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スーパースターフォース

2018-11-25 22:30:47 | ゲーム


 近代シューティングの頂点である『ゼビウス』と現代シューティングの原点である『スターフォース』は私の中で対になっています。どちらもファミコンに移植され、名作であることは疑いありません。そしてファミコンに『スーパーゼビウス ガンプの謎』が発売されたのとほとんど同時に、本作『スーパースターフォース』も発売されました。サブタイトルは「時空暦の秘密」。そんなこともあって、両シリーズの「対」のイメージはさらに強化されたのでした。



 本作はシューティングに謎解き要素を加えたもので、その点でも『ガンプの謎』と共通しています。ただし、あちらのシステムはシューティングそのものであったのに対し、本作ではシューティングパートとアドベンチャーパートからなり、シューティングで稼いだタイム(スコア)によってアドベンチャーパートでの活動限界が決まるというマルチなシステムなのでした。シューティングのステージは無限にループし、ワープゾーンを介して歴史をさかのぼることでステージを進めます。そして過去に干渉することで未来を改変させて謎解きに必要なアイテムを集め、時空暦元年にいるゴーデスを倒すという壮大なゲームなのです。



 シューティングパートの各ステージで地上に降りるとアクションRPGのような画面になり、稼いだタイムがそのまま体力とお金を兼ねたパラメータとなります。敵の攻撃を受けたり買い物したりするとタイムが減り、ゼロになると強制的にシューティングパートに引き戻されます。地上では情報やアイテムを集めるのが目的ですが、爆弾を入手すると隠されたショップ等の入り口が現れる場合があります。地上にはノルムと呼ばれる異星人の商人がいます。彼らの協力を受けてゴーデスを倒す方法を探します。



 謎解きを無視してどんどん先の(過去の)ステージに向かうことも可能で、そこでいきなりゴーデスを倒すこともできちゃったりします。



 ところがその場合にはゴーデスが発生する以前の時空に干渉することはできずに、未来に戻されてしまいます。「時の秘石」とやらを7つ集めなければならないようです。謎解きとしては、ある時点での怪獣の卵を破壊しておくと、それから未来において怪獣に自然が破壊されることなく地上に降りられるようになる、というものです。



 こんな感じで謎解きを進めていければいいのですが、あるステージで地上に降りると「オアネスの封印」というアイテムが手に入ります。これを4つ集める必要がありそうなのですが、同じ要領で探しても全く見つからないのです。これを集めるには、どこかのステージの地上に隠れている入り口を爆弾で探し当てる必要があるのです。しかも場所はノーヒントだし、「入り口を爆弾で探し当てろ」というヒントもありません。これは普通では解けませんよ……。



 なんとか頑張って4つの「オアネスの封印」を手に入れ7つの「時の秘石」を集めることができました。ゴーデスをブッ倒しに行きましょう!



 ゴーデスをさくっと倒すと、さらに過去への時空間移動をすることになります。そしてその過去の時代とは……。



 それは西暦2137年の地球でした! ステージの奥にいる謎の構造物を倒してみると……。





 なんとバッドエンド! 地球がゴーデスによって破壊され、浮遊大陸になるという歴史が明らかにされ、悲劇はそのまま続いていくのでした。まあ、このバッドエンドこそスターフォースにつながる正史とも言えますが。そしてこのバッドエンドを前提にしてゴーデスの封印を維持する方法を探ります。



 とあるステージで秘密アイテム「クレオパトラ」を手に入れ、西暦2137年で地上に降りると、ある建物の中に入れます。ここでは敵は出てこないのですが、所持タイム以内に迷路状のマップを突破すると、封印らしき装置があります。ここに到達するとようやくグッドエンドです!



