2年ほど前のある日、雨水溝からひょこっと顔を出した赤猫。
ずっと雨水溝の中にいたのでしょう、鼻の頭が擦りむけていました。
とても臆病で、人が近寄るとさっと逃げ出してしまいます。
そんな姿を見たり見なかったりした日が続いていたのですが、ある日ひょいっと捕まえられちゃいました。
ちょうどこの日は他の猫のために避妊手術が予約してありました。
ところが、肝心の手術予定の猫は捕まらず、世話をしている人も現れず。
あらあら、じゃあちょうどいいわ!というわけで捕まえた赤猫ちゃんを手術に連れて行きました。
苦手な人間に捕まった上にケージに詰め込まれた赤猫ちゃん、あれよあれよという間に術前予診、手術となりました。
麻酔から覚めると、そこは今まで見たことのないような明るい世界。
ペケママ家の「術後回復室」(実は浴室トイレの一角)。
ここで10日間、ご飯をたっぷり食べ、ゆっくり休んでさて、抜糸後元居た場所へ。
10日間ゆっくり休んでたっぷり食べた付けは大きかった!!
なんと、もう雨水溝に入れないぐらいに太っちゃっていた!!
というわけで、めでたく「日向の道を歩く猫」となりました。
見て、このお腹!!
あっという間に人気者!!
初めはマンガの主人公からとった「Garfield」なんてしゃれた名前つけていたのですが、みんなに大不評。
なので、その色と体型からついた名前が「きなこもち子」。
一部には毎日パトロールをしているかのように歩き回っているので「もち子パトロール」と呼ぶ人もいたり、「まるお」なんて呼ぶ人がいたり。
どんな名前で呼ばれても、愛想よくすり寄っていくので、人気はますますうなぎ上り。
パトロール中!!
駆け回る姿はまるで「犬??」と思うかのようなダイナミックさでした。
そんな「きなこもち子」が空に旅立ったのは、真っ青な空が美しい日でした。
真っ青な空に一気に駆け上っていきました。
本当にたくさんの人たちが旅立ちを悲しんでくれました。
「ふわふわで あったかい」とみんなに愛された「きなこもち子」。
地上でのお勤めご苦労様でした。
また来てくれる日を 待っているよ。
みんな、待っているよ。
雨が続いた今年の雨期。
もち子が寒かろうと、スキンヘッドのごっつい兄ちゃんが 「もち子布団」を持ってきてくれました。
スキンヘッドくんは知らせを聞いて大泣き顔の絵文字しか返信してこなかった。ショックが大きすぎたみたい。