日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(504)「パースの法則」の「対偶」と「同一律」。

2020-02-08 11:46:33 | 論理

(01)
(ⅰ)
1   (1)  (P→ Q)→P  A
1   (2) ~(P→ Q)∨P  1含意の定義(Ⅱ)
 2  (3) ~(P→ Q)    A
  3 (4)  ~P∨ Q     A
  3 (5)   P→ Q     4含意の定義(Ⅱ)
 23 (6) ~(P→ Q)&
         (P→ Q)    35&I
 2  (7)~(~P∨ Q)    46RAA
 2  (8)   P&~Q     7ド・モルガンの法則
 2  (9)   P        8&E
   ア(ア)          P A
1   (イ)          P 239アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
(ⅱ)
1  (1) P∨(P&~Q)    A
 2 (2) P           A
  3(3)   (P&~Q)    A
  3(4)    P        3&E
1  (5)    P        1134∨E
   (6)(P∨(P&~Q))→P 15CP
然るに、
(02)
系Ⅰ:任意の連式は、それがトートロジー的であるときまたそのときに限って導出可能である。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、114頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
①((P→Q)→P)→ P≡((PならばQ)ならばP)ならばP。
②(P∨(P&~Q))→P≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
といふ「式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1   (1)  ((P→ Q)→ P)→P A
1   (2) ~((P→ Q)→ P)∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 3  (3) ~((P→ Q)→ P)   A
  4 (4) ~((P→ Q)&~P)   A
  4 (5)   (P→ Q)→ P    4含意の定義(Ⅰ)
 34 (6) ~((P→ Q)→ P)&
         ((P→ Q)→ P)   35&I
 3  (7)~~((P→ Q)&~P)   46RAA
 3  (8)  ((P→ Q)&~P)   6DN
 3  (9)    P→ Q        8&E
 3  (ア)  ~(P&~Q)       9含意の定義(Ⅰ)
 3  (イ)          ~P    8&E
 3  (ウ)   ~P&~(P&~Q)   アイ&I
 3  (エ)  ~(P∨(P&~Q))   ウ、ド・モルガンの法則
 3  (オ)  ~(P∨(P&~Q))∨P エ∨I
   カ(カ)              P A
   カ(キ)  ~(P∨(P&~Q))∨P カ∨I
1   (ク)  ~(P∨(P&~Q))∨P 13オカキ∨E
1   (ケ)   (P∨(P&~Q))→P ク含意の定義(Ⅱ)
1   (〃)(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
(ⅱ)
1   (1)   (P∨(P&~Q))→P A
1   (2)  ~(P∨(P&~Q))∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 2  (3)  ~(P∨(P&~Q))   A
 2  (4)  ~P&~(P&~Q)    3ド・モルガンの法則
 2  (5)  ~(P&~Q)&~P    4交換法則
 2  (6)  ~(P&~Q)       5&E
 2  (7)    P→ Q        6含意の定義(Ⅰ)
  8 (8)   (P→ Q)→ P    A
 28 (9)           P    78MPP
 2  (ア)          ~P    5&E
 28 (イ)        P&~P    89&I
 2  (ウ) ~((P→ Q)→ P)   8イRAA
 2  (エ) ~((P→ Q)→ P)∨P ウ∨I
   オ(オ)              P A
   オ(カ) ~((P→ Q)→ P)∨P オ∨I
1   (キ) ~((P→ Q)→ P)∨P 23エオカ∨E
1   (ク)  ((P→ Q)→ P)→P キ含意の定義(含意の定義Ⅱ)
1   (〃)((PならばQ)ならばP)ならばP。
従って、
(04)により、
(05)
①((P→Q)→P)→ P
②(P∨(P&~Q))→P
に於いて、
①=② である。
(06)
(ⅲ)
1     (1) (P∨ (P&~Q))→P  A
 2    (2)            ~P  A
12    (3)~(P∨ (P&~Q))    12MTT
12    (4) ~P&~(P&~Q)     3ド・モルガンの法則
12    (5) ~P             4&E
12    (6)    ~(P&~Q)     4&E
12    (7)     ~P∨ Q      6ド・モルガンの法則
  8   (8)     ~P         A
128   (9) (~P&~P)        58&I
128   (ア)(~P&~P)∨(~P&Q)  9∨I
   イ  (イ)         Q      A
12 イ  (ウ)      ~P&Q      5イ&I
12 イ  (エ)(~P&~P)∨(~P&Q)  ウ∨I
12    (オ)(~P&~P)∨(~P&Q)  78アイエ∨E(分配法則を、証明した。)
    カ (カ) ~P&~P          A
    カ (キ)    ~P          カ&E
    カ (ク)     ~P∨(~P&Q)  キ∨I
     ケ(ケ)        (~P&Q)  A
     ケ(コ)     ~P∨(~P&Q)  ケ∨I
12    (サ)     ~P∨(~P&Q)  オカクケコ∨E
1     (シ) ~P→(~P∨(~P&Q)) 1サCP
1     (ス)Pでないならば(Pでないか(PでなくてQである))。
従って、
(05)(06)により、
(07)
② (P∨(P&~Q))→P
③ ~P→(~P∨(~P&Q))
に於いて、
②=③ は「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(03)(05)(07)により、
(08)
①((P→Q)→P)→P      ≡((PならばQ)ならばP)ならばP。
②  (P∨(P&~Q))→P   ≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
③  ~P→(~P∨(~P&Q))≡Pでないならば(Pでないか(PでなくてQである))。
といふ「3つ式」は「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=②=③ である。
然るに、
(09)
②(P∨(P&~Q))→P
であるとして、
P=真 であれば、
②(真∨(真&~Q))→真
然るに、
(10)
②(真∨(真&~Q))→真
であれば、
②(真∨(真&~真))→真
であっても、
②(真∨(真&~偽))→真
であっても、いづれにせよ、
②(P∨(P&~Q))→P
は、「真」である。
(11)
②(P∨(P&~Q))→P
であるとして、
P=偽 であれば、
②(偽∨(偽&~Q))→偽
然るに、
(12)
②(偽∨(偽&~Q))→偽
であれば、
②(偽∨(偽&~真))→偽
であっても、
②(偽∨(偽&~偽))→偽
であっても、いづれにせよ、
②(P∨(P&~Q))→P
は、「真」である。
従って、
(08)~(12)により、
(13)
②  (P∨(P&~Q))→P   ≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
③  ~P→(~P∨(~P&Q))≡Pでないならば(Pでないか(PでなくてQである))。
といふ「2つ式」は、
② Pであるならば、Qであらうと、Qでなからうと、Pである
③ Pでないならば、Qであらうと、Qでなからうと、Pでない
といふ、「極めて当然」なことしか、述べてゐない。
従って、
(08)(13)により、
(14)
①((P→Q)→P)→P      ≡((PならばQ)ならばP)ならばP。
②  (P∨(P&~Q))→P   ≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
③  ~P→(~P∨(~P&Q))≡Pでないならば(Pでないか(PでなくてQである))。
といふ「3つ式」は
① Pであるならば、Qであらうと、Qでなからうと、Pである。
② Pであるならば、Qであらうと、Qでなからうと、Pである。
③ Pでないならば、Qであらうと、Qでなからうと、Pでない。
といふ、「極めて当然」なことしか、述べてゐない。
然るに、
(15)
① Pであるならば、Qであらうと、Qでなからうと、Pである。
といふことは、要するに、
① PであるならばPである(P→P)。
といふことである。
然るに、
(16)
① PであるならばPである(P→P)。
といふのは、「同一律(law of identity)」である。
然るに、
(17)
(ⅳ)P→P├ ~P∨P
    1 (1)  P→ P A
     2(2)  P&~P A
     2(3)  P    2&E
     2(4)    ~P 2&E
    12(5)     P 13MPP
    12(6)  ~P&P 45&I
    1 (7)   ~~P 46RAA
    1 (8)     P 7DN
    1 (9)  ~P∨P 8∨I
(ⅴ)~P∨P├ P→P
1     (1) ~P∨ P   A
 2    (2)  P&~P   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~P)  25RAA
   7  (7)     P   A
 2    (8)    ~P   A
 2 7  (9)  P&~P   78&I
   7  (ア)~(P&~P)  29RAA
1     (イ)~(P&~P)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~P   A
    ウエ(オ)  P&~P   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P&~P)&
          (P&~P)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~P   7カRAA
1   ウ (ク)     P   キDN
1     (ケ)  P→ P   ウクCP
従って、
(17)により、
(18)
④   P→P(同一律)
⑤ ~P∨P(排中律)
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(19)
同一律」と「排中律」は「等価」である。
従って、
(20)
①((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばP)ならばP。
といふ「パースの法則」は、「見た目」としては、
①    P→      P(同一律)に近いが、
①  ~P∨      P(排中律)とも「等価」である。
然るに、
(21)
パースの法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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パースの法則(パースのほうそく)は哲学者であり論理学者であるチャールズ・サンダース・パースにちなむ論理学における法則である。彼の最初の命題論理の公理化において、この法則を公理に採用した。この公理は、含意と呼ばれるただひとつの結合子を持つ体系における排中律であると考えることもできる。
従って、
(20)(21)により、
(22)
どうして、ウィキペディアでは、
「(パースの法則は)含意と呼ばれるただひとつの結合子を持つ体系における排中律であると考えることもできる。」であって、
「(パースの法則は)含意と呼ばれるただひとつの結合子を持つ体系における同一律であると考えることもできる。」ではないのか、といふことが、私には、理解できない。


(503)「漢文の二重否定」と「英語の二重否定」。

2020-02-07 18:56:15 | 漢文 英語

(01)
① 無不知劉氏者=
① 無[不〔知(劉氏)〕者〕]⇒
① [〔(劉氏)知〕不者〕]無=
① [〔(劉氏を)知ら〕不る者〕]無し=
① 誰もが皆、劉氏を知ってゐる(Everybody knows 劉氏)。
然るに、
(02)
① 不〔知(劉氏)〕⇒
① 〔(劉氏を)知ら〕ず。
ではなく、
① 不〔知(我)〕⇒
① 〔(我を)知ら〕ず。
のやうに、
①「他動詞」の「目的語」が「我(代名詞)」である場合は、例外(論語、学而、八)は有るものの、
① 不(我知)⇒
① (我を知ら)ず。
といふ「語順」になる。
従って、
(02)により、
(03)
① 無不我好者=
① 無〔不(我好)者〕⇒
① 〔(我を好か)ざる者〕無し=
① 誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
然るに、
(04)
② 我無事不知=
② 我無〔事不(知)〕⇒
② 我〔事(知)不〕無=
② 我に〔事として(知ら)ざるは〕無し=
② 私には、知らない事が無い(どんな事でも知ってゐる)。
(05)
③ 彼非不説子之道者=
③ 彼非[不〔説(子之道)〕者]⇒
③ 彼[〔(子之道)説〕不者]非=
③ 彼は[〔(子の道)を説ば〕ざる者に]非ず=
③ 彼は、先生が説く道を、嬉しく思はない者ではない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
「漢文訓読」に於いて、
否定否定(二重否定)」は、「肯定」である。
然るに、
(07)
このような用法は、特に英語で問題になる。たとえば、Nobody don't like me. (誰も僕を好いてくれない)や I don't know nothing. (僕は何も知らない) などがこれにあたる。
このような言い方は2つの否定を意味する語句が対応しあって1つの否定表現を形作るもので、英語は本来はこのように否定文では否定形の語を一貫して使う否定呼応を用いる言語であった。すなわち、否定呼応を用いる言語では、二重に否定語を用いても単純にひとつの否定表現を作るだけであり、論理学的に見た場合は単なる否定である。しかし、否定呼応を用いない言語では、二重に否定語を用いることは論理学的に見るところの「否定」の否定であり、肯定である(ウィキペディア:二重否定)。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
① 無不我好者=誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
② 我無事不知=私には、知らない事が無い(I know everything)。
に対して、「英語」の場合は、
① Nobody don't like me=誰もが皆、我のことを好きではない。
② I don't know nothing=僕は何も知らない。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
① Nobody don't like me   =誰も僕を好いてくれない。
① Anybody doesn't like me=誰も僕を好いてくれない。
② I don't know nothing  =僕は何も知らない。
② I don't know anything =僕は何も知らない。
従って、
(09)により、
(10)
① Nobody don't like me   =誰も僕を好いてくれない。
① Anybody doesn't like me=誰も僕を好いてくれない。
② I don't know nothing  =僕は何も知らない。
② I don't know anything =僕は何も知らない。
であるため、
① Nobody・nothing は、
② Anybody・anything に、「等しい」。
然るに、
(11)
① Nobody・nothing は、
② Anybody・anything に、「等しく」ない
従って、
(08)~(11)により、
(12)
① Nobody don't like me=誰も僕を好いてくれない。
② I don't know nothing=僕は何も知らない。
に於いて、「矛盾」してゐるのは、「漢文」ではなく、「英語」である。
然るに、
(13)
① Nobody don't like me.
といふ「語の英語」を、
① No body not like me.
といふ「語の英語」として、「漢字」に「置き換へ」ると、
① 無 人 不 好 我。
といふ「漢文」になる。
然るに、
(14)
① 無人不好我=
① 無[人不〔好(我)〕]⇒
① [人〔(我)好〕不]無=
① [人にして〔(我を)好ま〕不るは]無し=
① 誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
従って、
(03)(14)により、
(15)
① 無〔不(我好)者〕。
① 無[人不〔好(我)〕]。
に於いて、両方とも、
① 誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
① 誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
である。
然るに、
(16)
管到というのは「上の語が、下のことばのどこまでかかるか」ということである。なんことはない。諸君が古文や英語の時間でいつも練習している、あの「どこまでかかるか」である。漢文もことばである以上、これは当然でてくる問題である(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年、389頁)。
従って、
(16)により、
(17)
[人不〔好(我)〕]。
であるといふことは、
人 不 好 我。
に於いて、
 
といふ「漢字」は、
①   人 不 好 我。
といふ「4つの漢字」に、「管到(Scope)」してゐる。
然るに、
(18)
① 無 人
ではなく、
① 無-
であるとすると、
[人不〔好(我)〕]。
といふ「管到(Scope)」ではなく、
無‐人不〔好(我)〕。
といふ「管到(Scope)」が、有ることになる。
然るに、
(19)
① 無人不好我=
無‐人不〔好(我)〕。
であるならば、
① 無人不好我=
[人不〔好(我)〕]⇒
① [人〔(我)好〕不]無=
① [人にして〔(我を)好ま〕不るは]無し=
① 誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
といふ「漢文訓読」は、成立しないし
(20)
① 無 人不好我=人にして我を好ま不るは無し。
と読まずに、
無-人不好我=無人、我を好まず。
と読んでしまふと、
① 誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
といふ「意味」が、「不安定」になる。
従って、
(13)(18)(19)(20)により、
(21)
① Nobody don't like me.
といふ「英語」が、
No body not like me.
といふ「意味」ではなく、飽く迄も、
No-body not like me.
といふ「意味」であるならば、
① 誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
といふ「意味」が、「不安定」になる。
といふことは、分からないでも、ない
然るに、
(22)
Nobody don't like me.
-人不好我=無人、我を好まず。
であっても、
① Anybody doesn't like me.
ではなく、
① 誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
である。といふことには、「変り」が無い
従って、
(22)により、
(23)
しかし18世紀にきわめて人工的・作為的性質の強い規範文法が整備された際、否定呼応という言語現象に無理解な学者たちは、論理学規範を言語という特殊条件を考慮せずに適応し、「否定語を2回使うということは否定の否定を意味し、論理的に肯定である」と主張し、英語の否定呼応を抹殺した。とりわけ聖職者ロバート・ラウスが 1762 年に出版した文法書 A Short Introduction to English Grammar with Critical Notes は否定呼応を否定の否定であるとみなし(今日の言語学的観点からすれば『誤解』し)、この表現を非文法的な言い方の最たるものとしている。これにより英語は否定呼応を用いる言語から緩叙法を用いる言語へと半ば強制的に変換させられた(ウィキペディア:二重否定)。
とは言ふものの、
① Nobody don't like me.
無-人不好我=無人、我を好まず。
であっても、固より、
① 誰もが皆、我のことを好きである(Everybody likes me)。
といふことには、「変り」が無い。
といふ事実が無かったとしたら、聖職者ロバート・ラウスであっても、「否定呼応を否定の否定である」とは、みなさなかった
と、すべきである。