 というわけで、さらっとクリアしたように書かれていますが、実際は何度も壁にぶつかってネット上の攻略情報に頼りっぱなしになってしまいました。はっきり言って理不尽な謎解きです! 特に以下の点が厳しいです。

・オアネスの封印の場所を手探りで見つけなければならないこと
・秘密アイテム「クレオパトラ」の存在と入手条件を知る由もないこと
・最終マップのつながりがデタラメで、自力クリアには常軌を逸した回数の試行が必要なこと
・そして何より、パスワードもセーブもないため全ての手順を1プレイでしなければならないこと

 アイテムや状況を維持したままコンティニューはできますが、電源切ったら終わりでまた最初からやり直しです。私はレトロフリーク環境でプレイしていたからいつでもコンティニュー状態だったので楽でしたが、当時の実機で自力クリアできた人は一人でもいたのでしょうかというくらい理不尽です。

 グラフィックはファミコン的に描きこまれていながら見づらくなく、音楽もノリがいいものばかり。システムは複雑ながらすっきりとしていますし、プレイヤーの動作も軽快です。シューティングバートでは結構な数の敵弾によって、いい緊張感が生まれます。このようにいいところが数多くあるけれど、上記の理不尽な謎解きがプレイしづらくなっているのが惜しいです。

 それと謎そのものに関して、前作スターフォースの戦いそのものがなかったことになりかねないグッドエンドはどうなのでしょう。まあ前作の戦いがあったればこそ今回の戦いが成立したとも言えますが。それと個人的にはアーケード版の『ファイナルスターフォース』はなかったことにしてもいいかな……(好きな人ゴメンナサイ)。

スーパーゼビウス ガンプの謎

2018-09-22 21:53:16 | ゲーム


 ゼビウスには多くの続編がありますが、ファミコンの名移植の続編がこの『スーパーゼビウス ガンプの謎』です。アーケード版にもスーバーゼビウスがありますが、そちらは単なる難易度アップ版ですが、本作とはファントムつながりでもあります。

 ゼビウスの魅力とは、ドライながら実在感のあるグラフィック、意味ありげな敵の種類や行動パターン、まだ何か隠されているんじゃないかと思わせる神秘性などでしょう。これらを発展させて、シューティングに謎解き要素を加えたのが本作の特徴です。

 各エリアにはそれぞれ謎が設定されていて、ある条件を満たさないと次のエリアに進めなくなっています。条件を満たすまで同じエリアをループさせられますが、4ループしてしまうと燃料切れで墜落してしまうという設定。ある条件とは普通に特定の敵を倒すとか味方機と合体するなどわかりやすいものも多いのですが、幾つかのエリアではやや難しい条件が設定されており、そこでつまずく人もいそうです。他にも裏ルートがあって、隠しパワーアップができるといった秘密もあり。

 シューティングとしての難易度はそこそこで、謎解きがなければプレイしやすいでしょう。バックザッパー、ワイドプラスター、バリアのパワーアップがあり、前作と比べて自機が飛躍的に強くなっています。さらに隠しパワーアップでスーパーザッパーがあり、あのバキュラも一発で破壊できるというゼビウスファンの夢がかないます。ただし通常ザッパーでも破壊可能なようです。もう「256発も撃つのは不可能だ」と嘆く必要もありません。そもそもデマだし。



 エリア1では前作をイメージさせる背景ですが、人工構造物がより込み入ったものになっていて、敵ゼビウス軍の進化を感じます。隠れキャラのソルも健在。ただし本作では謎解きには関わってこないのが有難いような残念なような。ソルを8本破壊する、なんていう条件があってもよさそうなものですけどね。



 エリア1の途中には雲が漂っており、この雲のいずれかに突入するというのが最初の謎解きになります。雲の裏側には敵機が隠れていたりするのがゼビウスとしては新しい要素。当たりの雲に突入すると上空シーンがしばらく続いて、敵機に牽引されるファントムが出現します。これを救助して合体すると、その後のエリアでパワーアップアイテムを出してくれるようになります。アイテムは同時に3個落としますが、うまくかぶりつくと全部回収できます。少なくとも2個は取りたいところ。



 アンドアジェネシスももちろん登場。ワイドブラスターを装備していたら楽勝です。画面のスクロールが止まるのも、もう気にしません。



 アンドアジェネシスを倒すとコアの中に進入。前作に出てきたタルケンが配置されているほか、隠れキャラで上の写真のようにジアラが一機出現します。どうでもいいですが、敵要塞に進入するゲームってよくありますが、こういうふうに要塞の見た目と中身の大きさが異なるのって個人的にはイマイチなのです。ゲームにする上では当然なのでしょうけれど、私としては大きさを合わせて欲しいのです……。



