日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(495)「仮言命題」の「前件」が「矛盾」である場合。

2020-02-03 17:05:05 | 論理

(01)
(ⅰ)
1   (1)     P    A
    (2)     P→P  11CP
(ⅱ)
1   (1)     P    A
    (2)     P→P  11CP
    (3)    ~P∨P  2含意の定義
 4  (4)    ~P    A
 4  (5)    ~P∨Q  4∨I
 4  (6)     P→Q  5含意の定義
 4  (7)~~P∨(P→Q) 6∨I
  8 (8)       P  A
  8 (9)     ~~P  8DN
  8 (ア)~~P∨(P→Q) 9∨I
    (イ)~~P∨(P→Q) 3478ア∨E
    (ウ) ~P→(P→Q) イ含意の定義
   エ(エ) ~P& P    A
   エ(オ) ~P       エ&E
   エ(カ)     P→Q  ウオMPP
   エ(キ)     P    エ&E
   エ(ク)       Q  カキMPP
    (ケ)(~P&P)→Q  エクCP
(ⅲ)
1   (1) ~(P∨~P)  A
 2  (2)   P      A
 2  (3)   P∨~P   2∨I
12  (4) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  13&I
1   (5)  ~P      24RAA
1   (6)   P∨~P   5∨I
1   (7) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  16&I
1   (8)~~(P∨~P)  17RAA
    (9)   P∨~P   8DN
然るに、
(02)
系Ⅰ:任意の連式は、それがトートロジー的であるときまたそのときに限って導出可能である。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、114頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
①      P→P≡ PならばPである(同一律)。
②(~P&P)→Q≡(Pでなくて、Pである)ならばQである。
③        P∨~P≡  Pであるか、Pでない(排中律)。
といふ「3つの式」は、3つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
(ⅲ)
1 (1)  (~P&P)→Q A
 2(2)        ~Q A
12(3) ~(~P&P)   12MTT
12(4)   P∨~P    3ド・モルガンの法則
1 (5) ~Q→(P∨~P) 24CP
(ⅱ)
1 (1) ~Q→(P∨~P) A
 2(2)    (~P&P) A
 2(3)   ~(P∨~P) 2ド・モルガンの法則
12(4)~~Q        13MTT
12(5)  Q        4DN
1 (6) (~P&P)→Q  25CP
従って、
(04)により、
(05)
②(~P&P)→Q    ≡(Pでなくて、Pである)ならばQである。
③  ~Q→(P∨~P)≡  Qでないならば(Pであるか、Pでない)。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contradiction)」である。
然るに、
(06)
②(~P&P)≡(Pでなくて、Pである)。
③(P∨~P)≡(Pであるか、Pでない)。
に於いて、
② は「矛盾(Contradiction)」であって、
③ は「排中律(law of excluded middle)」である。
従って、
(03)(05)(06)により、
(07)
②(~P&P)→ Q  ≡(矛盾)ならばQである
③  ~Q→(P∨~P)≡Qでないならば(排中律)。
に於いて、
② は「恒真式(トートロジー)」であって、
③ も「恒真式(トートロジー)」であって、
②=③ は、「対偶」である。
然るに、
(08)
(ⅱ)
1  (1) (~P&P)→Q A
1  (2)~(~P&P)∨Q 1含意の定義
 3 (3)~(~P&P)   A
 3 (4) (P∨~P)   3ド・モルガンの法則
 3 (5) (P∨~P)∨Q  4∨I
  6(6)        Q A
  6(7) (P∨~P)∨Q 4∨I
(ⅲ)
1  (1) ~Q→(P∨~P) A
