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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

増田先生の第一回紙上討論(1)

2007年07月01日 | 増田の部屋
 ★ 増田先生の「近現代史の真実を知ろう」 第1回
 「富国強兵・殖産興業」 紙上討論(07/6/24)


 「富国強兵・殖産興業」を考える、第1回授業の感想(新聞の投書などのように、趣旨を変えない範囲で言葉を補ったり、誤字を訂正したりしています)


①「富国強兵・殖産興業」政策に反対
 何をおいても一人一人の人間の尊厳を守ることが大切。日本の民主主義はまだまだ未熟であることを、改めて、現在痛感していますが、過去の日本は個人をないがしろにして、資本家や国家を優先させるもので、この政策には、どうしても賛成できない。
 学生の頃は理数系ばかりやっていて、国語や社会は苦手でした。最近の安倍(小泉)、石原都知事等の無茶苦茶さにがまんができずに、政治や歴史のことを考えるようになりました。不勉強でトンチンカンかもしれません。今後、歴史の勉強を頑張りたいと思います。

②「富国強兵・殖産興業」政策に賛成
 乱暴なところもあったが、国の発展、民主主義の現在の社会の成立のために必要だったと思うから。外国の技術を取り込み、日本独特のアレンジを加え、消化して科学技術を育むことができた。
 授業については
・単純な講義形式でなく、討論型の授業だったので、積極的に授業を受けることができた。
・自分でワークシートに穴埋めをしながら授業が進んだので、考えながら授業に参加しやすかった。
・教室の配置や授業の進め方、スタッフの方の、先生の講義を全面に出そうと黒子に徹している様子は、熱心な参加者の方たちの話や熱意が伝わるものだったので、良い授業になっていたと思う。

③「富国強兵・殖産興業」政策に反対
 歴史をさかのぼってみる限り、この政策が日本国家の戦争のプロローグとなっているので反対。
 授業は、なかなか視点の定まった展開で充実していました。官営工場払い下げの阿仁・小阪・院内銅山は私の出身地の近くなので調べてみたいと思いました。

④「富国強兵・殖産興業」政策に反対
 圧倒的多数を占める民衆の視点がない。国民やアジア諸国と協調して進める姿勢がない。

⑤「富国強兵・殖産興業」政策に賛成
 明治政府がおこされた時は、アヘン戦争等でヨーロッパが武力でアジアに植民地を広げている現状があった。それに対抗するには、この二つの政策は必要不可欠であったと思います。
 増田先生の授業については、増田先生のどこが悪いのか、よく分かりませんでした。明治維新の頃の話を詳しく、スジを通して理解できて、勉強になりました。これからの授業も楽しみです。

◇増田より
 ありがとうございます。6月25日の「免職取り消し」裁判に都教委が出してきた文書によりますと、「増田のどこが悪いのか」の一つとして、増田から授業を奪い、JRの日勤教育のような懲罰研修をさせたけれど、以下のように「反省」も「改善」も見られなかったから「免職」するしかなかったのだと書いてありました。

●『東京都教職員研修センター講師は、原告がもちいたビデオ(※)には幼児の死体写真、
強姦等の用語や強姦され腹を割かれたとされる女性の死体の写真が多数あることから、中学2年生の発達段階を踏まえて十分な配慮をする必要がある旨を指導したが、原告は配慮の名の下に隠すことの方が問題だと、加害者としての側面を伝えることが大切だと主張し、みずからの主張を変えなかったのである』

※映画『侵略 PARTⅠ』は元静岡県の中学校の社会科の先生で、現在、静岡大学で講師をしてらっしゃる森正孝監督が南京虐殺などの記録フィルム・写真を編集したものです)を生徒たちに授業で見せたことに対して都教職員研修センターの「指導」(力なし)「主事」が、この文言のようなイチャモンをつけてきたので「あなたの主張のほうが間違っています」と指摘してやったことをネにもっていたようです。

 つまり、都教委は私が中学社会科教員として皇軍の「侵略の実態を教えたこと」は『中学2年生の発達段階を踏まえ』ない『悪い』ことなので、「反省」させ「もう教えません」と言わせることを「改善」とする「研修」を、超長期にわたり、増田に強要したけれど、増田が屈服しないから『悪い』のだ、だから「教壇には立たせられない、免職だ」というわけです。


⑥「富国強兵・殖産興業」政策に、反対とも賛成とも、どちらとも言えない
 現在の格差増大社会を思い起こすような明治期の「富国強兵・殖産興業」政策に賛成することはできません。しかし、現在の日本社会の繁栄が当時の人々の様々な犠牲の上に成り立っていることも確かだと思います。だから「どちらとも言えない」を選びました。
 私たちがどっぷりとつかっている、現在の日本のこの状態のまま、その中から、どのようにこのような歴史と向かい合うべきか、まだ、よく分かりません。もっと勉強したいと思います。
 授業については、基本的に私は先生の授業を受けにきた、というよりも、処分を受けた先生の事情やお考えを聞きに来ましたので、本日は、そのようなお話がなく(最後に少しありましたが)少し残念でした。

◇増田より
 それは、申し訳ありませんでした。もちろん、私は、いつでも、「処分の不当性」について訴え、ご支援をお願いしたと考えていますが、この企画は、私の「処分についての集会」ということではなく、「近現代史を学ぼう」ということが目的ですので、私の処分問題についての説明は、最低限のみに抑えました。今後、私の処分撤回闘争についての集会があるときには、ご案内を差し上げますので、ぜひ、ご都合がつきましたら来ていただきたいと思います。