 あるエリアで条件を満たすと、なぜか夜になってパワーアップするという裏ルートに進みます。写真では前作にも出てきた味方機のシオナイトと合体しており、これがクリア条件になっています。合体方法は写真を見たらおおよそ想像つくかもしれませんが、前作をやり込んだプレイヤーほど「シオナイトは特になにもしないキャラだ」という固定観念があるため、合体方法に気づきにくいに違いありません。



 もちろんスペシャルフラッグも隠されています。前作からの恒例で水辺にあることが多いようです。ちなみにエリア1ではスペシャルフラッグとは別の旗が隠されています。ある程度ゼビウス慣れしていると、ここに何かあるだろうという勘が働きますので、クリア条件をすぐに満たさずに何ループかしてみるといいでしょう。スコアも稼げて残機も増えるので、それだけクリアに余裕ができます。



 最終ボスは分裂した4機からの攻撃。地上物なのでブラスターでしか破壊できません。動きをパターン化するのが良いでしょう。写真ではスーパーザッパーを装備しており、自機の形状が変わっています。



 クリアするとエンディングの字幕が流れますが、字幕をスプライトで表示するという強引な技を繰り出しているため、大変なチラツキになっています。別にBG画面に字幕を書いてスクロールさせればいいと思うのですが……。エンディング中にスタートボタンを押すと2周目がスタートしますが、実はそこまでクリアしていません。いずれプレイするかもしれません。

 全体的に難易度がうまく設定されており、嫌気がささないうちにクリアすることができました。カートリッジは金メッキが施されてなかなか高級感があり、当時は結構大々的に売り出していた記憶がありますが、私の周囲では誰も持っていませんでした。謎解き要素が邪魔くさく感じられたからでしょうか。ただ単にゼビウスやりすぎて飽きてしまったからでしょうか。あるいはゼビウスの神秘は神秘のままであって欲しく、それを暴くゲームというのが無粋に感じられたからでしょうか。

 地下洞窟や火山地帯など前作ゼビウスとは異なる湿っぽいテイストのエリアもあり、変化に富んではおりますが、そういう具体性の高い舞台も神秘性を薄めてしまったのかもしれません。初代ゼビウスに入れ込んだ人ほどひょっとしたら本作に抵抗があったような気がします。ゲームとしてしまった以上、この「ガンプの謎」はゼビウスの唯一の正解であり、ゼビウスがそれ以上でもそれ以下でもなくなってしまったと感じた人がいても不思議ではありません。そういう人にとっては、本作はゼビウスの「楽屋裏」に見えたことでしょう。その気持ちはなんとなくわかります。

 ただ、私のゼビウス歴はPCからスタートしているためプログラミング技術的な興味が強く、あまり神秘性にこだわっていなかったという面があります。シューティング+謎解きというのも普通に面白そうだと思っておりました。今になってプレイし、クリアしてみて、十分に楽しい作品であったのは揺るぎません。

 でも気づいてしまったのです。私のゲーム歴はゼビウスの時代をカバーしていていも、人類が初めてゼビウスを目にした時の熱狂を共有していなかったことになります。漫画『ゲームセンターあらし』が連載終了したのも「ゼビウスでゲームが独自のストーリーを持つようになって漫画にしづらくなったから」と作者のすがやみつる氏が語っています。このような衝撃が私にはなかったわけで、まあゼビウス発売当時にアホ小学生だった私にはゲームを見る洞察力などありはしなかったのですが、なにか今になってすごくMOTTAINAI感が湧いてきましたよ。

バーズテイル

2018-09-17 21:12:40 | ゲーム
 

 日本国内ではあまりメジャーではありませんが、世界3大RPGに数えられることもたまにあるのが『バーズテイル』です。PC用のRPGで、製作者がウィザードリィやウルティマとも関わりがあるようで、「ホークウインド」や「スカラ・ブレイ」などの固有名詞が両作品と共通になっています。ファミコン版はシステムやマップが簡略化された移植のようです。

 バード(bard)とは吟遊詩人のことで、RPGにおいては歌によって味方を鼓舞する役割であるのはご存知の通り。魔力を使わずに魔法同等の効果が得られる歌のほか、魔法は別に使えたり、未熟ながらも盗賊技能を持っていたりすることもあり、多彩なスキルでゲーム序盤で重宝する職業というイメージがあります。