1  (2)~~Q∨(P∨~P) 1含意の定義
 3 (3)~~Q        A
 3 (4)  Q        3DN
 3 (5) (P∨~P)∨Q  4∨I
  6(6)    (P∨~P) A
  6(7) (P∨~P)∨Q  6∨I
1  (8) (P∨~P)∨Q  13567∨E
(ⅳ)
1  (1) (P∨~P)∨Q  A
 2 (2) (P∨~P)    A
 2 (3)~(~P&P)    2ド・モルガンの法則
 2 (4)~(~P&P)∨Q  3∨I
  5(5)        Q  A
  5(6)~(~P&P)∨Q  5∨I
1  (7)~(~P&P)∨Q  12456∨E
従って、
(07)(08)により、
(09)
②(~P&P)→ Q  ≡(矛盾)ならばQである。
③  ~Q→(P∨~P)≡Qでないならば(排中律)。
④(P∨~P)∨ Q ≡(排中律)か、Qである。
に於いて、
② は「恒真式(トートロジー)」であって、
③ も「恒真式(トートロジー)」であって、
④ も「恒真式(トートロジー)」であって、
②=③=④ である。
然るに、
(10)
④(P∨~P)∨ Q ≡(排中律)か、Qである。
といふ「式」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、
④(P∨~P)∨  ≡(排中律)か、真である。
④(P∨~P)∨  ≡(排中律)か、偽である。
の、両方とも、「(本当)」である。
といふことに、ほかならない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
②(~P&P)→ Q  ≡(矛盾)ならばQである
③  ~Q→(P∨~P)≡Qでないならば(排中律)。
④(P∨~P)∨ Q ≡(排中律、Qである
に於いて、
② は「恒真式(トートロジー)」であって、
③ も「恒真式(トートロジー)」であって、
④ も「恒真式(トートロジー)」であって、
②=③=④ である。
といふことは、
②(~P&P)→Q≡(矛盾)ならばQである。
に於いて、
② Qは、「(本当)」であっても、
② Qは、「(ウソ)」であっても、「どちらでも良い」。
といふことを、「意味」してゐる。
従って、
(12)
 P≡太陽は西から、昇る。
~P≡太陽は西からは昇らない
 Q≡バカボンのパパは天才である。
~Q≡バカボンのパパは天才ではない
であるとして、
②(~P&P)→Q≡(太陽が西から昇らず、太陽が西から昇る)のであれば、バカボンのパパは天才である。
といふ風に、『仮言命題の、前件が矛盾』である場合は、
②   Q≡バカボンのパパは天才である
とは、言ってはゐないし、
②  ~Q≡バカボンのパパは天才でない
とも、言ってゐない
従って、
(12)により、
(13)
②(~P&P)→Q≡(太陽が西から昇らず、太陽が西から昇る)のであれば、バカボンのパパは天才である。
といふ風に、『仮言命題の、前件が矛盾』である場合は、事実上、「何も、言ってゐない」。
然るに、
(14)
⑤   Q→ P≡バカボンのパパが天才であるならば、太陽が西から昇る。
⑥ ~P→~Q≡太陽が西から昇らないならば、バカボンのパパは天才ではない。
といふ「仮言命題」に於いて、
⑤=⑥ は、「対偶」である。
然るに、
(15)
常識」として、
⑦ ~P≡太陽は西から昇らない(東から昇る)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
⑤   Q→ P≡バカボンのパパが天才であるならば、太陽が西から昇る。
⑥ ~P→~Q≡太陽が西から昇らないならば、バカボンのパパは天才ではない。
⑦ ~P   ≡太陽は西から昇らない(東から昇る)。
に於いて、
⑤=⑥ は、「対偶」であって、
⑦   は、「常識」である。
然るに、
(17)
(ⅴ)
1 (1)~P→~Q A
 2(2)~P    A
12(3)   ~Q 12MPP
従って、
(16)(17)により、
(18)
⑤   Q→P≡バカボンのパパが天才であるならば、太陽が西から昇る。
といふ「仮言命題」は、事実上
⑤ ~Q    ≡バカボンのパパは天才ではない。
といふ「命題」に、「等しい」。
従って、
(13)(18)により、
(19)
②(~P&P)→Q≡(太陽が西から昇らず、太陽が西から昇る)のであれば、バカボンのパパは天才である。
といふ風に、『仮言命題の、前件矛盾』である場合は、事実上、「何も、言ってゐない」のに対して、
⑤   Q→P≡バカボンのパパが天才であるならば、太陽が西から昇る。
といふ「仮言命題」は、
⑤ ~Q    ≡バカボンのパパは天才ではない
といふ風に、言ってゐる


