ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

ぶらり途中下車もどき 長瀞~寄居

2015-03-15 22:47:24 | 旅・おでかけ

3月13日(金)

母が、長瀞周辺に行ってみたいと言い出した。
どうやら何かのテレビ番組で、長瀞のことを放送していたらしい。
ところが、その肝心のテレビ番組が何かを、母はすっかり忘れているのに
長瀞のお豆腐屋さんと、宝登山の梅園と、きれいで珍しい染物屋さんに行きたいという注文。
いろいろと調べてみると、日本テレビで土曜日に放送されている「ぶらり途中下車の旅」
2月に長瀞から行田までを石井正則さんが訪ね歩いた時のものと
他の番組がごっちゃになっているようだった。



母と私はそれぞれの最寄駅から、熊谷駅10時2分発の秩父鉄道に乗り合わせることにした。
10時50分、長瀞駅に到着。
長瀞駅からゆっくりと歩いて、お目当ての豆腐料理の店に向かう。
母は4月で83歳になるが、杖の助けを借りずに歩いているものの、その歩みはゆっくりで
しばしば立ち止まり、ちょっとどこかにつかまって休んだりしながら歩いている。

こちらがそのお目当ての豆腐料理のお店、お豆ふ処うめだ屋
11時30分開店で、10分ほど庭で待つ。

季節ごとの「お豆ふランチ」は1080円。
母は少しご飯と豆腐を残したものの、なかなかいい食べっぷりであった。
特に湯葉がおいしかったようで、御満悦。
ランチ利用者は、隣接の店舗でおからがもらえるほか、うめだ屋ドーナツも割引価格で購入できる。
我々はまだこの先があるので、おからもドーナツもあきらめて、うめだ屋を後に宝登山神社へと歩く。
途中の長瀞駅前郵便局で「和同開珎」と「長瀞とSL」のご当地フォルムカードを購入。
この日は風も弱く穏やかな日だったが、宝登山神社の参道には、人もいない。

宝登山神社に到着し、参拝。
35段ほどの石段を、母が手すりにつかまりながらも、途中休むことなく上っている。
「へ~、なかなかやるじゃないの。これならまだまだ行きたい所に行けるよ。」
「そうかしら。行きたい所はたくさんあるのよ。」
「今年は白馬に行くんだよね。じゃあ、来年はお父さんに会いに、奈良に行こうよ。」
「そうね。フフフ、お父さんに会うなんて。行けたらいいわね。時間に余裕を持てば、大丈夫なのよね。」
そんな話をしながら、本殿の周りをぐるりと廻り、祀られているいろいろな神社を巡る。
母は、石段の下りも、段数を数えて呼吸を整えながら、休むことなく下り終えた。
神社から宝登山の梅百花園までは、宝登山ロープウェイを利用。
宝登山神社からロープウェイの山麓駅までは、そこそこ距離も傾斜もある。
母にとってはきつい道のりだったようで、ストックを持ってくれば良かったと後悔する。
途中、母は何度か立ち止まりながら息を整え、無事に山麓駅に着いた。私はいつも野上駅から、いわゆる「長瀞アルプス」経由で山頂に登るので
ロープウェイを利用するのはこの日が初めてだ。ロープウェイに乗ること5分、あっという間に宝登山頂駅に到着。
臘梅園はここから山頂まで斜面を登らなければならないが
梅百花園は山頂駅とほど同じ標高の斜面に広がっているため、母でも容易に散策できる。福寿草はまだたくさん咲いていたが、ずいぶん葉や茎が伸びている。梅百花園全体を見ると、4、5分咲きといった感じだが、個々の株を見ると、既に満開の株もある。
私と母は分かれて、それぞれの体力に見合う散策路を歩くことにした。
私は斜面を上がって、高い位置からの写真撮影。
母は、あまり傾斜のない散策路を、ぐるぐると歩いている。
母の歩いている様子を高い位置から眺めながら、まだまだけっこう歩けるものだと感心する。
冬至


月の桂


こちらは白滝しだれという枝垂れ梅。


野梅


こちらの紅梅は、品種の札を撮影し忘れて、品種不明。
私が散策を終えて山頂駅前の広場に戻ると、母は思う存分梅を堪能したとみえて
ベンチで休みながら、秩父の山並みを眺めていた。
持ってきたお湯でお茶をいれて、一息つく
通常ロープウェイは9時と17時以外は0分発と30分発の1時間に2本だが
「長瀞宝登山梅まつり」期間中の2月28日から3月15日までは、15分間隔で運行している。
14時15分発の山麓駅行きロープウェイに乗り、下山する。
 