 そんなバードをタイトルに掲げた本作ですが、実はそれほど重要な役回りではなく、いなくてもクリアできるようです。けれども、本作ではダンジョンから瞬時に街に戻ったり敵の魔法を封じたりするのは吟遊詩人の歌でしかできないので、やはりメンバーに入れたほうがいいでしょう。奏でられた音楽は効果が続く限りそのままBGMになるというのもちょっと面白い特徴です。

 パーティーは6人編成。ファミコン版では、ウォーリア(ほとんどの武具を装備可能)、ローグ(宝箱の罠を外す)、ナイト(防御力より攻撃力を重視、WIZでいうサムライ)、バード(ビールを飲んで歌う力を回復)、ソーサラー(幻影を操る魔導士、クセが強い)、ワーロック(物質を操る魔導士、治療はこちら)の職業が選べます。まあそれぞれ一人ずつで編成すると良いと思います。早速キャラ作成をしてみると……。

     

 各職業で顔は固定されているのですが、全員ヒゲのおっさんです! だがそれがいいのです。本場のRPGのイメージはこのようなものでしょう。ローグの飄々とした格好とワーロックの胡散臭さが特にいいですね。



 基本的はシステムはウィザードリィのような3Dダンジョン形式で、街の中も3D表示で移動します。舞台も一つの街の中のみで、なんとなく『ザ・ブラックオニキス』を思い起こしました。冒険者ギルドの近く以外では街と言えどモンスターが出現するので注意です。ゲームの目的は街を氷で閉ざした魔導士マンガーを倒すこと。奴は街の中の塔にいるようです。



 本作では経験を積んだ後にレベルアップするには評議会で審査してもらうことになります。でもそんな冒険者達を上から目線で審査するくらいの実力者ならば、「お前らがマンガー倒せよ」と言いたくならなくもないです。新たな魔法の習得もここで可能。



 冒険者達がマンガーの塔に行く前に、幾つかのダンジョンや城をクリアしなければなりません。最初のダンジョンは酒場の地下のワイン倉庫。グラフィックは各ダンジョンの雰囲気に合わせたものになっています。



 戦闘シーンもウィザードリィと同様のタイプ。ただ少し違うのは、パーティーのうち前衛を3人から6人まで自由に設定できること。魔法使いなどを後衛に回すと敵からの直接攻撃を受けることは少なくなりますが、こちらからの直接攻撃もできなくなります。魔法使いでも攻撃力は戦士系職業と大きな差がなかったので、私の場合は6人全員前衛にして攻撃力を稼ぎました。それに前衛でも後半のポジションは比較的攻撃を受けにくいようでしたので。



 本作の珍しい特徴として、味方を攻撃するコマンドがあることです。これを実行すると「仲間割れを始めた」と表示されますが、本当は仲間に取り憑いたドッペルゲンガーを倒すためのコマンドです。放置するとドッペルゲンガーはパーティーにダメージを与え続けるので、速やかに倒しましょう。倒すには殺すつもりで攻撃する必要がありますけど(その後、体力1で復帰)。



 モンスターのグラフィックはかっこいいものも多く、このビホルダーもなかなかの描写です。ところでビホルダーといえば権利関係が厳しいという噂を聞いたことがありますが、そのへんは大丈夫なんでしょうか。鈴木土下座ェ門ではないですが……。



 そうこうしているうちにマンガーの塔最上階に到達。マンガーとの決戦です。レベルは最高の36(半端だな)。ここで敵の魔法を封じる吟遊詩人が大活躍! ワーロックは毎ターン治療の呪文を唱え、他のメンバーは(ソーサラーも含め)物理攻撃。数ターンで勝利することができました。



 というわけでクリア。アイテムも全種類店の在庫にし、全員最強装備にしましたので、完全クリアとしましょう。実はクリアまでに数十年ぶりに手書きでマッピングをしました。16×16マスのマップを16枚作成。もちろん攻略サイトなんかにはマップも掲載されているのですが、せっかくだから久しぶりに自分で作ってみようと考えました。全てのマスを確認するために結構時間をかけましたが、それだけにクリアして不要になっても捨てられないものになってしまいました。また我が家にゴミが増えたよ……。

