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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 週刊文春が報じた木原誠二内閣官房副長官の殺人事件もみ消し疑惑

2023年08月26日 | 平和憲法

  《月刊救援「人権とメディア」浅野健一》
 ☆ 木原官房副長官が妻の前夫不審死捜査に圧力

 「週刊文春」(以下、文春)八月三日号(七月二七日発売)は、〈木原事件妻の取調官〈捜査一課刑事〉実名告発18時間木原は「俺が手を回したから」と妻に…〉と題した記事を載せた。
 二〇〇六年に岸田文雄首相最側近の木原誠二内閣官房副長官の妻X子さんの前夫の安田種雄氏=当時(二八)=が文京区の自宅で不審死。警視庁が一八年にX子さんから任意で聴取し、木原夫妻宅などを被疑者不詳の殺人事件の関連先として家宅捜索していたとする衝撃的な報道だった。
 文春は七月一三日号(六日発売)で、〈俺がいないと妻がすぐ連行される衝撃音声〉と題して報じ、四週連続で追及した。
 当初自殺とされたこの事件では大塚署の女性刑事が一八年、現場に落ちていたナイフの柄が綺麗な状態だったことなどから、「誰かが血糊を拭き取ったのだろう」と疑問を抱いた。大塚署が素早く動き、警視庁捜査一課特命捜査対策室捜査第一係に持ち込まれた。その後、殺人捜査係も加わり、約四十人で再捜査が始まった。
 捜査員はかつてX子さんと親密な関係にあったY氏(覚醒剤事件で宮崎刑務所に収監=当時)に約三十回面会。同年十月九日、東海地方にあるX子さんの実家などを家宅捜索した。また、X子さんの聴取も十回行われた。
 ところが、捜査が佳境に入った時点で、同課の佐和田立雄管理官が「明日で終わりにする」と通知した。臨時国会(十月二四日開会)直前だった。
 元大蔵省職員の木原氏は〇五年、衆院議員になり、外務副大臣などを経て、一八年十月九日、党情報調査局長に就任していた。

 捜査員は、X子さんが警視庁からタクシーで帰宅する時に、同乗していた木原氏と交わした会話が録音されたドライブレコーダーを回収。木原氏は「大丈夫だよ。俺が何とかするから」「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話に乗るな」「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」と指示。X子さんが「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言っていたよ」と話すと、「そんなもん、クビとって飛ばしてやる!」と発言したという。

 文春は、“影の総理”とされる木原氏が「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」という真っ赤な嘘をつき、捜査員に対して凄み、「国会が開くまでに終わらせろ」と一方的に期限を切ったと批判。「権力濫用の木原氏は、国の舵取りを任せるにふさわしいのか」と問い掛けている。

 安田氏の父親と妹二人は二十日に記者会見し、一七日、警視庁に再捜査を求める上申書を出したと明かした。
 木原氏の弁護士は七月五日、文春などに対し刑事告訴を行うと発表。X子さんの代理人も二一日と二八日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。
 警視庁が「再捜査をした結果、自殺と考えて矛盾はない」とする中、一八年十月上旬からX子さんを聴取した捜査一課殺人犯捜査第一係の佐藤誠警部補(二二年退職)が二八日、文藝春秋本社で約一時間記者会見した。佐藤氏は顔出しを控えたが、顕名で会見した。
 会見室は満席。私は何とか中に入れたが、廊下に溢れた人たちのためにモニター画面も用意された。警視庁担当記者、フリー記者、ユーチューバーら約百四十人が参加した。

 佐藤氏は冒頭、警察庁の露木康浩長官一三日の会見で「事件性が認められない」と発言したことに触れ、「被害者が可哀想だ。火に油を注ぐものだ。頭にきた。自殺を示すような証拠はまったくなかった。断言する。明らかに殺人事件。すべてを話すしかない」と語った。
 「現場を見た警察官なら、みんな事件性があると思うはずだ。どんな事件でも、捜査終結時には、被害者遺族に理由などを説明するが、この事件では、被害者側に何の説明もなされていない」
 質疑応答で、読売新聞の藤原記者は「こうやって発言することが地方公務員法違反に問われる可能性があることはわかってるのか」と質問。佐藤氏は「法的問題は分かっているが、やるしかない」と答えた。
 朝日新聞の遠藤記者は「自殺の証拠はないと言うが、殺人だという証拠もないのでは」と聞いた。

 松野博一官房長官は二八日、佐藤氏の会見を受け、文春報道に関し木原氏から同日、「私が捜査に圧力を加えたとの指摘は事実無根だ」と報告を受けたと明らかにした。また、警視庁捜査一課の国府田剛課長は、報道各社に状況を説明した。「会見で、特定の関係者のプライバシーの内容や当時の捜査が明かされ、誠に遺憾」とコメントした。
 朝日新聞、共同通信などは佐藤氏を「かつて捜査に関わった警視庁の元捜査員(64)」と仮名で報じた。再捜査を求める遺族も仮名だ。犯罪報道で、遺族に寄り添うとして、「実名原則」を取る報道界の二重基準だ。
 NHKは電子版とラジオで伝えただけで、テレビでは報じなかった。
 東京新聞は二九日に特報面で、〈捜査員が異例の実名会見〉(木原育子記者)などの見出しで報じた。
 岸田政権には官房副長官が三人おり、そのうちの一人は栗生俊一氏(内閣人事局長兼任)。一九八一年に警察庁に入庁した栗生氏は二〇一八年から二〇年一月まで警察庁長官を務めた。木原事件の異常な捜査終結に警察トップが関与しているのではないか。(浅野健一)

『月刊救援 第652号』(2023年8月10日)


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