ゆっくりと宝登山神社の参道を、長瀞駅に向かって歩く母の様子を見て
疲れているようなら予定変更もありだが、この様子ならば
これから立ち寄ろうとしている寄居の染物屋にも余裕で行けると確信
長瀞駅前の土産物店・まるぶつで、石川漬物のしゃくし菜漬を購入するのは外せない
もう一つのお目当て、若松の宝登まんじゅう(ほっとまんじゅう)は売り切れ、残念
長瀞駅では、さほど待たずに上りの電車がやってきた。
母が「きれいで珍しい染物屋さん」と言っていたのは、寄居にある「きぬのいえ」という染色所だった。
ここでは、「欧露羅染(オーロラぞめ)」という、一度に多色を染めることができる染色技法を用いている。
「きぬのいえ」で、店主と染めの話や「ぶらり途中下車の旅」で放送された後の反響の多さや
店主の趣味であるというトレイルランニングの話で、暫し品物を拝見しながら歓談した。

お土産に購入したのがこのスカーフ。
小川町の細川紙の紙布に、欧露羅染を施したそうだ。
毛織物のスカーフでは、見た目にも暑苦しさを感じる季節になったので、これから重宝しそうだ


母にとっては、よく歩いた1日だったが
「ちょっと疲れたけれど、体調が良いのよ
  いつも私が歩いているくらいじゃ、歩くうちに入らないのかもしれないわね。
  お豆腐料理も良かったのかしら、お腹の調子も良いし、体も軽くなったのよ
と、翌日の電話でうれしそうに話していた。
満足してもらえたようで、なにより、なにより



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4 コメント

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いいなあ、親子とも (芝刈り爺さん)
2015-03-18 20:46:33
親孝行、される方もする方もいいですね。さすが母娘。
83歳できちんと歩けることも、立派、で、見習わねばなりません。70までは現役バリバリ??山登り。80までは低山中心にバリバリと。三浦雄一郎さんに負けないよう、養生しましょう。と言う思いを強く感じた今回の紀行でした。いいですねえ、いいなあ、です。
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自分の老い先を見ているよう (ぴすけ)
2015-03-19 17:21:41
芝刈り爺さん、私も母のお供をしながら、いつも自分の老い先を見ているような感じがしています。
私も、80歳を過ぎても自分で自分のことができて、行きたいと思った所に行けて、一人で電車に乗ってお墓参りや買い物に行けたらいいなと思うのです。

そういう母も、73歳前後に脊柱管狭窄症で一時寝起きがままならないような時期もあったのです。
今はそこから快復し、朝は起きる前に寝床で30分ほど、自己流の体操とマッサージをしてから起き上がるようにしているようです。
それも毎朝欠かさずしています。
感心します。
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あら、素敵なスカーフ!(^.^) (ぽぴ)
2015-04-05 10:22:29
お母さま、お元気なご様子で、なによりです(^^)

長瀞も良さげですね。

私、長瀞には二度ほどしか行ったことがなく、
初回は10歳頃のバス遠足。ひどく酔って、岩畳でお弁当タイムだったのに、ぐったりと座っているばかりで、一口しか食べられず。それしか覚えてません。

2度目は20歳くらいの頃、車に乗せてもらって。ところがこの車が買ったばかりで、私がものすごく無理な、新しい車の臭い。かつ、少し気のはる(ちょっと無理なんで電車にしません?とか、少し止めてください気持ち悪くて、とかいいそびれるような)お相手とだったので、酔いまくり、それを隠し、食事は一口しか食べられず。

そのうち、電車でいってみて、歩いて、お花もみて、美味しいごはん食べたいわ。。
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車酔いする方は電車で (ぴすけ)
2015-04-07 12:00:05
ぽぴさん、母は元気にしております。最近は陽気も良くなってきたので、庭いじりなどもしているようです。

車酔いする方は、秩父に出掛けるなら、電車がいちばんですよ。
ただ、お宅からだとちょっと遠いですね。
でも、尾瀬に行ったのですから、その気になれば行けるか!
いつでも、御案内しますよ。
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