サーガイア

2018-07-08 23:23:31 | ゲーム
 ゲーム音楽の中で最も偉大なものは? という問いがあったならば、私は「ダライアスのメインテーマ『Chaos』である」と答えるでしょう。



 そこにはノリの良いリズムも、キャッチーなメロディも、耳に心地よいコード進行もありません。轟音と静寂の交錯、不安定な変拍子、楽曲というよりは音響という趣で、聴き手に媚びずに圧倒してきます。そして、吹き荒れるエネルギー、虚無の空間、そこに潜む巨大な生命体の影、などを聴き取ることができるでしょう。これがまさにダライアスのイメージであり、ダライアスという存在自体であると言っても言い過ぎではありません。

 ダライアスが発売された1987年当時はPCM音源の普及によってゲーム音楽が大きく進化し始める時期です。その時にすでに、というよりはその時だからこそ、究極とも言える作品が生まれたに違いありません。



 前置きが長くなりましたが、ゲームボーイで発売された本作『サーガイア』はダライアスのアレンジ移植です。サーガイアというのはダライアスIIの海外版の名前です。本作の最大の特徴は、ダライアスの音楽が驚異のレベルで再現されていることです。サウンドディレクターとしてダライアスのOGR氏こと小倉久佳氏みずから参加しており、少ない発声数ではありますが、それゆえに曲の骨格がよく見えるという価値もあるでしょう。上記のメインテーマ『Chaos』を再現するのは困難であったでしょうが、矩形波のピコピコサウンドが逆に宇宙との交信を思わせ、これはこれで面白い作品になっています。もちろん緻密な音作りを可能にした高性能なサウンドドライバーの功績も大きいでしょう。



 さてゲームとしては純粋に初代ダライアスの延長にあります。初代において、敵の攻撃はある決まったパターンが繰り返されるという大雑把なものでした。初代は横3画面を持つ巨大なスクリーンが特徴でしたから、あまりに作り込まれた攻撃パターンだとこじんまりとした印象となるかもしれず、大雑把であることに不満を感じることはありませんでした。本作ではもちろん横1画面ですが、大雑把さがダライアスらしさと手頃な難易度に結びついており、ついつい何度もクリアしたくなります。

 ちなみに画面の上下は1画面以上あって、自機の動きに合わせて上下に若干スクロールします。ひょっとしたら本作はシリーズで最も画面が縦に長いダライアスかもしれません。画面はモノクロ4階調ですが、背景が細かくアニメーションしている部分もあって、世界の奥行きを感じさせます。



 主に初代から参戦しているボスたちも見事な描き込みです。攻撃はコンパクトになっていますが、巨大な雰囲気は残っています。さらに、ボス戦では本作ならではの特徴を強く味わえます。初代においてパワーアップしてレーザーやウェーブ装備になるとボスを貫通してしまうため、それらが画面外に消えるまで次を発射することができませんでした。本作ではレーザーもウェーブも耐久力のある敵を貫通しないため、ボスに接近したら超連射でガリガリとダメージを与えることができてなかなか爽快。ウェーブは地形も貫通しなくなりましたが、発射後に上下に当たり判定が若干拡大するため、地形の陰に隠れた砲台を狙えるようになり、テクニカルなプレイができるようになりました。一方、ボムは4方向のマルチボムは弾切れが激しくなり、2方向のツインボムの方が使い勝手はいいかもしれません。とはいってもマルチボムに助けられる場面も多く、一概にどちらが強いかは言えません。



 難易度の低さに関しては上記の大雑把さの他に、その場復活であること、残機が結構増えやすいことなどが挙げられます。残機の増加については、1UPアイテムがいくつも仕込まれていて、ノーミスだとクリア時には10機以上残っていることでしょう。



 オリジナルボスは2体。上の写真はそのうち1体のマンボウ。なかなかのでかさとデザインです。また、シリーズには珍しくボスラッシュステージがあります。全8面で、そのうち4面と8面はボスラッシュ。4面では1〜3面のボスがパワーアップして登場した後に4面のボス戦、8面は5〜7面のパワーアップボスの後に最終ボス戦となります。



 最終ボスはもちろんクジラですが、本作ではある程度ダメージを与えると攻撃パターンが変わるという2段がまえになっているのが新鮮。ボスの攻撃パターンの変化はダライアスIIから広く実装されるようになったもので、初代では3面ボスのザリガニに片鱗が見られるのみでした。



