◆ 新天皇ナルヒト 初めての8月15日 (立川自衛隊監視テント村通信)
毎年8月15日に、日本政府は「全国戦没者追悼式」を武道館で開催している。壇上に設けられた巨大な祭壇には「戦没者の霊」と大書されている。そこに天皇・皇后が頭を垂れる。
これは神道行事の「よりしろ」と「祭司主」の姿である。国家の、そして天皇の慰霊・追悼は、加害と被害にまたがる戦死者の多様な生を平板化する。国家神道はこのように生きているのである。
毎年反天連を中心とした都心の仲間が取り組んできた8・15行動を今年はテント村も参加するおわてんねっとで、韓国YMCA会館で開催した。
難しいタイトルは避けて、「天皇に平和を語る資格なし集会・デモ」と直截に命名した。新天皇ナルヒト、初の8・15である。
◆ 戦後民主主義批判へ
基調講演を行ったのは、運動史研究者の松井隆志さん。象徴天皇制批判の基礎と言うべき内容だったが、戦争と戦後天皇制の関係を手堅く押さえたいい内容だったと思う。抜粋して紹介する。
「『安倍が戦後民主主義を破壌する』という話が流布しているが、間違っている。戦後民主主義はそもそも、アジアへの侵略責任の米国による免罪、旧植民地出身者の切り捨て、天皇制の残存とともに始まった。その意味では、安倍は戦後民主主義の延長上の存在である。『戦後民主主義を守れ』を一致点にするのではなく、人権や平和主義の良いところを生かしつつ、天皇に代表される問題点をきちんと批判し続けるべきだ」
「戦前回帰」への懸念はもっともだが、「戦後」や「憲法」の問題性への視点も忘れないようにしたい。
◆ 八王子の小学生が天皇泰祝に動員された!
その後集会は、団体アピールへ。一つだけ紹介。
八王子の根津公子さん。4月、退位直前に明仁前天皇の墓参り(多摩「御陵」)があり、八王子の3つの小学校の生徒が沿道奉迎を強制された。八王子の自治会連合会が主導する「奉迎実行委員会」なるものが結成され、市教委に「生徒にも参加を」という呼びかけがなされ、それが学校に回され…という流れ。
事後的に事件を知った根津さんは、粘り強く問題化を続けている。浅川小の校長は「天皇に敬意を持つのが日本のルールであり、文化」と開き直ったという。教職員から反対はなかったそうだが、根津さんたちのビラまきで「次回は反対します」と言った教員が一人だけいたそうだ。
◆ 大雨!3百名のデモ
デモは靖国神社と武道館のある九段方面へ。ところが出発段階で台風が猛威をふるい、関係者が「過去最悪」という雨に。頑張ってつくったプラカードもダメになり、少々落ち込んだ。
例年、大結集&大罵声の右翼もあまり元気はなかった。ただ、こちらのデモはなかなか盛況で、集会200人デモ300人の参加。
次回は10月22日、即位パレード反対を掲げて、東京戒厳令を打ち破るデモを行います!
『立川自衛隊監視テント村通信 第499号』(2019年9月1日)
毎年8月15日に、日本政府は「全国戦没者追悼式」を武道館で開催している。壇上に設けられた巨大な祭壇には「戦没者の霊」と大書されている。そこに天皇・皇后が頭を垂れる。
これは神道行事の「よりしろ」と「祭司主」の姿である。国家の、そして天皇の慰霊・追悼は、加害と被害にまたがる戦死者の多様な生を平板化する。国家神道はこのように生きているのである。
毎年反天連を中心とした都心の仲間が取り組んできた8・15行動を今年はテント村も参加するおわてんねっとで、韓国YMCA会館で開催した。
難しいタイトルは避けて、「天皇に平和を語る資格なし集会・デモ」と直截に命名した。新天皇ナルヒト、初の8・15である。
◆ 戦後民主主義批判へ
基調講演を行ったのは、運動史研究者の松井隆志さん。象徴天皇制批判の基礎と言うべき内容だったが、戦争と戦後天皇制の関係を手堅く押さえたいい内容だったと思う。抜粋して紹介する。
「『安倍が戦後民主主義を破壌する』という話が流布しているが、間違っている。戦後民主主義はそもそも、アジアへの侵略責任の米国による免罪、旧植民地出身者の切り捨て、天皇制の残存とともに始まった。その意味では、安倍は戦後民主主義の延長上の存在である。『戦後民主主義を守れ』を一致点にするのではなく、人権や平和主義の良いところを生かしつつ、天皇に代表される問題点をきちんと批判し続けるべきだ」
「戦前回帰」への懸念はもっともだが、「戦後」や「憲法」の問題性への視点も忘れないようにしたい。
◆ 八王子の小学生が天皇泰祝に動員された!
その後集会は、団体アピールへ。一つだけ紹介。
八王子の根津公子さん。4月、退位直前に明仁前天皇の墓参り(多摩「御陵」)があり、八王子の3つの小学校の生徒が沿道奉迎を強制された。八王子の自治会連合会が主導する「奉迎実行委員会」なるものが結成され、市教委に「生徒にも参加を」という呼びかけがなされ、それが学校に回され…という流れ。
事後的に事件を知った根津さんは、粘り強く問題化を続けている。浅川小の校長は「天皇に敬意を持つのが日本のルールであり、文化」と開き直ったという。教職員から反対はなかったそうだが、根津さんたちのビラまきで「次回は反対します」と言った教員が一人だけいたそうだ。
◆ 大雨!3百名のデモ
デモは靖国神社と武道館のある九段方面へ。ところが出発段階で台風が猛威をふるい、関係者が「過去最悪」という雨に。頑張ってつくったプラカードもダメになり、少々落ち込んだ。
例年、大結集&大罵声の右翼もあまり元気はなかった。ただ、こちらのデモはなかなか盛況で、集会200人デモ300人の参加。
次回は10月22日、即位パレード反対を掲げて、東京戒厳令を打ち破るデモを行います!
『立川自衛隊監視テント村通信 第499号』(2019年9月1日)
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