(502)「パースの法則」に対する、「自然演繹」による「証明」(其の?th)。

2020-02-07 17:41:13 | 論理

(01)
5 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove;
(c)├((P→Q)→P)→P 
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、80頁と、原文)
cf.
ただし、「E.J.レモン、論理学初歩」には、「練習問題の解答」は、載ってゐません。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1   (1)  (P→ Q)→P  A
1   (2) ~(P→ Q)∨P  1含意の定義(Ⅱ)
 2  (3) ~(P→ Q)    A
  3 (4)  ~P∨ Q     A
  3 (5)   P→ Q     4含意の定義(Ⅱ)
 23 (6) ~(P→ Q)&
         (P→ Q)    35&I
 2  (7)~(~P∨ Q)    46RAA
 2  (8)   P&~Q     7ド・モルガンの法則
 2  (9)   P        8&E
   ア(ア)          P A
1   (イ)          P 239アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
(ⅱ)
1  (1) P∨(P&~Q)    A
 2 (2) P           A
  3(3)   (P&~Q)    A
  3(4)    P        3&E
1  (5)    P        1134∨E
   (6)(P∨(P&~Q))→P 15CP
然るに、
(03)
系Ⅰ:任意の連式は、それがトートロジー的であるときまたそのときに限って導出可能である。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、114頁)
従って、
(02)(03)により、
(04)
①├((P→Q)→P)→ P≡((PならばQ)ならばP)ならばP。
②├(P∨(P&~Q))→P≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
といふ「連式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1   (1)  ((P→ Q)→ P)→P A
1   (2) ~((P→ Q)→ P)∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 3  (3) ~((P→ Q)→ P)   A
  4 (4) ~((P→ Q)&~P)   A
  4 (5)   (P→ Q)→ P    4含意の定義(Ⅰ)
 34 (6) ~((P→ Q)→ P)&
         ((P→ Q)→ P)   35&I
 3  (7)~~((P→ Q)&~P)   46RAA
 3  (8)  ((P→ Q)&~P)   6DN
 3  (9)    P→ Q        8&E
 3  (ア)  ~(P&~Q)       9含意の定義(Ⅰ)
 3  (イ)          ~P    8&E
 3  (ウ)   ~P&~(P&~Q)   アイ&I
 3  (エ)  ~(P∨(P&~Q))   ウ、ド・モルガンの法則
 3  (オ)  ~(P∨(P&~Q))∨P エ∨I
   カ(カ)              P A
   カ(キ)  ~(P∨(P&~Q))∨P カ∨I
1   (ク)  ~(P∨(P&~Q))∨P 13オカキ∨E
1   (ケ)   (P∨(P&~Q))→P ク含意の定義(Ⅱ)
1   (〃)(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
(ⅱ)
1   (1)   (P∨(P&~Q))→P A
1   (2)  ~(P∨(P&~Q))∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 2  (3)  ~(P∨(P&~Q))   A
 2  (4)  ~P&~(P&~Q)    3ド・モルガンの法則
 2  (5)  ~(P&~Q)&~P    4交換法則
 2  (6)  ~(P&~Q)       5&E
 2  (7)    P→ Q        6含意の定義(Ⅰ)
  8 (8)   (P→ Q)→ P    A
 28 (9)           P    78MPP
 2  (ア)          ~P    5&E
 28 (イ)        P&~P    89&I
 2  (ウ) ~((P→ Q)→ P)   8イRAA
 2  (エ) ~((P→ Q)→ P)∨P ウ∨I
   オ(オ)              P A
   オ(カ) ~((P→ Q)→ P)∨P オ∨I
1   (キ) ~((P→ Q)→ P)∨P 23エオカ∨E
1   (ク)  ((P→ Q)→ P)→P キ含意の定義
1   (〃)((PならばQ)ならばP)ならばP。
従って、
(05)により、
(06)
①((P→Q)→P)→ P
②(P∨(P&~Q))→P
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
①├((P→Q)→P)→ P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②├(P∨(P&~Q))→P≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
といふ「連式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&I
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   35RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
(ⅱ)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    ~Q  2&E
12(5)     Q  13MPP
12(6)  ~Q&Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅲ)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   A
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
1     (ウ)  P→ Q   イ含意の定義(Ⅰ)
(ⅳ)
1  (1)    P→Q   A
 2 (2) ~(~P∨Q)  A
  3(3)   ~P     A
  3(4)   ~P∨Q   3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  24&I
 2 (6)  ~~P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   ~P∨Q   8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  29&I
1  (イ)~~(~P∨Q)  2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q   イDN
(ⅴ)
1   (1) ~(P∨ Q)  A
 2  (2)   P      A
 2  (3)   P∨ Q   2∨I
12  (4) ~(P∨ Q)&
         (P∨ Q)  13&I
1   (5)  ~P      24RAA
  6 (6)      Q   A
  6 (7)   P∨ Q   6∨I
1 6 (8) ~(P∨ Q)&
         (P∨ Q)  17&I
1   (9)     ~Q   68RAA
1   (ア)  ~P&~Q   59&I
(ⅵ)
1   (1)  ~P&~Q   A
 2  (2)   P∨ Q   A
  3 (3)   P      A
1   (4)  ~P      1&E
1 3 (5)   P&~P   34&I
  3 (6)~(~P&~Q)  13RAA
   7(7)      Q   A
1   (8)     ~Q   1&E
1  7(9)   Q&~Q   78&I
   7(ア)~(~P&~Q)  19RAA
 2  (イ)~(~P&~Q)  2367ア∨E
12  (ウ)~(~P&~Q)&
        (~P&~Q)  1イ&
1   (エ) ~(P∨Q)  2ウRAA
従って、
(08)により、
(09)
① ~(P&~Q)≡Pであって Qでない。といふことはない。
②     P→  Q ≡Pならば、 Qである。
③  ~P∨ Q ≡Pでないか、Qである。
④    P→ Q ≡Pならば、 Qである。
⑤ ~(P∨ Q)≡Pであるか、Qである。といふことはない。
⑥   ~P&~Q ≡Pでなくて、Qでない。
に於いて、
①=② であって、この「等式」を「含意の定義(Ⅰ)」 とする。
③=④ であって、この「等式」を「含意の定義(Ⅱ)」 とする。
⑤=⑥ であって、この「等式」を「ド・モルガンの法則」とする。
然るに、
(10)
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)  
といふ「10個の規則」を、「原始的規則(primitive rules)」といふ。
従って、
(01)~(10)により、
(11)
5 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved,
①├((P→Q)→P)→ P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②├(P∨(P&~Q))→P≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
といふ「連式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ
①=② である。
といふことが、「証明」された。
然るに、
(12)
5 次の連式を、原始的規則のみによって証明せよ
5 Prove the following sequent by primitive rules alone:
(c)├((P→Q)→P)→P
といふ「問題」であるならば、
〔解答〕は、
(ⅲ)
1      (1)  (P→Q)→ P   A
 2     (2)  (P→Q)&~P   A
 2     (3)  (P→Q)      2&E
12     (4)         P   13MPP
 2     (5)        ~P   2&E
12     (6)      P&~P   45&I
1      (7)       ~~P   26RAA
1      (8)         P   7DN
1      (9) ~(P→ Q)∨P   8∨I(含意の定義Ⅱを、証明した)。
  ア    (ア) ~(P→ Q)     A
   イ   (イ) ~(P&~Q)     A
    ウ  (ウ)   P         A
     エ (エ)     ~Q      A
    ウエ (オ)   P&~Q      ウエ&I
   イウエ (カ) ~(P&~Q)&
            (P&~Q)     イオ&I
   イウ  (キ)    ~~Q      エカRAA
   イウ  (ク)      Q      キDN
   イ   (ケ)   P→ Q      ウクCP(含意の定義Ⅰを、証明した)。
  アイ   (コ) ~(P→ Q)&
            (P→ Q)     アケ&I
  ア    (サ)~~(P&~Q)     イコRAA
  ア    (シ)   P&~Q      サDN
       (ス)   P         シ&E
      セ(セ)         P   A
1      (ソ)         P   9アスセセ∨E
       (タ)((P→Q)→P)→P  1クCP
       (〃)((PならばQ)ならばP)ならばPである。
といふ、ことになる。
然るに、
(02)により、
(13)
もう一度、確認すると、
(ⅱ)
1  (1) P∨(P&~Q)    A
 2 (2) P           A
  3(3)   (P&~Q)    A
  3(4)    P        3&E
1  (5)    P        1134∨E
   (6)(P∨(P&~Q))→P 15CP
   (〃)(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
であって、尚且つ、この場合は、「A、&E、∨E、CP」といふ「原始的規則primitive rules)」だけしか、使はれてゐない
従って、
(03)(12)(13)により、
(14)
5 原始的規則を用ひて、
5 Using primitive rules,
①├((P→Q)→P)→ P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②├(P∨(P&~Q))→P≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
といふ「連式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことが、「証明」された。
然るに、
(08)(09)(10)により、
(15)
① ~(P&~Q)≡Pであって Qでない。といふことはない。
②     P→  Q ≡Pならば、 Qである。
③  ~P∨ Q ≡Pでないか、Qである。
④    P→ Q ≡Pならば、 Qである。
⑤ ~(P∨ Q)≡Pであるか、Qである。といふことはない。
⑥   ~P&~Q ≡Pでなくて、Qでない。
に於いて、
①=② であって、この「等式」を「含意の定義(Ⅰ)」 とする。
③=④ であって、この「等式」を「含意の定義(Ⅰ)」 とする。
⑤=⑥ であって、この「等式」を「ド・モルガンの法則」とする。
場合に、これらの「等式」を「証明」したのは、
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)  
といふ「原始的規則primitive rules)」に他ならない
従って、
(05)(15)により、
(16)
(ⅰ)
1  (1) ((P→Q)→P)→P A
1  (2)~((P→Q)→P)∨P 1含意の定義(Ⅱ)
であれば、
1  (1)    ((P→Q)→P)→P   A
 2 (2) ~(~((P→Q)→P)∨P)  A
  3(3)   ~((P→Q)→P)     A
  3(4)   ~((P→Q)→P)∨P   3∨I
 23(5) ~(~((P→Q)→P)∨P)&
        (~((P→Q)→P)∨P)  24&I
 2 (6)  ~~((P→Q)→P)     35RAA
 2 (7)    ((P→Q)→P)     6DN
12 (8)              P   17MPP
12 (9)   ~((P→Q)→P)∨P   8∨I
12 (ア) ~(~((P→Q)→P)∨P)&
        (~((P→Q)→P)∨P)  29&I
1  (イ)~~(~((P→Q)→P)∨P)  2アRAA
1  (ウ)   ~((P→Q)→P)∨P   イDN
といふ風に、書くことによって、『証明の中で、「含意の定義)」自体を「証明」することが出来るし、「含意の定義)」であっても、「ド・モルガンの法則」であっても、『証明』の中で、「証明」を書くことが、出来る。
従って、
(05)(15)(16)により、
(17)
(ⅰ)
1   (1)  ((P→ Q)→ P)→P A
1   (2) ~((P→ Q)→ P)∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 3  (3) ~((P→ Q)→ P)   A
  4 (4) ~((P→ Q)&~P)   A
  4 (5)   (P→ Q)→ P    4含意の定義(Ⅰ)
 34 (6) ~((P→ Q)→ P)&
         ((P→ Q)→ P)   35&I
 3  (7)~~((P→ Q)&~P)   46RAA
 3  (8)  ((P→ Q)&~P)   6DN
 3  (9)    P→ Q        8&E
 3  (ア)  ~(P&~Q)       9含意の定義(Ⅰ)
 3  (イ)          ~P    8&E
 3  (ウ)   ~P&~(P&~Q)   アイ&I
 3  (エ)  ~(P∨(P&~Q))   ウ、ド・モルガンの法則
 3  (オ)  ~(P∨(P&~Q))∨P エ∨I
   カ(カ)              P A
   カ(キ)  ~(P∨(P&~Q))∨P カ∨I
1   (ク)  ~(P∨(P&~Q))∨P 13オカキ∨E
1   (ケ)   (P∨(P&~Q))→P ク含意の定義(Ⅱ)
1   (〃)(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
(ⅱ)
1   (1)   (P∨(P&~Q))→P A
1   (2)  ~(P∨(P&~Q))∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 2  (3)  ~(P∨(P&~Q))   A
 2  (4)  ~P&~(P&~Q)    3ド・モルガンの法則
 2  (5)  ~(P&~Q)&~P    4交換法則
 2  (6)  ~(P&~Q)       5&E
 2  (7)    P→ Q        6含意の定義(Ⅰ)
 2  (8)          ~P    5&E
 2  (9)   (P→ Q)&~P    78&I
  ア (ア)   (P→ Q)→ P    A
 2  (イ)   (P→ Q)       9&E
 2ア (ウ)           P    アイMPP
 2  (エ)          ~P    9&E
 2ア (オ)        P&~P    ウエ&I
 2  (カ) ~((P→Q)→P)     アオRAA
 2  (キ) ~((P→Q)→P)∨P   カ∨I
   ク(ク)              P A
   ク(ケ) ~((P→Q)→P)∨P   ク∨I
1   (コ) ~((P→Q)→P)∨P   12キクケ∨E
1   (サ)  ((P→Q)→P)→P   コ含意の定義(Ⅱ)
1   (〃)((PならばQ)ならばP)ならばP。
といふ『証明』が行はれた。といふことは、「10個の原始的規則10 primitive rules)」で以て、『証明』が行はれた。
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(17)により、
(18)
原始的規則のみによって、
5 by primitive rules alone:
①├((P→Q)→P)→ P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②├(P∨(P&~Q))→P≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
といふ「連式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ
①=② である。
といふことが、「証明」された。
然るに、
(19)
②(Pであるか(PであってQでない))ならばPである
といふことは、「当然」である。
従って、
(18)(19)により、
(20)
①((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②(Pであるか(PであってQでない))ならばPである
に於いて、
①=② であって、
  ② は、「当然」である以上、
① は、当然、「当然」である。
然るに、
(21)
①((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
といふ「恒真式(トートロジー)」を、「パースの法則」といふ。
従って、
(20)(21)により、
(22)
①((P→Q)→P)→ P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②(P∨(P&~Q))→P≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「少しも、変」ではなく、「極めてまとも」である。
然るに、
(23)
排中律二重否定の除去等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)
従って、
(22)(23)により、
(24)
(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)のオーナーの方には、
①((P→Q)→P)→ P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②(P∨(P&~Q))→P≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「少しも、変」ではなく、「極めて、まとも」であると、言ひたいし、
②(P∨(P&~Q))→P≡(Pであるか(PであってQでない))ならばPである。
といふ「パースの法則」が、どうして、「排中律二重否定の除去等価」なのか(?)。
といふことを、「質問」したい。