 クジラを倒すとエンディングで、難易度によって一枚絵が変化します。難易度EASYだと女性パイロット(ティアット?)。



 難易度NORMALだと男性パイロット(プロコ?)。



 難易度HARDでシルバーホークです。スタッフロールには小倉久佳氏がクレジットされています。

 私の初プレイは難易度NORMALでいきなりノーコンティニュークリアでした。その後EASYでもクリア。HARDでは何回かやり直したけどすぐにノーコンティニュークリアできました。特にシリーズに慣れている必要もないと思われまして、誰でもちょっと練習すればクリアは簡単でしょう。1プレイは意外と長いですが、何度でも通しプレイしたくなるような「撃つ手応え」のある作品でありました。

テトリス

2018-04-22 22:34:38 | ゲーム
 なぜ今さらテトリスなのか? それには2つの極めて個人的な理由がありました。

 1つは中古ゲーム屋に来たからには安いソフトをいっぱい買って心豊かに帰りたい、というコレクタースピリッツ。目安はおよそ500円。まあテトリスなんて無料でも遊べるご時世ですけどね。プレステの『ザ・テトリス』も持ってるし。



 ファミコン版のテトリスはBPSによって移植されました。ググったところ、1988年の12月発売のようですね。同時期にセガ製アーケード版のテトリスも発売されています。11月にはBPSから各種PC版が出ていますが、私はX68000版をプレイしたことがあります。

 BPS版とセガ版は操作性が異なります。セガ版ではボタンでブロック回転、レバー下で任意の位置まで加速落下。一方BPS版はコントローラ下でブロック回転、ボタンで一番下まで落下、となっています。私のテトリス入門はセガ版だったので、X68000ではうまくプレイできませんでした。



 だからファミコン版も苦労するかなと思っていたけど、慣れたらそんなに問題ありませんでした。ただ積み上がって焦ると、ブロックを回転させるつもりで落下させてしまったりしますけど。



 BPS版はアーケードと違って面クリア型になっています。25ライン消すとステージクリアで、次のステージではスピードが少し上がります。ステージ0から始まり、ステージ9をクリアすると、上の写真のようなコサックダンスのデモが流れ、少し積み上がった状態から始まる次のラウンドに進みます。ラウンドは0から5まで。ゲームスタート時には全てのラウンド、ステージから開始することができます。



 ラウンド5では写真のようにかなり上からスタートするので、後半ステージからのスタートはかなり不利。同ラウンドではステージクリアの状態が引き継がれるので、まだ速度が遅い中盤ステージあたりから始めて積み上がっていない状態をキープすると楽でしょう。



 ラウンドが進むごとにコサックダンスのデモは大人数になります。といってもラウンド5が最大で11人。



 その後花火が上がるデモがあり、ラウンド5のステージ0からループ。まあ意外と操作には対応できたし、速度もそれほど上がるわけではないので、難易度は低いと言えるでしょう。

 さてテトリスといえば旧ソ連製のゲームとして有名で、BPS版ではロシアのイメージをなぜか前面に出しています。BGMも「カリンカ」「トロイカ」、コサックダンスデモの「カチューシャ」などの鉄板ロシア民謡。それに混ざってTECHNOTRISというオリジナル曲が収録されていました。私がこのテトリスを買ったもう1つの理由は、このTECHNOTRISを聴きたかったからなのでした。

 ある時突然なんかのパズルゲームの音楽が頭の中で流れ出し、この曲は一体なんだっけとしばし思い出していたら、X68000版のテトリスの時に聴いていたTECHNOTRISだったのです。この曲はYMOの「テクノポリス」のような曲想に、ブルクミュラーの「アラベスク」の断片が絡むという、ちょっと通な曲です。で、それをYouTubeで検索してみたら見つけたのが以下の動画。



 TECHNOTRISをアレンジして弦楽四重奏で演奏しています。しかもアラベスク成分増しでさらに通っぽくなっていますね。この動画を見つけて以来頻繁に視聴していて、実のところこの記事もこの動画を貼りたいだけだったのでした。ちなみに1:57あたりからがアラベスクを盛った部分。

