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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 「自衛隊名簿提供違憲訴訟(RYU裁判)」を支援する会ニュース(2)

2024年07月21日 | 平和憲法

  《RYU裁判》
 ☆ 訴状の要旨

1.訴えの内容

 本件訴えの内容は、

原告の個人情報を提供できる明確な法令が存在しないにもかかわらず、本件覚書を締結し、自衛隊地本に対して個人4情報を紙媒体で提供した奈良市の違法行為(奈良市個人情報保護条例違反:個人情報保護法改正により2023年3月31日失効)と、
②その違法行為により個人情報を取得・保有・利用した自衛隊奈良地本の違法行為(個人情報保護法違反)により、
プライバシー権・自己情報コントロールを侵害され、
精神的損害を被ったので、奈良市および国に対して、連帯して損害賠償を請求するものです。

2.奈良市の情報提供行為

 奈良市は、住民基本台帳法の規定を無視し、原告ら本人に無断で、目的外に個人情報を自衛隊奈良地本に提供しており違法です。とりわけ、本件の提供先は、憲法9条に違反して戦闘を任とする自衛隊である点で違法性が重大です。
 高校卒業予定者に対する求人活動については、教育的配慮から募集活動について規制がなされていますが、本件では、本人も保護者も知らない間に、本人の情報が自衛隊に提供され、勧誘に利用されている点でも大きな問題があります。

3.自衛隊奈良地本の情報取得・保有・利用行為

 行政機関の長等は、法令等に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を利用、提供してはならないところ、自衛隊奈良地本は、奈良市による違法な提供行為によって個人惰報を取得しており、その保有、利用することも違法です。

4.原告のプライバシー侵害

 プライバシー権は、現在において「個人の尊厳」の根幹をなす極めて重要な権利であり、憲法13条によって保障される基本的人権です。
 とりわけ、デジタル化が急速に進む現在社会においては、人が「個人」として存在し、「個人」として自己決定し、「個人」として生きて行くためには、自らの個人情報を、誰に、どの範囲で開示するかについて決定する権利が極めて重要となります。
 最高裁も、広く、住所、氏名、生年月日なども含めた個人情報を「第三者にみだりに公開されない自由」として認めています。
 したがって、行政機関等が個人情報を保有できるのは、「法令の定める所掌事務又は業終を遂行するため必要な場合」で、かつ「利用目的をできる限り特定」する場合に限定されますし(個人情報保護法61条1項)、行政機関の長等は原則として、利用目的以外の目的のために個人情報を利用、提供してはならないとされます(同法69条1項)。
 奈良市及び国の行為は、これらの要件を充たさず、原告のプライバシー権を侵害します。

※ 提訴にあたって 原告RYUの家族(親)のコメント

 私たちの子ども時代に当たり前だったクラス名簿や連絡網は、今の学校では作成されていません。それぐらい今は個人情報を厳格に管理することが当たり前になっています。
 それなのに、公の組織の奈良市が、本人・保護者の承諾もなしに個人情報を自衛隊に提供しているなんて、ありえません
 もし民間の会社が、本人の承諾なしに個人情報を外部に流出させ、求人のためにその情報を使っていたら、社会的に大きな問題になります。
 私の子どもに、自衛隊からの勧誘はがきが届いたとき、子どもは17歳の未成年でした。保護者の承諾もなく、未成年の子どもにこのようなことを行った、奈良市と自衛隊に怒りを覚えます。
 そのうえ、自衛隊は災害救援で活動していることばかり報道されています。災害救援も大切な仕事の一つだと思いますが、自衛隊は決して、ただの災害救援隊ではありません
 日本は今、現政権の下、軍事費が倍増し、世界第3位といわれる軍事大国化に進んでいます。私の子どもは、自衛隊員は災害救援をする人だと思っていて、その実態を理解していません。まるで、子どもをだまして自衛隊に勧誘しようとしているように保護者として感じます。
 除外申請制度は、子どもに自衛隊から勧誘はがきが届いた後に知りました。そのような制度を作るよりも、自衛隊に個人情報を提供する前に本人や保護者に「自衛隊に個人情報を提供することに同意します」と同意を取るべきです

「自衛隊名簿提供違憲訴訟(RYU裁判)」を支援する会ニュース 第5号(2024年4月1日)

 


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