(501)「漢文・訓読」は、「英語」よりもはるかに「論理的(Logical)」である。

2020-02-06 13:48:42 | 論理

(01)
⑪ 不不(不P如Q)≡(Pならざるか、もしくはQに)あらずんば、あらず。
ではなく、「正しく」は、
⑪ 無非(不P如Q)≡(Pならざるか、もしくはQに)あらざるは、なし。
でなければならない。
といふことは、ここでは、「不問」にする。
(02)
(ⅰ)P則Q├ 不P如Q
1  (1)    P則Q   A
 2 (2) 不(不P如Q)  A
  3(3)   不P     A
  3(4)   不P如Q   3如I
 23(5) 不(不P如Q)而
        (不P如Q)  24而I
 2 (6)  不不P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   不P如Q   8如I
12 (ア) 不(不P如Q)而
        (不P如Q)  29而I
1  (イ)不不(不P如Q)  2アRAA
1  (ウ)   不P如Q   イDN
といふ「計算(Propositional calculus)」の中の「漢文(Kanbun)」は、
(ⅰ)
(1) Pならば、すなはちQなり。
(2)(Pならざるか、もしくはQに)あらず。
(3) Pならず。
(4) Pならざるか、もしくはQなり。
(5)(Pならざるか、もしくはQに)あらずして、
   (Pならざるか、もしくはQなり。)
(6) Pならずんばあらず。
(7) Pなり。
(8) Qなり。
(9) Pならざるか、もしくはQなり。
(ア)(Pならざるか、もしくはQに)あらずして、
   (Pならざるか、もしくはQなり。)
(イ)(Pならざるか、もしくはQに)あらずんば、あらず。
(ウ) Pならざるか、もしくはQなり。
といふ風に、「訓読」出来る。
従って、
(02)により、
(03)
(1) Pならば、すなはちQなり。
(2)(Pならざるか、もしくはQに)あらず。
(3) Pならず。
(4) Pならざるか、もしくはQなり。
(5)(Pならざるか、もしくはQに)あらずして、
   (Pならざるか、もしくはQなり。)
(6) Pならずんばあらず。
(7) Pなり。
(8) Qなり。
(9) Pならざるか、もしくはQなり。
(ア)(Pならざるか、もしくはQに)あらずして、
   (Pならざるか、もしくはQなり。)
(イ)(Pならざるか、もしくはQに)あらずんば、あらず。
(ウ) Pならざるか、もしくはQなり。
といふ「日本語」は、
(1)    P則Q
(2) 不(不P如Q)
(3)   不P
(4)   不P如Q
(5) 不(不P如Q)而
     (不P如Q)
(6)  不不P
(7)    P
(8)      Q
(9)   不P如Q
(ア) 不(不P如Q)而
     (不P如Q)
(イ)不不(不P如Q)
(ウ)   不P如Q
といふ「漢文」に、「置き換へ」ることが出来る。
然るに、
(04)
(ⅰ)P則Q├ 不P如Q
1  (1)    P則Q   A
 2 (2) 不(不P如Q)  A
  3(3)   不P     A
  3(4)   不P如Q   3如I
 23(5) 不(不P如Q)而
        (不P如Q)  24而I
 2 (6)  不不P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   不P如Q   8如I
12 (ア) 不(不P如Q)而
        (不P如Q)  29而I
1  (イ)不不(不P如Q)  2アRAA
1  (ウ)   不P如Q   イDN
といふ「計算」は、「意味」としては、
(ⅰ)P→Q├ ~P∨Q
1  (1)    P→Q   A
 2 (2) ~(~P∨Q)  A
  3(3)   ~P     A
  3(4)   ~P∨Q   3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  24&I
 2 (6)  ~~P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   ~P∨Q   8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  29&I
1  (イ)~~(~P∨Q)  2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q   イDN
といふ「計算」と、「全く同じ」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
例へば、
(1)    P→Q
(2) ~(~P∨Q)
(3)   ~P
(4)   ~P∨Q
(5) ~(~P∨Q)&
     (~P∨Q)
(6)  ~~P
(7)    P
(8)      Q
(9)   ~P∨Q
(ア) ~(~P∨Q)&
     (~P∨Q)
(イ)~~(~P∨Q)
(ウ)   ~P∨Q
といふ「論理式(well-formed formula)」は、
(1)    P則Q
(2) 不(不P如Q)
(3)   不P
(4)   不P如Q
(5) 不(不P如Q)而
     (不P如Q)
(6)  不不P
(7)    P
(8)      Q
(9)   不P如Q
(ア) 不(不P如Q)而
     (不P如Q)
(イ)不不(不P如Q)
(ウ)   不P如Q
といふ「漢文(Kanbun)」に「等しい」。
従って、
(06)
例へば、
 ―「分配法則の証明」―
(a) P而   (Q如R)├(P而Q)如(P而R)
(b)(P而Q)如(P而R)├ P而   (Q如R)
(c) P如   (Q而R)├(P如Q)而(P如R)
(d)(P如Q)而(P如R)├ P如   (Q而R)
(a)
1  (1) P而(Q如R)    A
1  (2) P          1而E
1  (3)    Q如R     1而E
 4 (4)    Q       A
14 (5) P而Q        24而I
14 (6)(P而Q)如(P而R) 5如I
  7(7)      R     A
1 7(8)       P而R  27而I
1 7(9)(P而Q)如(P而R) 8如I
1  (ア)(P而Q)如(P而R) 34679如E
(b)
1  (1)(P而Q)如(P而R) A
 2 (2)(P而Q)       A
 2 (3) P          2而E
 2 (4)   Q        2而E
 2 (5)    Q如R     4如I
 2 (6) P而(Q如R)    35而I
  7(7)      (P而R) A
  7(8)       P    7而E
  7(9)         R  7而E
  7(ア)       Q如R  9如I
  7(イ) P而(Q如R)    8ア而I
1  (ウ) P而(Q如R)    1267イVE
(c)
1  (1) P如(Q而R)    A
 2 (2) P          A
 2 (2) P如Q        2如I
 2 (3) P如R        2如I
 2 (4)(P如Q)而(P如R) 23而I
  5(5)    Q而R     A
  5(6)    Q       5而E
  5(7)      R    5而E
  5(8) P如Q        6如I
  5(9)       P如R  7如I
  5(ア)(P如Q)而(P如R) 89而I
1  (イ)(P如Q)而(P如R) 1245ア如E
(d)
1      (1) (P如Q)而(P如R) A
1      (2)  P如Q        1而E
 3     (3)  P          A
 3     (4)不不P          3DN
 3     (5)不不P如Q        4如I
 3     (6) 不P則Q        5含意の定義
  7    (7)    Q        A
  7    (8)不不P如Q        7如I
  7    (9) 不P則Q        8含意の定義
1      (ア) 不P則Q        23679如E
1      (イ)        P如R  A
    ウ  (ウ)        P    A
    ウ  (エ)      不不P    ウDN
    ウ  (オ)      不不P如R  エ如I
    ウ  (カ)       不P則R  オ含意の定義
     キ (キ)          R  A
     キ (ク)      不不P如R  如I
     キ (ケ)       不P則R  ク含意の定義
1      (コ)       不P則R  イウカキケ如E
      サ(サ) 不P          A
1     サ(シ)    Q        アサMPP
1     サ(ス)          R  コサ
1     サ(セ)    Q而R      シス而I
1      (ソ)不P則(Q而R)     サセCP
1      (タ) P如(Q而R)     ソ含意の定義
といふ「計算」は、
(a) P&   (Q∨R)├(P&Q)∨(P&R)
(b)(P&Q)∨(P&R)├ P&   (Q∨R)
(c) P∨   (Q&R)├(P∨Q)&(P∨R)
(d)(P∨Q)&(P∨R)├ P∨   (Q&R)
といふ「連式(Sequents)」の「証明そのものである。
然るに、
(07)
漢文自然言語ではなかった。また「聞いて話す」音声言語ではなく、「読んで書く」ための書記言語である。漢字の習得者だけが、漢文を学習できる。「ネイティブライター」は、原理的に存在しない。
(加藤徹、白文攻略 漢文法ひとり学び、2013年、8頁)
従って、
(01)~(07)により、
(08)
漢文(Kanbun)」といふ「人工言語・書記言語」は、その「部分集合(subset)」として「命題論理(propositional logic)」そのものを含んでゐる
従って、
(08)により、
(09)
明治以前の日本人は、漢文を読むことで論理的な考えを身につけました。漢文論理的な構文たくさん含んでいるからです(山下正男、論理的に考えること、1985年、ⅲ)。
といふことになる。
従って、
(08)(09)により、
(10)
そのように、その「部分集合」として「命題論理」を含んでゐる「漢文(Kanbun)」に対して、「逐語的に対応する日本語(訓読)」が、「英語」よりも「非論理的」である。
といふことは、ほとんど、有り得ない
(11)
⑪ ~~(~P∨Q)=
⑪ 不不(不P如Q)=
⑪ 無非(不P如Q)=
⑪ 無[非〔不(P)如Q〕]⇒
⑪ [〔(P)不如Q〕非]無=
⑪ [〔(Pなら)ざるか、もしくはQに〕非ざるは]無し=
⑪ Pでないか、もしくは、Qである。といふことはない、のではない。
然るに、
(12)
⑪ Pでないか、もしくは、Qである。といふことはない、のではない。
に対する、「グーグル翻訳」、並びに、「ワード2019」による「機械翻訳」は
⑪ Not P or Q. It is not that it is not.
⑪ Not P or, it is Q. It is not.
となって、「分けが、分からない」。
(13)
⑪ [〔(Pなら)ざるか、もしくはQに〕非ざるは]無し
ではなく、
⑪ [〔(Pなら)ざるか、もしくはQに〕非ず。
であるならば、
⑪ It is not the case that not P or Q.
であるはずである。
然るに、
(14)
⑪ It is not the case that not P or Q.
に対する、「グーグル翻訳」、並びに、「ワード2019」による「機械翻訳」は
⑪ PまたはQではないというわけではありません。
⑪ PやQではない場合ではありません。
となって、すなはち、
⑪ Pであるか、もしくは、Qでない。といふことはない。
となって、
⑪ Pでないか、もしくは、Qである。といふことはない。
とはならない。
(15)
⑪[〔(Pなら)ざるか、もしくはQに〕非ず。
に対する「英訳」、すなはち、
⑪ It is not the case that not P or Q.
といふ「英語」の「否定形」は、「どう書いたら良い」のかが分からない。
従って、
(11)~(15)により、
(16)
⑪ ~~(~P∨Q)
といふ「論理式(well-formed formula)」を、「漢文訓読」では、
⑪ 無非(不P如Q)⇔
⑪(Pならざるか、もしくはQに)非ざるは無し。
といふ風に「書ける」のに対して、
⑪ ~~(~P∨Q)
といふ「論理式(well-formed formula)」を、「英訳」することは、出来ない
従って、
(16)により、
(17)
飽く迄も、その「意味」では、「漢文訓読」の方が、「英語」よりも、はるかに論理的(Logical)」である。
(18)
⑫ 無不好我者⇔
⑫ 無[不〔好(我)〕者]⇔
⑫ [〔(我)好〕不者]無⇔
⑫ [〔(我を)好ま〕ざる者]無し⇔
⑫ 私のことを、嫌いな人は、ゐない⇔
⑫ 誰もが、私のことを、好いてゐる⇔
⑫ ∀x{人x→∃y(私y&愛xy)}⇔
⑫ すべてのxについて、xが人ならば、あるyは私であって、xはyを愛す。
(19)
⑬ 我無物不知⇔
⑬ 我無〔物不(知)〕⇔
⑬ 我〔物(知)不〕無⇔
⑬ 我に〔物として(知ら)ざるは〕無し⇔
⑬ 私には、知らない物が無い(どんな物でも知ってゐる)。
然るに、
(20)
このような用法は、特に英語問題になる。たとえば、Nobody don't like me. (誰も僕を好いてくれない)や I don't know nothing. (僕は何も知らない) などがこれにあたる。
二重否定 (言語学)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
従って、
(19)(20)により、
(21)
「漢文訓読」とは異なり、「英語」では、
Nobody don't like me.
⑬ I don't know nothing.
といふ「二重否定」が、
⑫ 私のことを、嫌いな人はゐない。
⑬ 私には、知らない物が無い。
といふ「意味」ではなく
⑫ 誰も僕を好いてくれない。
⑬ 僕は何も知らない。
といふ「反対の意味」になる。
然るに、
(22)
このような言い方は2つの否定を意味する語句が対応しあって1つの否定表現を形作るもので、英語は本来はこのように否定文では否定形の語を一貫して使う否定呼応を用いる言語であった。すなわち、否定呼応を用いる言語では、二重に否定語を用いても単純にひとつの否定表現を作るだけであり、論理学的に見た場合は単なる否定である。しかし、否定呼応を用いない言語では、二重に否定語を用いることは論理学的に見るところの「否定」の否定であり、肯定である。
二重否定 (言語学)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
従って、
(18)~(22)により、
(23)
無不好者(我を好まざる無し)。
⑬ 我無物不知(我に物として知らざる無し)。
Nobody don't like me.
⑬ I don't know nothing.
に於いて、「論理的(Logical)」なのは、「漢文訓読」であって、「英語」ではない
従って、
(01)~(23)により、
(24)
以上を要するに、
(ⅰ)「漢文(Kanbun)」といふ「人工言語・書記言語」は、その「部分集合(subset)」として、少なくとも、「命題論理(propositional logic)」を含んでゐた。
(ⅱ)然るに、「訓読」は、そのやうな「漢文」を「逐語的に、日本語」に「翻訳」した「結果」である。
(ⅲ)従って、「漢文・訓読」は、必然的に「論理的(Logical)」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(25)
先日、数人の大学の先生と話をしているときに、ある先生が「うちの学生が、英語ができるようになったら、数学ができるようになった」と言った。これは、暗に、英語ができるようになった、だから数学ができるようになったと言いたいのである。言い換えれば、日本語では論理的に考えられないから、数学ができない、と言いたいのである。私は「またか」と思った。日本人は、この大学の先生のように、日本語非論理的であり、論理的思考に向いていないと思い込んでいる人が多い。
(月本洋、日本語は論理的である、2009年、2頁)
従って、
(24)(25)により、
(26)
漢文」が「得意(好き)」であった人物が、「論理学」が「好き(得意)」になる。といふことは、有り得ても、
日本語では論理的に考えられないから、数学できない。」といふことは、有り得ない


(500)「ド・モルガンの法則」と「含意の定義(Ⅰ・Ⅱ)」と「パースの法則」。

2020-02-05 19:42:39 | 論理

(01)
(ⅰ)
1   (1) ~P∨ Q  A
 2  (2)  P&~Q  A
  3 (3) ~P     A
 2  (4)  P     2&E
 23 (5) ~P&P   34&I
  3 (6)~(P&~Q) 25RAA
   7(7)     Q  A
 2  (8)    ~Q  2&E
 2 7(9)  Q&~Q  78&I
   7(ア)~(P&~Q) 29RAA
1   (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
(ⅱ)
1   (1)  ~(P&~Q)  A
 2  (2) ~(~P∨ Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨ Q   3∨E
 23 (5) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  14&I
 2  (6)  ~~P      25RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)       Q   A
   8(9)   ~P∨ Q   7∨I
 2 8(ア) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  28&I
 2  (イ)      ~Q   8アRAA
 2  (ウ)    P&~Q   7イ&I
12  (エ)  ~(P&~Q)&
          (P&~Q)  1ウ&
1   (オ)~~(~P∨ Q)  2エRAA
1   (カ)   ~P∨ Q   オDN
従って、
(01)により、
(02)
①   ~P∨ Q ≡不P如Q。
② ~(P&~Q)≡無P而不Q。
に於いて、
①=② であって、この「等式」を「ド・モルガンの法則」といふ。
然るに、
(03)
(ⅱ)~(P&~Q)├ P→Q
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&I
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   35RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
(ⅲ)P→Q├ ~(P&~Q)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    ~Q  2&E
12(5)     Q  13MPP
12(6)  ~Q&Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
従って、
(03)により、
(04)
② ~(P&~Q)≡無P而不Q。
③     P→  Q ≡如P則Q。
に於いて、
②=③ であって、この「等式」を「含意の定義()」とする。
然るに、
(02)(04)により、
(05)
①   ~P∨ Q ≡不P如Q。
② ~(P&~Q)≡無P而不Q。
③     P→  Q ≡如P則Q。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
①   ~P∨ Q ≡不P如Q。
③     P→  Q ≡如P則Q。
に於いて、
①=③ であって、この「等式」を「含意の定義()」とする。
従って、
(04)(06)により、
(07)
① P→Q≡~(P&~Q)
② P→Q≡  ~P∨ Q
といふ「等式」に於いて、
① を「含意の定義(Ⅰ)」とし、
② を「含意の定義(Ⅱ)」とする。
従って、
(07)により、
(08)
① PならばQである≡Pであって、Qでない。といふことはない(無P而不Q)。
② PならばQである≡Pであるか、Qである(不P如Q)。
① を「含意の定義(Ⅰ)」とし、
② を「含意の定義(Ⅱ)」とする。
従って、
(03)(05)により、
(09)
因みに言ふと、例へば、
(ⅲ)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    ~Q  2&E
12(5)     Q  13MPP
12(6)  ~Q&Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
といふ「計算」は、
(ⅲ)
1 (1) 如P則 Q  A
 2(2)  P而不Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    不Q  2&E
12(5)     Q  13MPP
12(6)  不Q而Q  45&I
1 (7)無(P而不Q) 26RAA
1 (〃)Pにして、Qならざるは無し。
といふ「計算」に「等しい」。
従って、
(09)により、
(10)
「命題計算(Propositional calculus)」は、「漢文(kanbun)」で行ふことが、出来る。
然るに、
(11)
① (P∨(P&~Q))→P
といふ「式」は、「交換法則」と「含意の定義(Ⅰ、Ⅱ)」により、
① (P∨(P&~Q))→P
② ((P&~Q)∨P)→P
③(~(P&~Q)→P)→P
④ ((P→ Q)→P)→P
といふ風に、「書き換へる」ことが、出来る。
従って、
(12)
② ((P→ Q)→P)→P
といふ「式」は、「含意の定義(Ⅰ、Ⅱ)」と「交換法則」により、
① ((P→ Q)→P)→P
②(~(P&~Q)→P)→P
③ ((P&~Q)∨P)→P
④ (P∨(P&~Q))→P
といふ風に、「書き換へる」ことが、出来る。
従って、
(11)(12)により、
(13)
正式な計算」をするまでもなく、
①(P∨(P&~Q))→P
②((P→Q)→P)→P
に於いて、
①=② である。
従って、
(13)により、
(14)
①(Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである
②((PならばQ)ならばならばPである
に於いて、
①=② である。
といふことは、予め、「確定」である。
然るに、
(15)
(ⅰ)
1   (1)   (P∨(P&~Q))→P A
1   (2)  ~(P∨(P&~Q))∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 2  (3)  ~(P∨(P&~Q))   A
 2  (4)  ~P&~(P&~Q)    3ド・モルガンの法則
 2  (5)  ~(P&~Q)&~P    4交換法則
 2  (6)  ~(P&~Q)       5&E
 2  (7)    P→ Q        6含意の定義(Ⅰ)
  8 (8)   (P→ Q)→ P    A
 28 (9)           P    78MPP
 2  (ア)          ~P    5&E
 28 (イ)        P&~P    89&I
 2  (ウ) ~((P→ Q)→ P)   8イRAA
 2  (エ) ~((P→ Q)→ P)∨P ウ∨I
   オ(オ)              P A
   オ(カ) ~((P→ Q)→ P)∨P オ∨I
1   (キ) ~((P→ Q)→ P)∨P 23エオカ∨E
1   (ク)  ((P→ Q)→ P)→P キ含意の定義(Ⅱ)
(ⅱ)
1   (1)  ((P→ Q)→ P)→P A
1   (2) ~((P→ Q)→ P)∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 3  (3) ~((P→ Q)→ P)   A
  4 (4) ~((P→ Q)&~P)   A
  4 (5)   (P→ Q)→ P    4含意の定義(Ⅰ)
 34 (6) ~((P→ Q)→ P)&
         ((P→ Q)→ P)   35&I
 3  (7)~~((P→ Q)&~P)   46RAA
 3  (8)  ((P→ Q)&~P)   6DN
 3  (9)    P→ Q        8&E
 3  (ア)  ~(P&~Q)       9含意の定義(Ⅰ)
 3  (イ)          ~P    8&E
 3  (ウ)   ~P&~(P&~Q)   アイ&I
 3  (エ)  ~(P∨(P&~Q))   ウ、ド・モルガンの法則
 3  (オ)  ~(P∨(P&~Q))∨P エ∨I
   カ(カ)              P A
   カ(キ)  ~(P∨(P&~Q))∨P カ∨I
1   (ク)  ~(P∨(P&~Q))∨P 13オカキ∨E
1   (ケ)   (P∨(P&~Q))→P ク含意の定義(Ⅱ)
従って、
(15)により、
(16)
正式な計算」によっても、果たして、
①(P∨(P&~Q))→P
② ((P→Q)→P)→P
に於いて、
①=② である。
従って、
(12)~(16)により、
(17)
命題計算暗算」が得意な人物がゐるとしたら、その人から見れば、
①(P∨(P&~Q))→P≡ (Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである。
② ((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
に於いて、
①=② である。
といふことは、「一目瞭然」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(18)
①(Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである
といふことは、「当然」である。
従って、
(17)(18)により、
(19)
①=② であって、尚且つ、
①(Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである
といふことは、「当然」である以上、
②((PならばQ)ならばならばPである
といふことも、「当然」である。
然るに、
(20)
排中律二重否定の除去等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)
といふ「記事」を読んだ際の、私自身は、その時はまだ、
①(P∨(P&~Q))→P≡ (Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである
② ((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばならばPである
に於いて、
①=② である。
といふ「計算」を、行ってはゐなかった
従って、
(21)
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
と言はれてみると、確かにさうであると、その時は、思へたのの、今の私は、自分で「計算」をしてみて、
①(P∨(P&~Q))→P≡ (Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである。
② ((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
に於いて、
①=② である。
といふことを知ってゐる
従って、
(20)(21)により、
(22)
私としては、(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)のオーナーの方に対して、「パースの法則は、少しも変ではない。」といふ風に、言はせて、貰いたい。
(23)
私としては、「パースの法則」そのものよりも、むしろ、「排中律二重否定の除去等価な命題のひとつとして」といふ「言ひ方」の方が「」なのではといふ風に、思へて、ならない。