 というわけでTECHNOTRISを十分堪能できて満足。数百円という安い買い物でした。

ディーヴァ

2018-04-15 22:10:18 | ゲーム
 1980年代の中盤まではPCは8bitでありました。そしてPCにはOSというものがありませんでした。いや、あるにはありましたが(CP/Mなど)、BASICインタープリタがOS代わりになっている機種がほとんどでした。OSの役割はハードウェアを意識しなくてもプログラムを思い通りに作れる環境を提供することです。つまり何でもできるような道具を揃えることが重要なのですが、8bitPCにはそんなOSを搭載できるほどメモリはないし、OSを通じてプログラムを動作させるほどの速度もありませんでした。必然的に、プログラムはハードウェアを直接制御し、機種ごとの様々な工夫によって不可能を可能にしてきたのでした。

 OSがなくハードウェアに直結したプログラムを書く必要があるということは、設計の異なる他機種のソフトは動かないということです。ゲームメーカーはPCの機種ごとにゲームを開発し、結果としてどのソフトはどの機種の出来がいいとか悪いとかが評価の対象になっていました。

 そんなPCゲーム業界に現れたのがT&Eソフトの『ディーヴァ』でした。銀河を舞台にしたスペースオペラ的世界のシミュレーションゲームで、機種ごとに同じものを作らずに機種の特徴を生かしつつ同じ世界の異なるエピソードを描くことで、全機種版に独自の価値を与えたのでした。まあ全機種版をプレイするのは困難ですから、ゲームの全貌を体験できた人はまずいなかったでしょうけど。以下は各機種のエピソード。

 ・STORY1 ヴリトラの炎 PC-8801mkIISR
 ・STORY2 ドゥルガーの記憶 FM77AV
 ・STORY3 ニルヴァーナの試練 X1
 ・STORY4 アスラの血流 MSX
 ・STORY5 ソーマの杯 MSX2
 ・STORY6 ナーサティアの玉座 ファミリーコンピュータ
 ・STORY7 カリ・ユガの光輝 PC-9801VM/UV

 当時、私が友人に借りてちょっとだけプレイしたのはX1版の「ニルヴァーナの試練」で、グッドエンドにたどり着く条件が分からずじまい。そのまま長い年月がたちましたが、近年になって中古ゲーム屋のワゴンで250円でファミコン版の「ナーサティアの玉座」が売っていたので購入。



 基本的に多くの星を勢力範囲に収める国取りゲームで、アクションゲームの惑星戦とユニットを配置して撃ち合う艦隊戦によって勢力を拡大していきます。PC版にはこの他に艦隊の生産や編成などを管理する要素がありましたが、ファミコン版では非常に簡易化されていて、艦隊を編成したりする部分はバッサリとカット。面倒臭がりな私としては細々としたことがないのは助かりました。それにファミコン版の主人公マータリ・シュバンは宇宙海賊であり、1艦隊だけの自由な単独行動に違和感のない設定です。ゲームの勝利条件はナーサティア双惑星を攻略することですが、どこに存在するかは不明となっています。



 PC版では全体マップ上で艦隊の移動などのコマンドを与えてゲームを進行していましたが、ファミコン版ではアクションゲーム的に艦隊を移動させて宙域を探索します。初めてこの画面を見たとき、プレステの『10101 "WILL" The Starship』かと思ってしまいましたが(もちろんディーヴァが先)。画面右上が全体マップで、右下が生産力。本星に戻ると生産力の分だけ艦隊を増強できます。

 移動がアクションゲーム的になったことに伴って追加された要素があります。敵が常に「ヴリトラ製造惑星」というものを建造しており、それが完成した瞬間にゲームオーバーになってしまいます。それを防ぐためには、その製造惑星を完成前に探し出して破壊することです。完成までにはある程度時間がかかるためそれほど急ぐ必要はないけれど、破壊しても別の場所に次の製造惑星が作られるため、常に意識している必要があります。



 本作のメインパートの一つである惑星戦は前述の通りアクションゲームで、ドライビング・アーマー(戦闘ロボ)を操作して敵を撃つシューティング。X1版では左右にスクロールして、時間内に一定以上の領域を制圧したら惑星を支配下におけるというルールでした。ファミコン版では強制的に右にスクロールし、左に向くことはできません。エリアの一番奥には上記写真のようなよくわからないデカキャラが待っており、倒すと惑星を支配下に置くことができます。



