昨夜、冷蔵庫に入れておいた水を出して飲んだ時、
便利な世の中である、と思った。
冷蔵庫が無い時代から生きているわけではないが、想像するに、昔の人間が真夏にこれだけ冷たい水を飲もうとしたら、それなりに大変な思いをしなければならなかったはずである。
井戸水はなかなかに冷たいが、ポンプで汲み上げようとしたら、コップ一杯分だけ出すのは難しいだろうし、つるべ式だったら、誤って落ちる危険すらある。いずれも、夜中に喉が渇いたからといって、気楽にしようと思える作業ではない。
それが今では、蛇口をひねれば水道水が出て、それをペットボトルに入れて冷蔵庫で冷やせば良い。氷を作ることすら、労せずしてできる。
かつて放送されていたテレビドラマ「恐竜家族」に、「冷蔵庫感謝日」という年間行事があったが、実際に制定しても良いと思う。
しかし、一方で、技術が発達したために、却って不便なこともある。
まず第一に、テレビのリモコンは無駄であろう。少なくとも我が家に於いてはそうである。
どこにあるか分からなくなってしまうと困るから、リモコンは常にテレビの脇に置いてある。チャンネルを変える時、音量を調節する時、いずれも席を立ってテレビの前まで歩いていって、そこでリモコンを手にとって操作する。
はっきり言って、その手間は、ダイヤル式と何ら変わらない。そして、リモコンは電池を必要とするのだから、面倒だし、電気が無駄だ。
エアコンもまた同様である。リモコンで持ち運べることに何のメリットも感じない。
しかし、今時、電器屋にあるほぼ全てのテレビとエアコンがリモコン式であり、電池の交換が面倒だからといってそれを買わないわけにはいかない。
自動ドアもまた然り。
もちろん、自動ドアが本当に必要な場所もあるが、スーパーやコンビニの入口に付ける必要はないだろう。幸い私がアルバイトをしているコンビニは手で開けるタイプのドアだが、特に不自由した憶えはない。車椅子の客が来ても、店員か他の客が代わりに開けてあげるのだから、何も問題ない。もし、入口が自動ドアだと、電気が無駄になるし、開閉の動作が鈍いと鬱陶しい。短気な客は怒り出すかもしれない。
そして、防犯上もよろしくない。例えば、住宅や施設などで、入口にカードキー開錠式の自動ドアが設置されているところは少なくない。しかし、誤って人間を挟んでしまった時のために、その多くには、隙間に異物を検知すると自動的に開くという安全設計がなされている。これを悪用すれば、キーがなくてもドアを開けることくらい簡単にできる。
それよりも、手で押し開くタイプの従来通りのドアに施錠した方が、防犯上も安全上も優れているだろう。
新しい技術を導入したために、却って不便になった例というのは、案外多いものだと思う。
便利な世の中である、と思った。
冷蔵庫が無い時代から生きているわけではないが、想像するに、昔の人間が真夏にこれだけ冷たい水を飲もうとしたら、それなりに大変な思いをしなければならなかったはずである。
井戸水はなかなかに冷たいが、ポンプで汲み上げようとしたら、コップ一杯分だけ出すのは難しいだろうし、つるべ式だったら、誤って落ちる危険すらある。いずれも、夜中に喉が渇いたからといって、気楽にしようと思える作業ではない。
それが今では、蛇口をひねれば水道水が出て、それをペットボトルに入れて冷蔵庫で冷やせば良い。氷を作ることすら、労せずしてできる。
かつて放送されていたテレビドラマ「恐竜家族」に、「冷蔵庫感謝日」という年間行事があったが、実際に制定しても良いと思う。
しかし、一方で、技術が発達したために、却って不便なこともある。
まず第一に、テレビのリモコンは無駄であろう。少なくとも我が家に於いてはそうである。
どこにあるか分からなくなってしまうと困るから、リモコンは常にテレビの脇に置いてある。チャンネルを変える時、音量を調節する時、いずれも席を立ってテレビの前まで歩いていって、そこでリモコンを手にとって操作する。
はっきり言って、その手間は、ダイヤル式と何ら変わらない。そして、リモコンは電池を必要とするのだから、面倒だし、電気が無駄だ。
エアコンもまた同様である。リモコンで持ち運べることに何のメリットも感じない。
しかし、今時、電器屋にあるほぼ全てのテレビとエアコンがリモコン式であり、電池の交換が面倒だからといってそれを買わないわけにはいかない。
自動ドアもまた然り。
もちろん、自動ドアが本当に必要な場所もあるが、スーパーやコンビニの入口に付ける必要はないだろう。幸い私がアルバイトをしているコンビニは手で開けるタイプのドアだが、特に不自由した憶えはない。車椅子の客が来ても、店員か他の客が代わりに開けてあげるのだから、何も問題ない。もし、入口が自動ドアだと、電気が無駄になるし、開閉の動作が鈍いと鬱陶しい。短気な客は怒り出すかもしれない。
そして、防犯上もよろしくない。例えば、住宅や施設などで、入口にカードキー開錠式の自動ドアが設置されているところは少なくない。しかし、誤って人間を挟んでしまった時のために、その多くには、隙間に異物を検知すると自動的に開くという安全設計がなされている。これを悪用すれば、キーがなくてもドアを開けることくらい簡単にできる。
それよりも、手で押し開くタイプの従来通りのドアに施錠した方が、防犯上も安全上も優れているだろう。
新しい技術を導入したために、却って不便になった例というのは、案外多いものだと思う。