(499)「二重否定の除去」と「リカ―ジョン(反復・再帰)」。

2020-02-05 15:58:53 | 論理

(01)
7 実際上、われわれの規則DNはつぎの2つの規則が結合したものである。
(ⅰ)Aから~~Aを導出すること、そして、
(ⅱ)~~AからAを導出すること、
(ⅰ)は他の原始的規則から導出されることを示せ(規則MTT、すなわち連式55、対する、これに対応する証明を参照せよ)。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、81頁)
(02)
〔解答〕
1 (1)   P     A
 2(2) ~P     A
12(3)  P&~P  12&I
1 (4)~~P     23RAA
  (5)  P→~~P 14CP
cf.
ただし、「E.J.レモン、論理学初歩」には、「練習問題の解答」は、載ってゐません。
然るに、
(03)
系Ⅰ:任意の連式は、それがトートロジー的であるときまたそのときに限って導出可能である。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、114頁)
従って、
(02)(03)により、
(04)
① P→~~P
といふ「式」は、「恒真式トートロジー)」である。
然るに、
(05)
1  (1)   P     A
 2 (2) ~P     A
12 (3)  P&~P  12&I
1  (4)~~P     23RAA
   (5)  P→~~P 14CP
  6(6)   ~~~P A
  6(7) ~P     56MTT
   (8)~~~P→~P 67CP
従って、
(03)(05)により、
(06)
② ~~~P→~P
といふ「式」は、「恒真式トートロジー)」である。
従って、
(06)により、
(07)
任意の命題Pは、
P=真 であるか、
P=偽 であるか、いづれかであり、尚且つ、
② ~真=偽 であって、
② ~偽=真 である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
② ~~~P→~P
といふ「式」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、
② ~~偽→偽
② ~~真→真
といふ「式」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことに、他ならない。
然るに、
(09)
任意の命題Pは、
P=真 であるか、
P=偽 であるか、いづれかであり、尚且つ、
② ~~偽→偽
② ~~真→真
といふことは、
② ~~P→P
といふ「式」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふ、ことである。
従って、
(04)(09)により、
(10)
① P→~~P
② ~~P→P
といふ「式」は、両方とも、「恒真式トートロジー)」である。
然るに、
(11)
② ~~P→P
といふ「式」を、「二重否定の除去」といふ。
従って、
(10)(11)により、
(12)
"「Pではない」ではないならば、Pである"
つまり、否定を~で表すと「~~PならばP」だと言ってます。
……何か問題が?
けどこれ「二重否定の除去といって、成り立つことが示せないんですよ(@gyu-don)。
といふことには、ならない
然るに、
(13)
①(((Aであると)Bが言ったと)Cが言ったと)Dが言った。
といふ「再帰表現(recursion)」が「本当」」であるならば、
② Dは(((Aであると)Bが言ったと)Cが言ったと)言ったことになり、
③ Cは ((Aであると)Bが言ったと)言ったことになり、
④ Bは  (Aであると)言ったことになる。
cf.
ピダハン 謎の言語を操るアマゾンの民|地球ドラマチック(NHK、2014.08.16)
従って、
(13)により、
(14)
①(((Aであると)Bが言ったのウソであると)Cが言ったのはウソであると)Dが言ったのはウソである。
といふ「再帰表現(recursion)」も、
②(((Aである。)はウソである。)はウソである。)はウソである。
といふ「構造」をしてゐる、ことになる。
従って、
(14)により、
(15)
② ~~~P≡Pでないではないではない
といふ「命題」も、
② ~(~(~(P)))≡(((P)でない。)ではない。)ではない
といふ「構造」をしてゐる、ことになる。
従って、
(05)(15)により、
(16)
1  (1)   P     A
 2 (2) ~P     A
12 (3)  P&~P  12&I
1  (4)~~P     23RAA
   (5)  P→~~P 14CP
  6(6)   ~~~P A
  6(7) ~P     56MTT
   (8)~~~P→~P 67CP
といふ「計算」は、
1  (1)    (P)          A
 2 (2)  ~(P)          A
12 (3)   (P)&~(P)     12&I
1  (4)~(~(P))         23RAA
   (5)   (P)→~(~(P))  14CP
  6(6)     ~(~(~(P))) A
  6(7)  ~(P)          56MTT
   (8)~(~(~(P)))→~(P) 67CP
と書くのが、「正しい」。
然るに、
(17)
一々
② ~(~(~(P)))→~(P)
と書くのは、「面倒で、カナハナイ」。
従って、
(18)
実際には
② ~~~P→~P
としか書かないものの、
② ~(~(~(P)))→~(P)
といふ「式」を、
② ~~~P→~P
と書くのであれば、
② ~~~P→~P
といふ「式」は、
② ~~(~P)→(~P)
といふ風に、書いても良い
といふ、ことになる。
然るに、
(19)
代入の規則
 一つの恒真式のなかの命題変項他の命題変項、または論理式でおきかえることによって得られた式は同じく恒真式である。
(沢田允、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(06)(18)(19)により、
(20)
② ~~(~P)→(~P)
に於いて、
(~P)=P
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
② ~~P→P
といふ「式(二重否定除去)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(04)(10)(20)により、
(21)
いづれにせよ、
① P→~~P
② ~~P→P
といふ「式(DN)」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。


(498)「パースの法則」と「含意の定義(Ⅰ・Ⅱ)」

2020-02-05 12:48:27 | 「鏡の中の、上下左右」

(01)
(ⅰ)P→Q├ ~(P&~Q)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    ~Q  2&E
12(5)     Q  13MPP
12(6)  ~Q&Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅱ)~(P&~Q)├ P→Q
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&I
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   35RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
従って、
(01)により、
(02)
①   P→ Q ≡Pならば、 Qである(如P則Q)。
② ~(P&~Q)≡Pであって、Qでない。といふことはない(無P而不Q)。
に於いて、
①=② であって、この「等式」を、「含意の定義(Ⅰ)」とする。
然るに、
(03)
(ⅲ)P→Q├ ~P∨Q
1  (1)    P→Q   A
 2 (2) ~(~P∨Q)  A
  3(3)   ~P     A
  3(4)   ~P∨Q   3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  24&I
 2 (6)  ~~P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   ~P∨Q   8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  29&I
1  (イ)~~(~P∨Q)  2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q   イDN
(ⅳ)~P∨Q├ P→Q
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   A
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
1     (ウ)  P→ Q   イ含意の定義(Ⅰ)
従って、
(03)により、
(04)
③   P→Q≡Pならば、 Qである(如P則Q)。  
④ ~P∨Q≡Pでないか、Qである(不P如Q)。
に於いて、
③=④ であって、この「等式」を、「含意の定義(Ⅱ)」とする。
従って、
(02)(04)により、
(05)
① P→Q≡~(P&~Q)
② P→Q≡  ~P∨ Q
といふ「等式」に於いて、
① は、「含意の定義(Ⅰ)」であって、
② は、「含意の定義(Ⅱ)」である。
cf.
「上田泰治、論理学、1967年、86頁」を見ると、「①と②」は、まとめて、「含意の定義」とされてゐる。
然るに、
(06)
① P→Q≡~(P&~Q)
② P→Q≡  ~P∨ Q
であるならば、
③ ~(P&~Q)≡~P∨Q
であるものの、
③ は、「ド・モルガンの法則」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
「含意の定義(Ⅰ・Ⅱ)」は、「ド・モルガンの法則」を介して、成立する。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1   (1)   (P→ Q)→P A
 2  (2)  ~(P&~Q)   A
 2  (3)   (P→ Q)   2含意の定義(Ⅰ)
12  (4)          P 13MPP
1   (5)  ~(P&~Q)→P 24CP
1   (6) ~~(P&~Q)∨P 5含意の定義(Ⅱ)
  7 (7) ~~(P&~Q)   A
  7 (8)    P&~Q    7DN
  7 (9)    P       8&E
   ア(ア)          P A
1   (イ)          P 679アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
    (〃)((PならばQ)ならばP)ならばP。
然るに、
(09)
系Ⅰ:任意の連式は、それがトートロジー的であるときまたそのときに限って導出可能である。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、114頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばP)ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(11)
(ⅱ)
1  (1) P∨(P&~Q)    A
 2 (2) P           A
  3(3)    P&~Q     A
  3(4)    P        3&E
1  (5)    P        12234∨E
   (6)(P∨(P&~Q))→P 15CP
従って、
(10)(11)により、
(12)
②(P∨(P&~Q))→P
②(Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである。
といふ「式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(13)
(ⅰ)
1   (1)  ((P→ Q)→ P)→P A
1   (2) ~((P→ Q)→ P)∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 3  (3) ~((P→ Q)→ P)   A
  4 (4) ~((P→ Q)&~P)   A
  4 (5)   (P→ Q)→ P    4含意の定義(Ⅰ)
 34 (6) ~((P→ Q)→ P)&
         ((P→ Q)→ P)   35&I
 3  (7)~~((P→ Q)&~P)   46RAA
 3  (8)  ((P→ Q)&~P)   6DN
 3  (9)    P→ Q        8&E
 3  (ア)  ~(P&~Q)       9含意の定義(Ⅰ)
 3  (イ)          ~P    8&E
 3  (ウ)   ~P&~(P&~Q)   アイ&I
 3  (エ)  ~(P∨(P&~Q))   ウ、ド・モルガンの法則
 3  (オ)  ~(P∨(P&~Q))∨P エ∨I
   カ(カ)              P A
   カ(キ)  ~(P∨(P&~Q))∨P カ∨I
1   (ク)  ~(P∨(P&~Q))∨P 13オカキ∨E
1   (ケ)   (P∨(P&~Q))→P ク含意の定義(Ⅱ)
(ⅱ)
1   (1)   (P∨(P&~Q))→P A
1   (2)  ~(P∨(P&~Q))∨P 1含意の定義(Ⅱ)
 2  (3)  ~(P∨(P&~Q))   A
 2  (4)  ~P&~(P&~Q)    3ド・モルガンの法則
 2  (5)  ~(P&~Q)&~P    4交換法則
 2  (6)  ~(P&~Q)       5&E
 2  (7)    P→ Q        6含意の定義(Ⅰ)
 2  (8)          ~P    5&E
 2  (9)   (P→ Q)&~P    78&I
  ア (ア)   (P→ Q)→ P    A
 2  (イ)   (P→ Q)       9&E
 2ア (ウ)           P    アイMPP
 2  (エ)          ~P    9&E
 2ア (オ)        P&~P    ウエ&I
 2  (カ) ~((P→Q)→P)     アオRAA
 2  (キ) ~((P→Q)→P)∨P   カ∨I
   ク(ク)              P A
   ク(ケ) ~((P→Q)→P)∨P   ク∨I
1   (コ) ~((P→Q)→P)∨P   12キクケ∨E
1   (サ)  ((P→Q)→P)→P   コ含意の定義(Ⅱ)
従って、
(13)により、
(14)
①((P→Q)→P)→P
②(P∨(P&~Q))→P
といふ「論理式」に於いて、
①=② である。
従って、
(14)により、
(15)
①((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②(Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである。
といふ「日本語」に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
②(Pであるか、または(Pであって、Qでない))
といふのであれば、いづれにせよ、
②  Pである。
従って、
(15)(16)により、
(17)
②(Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである
といふことは、「当然」である。
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
②(P∨(P&~Q))→P
②(Pであるか、または(Pであって、Qでない))ならばPである。
といふ「命題」と、「等価」である所の、
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばP)ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「普通の命題」である。


