★ 立川、葛飾に続く「言論表現の自由」圧殺を許すな! ★
最高裁は「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性を判断せよ!
■□■ 7月16日第6回最高裁要請行動を行いました。 ■□■
《板橋高校藤田裁判》 6回の最高裁要請行動
「シマリス」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》
藤田裁判は、最高裁第1小法廷に係属して2年以上を経過している(控訴棄却2008年5月29日)。7月16日に、6回目になる最高裁要請行動を満席の参加者で行ってきた。
今回は、欧州人権専門家フォルホーフ教授「意見書」の最高裁提出を受けて、①「表現の自由」は国際人権標準で判断されるべきこと、②原判決の事実認定の矛盾を証言・証拠等で再精査すべきこと、③教育に国民が求めているのは「平和と人権」であって「日の丸・君が代」の強制ではないこと、などを訴えてきた。
2003年都教委の「10・23通達」以降「君が代」関連裁判は20件を超えるが、この裁判が最初に最高裁に係っており注目されている。
また、「表現の自由」(21条)問題で言えば、2004年には2月に立川反戦ビラ事件、3月に板橋高校卒業式事件、12月に葛飾政党ビラ配布事件と、公権力による市民の言論に対する弾圧事件が相次いだが、その後立川・葛飾は既に最高裁第2小法廷で「表現の自由」に立ち入らず「住居侵入罪」など形式で上告棄却されてきた中で、一つ残されていることも注目される。
この裁判は、藤田さんは来賓だから安易に「建造物侵入」は適用できないことや、原審の時間認定が刑事裁判にはあるまじき杜撰さであることなどから、滞っていることも考えられる。それ以上に重要なのは、「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性の判断を避けて通れないならば、最高裁は「校長の管理権」や「日の丸・君が代」が不可侵なのか、「基本的人権」が不可侵なのかについて明確に判断を示さなければならないことだ。
その点でフォルホーフ教授による国際人権の視点からの本事件「鑑定」の意味は大きい。「表現の自由」は民主主義社会を支える人類普遍の権利であり、国際人権の判例にこの事件を当てはめるなら、国旗国歌強制という「社会的関心事」についての公共の場での意見表明に対する公権力による制約と制裁は国際人権規約違反である、とする判断は明快で重みがある。
わが国は1979年に「国際人権規約」を批准して遵守義務がありながら、これまで国内裁判において一度も条文が適用されたことがない。この事件が初の適用になることを期待すると同時に、「日の丸・君が代」を不可侵とするかのような東京の教育に、憲法の立場から毅然として「人権」を守る裁判所の役割が示されることを信じて、私たちは見守っている。 (応援する会 花輪紅一郎)
『週刊新社会』(2010/8/24)
最高裁は「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性を判断せよ!
■□■ 7月16日第6回最高裁要請行動を行いました。 ■□■
《板橋高校藤田裁判》 6回の最高裁要請行動
「シマリス」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》
藤田裁判は、最高裁第1小法廷に係属して2年以上を経過している(控訴棄却2008年5月29日)。7月16日に、6回目になる最高裁要請行動を満席の参加者で行ってきた。
今回は、欧州人権専門家フォルホーフ教授「意見書」の最高裁提出を受けて、①「表現の自由」は国際人権標準で判断されるべきこと、②原判決の事実認定の矛盾を証言・証拠等で再精査すべきこと、③教育に国民が求めているのは「平和と人権」であって「日の丸・君が代」の強制ではないこと、などを訴えてきた。
2003年都教委の「10・23通達」以降「君が代」関連裁判は20件を超えるが、この裁判が最初に最高裁に係っており注目されている。
また、「表現の自由」(21条)問題で言えば、2004年には2月に立川反戦ビラ事件、3月に板橋高校卒業式事件、12月に葛飾政党ビラ配布事件と、公権力による市民の言論に対する弾圧事件が相次いだが、その後立川・葛飾は既に最高裁第2小法廷で「表現の自由」に立ち入らず「住居侵入罪」など形式で上告棄却されてきた中で、一つ残されていることも注目される。
この裁判は、藤田さんは来賓だから安易に「建造物侵入」は適用できないことや、原審の時間認定が刑事裁判にはあるまじき杜撰さであることなどから、滞っていることも考えられる。それ以上に重要なのは、「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性の判断を避けて通れないならば、最高裁は「校長の管理権」や「日の丸・君が代」が不可侵なのか、「基本的人権」が不可侵なのかについて明確に判断を示さなければならないことだ。
その点でフォルホーフ教授による国際人権の視点からの本事件「鑑定」の意味は大きい。「表現の自由」は民主主義社会を支える人類普遍の権利であり、国際人権の判例にこの事件を当てはめるなら、国旗国歌強制という「社会的関心事」についての公共の場での意見表明に対する公権力による制約と制裁は国際人権規約違反である、とする判断は明快で重みがある。
わが国は1979年に「国際人権規約」を批准して遵守義務がありながら、これまで国内裁判において一度も条文が適用されたことがない。この事件が初の適用になることを期待すると同時に、「日の丸・君が代」を不可侵とするかのような東京の教育に、憲法の立場から毅然として「人権」を守る裁判所の役割が示されることを信じて、私たちは見守っている。 (応援する会 花輪紅一郎)
『週刊新社会』(2010/8/24)
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