音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

認知症の摩訶不思議な世界

2011-12-28 07:35:10 | 音楽雑記
音楽療法の実践がひと息ついて師走の準備に
とりかかっています。
掃除はともかくとして恒例の餅つき、おせち料理など
は外せず、家族揃って賑やかになることを楽しみに
しながらバタバタとしています。

今年一年も我が家の認知症を患っている義母は特別に
大きな変化もなく、よく食べてよくおしゃべりしています。
連れ合いが傍に一緒にいてくれる安心感は計り知れないと
つくづく思います。幾度も繰り返す懐かしい昔話にも
共感してくれる仲間がいることは義母の居場所があることに繋がります。

時々少し義父の失言?に対して「口撃」する義母に、
息子が父をかばいながら諭すと、泣き出してしまい、
義父は「泣かさんときや・・」と息子に言う・・・。
何とも笑い話のような循環になっています。

いつも私は義母に言います。
「昔話を聞きながらお茶を一緒に飲む夫がいて、
病院の付き添いから家事全般もこなしてくれている息子が
いて、世界一幸せだね」と。
そう思っていると言いながら、時々理解できない妄想を断言したり
感情を抑えきれないことがありますが、私たちには分からない
摩訶不思議な世界があるようです。

何かの深層心理が働いていると専門的には言われていますが、
本人の世界を理解することは並大抵のことではないと感じています。
その前に介護する家族が想いを寄せる余裕が無くなることの方が
現実的には多いのではないでしょうか。

今年は大きな災害が起こり、人と人との絆をあらためて
気づかされることになりました。
認知症の介護も家族だけで抱えることのないように、
地域や社会には優しく受け入れる絆の体制があることを、
仕事を通してお伝えしていきたいと思っています。

今年一年お力添えをいただきました。
どうぞ良いお年をお迎えください