日々雑記

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事故から5年  福島原発事故はなにも終わっていない 

2016-03-06 15:00:06 | 政治

今朝サンデーモーニング「東日本大震災から5年」をみました。福島第一原発事故後5年を描いていました。一応知っているつもりでも深く考えさせられました。

原子炉については熔けてしまった核燃料をどうやって取り出すのか、取り出したものをどこにどうやって保管するのか全く分かっていません。それどころか取り出したほうが良いのか、チェルノブイリのように取り出さないで原子炉全体を「石棺」にいれたほうが良いのか、それすら分かっていないようです。

汚染水問題もそうです。原子炉の地下に地下水が流れ込み、そこで汚染され、海のほうに流れていく。いまは海に流れ込まないようにして、タンクにためています。今のままでは汚染水タンクが際限なく増えるだけです。それで炉の周りの土を凍らせて「凍土壁」を作り、水が出入りしないようにする工事が進められています。汚染水を少なくしようということでしょう。安倍総理が「(汚染水は)コントロールされています」と大見得を切った凍土壁です。しかし聞いてみると、この凍土壁にはいろいろな意見の方がいるようです。番組で一番びっくりしたのは原子力規制委員会の田中委員長が出てきて「凍土壁」に期待していないと明言したことです。その上で汚染水は「きれいにして捨てる以外にない」といったことです。専門家、それも規制の責任者かこんな意見がでてくるのに総理大臣が国際的な場で約束していいものでしょうか。さらに田中委員長は簡単に「捨てる」と言いました。しかし、私にもわかることですが、汚染水の中には大量のトリチウムがあります。トリチウムは弱いとはいえレッキとした放射性物質です。トリチウム水を水の中から除くことは今の技術では不可能といってよいでしょう。だからと言って、大量のトリチウム水を海に捨てて海洋を汚染することは許されることではないでしょう。

もう一つは除染です。番組では山林の除染の問題が出てきました。政府がやったのは落ち葉を除くことでした。しかしこれでは不十分なことが分かりました。表土5センチ除くことが有効だといっていました。福島県は山林が多い県です。実行するのは大変なことでしょうが、必要なことならやるべきでしょう。

5年たっても事故の後始末が何も進んでいない。原子炉の廃炉も、汚染水対策も、除染対策も。これが日本の現状だということが分かり、あらためて恐ろしくなりました。

それにしても、この日本の現状を考えるとき、原子炉の再稼働を着々と進めている政府や電力会社のトップが何を考えているのか全く理解できません。あの人たちは後世の人たちに責任をとれると考えているのでしょうか。





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