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子殺し 考

2014年12月08日 | ブラジル雑記
ベネズエラとの国境、ホライマ州の奥地にカラカライという町があります。
エンジェルフォールへのアクセスともなる町です。
この町、いえ、この一帯では、人による作為的な死亡者数の率が、ブラジルの平均の約10倍にもなるのだそうです。

原因はこのあたりに点在するインディオ保護区。
インディオたちによる「子殺し」がこの数字を大きく引き上げています。

妊娠したインディオの女性は、産み月になるとひとりで森の中に入り、子どもを出産します。
出産した後はその子どもをよく観察。
少しでもおかしなところがあったり、体が弱そうな赤ちゃんだったら、そのまま森の中に置き去りにしてしまうそうです。

それが、他殺死亡率が異常に高い原因。

インディオ保護区に定期的に健康診断のために入っている、インディオ保護局の看護師が最初にそのことに気がついたのだそうです。
この間来たときに、妊娠していたはずの女性の赤ちゃんがいない。
そういうケースが多すぎる、と。
保護局側が調査をし、この付近の4つの部族にこうした慣習があることがわかったそうです。

そうした部族の中のある家族。
子どもが5歳近くになり、様子がおかしいことに気がつきました。
子どもは徐々に歩くこともできなくなる、重い病気にかかっていたそうです。
両親は回りのインディオたちから、子どもを森の中に連れて行き、埋めてくるよう迫られました。
しかし、両親はそんなことはできないと、その子を抱え、森の中を何日も歩き、インディオ保護局に助けを求めたそうです。
現在、この家族はブラジリアに住み、子どもさんは車椅子に載って生活しているそうです。

こうしたインディオたちの慣習。
現代では「野蛮」と捉えられがちですが、一昔前の日本にもありましたよね。
「間引き」とか双子が生まれたらどちらかを殺してしまうとか。
昔の日本にしろ、現在のインディオ集落にしても、限りある食物をいきわたらせ、「種=しゅ」を残すための手段なのでしょう。

現在こうした慣習を持つインディオたちに対して、保護局側は「子殺し」をやめるよう指導を始まったとか。
生きられる命が生き延びられるようになると良いのですが。
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