(494)「ルカジェヴィッツの公理」と「自然演繹の規則」。

2020-02-03 12:05:52 | 論理

(01)
1 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、次の連式を証明せよ。
1 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove the followint sequent.
1 兎に角、次の連式を証明せよ。
(1)├ P→(Q→P):ルカジェヴィッツの公理1
(証明a)
  (1)   P∨~P  TI(排中律)
2 (2)   P     A
2 (3)   ~Q∨P  2∨I
2 (4)    Q→P  3含意の定義
  (5) P→(Q→P) 24CP
 6(6)     ~P  A
 6(7)~P∨(Q→P) 6∨I
 6(8) P→(Q→P) 7含意の定義
  (9) P→(Q→P) 12578∨E
  (〃)Pならば(QならばPである)。
(証明b)
1   (1) ~(P∨~P)  A
 2  (2)   P      A
 2  (3)   P∨~P   2∨I
12  (4) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  13&I
1   (5)  ~P      24RAA
1   (6)   P∨~P   5∨I
1   (7) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  16&I
1   (8)~~(P∨~P)  17RAA
    (9)   P∨~P   8DN
  ア (ア)   P      A
  ア (イ)   ~Q∨P   ア∨I
  ア (ウ)    Q→P   イ含意の定義
    (エ) P→(Q→P)  アウCP
   オ(オ)     ~P   A
   オ(カ)~P∨(Q→P)  オ∨I
   オ(キ) P→(Q→P)  カ含意の定義
    (ク) P→(Q→P)  9アエオキ∨E
    (〃)Pならば(QならばPである)。
従って、
(01)により、
(02)
(証明a)は、 「9行」からなり、「排中律(P∨~P)」     から始まってゐて、
(証明b)は、「17行」からなり、「排中律(P∨~P)」証明」から始まってゐる。
従って、
(02)により、
(03)
あるいは、
 P∨~P
などいつでも使える出発点(公理)として準備したほうがいいのではないか、と思うでしょう。しかし、そんな必要はないのです。なぜなら、「排中律」は自然演繹演繹できてしまうのです(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、141頁改)。
といふ、ことになる。
然るに、
(04)
(証明c)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
 (〃)Pならば(QならばPである)。
(証明d)
1     (1)     P   A
1     (2) ~Q∨ P   1∨I
 3    (3)  Q&~P   A
  4   (4) ~Q      A
 3    (5)  Q      3&E
 34   (6) ~Q& Q   45&I
  4   (7)~(Q&~P)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)    ~P   3&E
 3 8  (ア)  P&~P   89&I
   8  (イ)~(Q&~P)  3アRAA
1     (ウ)~(Q&~P)  2478イ∨E
    エ (エ)  Q      A
     オ(オ)    ~P   A
    エオ(カ)  Q&~P   エオ&I
1   エオ(キ)~(Q&~P)&
          (Q&~P)  ウカ&I
1   エ (ク)   ~~P   オキRAA
1   エ (ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   エケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
      (〃)Pならば(QならばPである)。
従って、
(04)により、
(05)
(証明c)は、 「4行」からなり、「含意の定義」を用ひてゐて、
(証明d)は、「21行」からなり、「含意の定義」の「証明」を、「証明過程」で、行ってゐる。
然るに、
(06)
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
を、「原始的規則(10 primitive rules)」といふ。
従って、
(06)により、
(07)
「原始的規則(10 primitive rules)」の中に、
含意の定義
は、入ってゐない。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
1 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、次の連式を証明せよ。
1 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove the followint sequent.
兎に角、次の連式を証明せよ。
(ⅰ)├ P→(Q→P):ルカジェヴィッツの公理1
ではなく
2 次の連式を、原始的規則のみによって証明せよ
2 Prove the following sequent by primitive rules alone:
(ⅰ)├ P→(Q→P):ルカジェヴィッツの公理1
であるならば、
(証明c)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
 (〃)Pならば(QならばPである)。
ではなく、
(証明d)
1     (1)     P   A
1     (2) ~Q∨ P   1∨I
 3    (3)  Q&~P   A
  4   (4) ~Q      A
 3    (5)  Q      3&E
 34   (6) ~Q& Q   45&I
  4   (7)~(Q&~P)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)    ~P   3&E
 3 8  (ア)  P&~P   89&I
   8  (イ)~(Q&~P)  3アRAA
1     (ウ)~(Q&~P)  2478イ∨E
    エ (エ)  Q      A
     オ(オ)    ~P   A
    エオ(カ)  Q&~P   エオ&I
1   エオ(キ)~(Q&~P)&
          (Q&~P)  ウカ&I
1   エ (ク)   ~~P   オキRAA
1   エ (ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   エケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
      (〃)Pならば(QならばPである)。
だけが、「正解」である。
然るに、
(09)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
これはフレーゲが提出した6つの公理を簡単にしたものである。
(沢田允、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(01)~(09)により、
(10)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
といふ「3つの公理(Axioms)」の中の、
(1) P→(Q→P)
については、
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
といふ、「自然演繹規則」を用ひて、「証明済み」である。
然るに、
(11)
(ⅱ)├[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
1  (1) P→(Q→R)                A
 2 (2)  P→ Q                   A
  3(3) P                      A
1 3(4)    Q→R                 13MPP
123(5)    Q                   23MPP
123(6)      R                 45MPP
12 (7)                  P→R   36MPP
1  (8)           (P→Q)→(P→R)  27CP
      (9)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)] 18CP
(ⅲ)├(~P→~Q)→(Q→P) 
1  (1) ~P→~Q        A
 2 (2)     Q        A
  3(3) ~P           A
1 3(4)    ~Q        13MPP
123(5)  Q&~Q        34&I
12 (6)~~P           35RAA
12 (7)  P           6DN
1  (8)         Q→P  27CP
   (9)(~P→~Q)→(Q→P) 18CP
従って、
(10)(11)により、
(12)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
といふ「3つの公理(Axioms)」は、3つとも、
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
といふ、「自然演繹規則」を用ひて、「証明」出来る。
然るに、
(13)
連式に対して10個の原始的規則のみを用いて証明が見出されるならば、その連式を、簡単な言いかたをとって、導出可能(deriable)であるとよぶことにしよう。―中略、―
メタ定理1:すべての導出可能な連式は、トートロジーである。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、97頁)
従って、
(12)(13)により、
(14)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
といふ「3つの公理(Axioms)」は、3つとも、「導出可能(deriable)」である。