きょう1月29日(日)、出版クラブビルの3階ホールで行われた「佐野眞一さん お別れの会」にお誘いをいただいたので友人知人の皆さんと一緒に参加させていただきました。
流山から元新人物往来社社長の大出俊幸先生や元崙書房の方々など多くの皆さんが参加されていらっしゃいました
ノンフィクション作家の佐野眞一さんが2022年9月26日、75歳で逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。お別れの会が催された今日1月29日は佐野眞一さんのお誕生日でもありました。
作家の青木理さん
日本の戦後とは何だったのか、あるいは高度経済成長が日本社会にもたらした結果は何だったのか、それを「小文字」の文学で描ききってきた佐野さんの足跡は、それそのものが一つの戦後史であり、そしてノンフィクションの世界の歴史でもありました。
佐野眞一さんが昨年6月に流山の病院で入院されていらした時に寄せられたメッセージ、故人のお人柄が偲ばれます
この日は、佐野眞一さんの功績を偲び、そして佐野眞一さんと生前ご縁のあった方々と語らう機会として企画されました。
作家の重松清さん
会場では佐野眞一さんの最後の講演記録の紹介や写真も上映されました。
佐野眞一さんの生原稿や校正ゲラ、取材メモなど貴重な資料も
私は、平成21年2月28日に森の図書館で初めて講演会を企画した際に佐野眞一さんご夫妻が客席にゲストとしてお越しくださった時にお会いしたのが最初の出会いでした。初めての司会進行で緊張していたのですが、佐野眞一さんに優しくお声を掛けていただいいて落ち着いたのを忘れることができません。
作家の野村進さん
令和元年6月20日(木)から7月20日(土)まで森の図書館で開催した企画展「ありがとう崙書房出版」のときには、佐野眞一さんは直筆のメッセージを寄せてくださいました。
50冊を超える佐野眞一さんのご著書も展示されていました
平成28年9月24日(土)南柏の日本閣で出版で地域の活字文化を支える崙書房出版の「崙書房45周年記念会」に参加させていただいた時にも、まさかの展開で佐野眞一さんと同じテーブルで、お話を聴かせていただきました。
作家の宮部みゆきさん
実は、私の家の猫「レオ」は佐野眞一さんからいただいた猫です。「近所をウロウロしていた猫が子をいっぱい産んじゃったから1匹もらって」と言われて、初めて猫を飼いましたが、今では大切な家族で癒されています。
1997年に起きた事件とその後の裁判をめぐる『東電OL殺人事件』で佐野眞一さんを“神様”と言っていらしたゴビンダさんからもビデオメッセージ
佐野眞一さんは、葛飾区のご出身で、早稲田大学第一文学部卒業後、出版社勤務を経て作家に。1997年に「旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2009年には「甘粕正彦 乱心の曠野」で講談社ノンフィクション賞を受賞されました。また、出版不況の現場を取材した「だれが『本』を殺すのか」、東日本大震災をテーマにした「津波と原発」など社会問題を幅広く取材されました。
映画監督の森達也さん
発起人には、青木理さん、後藤正治さん、白石一文さん、髙山文彦さん、田中優子さん、野村進さん、原武史さん、宮部みゆきさん、森達也さん、吉岡忍さんらがお名前を連ねた今回の会。映画監督の森達也さんは、1923年の関東大震災の直後、流言飛語をもとに朝鮮人虐殺が相次ぐなか、日本人が犠牲になる事件を追った「福田村事件」を題材に初めての劇映画づくりに挑まれていますが、この原作とも言える『福田村事件―関東大震災知られざる悲劇』(崙書房)を書かれた流山の辻野弥生さんも今日の会にご夫妻で参加されていらっしゃいました。
佐野眞一さん、これまで本当にありがとうございました。
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