ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

栗駒山・蔵王 須川高原温泉~栗駒山~仙台

2010-10-25 23:59:28 | 登山(東北北部)

【10月16日(土)】
須川高原温泉→名残ヶ原→昭和湖→天狗平→栗駒山山頂→中央コース→いわかがみ平バス停



5時に目覚めた我々は、空模様が気になって仕方がない。
カーテンを開け、まだ薄暗い空を振り仰ぐと、曇天の下、雨がポツリポツリと降っている
テレビをつけ(正直なところ、部屋にテレビがあったので驚いた)、天気予報を確認すると
秋田県と岩手県と宮城県の県境に位置する栗駒山は、波乱含みの様相であった。
出発は8時までに須川高原温泉を出れば良いので、昨夜入らなかった露天風呂へ向かう。

昨夜、霊泉の湯で出会った秋田のばっちゃ達に露天風呂の湯の熱さを尋ねると
「んだんだ、外さ湯は熱ぐね」と、教えてくれたので
掛け湯をして、恐る恐る足を浸けた。
ばっちゃ達の教えのとおり、内湯に比べれば格段にぬるく、適温であった。
7時から食堂でバイキング形式の朝食を摂り(ご飯・味噌汁・温泉卵・納豆・塩鮭・野菜の煮物・ハム・サラダ・茹でた蕪の葉にじゃこが掛かっている物・梅干などから、好みの物)
身支度をすると、8時を過ぎてしまった。

栗駒山の登山道は、須川高原温泉の露天風呂棟脇の源泉の沸き出ている場所から入る。
岩手県側に比べて秋田県側の天気が思わしくなく、灰色の厚みのある雲が流れてくる。


須川温泉神社が祀られている源泉からは、もうもうと蒸気が立ちこめ
ザーザーと勢い良く湯が沸き出て、川底や岩肌に硫黄が堆積していた。

須川高原温泉から30分かからず、名残ヶ原の湿原に出る。
この辺りは紅葉がちょうど見頃で、朝日に輝く草紅葉も大変美しい。

火山活動の様子が見られるゆげ山。

「お山は快晴お山は快晴」と、歌いながら下りてくる老紳士とすれ違い
「この調子だと、きっとお昼は頂上で最高の天気になるでしょう。」と、声を掛けられる。
写真だと人がいないように見えるが、登山道は栗駒山へ向かう人で数珠繋ぎ。
紅葉時の栗駒山が大変人気のある山だとは聞いていたが、これほどとは…

昭和湖に着くと、湖畔で休憩する人の多さと山肌を登る人の列にびっくり

ところがところが、天狗平に着くころには冷たい風が吹き始めて辺りも暗くなってきた。

もともとの計画では、上の写真の中央やや右にある草紅葉の上の黒い露岩帯まで行き
また天狗平に戻ってから、栗駒山へ向かう予定であった。
時間的な余裕はあるものの、空とにらめっこしながら行程を短縮するかどうかでしばらく悩んだ。

秋田県側からの湿った冷たい風を受け、これから雨になると判断し
天狗平から直接栗駒山へ向かうことにして歩みを進めると、天狗岩が見える辺りで雨が降ってきた。

栗駒山山頂には大勢の人がいたが、皆レインコートを着たり傘を差したりするのに大忙し。
展望も全く利かず、頂上では記念撮影のみをして中央コースに進路を採り
バス停のあるいわかがみ平にかなりのハイペースで下りた。

冬季の強い風と雪のため、山頂付近の樹木の背は低い。
既にほとんどの葉は散ってしまっていたが、それでも赤と緑のコントラストが山肌を彩っている。

石をコンクリートで固めた歩きにくい道をグングン下ると、俄に天候が回復し栗駒山が姿を現わした。
山の天気は目まぐるしく変わるものだが、下りてきての青空とは、皮肉なものである
この道端で、道行く人々を眺めながら(
いやいや、道行く人々の好奇の目に曝されながらお昼を食べたのである
しかし、バス停と駐車場のある宮城県側のいわかがみ平から登ってくる人々の装備が
軽装を通り越して、ほぼ普段着同様であることは大変気になった。
「山」に入っているという感覚はなく、「観光地」の感覚だ。
ヒールの高いブーツを履いていたり、犬連れであったり、ビデオカメラを片手に登ってくる。
小さなポシェットもしくはショルダーバッグを提げていればまだマシで
そのほとんどが水も持たず、雨具や風除けなどを持たない手ぶらのなのだ。
栗原市もしくは宮城県には、栗駒山のPRの仕方や登山口での警告について
今後よくよく考えてもらわないと、近いうちに事故が起きたり山が荒れることになるだろう。


予定よりも1時間以上早くいわかがみ平に着いた我々にとって
冷たい風の中を、仙台行きのバスが出る14時までどう過ごすかが思案のしどころであったが
2年前に起きた宮城県内陸地震の復興のために、宮城県交通が季節運行している
「がんばろうくりこま号」の運転手さんや関係者の方が「車内で待っていたらどうですか。」
と声を掛けてくれて、お言葉に甘えてバスに乗り込み仙台行きのバスを待った。
仙台行きのバスは14時少し前にやって来て、我々はそのバスで仙台へと移動した。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。