(497)「二重否定の除去」は、「自然演繹」で「演繹」出来る。

2020-02-04 19:05:20 | 論理

(01)
7 実際上、われわれの規則DNはつぎの2つの規則が結合したものである。
(ⅰ)Aから~~Aを導出すること、そして、
(ⅱ)~~AからAを導出すること、
(ⅰ)は他の原始的規則から導出されることを示せ(規則MTT、すなわち連式55、対する、これに対応する証明を参照せよ)。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、81頁)
(02)
解答
1 (1)   P     A
 2(2) ~P     A
12(3)  P&~P  12&I
1 (4)~~P     23RAA
  (5)  P→~~P 14CP
cf.
ただし、「E.J.レモン、論理学初歩」には、「練習問題の解答」は、載ってゐません。
従って、
(02)により、
(03)
1 (1)   (P)       A
 2(2) (~P)       A
12(3)  (P)&(~P)  12&I
1 (4)~(~P)       23RAA
  (5)  (P)→~(~P) 14CP
然るに、
(04)
1  (1)    (P)       A
 2 (2)   (~P)       A
12 (3)    (P)&(~P)  12&I
1  (4)  ~(~P)       23RAA
   (5)    (P)→~(~P) 14CP
  6(6)       ~~(~P) A
  6(7)   (~P)       56MTT
   (8) ~~(~P)→  (~P) 67CP
然るに、
(05)
系Ⅰ:任意の連式は、それがトートロジー的であるときまたそのときに限って導出可能である。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、114頁)
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①       (P)→~(~P)
② ~~(~P)→  (~P)
は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(07)
①       (P)→~(~P)
といふ「式」は、
①       (P)→~~(P)
といふ「式」に、「等しい」。
従って、
(06)(07)により、
(08)
①       (P)→~~(P)
② ~~(~P)→  (~P)
といふ「式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(09)
(S1)証明された定理の任意の代入例に対して、証明が見いだされうる。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、69頁)
1 代入の規則
 一つの恒真式のなかの命題変項他の命題変項、または論理式おきかえることによって得られた式は同じく恒真式である。
(沢田允、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
①       (P)→~~(P)
② ~~(~P)→  (~P)
に於いて、
~P=P
といふ「代入(Substitution)」を行へば、
①     (P)→~~(P)
② ~~(P)→  (P)
といふ「式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(10)により、
(11)
①     P→~~P
② ~~P→  P
といふ「式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(01)により、
(12)
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)  
といふ「10個の規則」を、「原始的規則(10 primitive rules)」といふ。
従って、
(01)(11)(12)により、
(13)
実際上、われわれの規則「二重否定(DN)」はつぎの2つの規則が結合したものである。
(ⅰ)Aから~~Aを導出すること、そして、
(ⅱ)~~AからAを導出すること、そして、
(ⅰ)は他の原始的規則(A、&I、RAA、CP)」   から導出されることを示せるし、
(ⅱ)も他の原始的規則(A、&I、RAA、CP、MTT)から導出されることを示せる。
といふことが、分かった、ことになる。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA) 
から、
④ 二重否定(DN
除いて、「原始的規則(9 primitive rules)」としても、「支障」は無い
然るに、
(15)
"「Pではない」ではないならば、Pである"
つまり、否定を~で表すと「~~PならばP」だと言ってます。
……何か問題が?
けどこれ「二重否定の除去」といって、成り立つことが示せないんですよ。  
(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
けどこれ「二重否定の除去」といって、成り立つことが示せないんですよ
といふことには、ならない
然るに、
(17)
直観主義論理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
証明論的な視点から見ると、直観主義論理は古典論理の制限であって排中律二重否定除去公理として許容されないものである排中律二重否定除去はいくつかの論理式に対しては個別に証明できることがあるけれども、古典論理のように普遍的に成立することはない。
然るに、
(18)
 ―「排中律」の証明 ―
44 ├ P∨~P
1 (1) ~(P∨~P)  A
 2(2)   P      A
 2(3)   P∨~P   2∨I
12(4) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  13&I
1 (5)  ~P      24RAA
1 (6)   P∨~P   5∨I
1 (7) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  16&I
1 (8)~~(P∨~P)  17RAA
  (9)   P∨~P   8DN
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、66頁)
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
直観主義論理は古典論理の制限であって排中律二重否定除去公理として許容されないものである。」
といは言ふものの、
自然演繹からすれば、排中律二重否定除去は、固より、公理ではなく、規則から演繹される所の、定理に、過ぎない。」


(496)「パースの法則」は「少しも変」ではない。:「自然演繹」による、「パースの法則」の「5(3)通りの証明」。

2020-02-04 12:17:06 | 論理

(01)
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)
(02)
5 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove;
(c)├((P→Q)→P)→P 
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、80頁と、原文)
cf.
ただし、「E.J.レモン、論理学初歩」には、「練習問題の解答」は、載ってゐません。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1   (1)  (P→ Q)→P   A
1   (2) ~(P→ Q)∨P   1含意の定義
 3  (3) ~(P→ Q)     A
  4 (4)  ~P∨ Q      A
  4 (5)   P→ Q      3含意の定義
 34 (6) ~(P→ Q)&
         (P→ Q)     5&I
 3  (7)~(~P∨ Q)     46RAA
 3  (8)   P&~Q      7ド・モルガンの法則
 3  (9)   P         8&I
   ア(ア)         P   A
1   (イ)   P         239アア∨E
    (ウ) ((P→Q)→P)→P 1イCP
    (〃)((PならばQ)ならばP)ならばP。
(ⅱ)
   (1)   ~P∨P        TI(排中律
2  (2)   ~P          A
2  (3)   ~P∨Q        2∨I
2  (4)    P→Q        2含意の定義
2  (5)   (P→Q)&~P    24&I
2  (6)~(~(P→Q)∨ P)   5ド・モルガンの法則
 9 (7)   (P→Q)→ P    A
 9 (8)  ~(P→Q)∨ P    7含意の定義
49 (9)~(~(P→Q)∨ P)&
       (~(P→Q)∨ P)   68&I
4  (ア) ~((P→Q)→ P)   79RAA
4  (イ) ~((P→Q)→ P)∨P ア∨I
  ウ(ウ)      P        A
  ウ(エ) ~((P→Q)→ P)∨P ウ∨I
   (オ) ~((P→Q)→ P)∨P 12イウエ∨E
   (カ)  ((P→Q)→ P)→P オ含意の定義
   (〃)  ((PならばQ)ならばPならば)Pである。
(ⅲ)
1       (1)  (P→ Q)→P     A
 2      (2) ~(P&~Q)       A
  3     (3)   P           A
   4    (4)     ~Q        A
  34    (5)   P&~Q        34&I
 234    (6) ~(P&~Q)&
             (P&~Q)       25&I
 23     (7)    ~~Q        46RAA
 23     (8)      Q        7DN
 2      (9)   P→ Q        38CP
        (ア) ~(P&~Q)→(P→Q) 29CP
    イ   (イ) ~(P&~Q)       A
1   イ   (ウ)         (P→Q) アイMPP
1   イ   (エ)          P    1ウMPP
1       (オ) ~(P&~Q)→ P    イエCP
1       (カ)~~(P&~Q)∨ P    含意の定義
     キ  (キ)~~(P&~Q)       A
     キ  (ク)   P&~Q        キDN
     キ  (ケ)   P           ク&I
      コ (コ)          P    A
1       (サ)            P  カキケココ∨E
        (シ) ((P→Q)→ P)→P  1サCP
        (〃) ((PならばQ)ならばP)ならばP。
従って、
(02)(03)により、
(04)
5 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove;
兎に角、証明せよ。
(c)├((P→Q)→P)→P
といふ「問題」に対する「解答」は、少なくとも、
(ⅰ)     
(ⅰ)12行の「計算」
(ⅱ)15行の「計算」
(ⅲ)21行の「計算」
による、少なくとも、「3通りの証明」が有ることになる。
然るに、
(05)
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)  
といふ「10個の規則」を、「原始的規則(primitive rules)」といふ。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
5 次の連式を、原始的規則のみによって証明せよ
5 Prove the following sequent by primitive rules alone:
(c)├((P→Q)→P)→P
といふ「問題」であるならば、
(ⅰ)12行の「計算」
(ⅱ)15行の「計算」
(ⅲ)21行の「計算」
に於いて、
(ⅰ)からは、「含意の定義+含意の定義+ド・モルガンの法則」          を除く「必要」が有り、
(ⅱ)からは、「排中律+含意の定義+ド・モルガンの法則+含意の定義+含意の定義」を除く「必要」が有り、
(ⅲ)からは、「含意の定義」                          を除く「必要」が有る。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1   (1)  (P→ Q)→P   A
1   (2) ~(P→ Q)∨P   1含意の定義
 3  (3) ~(P→ Q)     A
  4 (4)  ~P∨ Q      A
  4 (5)   P→ Q      3含意の定義
 34 (6) ~(P→ Q)&
         (P→ Q)     5&I
 3  (7)~(~P∨ Q)     46RAA
 3  (8)   P&~Q      7ド・モルガンの法則
 3  (9)   P         8&I
   ア(ア)         P   A
1   (イ)   P         239アア∨E
    (ウ) ((P→Q)→P)→P 1イCP
    (〃) ((PならばQ)ならばP)ならばP。
から、「含意の定義+含意の定義+ド・モルガンの法則」を除くのであれば、
(ⅳ)
1           (1)    (P→ Q)→P   A
 2          (2) ~(~(P→ Q)∨P)  A
  3         (3)   ~(P→ Q)     A
  3         (4)   ~(P→ Q)∨P   3∨I
 23         (5) ~(~(P→ Q)∨P)&
                 (~(P→ Q)∨P)  24&I
 2          (6)  ~~(P→ Q)     35RAA
 2          (7)    (P→ Q)     6DN
12          (8)           P   17MPP
12          (9)   ~(P→ Q)∨P   8∨I
12          (ア) ~(~(P→ Q)∨P)&
                 (~(P→ Q)∨P)  29&I
1           (イ)~~(~(P→ Q)∨P)  2アRAA
1           (ウ)   ~(P→ Q)∨P   イDN(2)
   エ        (エ)   ~(P→ Q)     A(選言支左)
    オ       (オ)    ~P∨ Q      A
     カ      (カ)     P&~Q      A
      キ     (キ)    ~P         A
     カ      (ク)     P         カ&E
     カキ     (ケ)    ~P&P       キク&I
      キ     (コ)   ~(P&~Q)     カケRAA
       サ    (サ)        Q      A
     カ      (シ)       ~Q      カ&E
     カ サ    (ス)     Q&~Q      サシ&I
       サ    (セ)   ~(P&~Q)     カスRAA
    オ       (ソ)   ~(P&~Q)     オキコシセ∨E
        タ   (タ)     P         A
         チ  (チ)       ~Q      A
        タチ  (ツ)     P&~Q      タチ&I
    オ   タチ  (テ)   ~(P&~Q)&
                   (P&~Q)     コツ&I
    オ    タ  (ト)      ~~Q      チテRAA
    オ    タ  (ナ)        Q      トDN
    オ       (ニ)     P→ Q      タナ
   エオ       (ヌ)   ~(P→ Q)&
                   (P→ Q)      エニ&I
   エ        (ネ)  ~(~P∨ Q)     オヌRAA
          ノ (ノ)    ~P         A
          ノ (ハ)    ~P∨ Q      ノ∨I
   エ      ノ (ヒ)  ~(~P∨ Q)&
                  (~P∨ Q)     ネハ&I
   エ        (フ)   ~~P         ノヒRAA
   エ        (ヘ)     P         フDN
           ホ(ホ)           P   A(選言支右)
1           (マ)           P   ウエヘホホ∨E
            (ミ) ((P→Q)→P)→P   1マCP
            (〃) ((PならばQ)ならばP)ならばP。
従って、
(06)(07)により、
(08)
(ⅰ)12行の「計算」
(ⅱ)15行の「計算」
(ⅲ)21行の「計算」
に於いて、
(ⅰ)からは、「含意の定義+含意の定義+ド・モルガンの法則」を除くならば、
(ⅰ)12行の「計算」は、「30行」増へて、「42行」になる。
従って、
(06)(08)により、
(09)
(ⅰ)12行の「計算」
(ⅱ)15行の「計算」
(ⅲ)21行の「計算」
に於いて、
(ⅱ)からは、「排中律+含意の定義+ド・モルガンの法則+含意の定義+含意の定義」を除くならば、
(ⅱ)15行の「計算」は、恐らく、「90行」近くになる。
然るに、
(06)により、
(10)
(ⅲ)21行の「計算」に対しては、
(ⅴ)
1       (1)  (P→ Q)→P     A
 2      (2) ~(P&~Q)       A
  3     (3)   P           A
   4    (4)     ~Q        A
  34    (5)   P&~Q        34&I
 234    (6) ~(P&~Q)&
             (P&~Q)       25&I
 23     (7)    ~~Q        46RAA
 23     (8)      Q        7DN
 2      (9)   P→ Q        38CP
        (ア) ~(P&~Q)→(P→Q) 29CP
    イ   (イ) ~(P&~Q)       A
1   イ   (ウ)         (P→Q) アイMPP
1   イ   (エ)          P    1ウMPP
1       (オ) ~(P&~Q)→ P    イエCP
     カ  (カ) ~(P&~Q)&~P    A
     カ  (キ) ~(P&~Q)       カ&E
1    カ  (ク)          P    オキMPP
     カ  (ケ)         ~P    カ&E
1    カ  (コ)       P&~P    クケ&I
1       (サ)~~(P&~Q)       カコDN
1       (シ)  (P&~Q)       サDN
1       (ス)  (P&~Q)∨ P    サ∨I
      セ (セ)   P&~Q        A
      セ (ソ)   P           ス&E
       タ(タ)          P    A
1       (チ)          P    スセソタツ∨E
        (ツ)((P→Q)→P)→P    1タCP
        (〃)((PならばQ)ならばPならば)Pである。
であるため、
(ⅲ)21行の「計算」に対しては、
(ⅴ)27行の「計算」に変へることによって、
(ⅲ)からは、「含意の定義」を除くことが、出来る。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
5 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove;
5 兎に角、証明せよ。
(c)├((P→Q)→P)→P
といふ「問題」ではなく、
5 次の連式を、原始的規則のみによって証明せよ
5 Prove the following sequent by primitive rules alone:
(c)├((P→Q)→P)→P
といふ「問題」であるならば、
(ⅰ)12行の「計算」は、「42行」になり、
(ⅱ)15行の「計算」は、「90行」近くになり、
(ⅲ)21行の「計算」は、「27行」になる。
cf.
こうしてその証明を、最初の基本的規則からのより長い証明に変形できる。この場合に必要なのは、ある番号の付けかえのみである。
and thus transform the proof into a lengtheir proof form first principles: only a certain renumbering of lines is involved.
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、72頁と、原文)
従って、
(11)により、
(12)
5 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove;
(c)├((P→Q)→P)→P 
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、80頁と、原文)
といふ「問題」になってゐる。といふことからも分かるやうに、いづれにせよ
   ├((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「自然演繹」で、「証明出来る
といふ、ことになる。
然るに、
(13)
 ├((P→Q)→P)→P
といふ「定理(Theorem)」を「証明」するといふことは、
(1)((P→Q)→P) から、
(2)         が「演繹出来ることを、「証明」することに「等しい」。
然るに、
(14)
「含意の定義」により、
(1) ((P→Q)→P) は、
(2)~(~P∨Q)∨P  に「等しい」。
然るに、
(15)
「ド・モルガンの法則」により、
(2)~(~P∨Q)∨P は、
(3) (P&~Q)∨P に「等しい」。
然るに、
(16)
(3) (P&~Q)∨P からは、
(4)  P    ∨P が「演繹」出来る。
然るに、
(17)
(4)  P    ∨P からは、
(5)        P が「演繹」出来る。
従って、
(14)~(17)により、
(18)
(1) ((P→Q)→P)
(2)~(~P∨Q)∨P :含意の定義
(3) (P&~Q)∨P :ド・モルガンの法則
(4)  P    ∨P
(5)        P
(6)((P→ Q)→P)→P
となるものの、このことは、「含意の定義・ド・モルガンの法則」を、理解してゐる人間にとっては、「当然」である。
従って、
(19)
 ├ ((PならばQ)ならばP)ならばPである。
といふ風に、「言葉」で言ふと、「パースの法則」は、「不思議な感じ」がするものの、
(1) ((P→Q)→P)
(2)~(~P∨Q)∨P 
(3) (P&~Q)∨P
(4)  P    ∨P
(5)        P
(6)((P→ Q)→P)→P
といふ「計算」を見てしまふと、「そんなことは、当然」である。
といふことに、なる。
従って、
(20)
「含意の定義」と「ド・モルガンの法則」を、理解してゐるのであれば、
(ⅰ)
1   (1)  (P→ Q)→P   A
1   (2) ~(P→ Q)∨P   1含意の定義
 3  (3) ~(P→ Q)     A
  4 (4)  ~P∨ Q      A
  4 (5)   P→ Q      3含意の定義
 34 (6) ~(P→ Q)&
         (P→ Q)     5&I
 3  (7)~(~P∨ Q)     46RAA
 3  (8)   P&~Q      7ド・モルガンの法則
 3  (9)   P         8&I
   ア(ア)         P   A
1   (イ)   P         239アア∨E
    (ウ) ((P→Q)→P)→P 1イCP
    (〃)((PならばQ)ならばP)ならばP。
といふ「計算」は、「当然」であって、それ故、
 ├ ((PならばQ)ならばP)ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「当然」である。
(21)
5 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove;
兎に角、証明せよ。
(c)├((P→Q)→P)→P
といふ「問題」を、解いた際には、「特に、不思議な定理である」とは思はないまま、多分、
(1) ((P→Q)→P)
(2)~(~P∨Q)∨P 
(3) (P&~Q)∨P
(4)  P    ∨P
(5)        P
(6)((P→ Q)→P)→P
といふ「計算」をして、「そのやうな計算」をしたことを、忘れてゐた
然るに、
(22)
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ。
といふ「記事」に接して、「それならば、排中律を使って、証明しよう。」と思って、
(ⅱ)
   (1)   ~P∨P        TI(排中律)
2  (2)   ~P          A
2  (3)   ~P∨Q        2∨I
2  (4)    P→Q        2含意の定義
2  (5)   (P→Q)&~P    24&I
2  (6)~(~(P→Q)∨ P)   5ド・モルガンの法則
 9 (7)   (P→Q)→ P    A
 9 (8)  ~(P→Q)∨ P    7含意の定義
49 (9)~(~(P→Q)∨ P)&
       (~(P→Q)∨ P)   68&I
4  (ア) ~((P→Q)→ P)   79RAA
4  (イ) ~((P→Q)→ P)∨P ア∨I
  ウ(ウ)      P        A
  ウ(エ) ~((P→Q)→ P)∨P ウ∨I
   (オ) ~((P→Q)→ P)∨P 12イウエ∨E
   (カ)  ((P→Q)→ P)→P オ含意の定義
   (〃)  ((PならばQ)ならばPならば)Pである。
といふ「計算」をした。
然るに、
(23)
(ⅰ)
1   (1)  (P→ Q)→P   A
1   (2) ~(P→ Q)∨P   1含意の定義
 3  (3) ~(P→ Q)     A
  4 (4)  ~P∨ Q      A
  4 (5)   P→ Q      3含意の定義
 34 (6) ~(P→ Q)&
         (P→ Q)     5&I
 3  (7)~(~P∨ Q)     46RAA
 3  (8)   P&~Q      7ド・モルガンの法則
 3  (9)   P         8&I
   ア(ア)         P   A
1   (イ)   P         239アア∨E
    (ウ) ((P→Q)→P)→P 1イCP
    (〃)((PならばQ)ならばP)ならばP。
といふ「計算」があるのだから、固より、
(ⅱ)
   (1)   ~P∨P        TI(排中律
から始まる「計算」をする「必要」などは、無かった
といふことが、分かった
然るに、
(24)
(ⅰ)
1(1)     P A
1(2)  ~Q∨P 1∨I
1(3)   Q→P 2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
 (〃)Pならば(QならばPである)。
といふ「計算」であっても、
(ⅱ)
 (1)   P∨~P  TI(排中律
 (2)   P     A
 (3)   ~Q∨P  1∨I
 (4)    Q→P  2含意の定義
 (5) P→(Q→P) 13CP
6(6)     ~P  A
6(7)~P∨(Q→P) 6∨I
6(8) P→(Q→P) 7含意の定義
 (9) P→(Q→P) 12567∨E
 (〃) Pならば(QならばPである)。
といふ風に、「排中律」から始めて、「ワザワザ、無駄な計算」をすることが、出来る。
cf.
「ルカジェヴィッツの公理1」。
従って、
(01)~(24)により、
(25)
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
とは、言はれてはゐる(?)ものの、今は、
パースの法則」と「排中律」が、「等価」であるならば、例へば、
「ルカジェヴィッツの公理1」等々も、そうである。
といふことを、知ってゐる。
従って、
(26)
パースの法則は、排中律等価である。」と、敢へて、言ふ「必要」はない
と、私自身は、思ってゐる。


