感謝の意をこめて、この妹の遺灰を埋葬してやることが、最初の務めになりそうだ。

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Heidiさんへ (紅蓮)
2008-06-28 15:50:07
人は、最後には死を迎えるわけだけれど、その時も、最後自分がどうなるかも、誰一人わかっている人はいません。
妹さんは、立派にご自分のつとめを果たされて、誰にも迷惑をかけることなく亡くなられたのですね。大往生というか、すごい生き方だと思います。
最近では、父、そして、母の老後をみることで、私も自分の老後をどう過ごすか考えるようになりました。
妹さんのご冥福をお祈りします。
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Unknown (magic-days)
2008-09-05 09:08:07
夏に新刊が出るとお聞きしていたのを思い出しました。
私も関係ありそうです。(笑
高齢に向かう糖尿患者として、
拝読させて頂きます。
本屋さんに頼みます。
何しろ久我山の本やさん小さくて、
何でも取り寄せです。
でも、それも楽しいのです。
スローな私に合ってます。(笑
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magic-daysさんへ (紅蓮)
2008-09-05 16:06:01
ありがとうございます。
図書館にも入っている頃だと思いますので、ぜひ手にとってみてください。
読んで頂けると嬉しいです。
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