日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(494)「ルカジェヴィッツの公理」と「自然演繹の規則」。

2020-02-03 12:05:52 | 論理

(01)
1 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、次の連式を証明せよ。
1 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove the followint sequent.
1 兎に角、次の連式を証明せよ。
(1)├ P→(Q→P):ルカジェヴィッツの公理1
(証明a)
  (1)   P∨~P  TI(排中律)
2 (2)   P     A
2 (3)   ~Q∨P  2∨I
2 (4)    Q→P  3含意の定義
  (5) P→(Q→P) 24CP
 6(6)     ~P  A
 6(7)~P∨(Q→P) 6∨I
 6(8) P→(Q→P) 7含意の定義
  (9) P→(Q→P) 12578∨E
  (〃)Pならば(QならばPである)。
(証明b)
1   (1) ~(P∨~P)  A
 2  (2)   P      A
 2  (3)   P∨~P   2∨I
12  (4) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  13&I
1   (5)  ~P      24RAA
1   (6)   P∨~P   5∨I
1   (7) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  16&I
1   (8)~~(P∨~P)  17RAA
    (9)   P∨~P   8DN
  ア (ア)   P      A
  ア (イ)   ~Q∨P   ア∨I
  ア (ウ)    Q→P   イ含意の定義
    (エ) P→(Q→P)  アウCP
   オ(オ)     ~P   A
   オ(カ)~P∨(Q→P)  オ∨I
   オ(キ) P→(Q→P)  カ含意の定義
    (ク) P→(Q→P)  9アエオキ∨E
    (〃)Pならば(QならばPである)。
従って、
(01)により、
(02)
(証明a)は、 「9行」からなり、「排中律(P∨~P)」     から始まってゐて、
(証明b)は、「17行」からなり、「排中律(P∨~P)」証明」から始まってゐる。
従って、
(02)により、
(03)
あるいは、
 P∨~P
などいつでも使える出発点(公理)として準備したほうがいいのではないか、と思うでしょう。しかし、そんな必要はないのです。なぜなら、「排中律」は自然演繹演繹できてしまうのです(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、141頁改)。
といふ、ことになる。
然るに、
(04)
(証明c)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
 (〃)Pならば(QならばPである)。
(証明d)
1     (1)     P   A
1     (2) ~Q∨ P   1∨I
 3    (3)  Q&~P   A
  4   (4) ~Q      A
 3    (5)  Q      3&E
 34   (6) ~Q& Q   45&I
  4   (7)~(Q&~P)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)    ~P   3&E
 3 8  (ア)  P&~P   89&I
   8  (イ)~(Q&~P)  3アRAA
1     (ウ)~(Q&~P)  2478イ∨E
    エ (エ)  Q      A
     オ(オ)    ~P   A
    エオ(カ)  Q&~P   エオ&I
1   エオ(キ)~(Q&~P)&
          (Q&~P)  ウカ&I
1   エ (ク)   ~~P   オキRAA
1   エ (ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   エケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
      (〃)Pならば(QならばPである)。
従って、
(04)により、
(05)
(証明c)は、 「4行」からなり、「含意の定義」を用ひてゐて、
(証明d)は、「21行」からなり、「含意の定義」の「証明」を、「証明過程」で、行ってゐる。
然るに、
(06)
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
を、「原始的規則(10 primitive rules)」といふ。
従って、
(06)により、
(07)
「原始的規則(10 primitive rules)」の中に、
含意の定義
は、入ってゐない。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
1 原始的規則あるい導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでも、ともに用いて、次の連式を証明せよ。
1 Using primitive or derived rules, together with any sequents or theorems already proved, prove the followint sequent.
兎に角、次の連式を証明せよ。
(ⅰ)├ P→(Q→P):ルカジェヴィッツの公理1
ではなく
2 次の連式を、原始的規則のみによって証明せよ
2 Prove the following sequent by primitive rules alone:
(ⅰ)├ P→(Q→P):ルカジェヴィッツの公理1
であるならば、
(証明c)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
 (〃)Pならば(QならばPである)。
ではなく、
(証明d)
1     (1)     P   A
1     (2) ~Q∨ P   1∨I
 3    (3)  Q&~P   A
  4   (4) ~Q      A
 3    (5)  Q      3&E
 34   (6) ~Q& Q   45&I
  4   (7)~(Q&~P)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)    ~P   3&E
 3 8  (ア)  P&~P   89&I
   8  (イ)~(Q&~P)  3アRAA
1     (ウ)~(Q&~P)  2478イ∨E
    エ (エ)  Q      A
     オ(オ)    ~P   A
    エオ(カ)  Q&~P   エオ&I
1   エオ(キ)~(Q&~P)&
          (Q&~P)  ウカ&I
1   エ (ク)   ~~P   オキRAA
1   エ (ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   エケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
      (〃)Pならば(QならばPである)。
だけが、「正解」である。
然るに、
(09)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
これはフレーゲが提出した6つの公理を簡単にしたものである。
(沢田允、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(01)~(09)により、
(10)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
といふ「3つの公理(Axioms)」の中の、
(1) P→(Q→P)
については、
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
といふ、「自然演繹規則」を用ひて、「証明済み」である。
然るに、
(11)
(ⅱ)├[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
1  (1) P→(Q→R)                A
 2 (2)  P→ Q                   A
  3(3) P                      A
1 3(4)    Q→R                 13MPP
123(5)    Q                   23MPP
123(6)      R                 45MPP
12 (7)                  P→R   36MPP
1  (8)           (P→Q)→(P→R)  27CP
      (9)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)] 18CP
(ⅲ)├(~P→~Q)→(Q→P) 
1  (1) ~P→~Q        A
 2 (2)     Q        A
  3(3) ~P           A
1 3(4)    ~Q        13MPP
123(5)  Q&~Q        34&I
12 (6)~~P           35RAA
12 (7)  P           6DN
1  (8)         Q→P  27CP
   (9)(~P→~Q)→(Q→P) 18CP
従って、
(10)(11)により、
(12)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
といふ「3つの公理(Axioms)」は、3つとも、
① 仮定(A)
② 前件肯定(MPP)
③ 後件否定(MTT)
④ 二重否定(DN)
⑤ 条件法的証明(CP)
⑥ 連言導入(&I)
⑦ 連言除去(&E)
⑧ 選言導入(∨I)
⑨ 選言除去(∨E)
⑩ 背理法(RAA)
といふ、「自然演繹規則」を用ひて、「証明」出来る。
然るに、
(13)
連式に対して10個の原始的規則のみを用いて証明が見出されるならば、その連式を、簡単な言いかたをとって、導出可能(deriable)であるとよぶことにしよう。―中略、―
メタ定理1:すべての導出可能な連式は、トートロジーである。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、97頁)
従って、
(12)(13)により、
(14)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P) 
といふ「3つの公理(Axioms)」は、3つとも、「導出可能(deriable)」である。



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