(495)「仮言命題」の「前件」が「矛盾」である場合。

2020-02-03 17:05:05 | 論理

(01)
(ⅰ)
1   (1)     P    A
    (2)     P→P  11CP
(ⅱ)
1   (1)     P    A
    (2)     P→P  11CP
    (3)    ~P∨P  2含意の定義
 4  (4)    ~P    A
 4  (5)    ~P∨Q  4∨I
 4  (6)     P→Q  5含意の定義
 4  (7)~~P∨(P→Q) 6∨I
  8 (8)       P  A
  8 (9)     ~~P  8DN
  8 (ア)~~P∨(P→Q) 9∨I
    (イ)~~P∨(P→Q) 3478ア∨E
    (ウ) ~P→(P→Q) イ含意の定義
   エ(エ) ~P& P    A
   エ(オ) ~P       エ&E
   エ(カ)     P→Q  ウオMPP
   エ(キ)     P    エ&E
   エ(ク)       Q  カキMPP
    (ケ)(~P&P)→Q  エクCP
(ⅲ)
1   (1) ~(P∨~P)  A
 2  (2)   P      A
 2  (3)   P∨~P   2∨I
12  (4) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  13&I
1   (5)  ~P      24RAA
1   (6)   P∨~P   5∨I
1   (7) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  16&I
1   (8)~~(P∨~P)  17RAA
    (9)   P∨~P   8DN
然るに、
(02)
系Ⅰ:任意の連式は、それがトートロジー的であるときまたそのときに限って導出可能である。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、114頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
①      P→P≡ PならばPである(同一律)。
②(~P&P)→Q≡(Pでなくて、Pである)ならばQである。
③        P∨~P≡  Pであるか、Pでない(排中律)。
といふ「3つの式」は、3つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
(ⅲ)
1 (1)  (~P&P)→Q A
 2(2)        ~Q A
12(3) ~(~P&P)   12MTT
12(4)   P∨~P    3ド・モルガンの法則
1 (5) ~Q→(P∨~P) 24CP
(ⅱ)
1 (1) ~Q→(P∨~P) A
 2(2)    (~P&P) A
 2(3)   ~(P∨~P) 2ド・モルガンの法則
12(4)~~Q        13MTT
12(5)  Q        4DN
1 (6) (~P&P)→Q  25CP
従って、
(04)により、
(05)
②(~P&P)→Q    ≡(Pでなくて、Pである)ならばQである。
③  ~Q→(P∨~P)≡  Qでないならば(Pであるか、Pでない)。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contradiction)」である。
然るに、
(06)
②(~P&P)≡(Pでなくて、Pである)。
③(P∨~P)≡(Pであるか、Pでない)。
に於いて、
② は「矛盾(Contradiction)」であって、
③ は「排中律(law of excluded middle)」である。
従って、
(03)(05)(06)により、
(07)
②(~P&P)→ Q  ≡(矛盾)ならばQである
③  ~Q→(P∨~P)≡Qでないならば(排中律)。
に於いて、
② は「恒真式(トートロジー)」であって、
③ も「恒真式(トートロジー)」であって、
②=③ は、「対偶」である。
然るに、
(08)
(ⅱ)
1  (1) (~P&P)→Q A
1  (2)~(~P&P)∨Q 1含意の定義
 3 (3)~(~P&P)   A
 3 (4) (P∨~P)   3ド・モルガンの法則
 3 (5) (P∨~P)∨Q  4∨I
  6(6)        Q A
  6(7) (P∨~P)∨Q 4∨I
(ⅲ)
1  (1) ~Q→(P∨~P) A
1  (2)~~Q∨(P∨~P) 1含意の定義
 3 (3)~~Q        A
 3 (4)  Q        3DN
 3 (5) (P∨~P)∨Q  4∨I
  6(6)    (P∨~P) A
  6(7) (P∨~P)∨Q  6∨I
1  (8) (P∨~P)∨Q  13567∨E
(ⅳ)
1  (1) (P∨~P)∨Q  A
 2 (2) (P∨~P)    A
 2 (3)~(~P&P)    2ド・モルガンの法則
 2 (4)~(~P&P)∨Q  3∨I
  5(5)        Q  A
  5(6)~(~P&P)∨Q  5∨I
1  (7)~(~P&P)∨Q  12456∨E
従って、
(07)(08)により、
(09)
②(~P&P)→ Q  ≡(矛盾)ならばQである。
③  ~Q→(P∨~P)≡Qでないならば(排中律)。
④(P∨~P)∨ Q ≡(排中律)か、Qである。
に於いて、
② は「恒真式(トートロジー)」であって、
③ も「恒真式(トートロジー)」であって、
④ も「恒真式(トートロジー)」であって、
②=③=④ である。
然るに、
(10)
④(P∨~P)∨ Q ≡(排中律)か、Qである。
といふ「式」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、
④(P∨~P)∨  ≡(排中律)か、真である。
④(P∨~P)∨  ≡(排中律)か、偽である。
の、両方とも、「(本当)」である。
といふことに、ほかならない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
②(~P&P)→ Q  ≡(矛盾)ならばQである
③  ~Q→(P∨~P)≡Qでないならば(排中律)。
④(P∨~P)∨ Q ≡(排中律、Qである
に於いて、
② は「恒真式(トートロジー)」であって、
③ も「恒真式(トートロジー)」であって、
④ も「恒真式(トートロジー)」であって、
②=③=④ である。
といふことは、
②(~P&P)→Q≡(矛盾)ならばQである。
に於いて、
② Qは、「(本当)」であっても、
② Qは、「(ウソ)」であっても、「どちらでも良い」。
といふことを、「意味」してゐる。
従って、
(12)
 P≡太陽は西から、昇る。
~P≡太陽は西からは昇らない
 Q≡バカボンのパパは天才である。
~Q≡バカボンのパパは天才ではない
であるとして、
②(~P&P)→Q≡(太陽が西から昇らず、太陽が西から昇る)のであれば、バカボンのパパは天才である。
といふ風に、『仮言命題の、前件が矛盾』である場合は、
②   Q≡バカボンのパパは天才である
とは、言ってはゐないし、
②  ~Q≡バカボンのパパは天才でない
とも、言ってゐない
従って、
(12)により、
(13)
②(~P&P)→Q≡(太陽が西から昇らず、太陽が西から昇る)のであれば、バカボンのパパは天才である。
といふ風に、『仮言命題の、前件が矛盾』である場合は、事実上、「何も、言ってゐない」。
然るに、
(14)
⑤   Q→ P≡バカボンのパパが天才であるならば、太陽が西から昇る。
⑥ ~P→~Q≡太陽が西から昇らないならば、バカボンのパパは天才ではない。
といふ「仮言命題」に於いて、
⑤=⑥ は、「対偶」である。
然るに、
(15)
常識」として、
⑦ ~P≡太陽は西から昇らない(東から昇る)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
⑤   Q→ P≡バカボンのパパが天才であるならば、太陽が西から昇る。
⑥ ~P→~Q≡太陽が西から昇らないならば、バカボンのパパは天才ではない。
⑦ ~P   ≡太陽は西から昇らない(東から昇る)。
に於いて、
⑤=⑥ は、「対偶」であって、
⑦   は、「常識」である。
然るに、
(17)
(ⅴ)
1 (1)~P→~Q A
 2(2)~P    A
12(3)   ~Q 12MPP
従って、
(16)(17)により、
(18)
⑤   Q→P≡バカボンのパパが天才であるならば、太陽が西から昇る。
といふ「仮言命題」は、事実上
⑤ ~Q    ≡バカボンのパパは天才ではない。
といふ「命題」に、「等しい」。
従って、
(13)(18)により、
(19)
②(~P&P)→Q≡(太陽が西から昇らず、太陽が西から昇る)のであれば、バカボンのパパは天才である。
といふ風に、『仮言命題の、前件矛盾』である場合は、事実上、「何も、言ってゐない」のに対して、
⑤   Q→P≡バカボンのパパが天才であるならば、太陽が西から昇る。
といふ「仮言命題」は、
⑤ ~Q    ≡バカボンのパパは天才ではない
といふ風に、言ってゐる


(494)「ルカジェヴィッツの公理」と「自然演繹の規則」。

2020-02-03 12:05:52 | 論理

(01)
1 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、次の連式を証明せよ。
1 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove the followint sequent.
1 兎に角、次の連式を証明せよ。
(1)├ P→(Q→P):ルカジェヴィッツの公理1
(証明a)
  (1)   P∨~P  TI(排中律)
2 (2)   P     A
2 (3)   ~Q∨P  2∨I
2 (4)    Q→P  3含意の定義
  (5) P→(Q→P) 24CP
 6(6)     ~P  A
 6(7)~P∨(Q→P) 6∨I
 6(8) P→(Q→P) 7含意の定義
  (9) P→(Q→P) 12578∨E
  (〃)Pならば(QならばPである)。
(証明b)
1   (1) ~(P∨~P)  A
 2  (2)   P      A
 2  (3)   P∨~P   2∨I
12  (4) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  13&I
1   (5)  ~P      24RAA
1   (6)   P∨~P   5∨I
1   (7) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  16&I
1   (8)~~(P∨~P)  17RAA
    (9)   P∨~P   8DN
  ア (ア)   P      A
  ア (イ)   ~Q∨P   ア∨I
  ア (ウ)    Q→P   イ含意の定義
    (エ) P→(Q→P)  アウCP
   オ(オ)     ~P   A
   オ(カ)~P∨(Q→P)  オ∨I
   オ(キ) P→(Q→P)  カ含意の定義
    (ク) P→(Q→P)  9アエオキ∨E
    (〃)Pならば(QならばPである)。
従って、
(01)により、
(02)
(証明a)は、 「9行」からなり、「排中律(P∨~P)」     から始まってゐて、
(証明b)は、「17行」からなり、「排中律(P∨~P)」証明」から始まってゐる。
従って、
(02)により、
(03)
あるいは、
 P∨~P
などいつでも使える出発点(公理)として準備したほうがいいのではないか、と思うでしょう。しかし、そんな必要はないのです。なぜなら、「排中律」は自然演繹演繹できてしまうのです(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、141頁改)。
といふ、ことになる。
然るに、
(04)
(証明c)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
 (〃)Pならば(QならばPである)。
(証明d)
1     (1)     P   A
1     (2) ~Q∨ P   1∨I
 3    (3)  Q&~P   A
  4   (4) ~Q      A
 3    (5)  Q      3&E
 34   (6) ~Q& Q   45&I
  4   (7)~(Q&~P)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)    ~P   3&E
 3 8  (ア)  P&~P   89&I
   8  (イ)~(Q&~P)  3アRAA
1     (ウ)~(Q&~P)  2478イ∨E
    エ (エ)  Q      A
     オ(オ)    ~P   A
    エオ(カ)  Q&~P   エオ&I
1   エオ(キ)~(Q&~P)&
          (Q&~P)  ウカ&I
1   エ (ク)   ~~P   オキRAA
1   エ (ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   エケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
      (〃)Pならば(QならばPである)。
従って、
(04)により、
(05)
(証明c)は、 「4行」からなり、「含意の定義」を用ひてゐて、
(証明d)は、「21行」からなり、「含意の定義」の「証明」を、「証明過程」で、行ってゐる。
然るに、
(06)
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
を、「原始的規則(10 primitive rules)」といふ。
従って、
(06)により、
(07)
「原始的規則(10 primitive rules)」の中に、
含意の定義
は、入ってゐない。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
1 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、次の連式を証明せよ。
1 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove the followint sequent.
兎に角、次の連式を証明せよ。
(ⅰ)├ P→(Q→P):ルカジェヴィッツの公理1
ではなく
2 次の連式を、原始的規則のみによって証明せよ
2 Prove the following sequent by primitive rules alone:
(ⅰ)├ P→(Q→P):ルカジェヴィッツの公理1
であるならば、
(証明c)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
 (〃)Pならば(QならばPである)。
ではなく、
(証明d)
1     (1)     P   A
1     (2) ~Q∨ P   1∨I
 3    (3)  Q&~P   A
  4   (4) ~Q      A
 3    (5)  Q      3&E
 34   (6) ~Q& Q   45&I
  4   (7)~(Q&~P)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)    ~P   3&E
 3 8  (ア)  P&~P   89&I
   8  (イ)~(Q&~P)  3アRAA
1     (ウ)~(Q&~P)  2478イ∨E
    エ (エ)  Q      A
     オ(オ)    ~P   A
    エオ(カ)  Q&~P   エオ&I
1   エオ(キ)~(Q&~P)&
          (Q&~P)  ウカ&I
1   エ (ク)   ~~P   オキRAA
1   エ (ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   エケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
      (〃)Pならば(QならばPである)。
だけが、「正解」である。
然るに、
(09)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
これはフレーゲが提出した6つの公理を簡単にしたものである。
(沢田允、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(01)~(09)により、
(10)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
といふ「3つの公理(Axioms)」の中の、
(1) P→(Q→P)
については、
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
といふ、「自然演繹規則」を用ひて、「証明済み」である。
然るに、
(11)
(ⅱ)├[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
1  (1) P→(Q→R)                A
 2 (2)  P→ Q                   A
  3(3) P                      A
1 3(4)    Q→R                 13MPP
123(5)    Q                   23MPP
123(6)      R                 45MPP
12 (7)                  P→R   36MPP
1  (8)           (P→Q)→(P→R)  27CP
      (9)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)] 18CP
(ⅲ)├(~P→~Q)→(Q→P) 
1  (1) ~P→~Q        A
 2 (2)     Q        A
  3(3) ~P           A
1 3(4)    ~Q        13MPP
123(5)  Q&~Q        34&I
12 (6)~~P           35RAA
12 (7)  P           6DN
1  (8)         Q→P  27CP
   (9)(~P→~Q)→(Q→P) 18CP
従って、
(10)(11)により、
(12)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
といふ「3つの公理(Axioms)」は、3つとも、
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
といふ、「自然演繹規則」を用ひて、「証明」出来る。
然るに、
(13)
連式に対して10個の原始的規則のみを用いて証明が見出されるならば、その連式を、簡単な言いかたをとって、導出可能(deriable)であるとよぶことにしよう。―中略、―
メタ定理1:すべての導出可能な連式は、トートロジーである。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、97頁)
従って、
(12)(13)により、
(14)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
といふ「3つの公理(Axioms)」は、3つとも、「導出可能(deriable)」である。


