前回はアルバム『STILL LIVE』における「The Song Is You」の
独創的、超絶イントロについて紹介したが、「イントロ&エンディング」と
いうタイトルでありながら、エンディングについて書くのを忘れていた(アホか!)。
言い訳だが、キース・ジャレット・トリオは、ワーッとイントロが始まり、
ワーッとテーマに以降し、ワーッと半ばフリージャズのようなものすごい展開になり、
そのままの勢いでワーッとエンディングに突入することが多いわけで、これから音楽が
どこに行こうとしているのかが、さっぱりわからないまま、終わるという、とんでもない
人たちなので、イントロはともかく、展開やエンディングを言葉だけで表現するのは
むずかしいわけよ…。
上記「The Song Is You」の途中の展開についていうなら、
ベース(ゲーリー・ピーコック)とドラム(ジャック・ディジョネット)の
壮絶な掛け合いの後、信じられないようなタイミング(少なくとも私には
予測不可能な)でテーマに戻る。これでエンディングかなと思いきや、
ドミナント7thのG7(この曲のキーはC Major)とAb7がいききする展開が始まる。
「これでどうやって終わるのか?」と思っていると、なんと延々5分くらい、
このコード進行でまたもやキースのインプロビゼーション展開が続く、
このままフェードアウトしそうになりながら、またもや大盛り上がりに盛り上がって
またフェードアウト、最後はイントロと同じモチーフが登場し、
「しかるべく(笑)」終了する。
もはやすごすぎて、一体どうやって表現しろっていうのよ!
まあ、私のへたくそな説明きくより、まずは上記のアルバムに針をおとしてくれたまえ。
(「針をおとす」って時点で、古臭い!)
まあ、ここまでくると、なにがスタンダードでなにがアドリブで、はたまた
なにが「ジャズ」なのかはわからないが、少なくとも「すごいことが起こっている」
ことは間違いない。
思うに、彼らは「非常にシンプルなメロディーのみ」でつながっているような気がする。
シンプルであるがゆえに、そこには般若心経でいうところの(なんでお経やねん!)
「空=すべて」が存在している。少なくとも彼ら一人ひとりの全人格が込められている。
少なくとも、私にとってこれは「自分が音楽をやる上での理想」なのだが、
あまりに理想が遠すぎて、果てしなくて、自分でもわけがわからん(笑)。
翻訳会社オー・エム・ティの公式ウェブサイト