パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

野田オバマ会談報道はおかしい

2011年09月23日 | 平和憲法
  『Peace Philosophy Centre』から
 ◆ 野田・オバマ会談報道はおかしい


 自分のツイッターから転載します。@PeacePhilosophy 外務省の会談要旨、国務省の記者会見の記録(関連部分)を下方に転載しておきます。(日本時間9・22日深夜、その後のツイート追記)
 原発報道で政府やマスコミがいかに嘘つきかわかった人が日本ではぐっと増えたと信じます。このスキルを生かして、嘘だらけの野田オバマ会談報道も見破りましょうね。同盟深化とか普天間の「結果」を強く迫るとか大騒ぎしてるけど実際は随分違いますよ
 会談録は公開されていないようだけれど、マスコミ報道ではなく、両政府が発表してるものを読み込む方がずっとよくわかりますよ
 外務省の会談要旨では、オバマ氏が普天間問題について何か意見を表明したという記録すらないですよhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/visit/1109_sk.html
 政治家官僚マスコミがいつも大合唱してる「同盟深化」だって、私はほとんど日本側が言っているのしか聞いたことないですよ。今回も野田さんが言ってるだけですねhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/visit/1109_sk.html
 普天間については、外務省記録では「野田総理から,普天間飛行場移設を含む米軍再編については,引き続き日米合意に従い協力して進めていきたい,また,沖縄の人々の理解を得るべく全力を尽くす旨述べた。」とあるだけですよ。マスコミが言うように強く迫ったのだったら、何の記述もないのは変でしょ?
 米国務省の記者会見の全文を読んでもいろいろわかってきます。http://fpc.state.gov/172931.htm  報道で、普天間移設の「結果を出せ」とか言われている部分は、カート・キャンベル(アジア太平洋地区担当の国務省次官)が報告している部分の勝手な解釈ですよ
 キャンベル:We all acknowledged the challenges associated with Futenma replacement. But I think both sides understand that we’re approaching a period where we need to see results, and that was made very clear by the President.
 キャンベル「普天間移設問題についての様々な課題を我々は皆認識した。しかし日米双方とも、そろそろ結果を見る必要のある時期に近づいていることを理解しているし、大統領もその点を非常に明確にしていた」と言っていたんです。これは、キャンベルさんが、そうだった、と報告しているのです。
 日本各社報道は全部「同盟深化で一致」「普天間で進展を」、日米合意で「結果を」などと報道してます。「日米合意」に触れているのも日本側だけです。米側からの情報では、「問題であることを認識していてなんとかしなきゃいけない。なんとか結論を見出さなきゃいけない」という認識が伝わってくるだけです。
 時事「「結果を出す時期が近づいている」。大統領は首相との会談で、時間を惜しむかのように本題に切り込んだ。首相同行筋によると、クリントン米国務長官ら同席者が自己紹介をする間もなく、大統領は強い口調で普天間問題を進展させるよう首相に詰め寄ったという。」こんなの信じられますか
 キャンベル氏の報告を見ても、米側にとっての日本との同盟の意味はやはり「お財布」であることがわかりますよ。安全保障関係では、大統領が、アフガン復興で日本が払う50億ドルに感謝してると言ったことを最初に報告してます。
 普天間では曖昧ですが、逆に牛肉問題については大統領が、何年もの交渉の末なので進展を見たい、とはっきり伝えたとキャンベルは言ってます。メディアも「強く迫った」と報道したいのなら、「オバマは米国の牛肉を買えと強く迫った」と言う方がまだ正確に近いと言えます。
 アメリカとしては牛肉汚染問題があれだけ騒がれた後、今日本に牛肉問題でプッシュするのは当然好機だと思っているでしょう。あと、強調してたのは何と言ってもハーグ条約問題です。この点についてはオバマ氏から非常に強い要請があり、条約加盟だけでなく進行中の誘拐事件についてなんとかしてくれと。
 野田さんは、それは把握しており、現在123件の児童誘拐のケースがあると。これはアメリカにとって(アメリカだけではないが)国内からの圧力も高い非常に真剣な問題なのです。オバマが強く迫った、と報道するならまさしくこの問題でしょう。
 以上、日本の皆さんが寝てる時間に、野田オバマ会談報道の呆れた過大解釈と印象操作(簡単に言うとでっち上げ)についてツイートしました。よかったら遡って見てください。@PeacePhilosophy 
 (以下追記分)
 ジャパンタイムズに載ったAP/Kyodo の野田オバマ会談報道も advises on action (基地問題で行動を求めた)とか言ってるけどhttp://search.japantimes.co.jp/mail/nn20110923a1.html  記事の本文を見たらやはりキャンベルの言ったことを引用してるだけです。
 天木直人さんのブログでも、こう言ってます。http://www.amakiblog.com/archives/2011/09/23/#002039 「日米同盟深化を狙うはずのオバマ大統領との首相会談が見事にあてがはずれ、宿題ばかりを突きつけられて終わったらしい。当然だ。今の米国は尻に火がついている。財政破綻の危機だ。」
 天木「今のオバマ大統領の頭の中には大統領選挙しかない。中東情勢しかない。日米同盟深化などどうでもいいのだ。日本だけが勝手に騒いでいるだけだ。だから言った通りだ。参勤交代のような訪米はやめて復旧、復興と経済立て直しに専念すべきだったのだ。」
天木「そう思っていたら野田首相の訪米の目的がわかった。あの国連演説はなんだ。国連演説に名を借りて原発再開をします、原発輸出をしますと宣言するために訪米したのだ。とんでもない事をしてくれたものだ。9・19のさようなら原発の福島被災民の思いを見事に踏みにじってくれた。」同感!
 ワシントン講演で、沖縄県民の反対を押し切って辺野古基地を強行したら「米国と沖縄、日米関係に修復不能の亀裂を残す」と訴えた仲井真沖縄知事http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/09/okinawa-governor-nakaima-irreparable.html  沖縄県民全員の反対を受けてもいまだに辺野古辺野古と騒いでいるのは日本の政治官僚マスコミだけ
 こんな情報操作までして「米国が辺野古に作れと言っている!」という重圧をでっち上げ、「深化、深化」といって米国に一方的にしがみついている姿は、それが民主党だと思うと余りに情けない。仲井真演説を発表したら「売国奴」と言ってきた人がいたが、永田町と霞が関に向ける言葉じゃないですか。
 また、原典を見る重要さ、英語を学ぶ重要さなどを指摘する人がいたが、賛成。受験英語でなく批判できる英語でなければ。故加藤周一は外国語を学ぶ目的は権力者やメディアの嘘を見抜くためだと言っていました。原発報道で海外と日本の報道の差に驚いた人はそれが心底わかったのではないでしょうか。(以上@PeacePhilosophy)
 (以下略)

参考資料

日米首脳会談(概要)外務省HPより
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/visit/1109_sk.html 
US Department of State
U.S. Foreign Policy in the Asia-Pacific Region
http://fpc.state.gov/172931.htm
国務省記者会見の全文はこちら。
http://fpc.state.gov/172931.htm

投稿者 Peace Philosopher 時刻: 7:14 AM

『Peace Philosophy Centre』(Friday, September 23, 2011)
http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/09/blog-post_23.html

コメント    この記事についてブログを書く
« 大阪「教育基本条例案」を考える | トップ | 静岡・牧之原市議会「浜岡永... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

平和憲法」カテゴリの最新記事