(493)「パースの法則」の、「自然演繹」による「3通りの証明」。

2020-02-02 19:58:09 | 論理

(01)
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)
然るに、
(02)
5 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove;
(c)├((P→Q)→P)→P 
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、80頁と、原文)
cf.
ただし、「E.J.レモン、論理学初歩」には、「練習問題の解答」は、載ってゐません。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1   (1)  (P→ Q)→P   A
1   (2) ~(P→ Q)∨P   1含意の定義 
 3  (3) ~(P→ Q)     A
  4 (4)  ~P∨ Q      A
  4 (5)   P→ Q      3含意の定義
 34 (6) ~(P→ Q)&
         (P→ Q)     5&I
 3  (7)~(~P∨ Q)     46RAA
 3  (8)   P&~Q      7ド・モルガンの法則
 3  (9)   P         8&I
   ア(ア)         P   A
1   (イ)   P         239アア∨E
    (ウ) ((P→Q)→P)→P 1イCP
    (〃)((PならばQ)ならばP)ならばP。
(ⅱ)
   (1)   ~P∨P        TI(排中律)
2  (2)   ~P          A
2  (3)   ~P∨Q        2∨I
2  (4)    P→Q        2含意の定義
2  (5)   (P→Q)&~P    24&I
2  (6)~(~(P→Q)∨ P)   5ド・モルガンの法則
 9 (7)   (P→Q)→ P    A
 9 (8)  ~(P→Q)∨ P    7含意の定義
49 (9)~(~(P→Q)∨ P)&
       (~(P→Q)∨ P)   68&I
4  (ア) ~((P→Q)→ P)   79RAA
4  (イ) ~((P→Q)→ P)∨P ア∨I
  ウ(ウ)      P        A
  ウ(エ) ~((P→Q)→ P)∨P ウ∨I
   (オ) ~((P→Q)→ P)∨P 12イウエ∨E
   (カ)  ((P→Q)→ P)→P オ含意の定義
   (〃)  ((PならばQ)ならばPならば)Pである。
(ⅲ)
1       (1)  (P→ Q)→P     A
 2      (2) ~(P&~Q)       A
  3     (3)   P           A
   4    (4)     ~Q        A
  34    (5)   P&~Q        34&I
 234    (6) ~(P&~Q)&
             (P&~Q)       25&I
 23     (7)    ~~Q        46RAA
 23     (8)      Q        7DN
 2      (9)   P→ Q        38CP
        (ア) ~(P&~Q)→(P→Q) 29CP
    イ   (イ) ~(P&~Q)       A
1   イ   (ウ)         (P→Q) アイMPP
1   イ   (エ)          P    1ウMPP
1       (オ) ~(P&~Q)→ P    イエCP
     カ  (カ) ~(P&~Q)&~P    A
     カ  (キ) ~(P&~Q)       カ&E
1    カ  (ク)          P    オキMPP
     カ  (ケ)         ~P    カ&E
1    カ  (コ)       P&~P    クケ&I
1       (サ)~~(P&~Q)       カコDN
1       (シ)  (P&~Q)∨ P    サ∨I
      ス (ス)   P&~Q        A
      ス (セ)   P           ス&E
       ソ(ソ)          P    A
1       (タ)          P    シスセソソ∨E
        (チ)((P→Q)→P)→P    1タCP
        (〃)((PならばQ)ならばPならば)Pである。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「パースの法則」の「証明」は、
(ⅰ)12行の「計算」
(ⅱ)15行の「計算」
(ⅲ)26行の「計算」
による、少なくとも、「3通りの証明」が有ることになる。
然るに、
(05)
今の場合は、
5 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove;
兎に角にも、「証明せよ」。

(c)├((P→Q)→P)→P
といふ「出題」であったものの、
原始的規則のみによって証明せよ
5 Prove by primitive rules alone:
といふことであれば、
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
含意の定義
⑫ ド・モルガンの法則
から、
⑪ 含意の定義
ド・モルガンの法則
といふ「定理(Theorems)」が除かれるため、
(ⅰ)12行の「計算」は、「含意の定義・ド・モルガンの法則」を、計3回、使ってゐる。
(ⅱ)15行の「計算」は、「含意の定義・ド・モルガンの法則」を、計4回、使ってゐる。
(ⅲ)26行の「計算」は、「含意の定義・ド・モルガンの法則」を、1度も使ってゐない。
といふことから、
(ⅲ)26行の「計算」だけが、「正解」である。
従って、
(05)により、
(06)
5 次の連式を、原始的規則のみによって証明せよ
5 Prove the following sequent by primitive rules alone:
(c)├((P→Q)→P)→P
といふことであれば、3つの中では、
(ⅲ)
1       (1)  (P→ Q)→P     A
 2      (2) ~(P&~Q)       A
  3     (3)   P           A
   4    (4)     ~Q        A
  34    (5)   P&~Q        34&I
 234    (6) ~(P&~Q)&
             (P&~Q)       25&I
 23     (7)    ~~Q        46RAA
 23     (8)      Q        7DN
 2      (9)   P→ Q        38CP
        (ア) ~(P&~Q)→(P→Q) 29CP
    イ   (イ) ~(P&~Q)       A
1   イ   (ウ)         (P→Q) アイMPP
1   イ   (エ)          P    1ウMPP
1       (オ) ~(P&~Q)→ P    イエCP
     カ  (カ) ~(P&~Q)&~P    A
     カ  (キ) ~(P&~Q)       カ&E
1    カ  (ク)          P    オキMPP
     カ  (ケ)         ~P    カ&E
1    カ  (コ)       P&~P    クケ&I
1       (サ)~~(P&~Q)       カコDN
1       (シ)  (P&~Q)∨ P    サ∨I
      ス (ス)   P&~Q        A
      ス (セ)   P           ス&E
       ソ(ソ)          P    A
1       (タ)          P    シスセソソ∨E
        (チ)((P→Q)→P)→P    1タCP
        (〃)((PならばQ)ならばPならば)Pである。
だけが「正解」であって、「他の2つ」は、「含意の定義ド・モルガンの法則」を「計算」の中で、「証明」する分、どの途、()よりも、「長く」なる。


(492)(パースの法則、1885)の「証明」(其の参:大きな、疑問)。

2020-02-02 14:29:58 | 訓読

(01)
演繹メタ定理は、メタ定理の中でも最も重要である。論理体系のなかには、これを推論規則("→" の導入規則)として採用したもの(自然演繹)もある(演繹定理:ウィキペディア)。
然るに、
(02)
連式表現トートロジー的であるか否かを決めるために、それに対応する条件法を標準的な方法でテストしもよいのである。
連式に対して10個の原始的規則のみを用いて証明が見出されるならば、その連式を、簡単な言いかたをとって、導出可能(deriable)であるとよぶことにしよう。―中略、―
メタ定理1:すべての導出可能な連式は、トートロジーである。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、97頁)
然るに、
(03)
「E.J.レモンの、自然演繹の、10個の原始的規則(10 primitive rules)」とは、
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
といふ「規則」をいふ。
然るに、
(04)
そこで演繹定理(Deduction theorem)は次のように表現される。
定理2.2 AとBは論理式で、Γ は論理式の有限の列であるとする。もし、
 Γ,A├ B
ならば、
 Γ├ A→B
である(長尾真・淵一広、論理と意味、1983年、40頁)。
然るに、
(05)
 Γ,A├ B
ならば、
 Γ├ A→B
といふのは、
条件法的証明(CP)
に、他ならない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
メタ定理1:「(10個の原始的規則によって)導出可能」な連式は、すべてがトートロジーである。
といふことを、「保証(確約)」してゐるは、他ならぬ、
演繹定理条件法的証明)
である。といふ、ことになる。
従って、
(07)
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
といふ「規則」のみを用ひて、例へば、
⑪「含意の定義」    が「証明」されたとするならば、その「証明」の「正しさ」を、「保証(確約)」してゐるのは、「⑤ 演繹定理」であり、
⑫「ド・モルガンの法則」が「証明」されたとするならば、その「証明」の「正しさ」を、「保証(確約)」してゐるのは、「⑤ 演繹定理」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(08)
(a)P→Q├ ~P∨Q
1  (1)    P→Q   A
 2 (2) ~(~P∨Q)  A
  3(3)   ~P     A
  3(4)   ~P∨Q   3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  24&I
 2 (6)  ~~P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   ~P∨Q   8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  29&I
1  (イ)~~(~P∨Q)  2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q   イDN
(b)~P∨Q├ P→Q
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   A
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   7カRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
(c)P&~Q├ ~(~P∨Q)
1   (1)   P&~Q   A
 2  (2)  ~P∨ Q   A
1   (3)   P      1&E
  4 (4)  ~P      A
1 4 (5)   P&~P   34&I
  4 (6) ~(P&~Q)  15RAA
1   (7)     ~Q   1&E
   8(8)      Q   A
1  8(9)   ~Q&Q   78&I
   8(ア) ~(P&~Q)  19RAA
 2  (イ) ~(P&~Q)  2468ア∨I
12  (ウ)  (P&~Q)&
        ~(P&~Q)  1イ&I
1   (エ)~(~P∨ Q)  2ウRAA
(d)~(~P∨Q)├ P&~Q
1  (1)~(~P∨Q)  A
 2 (2)  ~P     A
 2 (3)  ~P∨Q   2∨I
12 (4)~(~P∨Q)&
       (~P∨Q)  13&I
1  (5) ~~P     24RAA
1  (6)   P     5DN
  7(7)     Q   A
  7(8)  ~P∨Q   7∨I
1 7(9)~(~P∨Q)&
       (~P∨Q)  13&I 
1  (ア)    ~Q   79RAA
1  (イ)  P&~Q   6ア&I
従って、
(02)(03)(07)(08)により、
(09)
⑪ P→  Q ┤├    ~P∨ Q
⑫ P&~Q ┤├ ~(~P∨Q)
すなはち、
⑪「含意の定義」    は、「導出可能(deriable)」であり、
⑫「ド・モルガンの法則」も、「導出可能(deriable)」であるため、
⑪「含意の定義」は、    突き詰めて言ふと、「⑤ 演繹定理だけから「導出された連式」であって、
⑫「ド・モルガンの法則」も、突き詰めて言ふと、「⑤ 演繹定理だけから「導出された連式」である。
然るに、
(10)
原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove;
(c)├((P→Q)→P)→P 
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、80頁と、原文)
cf.
ただし、「E.J.レモン、論理学初歩」には、「練習問題の解答」は、載ってゐません。
然るに、
(11)
(c)
1   (1)  (P→ Q)→P   ① A
1   (2) ~(P→ Q)∨P   ⑪ 1含意の定義
 3  (3) ~(P→ Q)     ① A
  4 (4)  ~P∨ Q      ① A
  4 (5)   P→ Q      ⑪ 3含意の定義
 34 (6) ~(P→ Q)&
         (P→ Q)     ⑥ 35&I
 3  (7)~(~P∨ Q)     ⑩ 46RAA
 3  (8)   P&~Q      ⑫ 7ド・モルガンの法則
 3  (9)   P         ⑥ 8&I
   ア(ア)         P   ① A
1   (イ)   P         ⑨ 239アア∨E
    (ウ) ((P→Q)→P)→P ⑤ 1イCP
    (〃)((PならばQ)ならばP)ならばP。
(〃)
1  (1)    P          ① A
   (2)    P→P        ⑤11CP(同一律)
   (3)   ~P∨P        ⑪ 2含意の定義(排中律)
4  (4)   ~P          ① A
4  (5)   ~P∨Q        ⑧ 4∨I
4  (6)    P→Q        ⑪ 4含意の定義
4  (7)   (P→Q)&~P    ⑥ 46&I
4  (8)~(~(P→Q)∨ P)   ⑫ 7ド・モルガンの法則
 9 (9)   (P→Q)→ P    ① A
 9 (ア)  ~(P→Q)∨ P    ⑪ 9含意の定義
49 (イ)~(~(P→Q)∨ P)&
       (~(P→Q)∨ P)   ⑥ 8ア&I
4  (ウ) ~((P→Q)→ P)   ⑩ 9イRAA
4  (エ) ~((P→Q)→ P)∨P ⑧ ウ∨I
  オ(オ)      P        ① A
  オ(カ) ~((P→Q)→ P)∨P ⑧ オ∨I
   (キ) ~((P→Q)→ P)∨P ⑨ 34エオカ∨E
   (ク)  ((P→Q)→ P)→P ⑪ キ含意の定義
   (〃)  ((PならばQ)ならばPならば)P。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
⑬├((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばP)ならばP。
といふ「連式」、すなはち、「パースの法則」も、「導出可能(deriable)」であるため、
③「パースの法則」も、突き詰めて言ふと、「⑤ 演繹定理」だけから「導出された連式」である。
(13)
例えば、
(d)
1(1)P&Q   A
1(2)P     1&E
 (3)P&Q→Q 12CP
 (〃)PであってQならば、Pである。
といふ「証明」をした際に、その「証明自体が「妥当」であることを、「⑤ 演繹定理」で「証明」したとすれば、
├ P&Q→Q≡PであってQならば、Pである。
といふ「連式」が「恒真式(トートロジー)」であることを、最終的に「証明」したのは、「⑤ 演繹定理」である。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
もう一度、確認すると、
⑬((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばP)ならばP。
といふ「パースの法則」は、「⑤ 演繹定理だけから、導くことが、出来る
然るに、
(15)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる。
パースの法則は直観論理や中間命題論理では成立せず、演繹定理だけからでは導くことができない
(パースの法則 - Wikipedia)
従って、
(10)~(15)により、
(16)
(a)「E.J.レモン、論理学初歩」
(b)「パースの法則 - Wikipedia」
に於いて、
(a)は、「パースの法則」は、「演繹定理だけ」から、 導くことが出来る。 と、言ってゐて、
(b)は、「パースの法則」は、「演繹定理だけ」からでは導くことが出来ない。と、言ってゐる。


(491)分かりにくいが、極めて重要な「仮定の解消(CP)」を分かるやうに、説明します。

2020-02-01 16:46:32 | 論理

(01)
困難さの第二の理由には、自然演繹には「仮定の解消」(最初に仮定しておいて、あとでなかったことにする)という手続きがあり、それがなかなか理解しづらいことです。自然演繹は、「仮定の解消」のおかげで公理なしに演繹システムになり得ており、その意味で「仮定の解消」は自然演繹の本質だと言っても過言ではありません(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、144頁)。
従って、
(01)により、
(02)
自然演繹は、その「本質(仮定の解消)」が分かりにくい(?)。
然るに、
(03)
(ⅰ)
① 1 (1) P→Q        仮定(A)
②  2(2) P          仮定(A)
③ 12(3)   Q        12前件肯定(MPP)
④ 1 (4) P→Q        23仮定の解消(CP)
⑤   (5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
然るに、
(04)
① 1 (1)に於ける、
① 1  といふのは、具体的には、(P→Q)  といふ「仮定」であって、
②  2(2)に於ける、
②  2 といふのは、具体的には、(P)    といふ「仮定」であって、
③ 12(3)に於ける、
③ 12 といふのは、具体的には、(P→Q,P)といふ「仮定」である。
④ 1 (4)に於ける、
④ 1  といふのは、具体的には、(P→Q)  といふ「仮定」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
(ⅰ)
① 1 (1) P→Q        仮定(A)
②  2(2) P          仮定(A)
③ 12(3)   Q        12前件肯定(MPP)
④ 1 (4) P→Q        23仮定の解消(CP)
⑤   (5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
といふ「計算」は、
① P→Q  (1) P→Q        仮定(A)
② P    (2) P          仮定(A)
③ P→Q,P(3)   Q        12前件肯定(MPP)
④ P→Q  (4) P→Q        23仮定の解消(CP)
⑤      (5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
といふ「計算」に、「等しい」。
然るに、
(06)
① P→Q  (1) P→Q        仮定(A)
② P    (2) P          仮定(A)
③ P→Q,P(3)   Q        12前件肯定(MPP)
④ P→Q  (4) P→Q        23仮定の解消(CP)
⑤      (5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
といふ「計算」の「各行」を、「連式(Sequents)」で表すと、
① P→Q  ├  P→Q
② P    ├  P
③ P→Q,P├    Q
④ P→Q  ├  P→Q
⑤      ├ (P→Q)→(P→Q)
といふ「式」になる。
然るに、
(07)
「・・・・・という仮定が与えられるならば、・・・・・と正しく結論することができる」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)、
 