⑦「富国強兵・殖産興業」政策に反対
 この政策は、軍事力強化、侵略を前提としている。国というものは国民の幸せを考えるべきものなのに、権力者が権力拡大の道具にしている。国民を見ず、領土拡大の方向を見ている政策なので反対。
 授業については、少し、駆け足。もうちょっと、ゆっくり、詳しく聞きたい気がします。

◇増田より
 すみません。「ペリー来航から現代までの約160年間の歴史」ですから、本当のところは、60時間ぐらいはほしいと考えるのですが、それでは2年と半年!? かかってしまいます。それに政府・文科省の「愚民化政策」による、ユトリなど全くない「ゆとり教育」の強制の下、中学の社会科の授業も削りに削られ、30時間で近現代史をやらざるを得ない実態があります。それで、その「実態」に合わせて、「かなり無謀」ですが、それでも、どれぐらいやれるか、ということにトライ!? しております。どうか、ご理解のほどを!


⑧「富国強兵・殖産興業」政策に、反対とも賛成とも、どちらとも言えない
 当時、国力を高めるには仕方なかったのかもしれませんが、いつの時代も難しいことだと、80年生きた私は感じます。授業については、理解しやすかったです。なにぶん80歳の年寄りですので、少し勉強してこなければと思っております。

⑨「富国強兵・殖産興業」政策に反対
 どんな理由があっても、徴兵令というものがあってはいけないと思います。当時は他の欧米諸国も今ほど理性的ではなかったとしても、もっと別の方法を考えなければならなかったと思います。殖産興業については財閥に加担したものだとは、今まで考えていませんでした。ただ産業発展していっただけだと思っていました。現在も続く財官一体の構造は、この時にはすでにできていた、ということがショックです。
 今日の授業では、自分が学校の授業でやった時には、太文字で下線まで入っていた出来事があまりなくて、ほんとによかったです。できればテストや入試なんかにとらわれない形で、先生の授業を受けてみたいです。

◇増田より
 あなたが気がついたとおり、日本資本主義は出発点から国家と財界の結びつき、つまり「財官一体の構造」の強さが特徴です! この近現代史講座は、テストなし! 宿題なし! が特徴ですので、どうぞ、これからもご参加ください。


⑩「富国強兵・殖産興業」政策に、反対とも賛成とも、どちらとも言えない
 他国を侵略したり人民を殺傷することが、ごく普通のことだった時代に、また人権思想がほとんど浸透していなかった国民の中で、後進弱小国だった日本がどういう政策を取るべきであったかを考えることは難しいことです。
 とりあえず、大国に植民地化させなかった点では評価できますが、結果として国民の中に旧来の不平等を激化固定する政策に至った点は評価できません。人民の立場から考えた時には
(1) 他国からの侵略を防げるだけの最低の軍事力
(2) 生産力を向上させるための計画的経済発展
(3) 教育設備・体制の整備→民主主義教育
を満たす政策が、当時の情勢下で、どう実現したかは難しい。勉強します。
 しかし、当時の権力者は結局、自分たちの利益権益を守るため富国強兵政策をとったわけで、もし、植民地として屈する方が利益であると考えれば、そういう策をとっただろうと思うと、やはり、なんとも言えないです。
 授業については、中学時代は単に機械的に覚えるだけでしたが、今日、増田先生の授業を受けて、歴史の中での権力機構や民衆の動きをダイナミックにイメージすることができました。時代物のTVドラマ等はあまり見ないのですが、たまに見ると、あまりにも美化されてウソくさいと感じていました。今日の増田先生のお話は、実にリアルで納得できるものでした。もう少し詳しく勉強したいと思いました。

⑪「富国強兵・殖産興業」政策に反対
 「富国」といいながら、国民に重税をかけたから。列強の進出の中でも、「強兵」以外の選択は可能であったと思う。江戸時代は、農民一揆と、その意見を取り入れようとする幕藩政治が既にあった事実を、井上勝生『幕末・維新』(岩波新書)で知った。そこで、「富国強兵・殖産興業」政策のゴリ押しで、尊皇攘夷の維新なくとも、日本の開国と近代化は可能だったかもしれないと思った。

⑫「富国強兵・殖産興業」政策に、反対とも賛成とも、どちらとも言えない
 富国強兵の『富国』は外国との関係を考えるとき、ある程度必要なことであり、貿易収支の面から考えても「反対」とはいえないのではないか。わが国の資源の少なさから見て、産業立国は必要であったろう。
 授業については、非常に分かりやすく良かったと思う。

⑬「富国強兵・殖産興業」政策に反対
富国強兵の原理は、倒幕後、天皇制(立憲君主主義)に移行し、薩長土肥の下級武士の出身者たちが権力を握り、やがて第2次世界大戦を引き起こし、陸海軍、また、一般市民戦死者310万人、そして敗戦に至らせたものだから。日清戦争、満州事変、結局、軍備力増大に走り、台湾・韓国植民地政策から、大東亜戦争突入。しかも戦争犯罪人に当たる上部軍首脳たちは、まったく責任を感じておらず、このことが、現在の日本人たちを権利は主張するが責任は取らぬ恥知らずの国民に成り下がらせたのだと思う。現行の政府も富国強兵(明治政府)に近づいているので、心配している。

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