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、16頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
① P→Q  ├  P→Q
② P    ├  P
③ P→Q,P├    Q
④ P→Q  ├  P→Q
⑤      ├ (P→Q)→(P→Q)
といふ「連式」は、「日本語」で言ふと、
① PであるならばQである。      ので、PであるならばQである。
② Pである。             ので、Pである。
③ PであるならばQであって、Pである。ので、              Qである。
④ PであるならばQである。      ので、PであるならばQである。
⑤                   ので、PであるならばQである。ならば、PであるならばQである。
といふ「意味」になる。
従って、
(05)(08)により、
(09)
(ⅰ)
① 1 (1)P→Q  仮定(A)
②  2(2)P    仮定(A)
③ 12(3)  Q  12前件肯定(MPP)
④ 1 (4)P→Q  23仮定の解消(CP)
に於ける、
④ 1 (4)P→Q  23仮定の解消(CP)
といふ「行」を、仮に、
④ 1(4)P→Q  23仮定の解消(CP)
といふ風に、書くならば、
④ PであるならばQである。      ので、PであるならばQである。
といふ「意味」ではなく
④ PであるならばQであって、Pである。ので、PであるならばQである。
といふ「意味」になる。
然るに、
(10)
④ PであるならばQであって、Pである。ので、・・・・。
といふのであれば、
③ PであるならばQであって、Pである。ので、Qである
といふ、ことになる。
然るに、
(08)(09)(10)により、
(11)
③ PであるならばQであって、Pである。ので、              Qである
④ PであるならばQである。      ので、PであるならばQである。
といふ「日本語の意味」を、「区別」した上で、「連式」で表すとしたら、
③ P→Q,P├   Q
④ P→Q,├ P→Q
ではなく
③ P→Q,P├   Q
④ P→Q  ├ P→Q
といふ風に、書かざるを得ない
然るに、
(03)(04)により、
(12)
もう一度、確認すると、
③ 12(3)  Q 12前件肯定(MPP)
④ 1 (4)P→Q 23仮定の解消(CP)
に於いて、
③ 12(3)に於ける、
③ 12 といふのは、具体的には、(P→Q,P)といふ「仮定」である。
④ 1 (4)に於ける、
④ 1  といふのは、具体的には、(P→Q)  といふ「仮定」である。
従って、
(06)(11)(12)により、
(13)
その「連式」が、
③ P→Q,P├   Q
④ P→Q  ├ P→Q
である以上、その「計算」は、
③ 12(3)  Q  12前件肯定(MPP)
④ 1 (4)P→Q  23仮定の解消(CP)
といふ風に、書かざるを得ない
然るに、
(01)(12)(13)により、
(14)
③ 12(3)  Q  12前件肯定(MPP)
④ 1 (4)P→Q  23仮定の解消(CP)
に於いて、
③ 12(3) から、
④ 1 (4) に変はる。
といふことは、
③ 12(3)には有った、
③   といふ「仮定」が除かれて
④ 1 (4)に変はった
といふことに、他ならず、このことを称して、小島寛之先生は、
自然演繹には「仮定の解消」(最初に仮定しておいて、あとでなかったことにする)という手続きがあり、それがなかなか理解しづらいことです。
といふ風に、述べてゐる。
然るに、
(15)
④「風邪を引いた」ので、「会社を休む」。
と言へるのであれば、
⑤「風邪を引いた」ならば「会社を休む」。
といふことが、言へなければならない
従って、
(15)により、
(16)
④「Pである」ので、「Qである」。
と言へるのであれば、
⑤「Pである」ならば「Qである」。
といふことが、言へなければならない。
従って、
(16)により、
(17)
④「PであるならばQである。」ので、「PであるならばQである。」
と言へるのであれば、
⑤「PであるならばQである。」ならば「PであるならばQである。」
といふことが、言へなければならない。
従って、
(17)により、
(18)
④「PであるならばQである。」ので、「PであるならばQである。」
⑤「PであるならばQである。」ならば「PであるならばQである。」
に於いて、
④ から、
⑤ を「演繹」することは、「妥当」である。
従って、
(05)(08)(18)により、
(19)
④ 1(4)        P→Q  23仮定の解消(CP)
⑤  (5) (P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
④ P→Q├        P→Q
⑤    ├ (P→Q)→(P→Q)
④「PであるならばQである。」ので、「PであるならばQである。」
⑤「PであるならばQである。」ならば「PであるならばQである。」
に於いて、
④ から、
⑤ を「演繹」することは、「妥当」である。
然るに、
(20)
⑤(5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
⑤  ├ (P→Q)→(P→Q)
⑤「PであるならばQである。」ならば「PであるならばQである。」
に於いて、
(P→Q)=P
といふ「代入(Substitutuion)」を行ふと、
⑤(5)P→P 14仮定の解消(CP)
⑤  ├ P→P
⑤「Pである。」ならば「Pである。」
となって、この「命題」は「同一律(tautology、同義語反復)」である。
従って、
(20)により、
(21)
⑤(5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
⑤  ├ (P→Q)→(P→Q)
⑤「PであるならばQである。」ならば「PであるならばQである。」
といふ「式」は、
⑤(5)P→P 14仮定の解消(CP)
⑤  ├ P→P
⑤「Pである。」ならば「Pである。」
とふ「同一律」に対する、「代入例(Substitution instance)」である。
然るに、
(22)
⑤「同一律(PならばPである)」は、「恒に、真」である。
然るに、
(23)
⑤「恒に真(tautology)」であるといふことは、「特定の仮定」に「依存」することなく、「恒に真(本当)である」。
といふことである。
従って、
(22)(23)により、
(24)
⑤「同一律(PならばPである)」は、「特定の仮定」に「依存」することなく、「恒に真(本当)である」。
従って、
(21)(24)により、
(25)
⑤(5)P→P 14仮定の解消(CP)
⑤  ├ P→P
⑤「Pである。」ならば「Pである。」
とふ「同一律」に対する、「代入例(Substitution instance)」である、
⑤(5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
⑤  ├ (P→Q)→(P→Q)
⑤「PであるならばQである。」ならば「PであるならばQである。」
といふ「式」は、「特定の仮定」に「依存」することなく、「恒に真(本当)である」。
然るに、
(26)
①「風邪を引いた」ので、「会社を休む」。
⑤「風邪を引いた」ならば「会社を休む」。
に於いて、
① であれば、「已に、風邪を、引いてゐる (然形)」。
⑤ であれば、「未だ、風邪は、引いてゐない(然形)」。
従って、
(26)により、
(27)
①「風邪を引いた」ので、「会社を休む」。
⑤「風邪を引いた」ならば「会社を休む」。
に於いて、
①=⑤ ではない
従って、
(27)により、
(28)
① 1(1)   P→Q  仮定(A)
①  P→Q├  P→Q
①「PであるならばQである。」ので、「PであるならばQである。」
⑤  (5) (P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
⑤    ├ (P→Q)→(P→Q)
⑤「PであるならばQである。」ならば「PであるならばQである。」
に於いても、
①=⑤ ではない
従って、
(19)(25)(28)により、
(29)
① 1(1)   P→Q  仮定(A)
①  P→Q├  P→Q
①「PであるならばQである。」ので、「PであるならばQである。」
⑤  (5) (P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
⑤    ├ (P→Q)→(P→Q)
⑤「PであるならばQである。」ならば「PであるならばQである。」
に於いて、
⑤は① から、「演繹出来
①=⑤ では、決してなく、尚且つ、
  ⑤ は、「特定の仮定」に「依存」することなく、「恒に真(本当)である」。
従って、
(03)(04)(29)により、
(30)
(ⅰ)
① 1 (1) P→Q        仮定(A)
②  2(2) P          仮定(A)
③ 12(3)   Q        12前件肯定(MPP)
④ 1 (4) P→Q        23仮定の解消(CP)
⑤   (5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
といふ「計算」の「最後の行(同一律)」である、
⑤   (5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
に於いて、
と、(5)の間に、「仮定があってはならない
従って、
(30)により、
(31)
④ 1 (4) P→Q        23仮定の解消(CP)
⑤   (5)(P→Q)→(P→Q) 14仮定の解消(CP)
に於いて、
④ 1 (4)に有った、
④ 1 といふ「仮定」が除かれて
⑤   (5)に変はることなる。
然るに、
(32)
② P&Q≡Pであって、Qである。
から、
② P  ≡Pである。
②   Q≡Qである。
を「演繹」することは、「妥当」である。
然るに、
(33)
② P&Q→P≡PであってQである。ならば、Pである。
② P&Q→Q≡PであってQである。ならば、Qである。
は、「特定の仮定」に「依存」することなく、「恒に真(本当)である」。
然るに、
(34)
(ⅱ)
1(1)P&Q   仮定
1(2)P     1連言除去
 (3)P&Q→P 12仮定の解消(CP)
(ⅱ)
1(1)P&Q   仮定
1(2)P     1連言除去
 (3)P&Q→Q 12仮定の解消(CP)
従って、
(33)(34)により、
(35)
② P&Q→P≡PであってQである。ならば、Pである。
② P&Q→Q≡PであってQである。ならば、Qである。
といふ「恒真式(トートロジー)」は、
仮定の解消CP
仮定の解消CP
によって、「証明」されて、その結果として、「仮定」の数が「0個」である。
然るに、
(36)
(ⅱ)
1(1)P&Q   仮定
1(2)P     1連言除去
 (3)P&Q→P 12仮定の解消CP
といふ「計算」は、
(1)で、「P&Q」  を「仮定」したら、
(2)で、「P  」  が得られたので、「仮定(1)」を解消してを、
(3)で、「P&Q→P」を得た。
といふ、「意味」である。
然るに、
(37)
興味のある定理の大ていのものは、事実上CPを適用することによって導かれる。たとえば、
Most theorems of intrest are obtained in fact by application of CP. For example:
38 ├ P→P(連式29を参照)
   1(1)P   A
    (2)P→P 1,1 CP
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、64頁と、原文)
29 P├ P
   1(1)P A
これ以上短い連式は証明できないし、またその証明は可能な最も短い証明である。
No shorter sequent than this can be proved, and its proof is the shortest possible proof.
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、44頁と、原文)
従って、
(36)(37)により、
(38)
   1(1)P   A
    (2)P→P 1,1 CP
といふ「計算」は、
(1)で、「P」  を「仮定」したら、
(1)で、「P」  が得られたので、「仮定(1)」を解消して
(2)で、「P→P」を得た。
といふ、「意味」である。
cf.
従って、
(39)
自然演繹では、「P→P(PならばPなり)」といふ「同一律(law of identity)」を、「仮定の解消CP)」といふ「規則」を用ひて、「証明」出来る。
従って、
(39)により、
(40)
普通に考えると、素朴な恒真式(トートロジー)である、
 P→P(PならばP)
とか、
あるいは、
 P∨~P
などいつでも使える出発点公理)として準備したほうがいいのではないか、と思うでしょう。しかし、そんな必要はないのです。なぜなら、どちらの恒真式も自然演繹で演繹できてしまうのです(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、141頁)。といふ、ことになる。
cf.
 ―「排中律」の証明 ―
1 (1) ~(P∨~P)  A
 2(2)   P      A
 2(3)   P∨~P   2∨I
12(4) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  13&I
1 (5)  ~P      24RAA
1 (6)   P∨~P   5∨I
1 (7) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  16&I
1 (8)~~(P∨~P)  17RAA
  (9)   P∨~P   8DN
然るに、
(41)
パースの法則(パースのほうそく)は哲学者であり論理学者であるチャールズ・サンダース・パースにちなむ論理学における法則である。彼の最初の命題論理の公理化において、この法則を公理に採用した。この公理は、含意と呼ばれるただひとつの結合子を持つ体系における排中律であると考えることもできる。
命題計算では、パースの法則は((P→Q)→P)→P のことを言う(ウィキペディア)。
然るに、
(42)
1  (1)    P   A
   (2)    P→P 11CP(同一律)
   (3)   ~P∨P 2含意の定義(であって、排中律)
4  (4)   ~P          A
4  (5)   ~P∨Q        4∨I
4  (6)    P→Q        4含意の定義
4  (7)   (P→Q)&~P    46&I
4  (8)~(~(P→Q)∨ P)   7ド・モルガンの法則
 9 (9)   (P→Q)→ P    A
 9 (ア)  ~(P→Q)∨ P    9含意の定義
49 (イ)~(~(P→Q)∨ P)&
       (~(P→Q)∨ P)   8ア&I
4  (ウ) ~((P→Q)→ P)   9イRAA
4  (エ) ~((P→Q)→ P)∨P ウ∨I
  オ(オ)      P        A
  オ(カ) ~((P→Q)→ P)∨P オ∨I
   (キ) ~((P→Q)→ P)∨P 34エオカ∨E
   (ク)  ((P→Q)→ P)→P キ含意の定義
   (〃)  ((PならばQ)ならばPならば)Pである。
然るに、
(43)
(ⅰ)P→Q├ ~P∨Q
1  (1)    P→Q   A
 2 (2) ~(~P∨Q)  A
  3(3)   ~P     A
  3(4)   ~P∨Q   3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  24&I
 2 (6)  ~~P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   ~P∨Q   8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  29&I
1  (イ)~~(~P∨Q)  2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q   イDN
(ⅱ)~P∨Q├ P→Q
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   A
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   7カRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
(ⅲ)P&~Q├ ~(~P∨Q)
1   (1)   P&~Q   A
 2  (2)  ~P∨ Q   A
1   (3)   P      1&E
  4 (4)  ~P      A
1 4 (5)   P&~P   34&I
  4 (6) ~(P&~Q)  15RAA
1   (7)     ~Q   1&E
   8(8)      Q   A
1  8(9)   ~Q&Q   78&I
   8(ア) ~(P&~Q)  19RAA
 2  (イ) ~(P&~Q)  2468ア∨I
12  (ウ)  (P&~Q)&
        ~(P&~Q)  1イ&I
1   (エ)~(~P∨ Q)  2ウRAA
(ⅳ)~(~P∨Q)├ P&~Q
1  (1)~(~P∨Q)  A
 2 (2)  ~P     A
 2 (3)  ~P∨Q   2∨I
12 (4)~(~P∨Q)&
       (~P∨Q)  13&I
1  (5) ~~P     24RAA
1  (6)   P     5DN
  7(7)     Q   A
  7(8)  ~P∨Q   7∨I
1 7(9)~(~P∨Q)&
       (~P∨Q)  13&I 
1  (ア)    ~Q   79RAA
1  (イ)  P&~Q   6ア&I
従って、
(43)により、
(44)
(ⅰ)P→  Q ┤├    ~P∨ Q
(ⅲ)P&~Q ┤├ ~(~P∨Q)
すなはち、「含意の定義」と「ド・モルガンの法則」は、「導出可能(deriable)」である。
然るに、
(45)
連式に対して10個の原始的規則のみを用いて証明が見出されるならば、その連式を、簡単な言いかたをとって、導出可能(deriable)であるとよぶことにしよう。―中略、―
メタ定理1:すべての導出可能な連式は、トートロジーである。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、97頁)
従って、
(41)(42)(45)により、
(46)
((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばP)ならばP。
といふ「公理(パースの法則)」は、「自然演繹によって、導出可能(deriable)」である。
従って、
(40)(46)により、
(47)
自然演繹」は、
  P→ P(同一律)
  P∨~P(排中律)
((P→Q)→P)→P(パースの法則)
等を、「公理(Axioms)」とする「必要」が、無い
(48)
(a)「E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳」では、「仮定の解消」ではなく、「条件的証明(CP)」を適用する際の、「取り除かれた仮定(discharged assumption)」といる「言ひ方」がされてゐる。
(b)今書いた、「取り除かれた仮定」に関する「説明」は、私はさう考へるといふことであって、E.J.レモン先生が、そのやうに述べてゐる、といふわけではない。
(c)「最初に仮定しておいて、あとでなかったことにする。」といふ点では、「背理法(RAA)」、並びに、「選言除去(∨E)」もさうである。
(d)私自身が考へる、「自然演繹」に於ける、「最も重要な規則」は、「選言導入(∨I)」である。