 惑星戦出撃前には支援兵器を好きなエリアに配置することができます。敵の攻撃は全てパターンなので、苦手な攻撃に合わせて支援兵器を配置すると楽になります。ちなみに上の写真はヴリトラ製造惑星戦。

 当時はこの惑星戦が本作の目玉パートであったように覚えていますが、どうも今ひとつ評判が良くないようですね。少なくともX1版では、敵機がダラダラと出現しながら弾をばら撒き続けるといったような、締まりがないわりに難易度が高いという印象。その点ファミコン版は敵への対応をパターン化することができるようになったものの、やや単調になってしまった気がします。それと自機に若干の慣性がつくため、移動にクセがあるのもやりにくさの一つ。個人的には艦隊戦よりも惑星戦の方が好きですけどね。



 もう一つのメインパートである艦隊戦は極めてシンプルながらもウォーシミュレーション的。自軍は左、敵軍は右に配置し、順番に正面に撃ち合うものとなっています。世の中ではこちらの艦隊戦の方が面白いと言われているようですね。ゲーム序盤は敵も味方も小規模な艦隊ですが、後半では数十隻同士の撃ち合いになってなかなか痛快。敵の層の薄い部分の正面に自軍を分厚く配置するのが基本の戦い方でしょう。

 艦隊戦に勝利すると情報が得られる場合があります。ナーサティア双惑星発見のヒントらしきものも時々得られますが、はっきり言ってこの情報からクリア条件を満たすのは不可能でしょう。おそらくX1でも同様の難解な条件だったのではないでしょうか。



 ところで惑星戦や艦隊戦にかまけているとヴリトラ製造惑星が完成し、謎の兵器ヴリトラによっていきなりゲームオーバーになってしまいます。緊張感を持続させるのになかなか効果的ですが、まるでアーケードゲームによく出現する永久パターン防止キャラのようですね。



 こうして全ての惑星を制圧するとこのようにバッドエンドに到達します。X1版でもこれ以上進めませんでした。というわけで、最高難易度のレベル4にして再挑戦!

 レベルを上げると惑星戦でのドライビング・アーマーの耐久力が低くなります。耐久力を上げるには艦隊を増強する必要があって、艦隊を増強するための生産力を上げるには惑星を制圧する必要があります。したがって弱い惑星から少しずつもぎ取っていくことに。



 さてこちらの画像がナーサティア双惑星へ向かうための条件を満たした場合の画面です。FM-77AV版の主人公、ア・ミターバが出現するイベントですが、その発生条件とは「惑星マトゥラーを制圧して1分間待つ」というものです。確かにマトゥラーに関する情報をいくつか得てきましたが、そこから「1分間待つ」という結論にたどり着く人はいません。これだけはもうちょっと何とかならなかったのでしょうか。



 その後に全ての惑星を制圧するとPC-98版の主人公クリシュナ・シャークが現れて、新型OM砲なる兵器を譲り受けたのちにナーサティア双惑星を護る新型ヴリトラがついに出現!



 その新型ヴリトラは青い龍のように見える全長10kmの巨大な兵器とのことですが、新型OM砲によってテキストのナレーションベースで破壊され、ナーサティア双惑星での最終決戦に突入です!



 最後の惑星戦ですが、それほど難易度は高くありません。どちらかというと惑星マトゥラーの方が5倍くらい難しかったです。そして例によってよくわからないデカキャラ。



 デカキャラを倒すといきなりスタッフロール。敵のボスであるシヴァ・ルドラなる者の正体も、主人公マータリ・シュバンのその後も、ナーサティア双惑星の歴史も、全てが一切語られずに終わります。私の30年越しのディーヴァ攻略は極めて納得のいかぬまま終了。どうしたものかね。

 スタッフロールの横山俊朗氏と横山英二氏は兄弟で、T&Eソフトの創業者。兄弟のイニシャルをとってT&E。



 おまけで、ナーサティア戦で敗北するとバッドエンド。本作では惑星戦や艦隊戦で負けても自軍の戦力や勢力範囲が低下した状態でゲームが続行します。実はゲームオーバーになる方が珍しいのでした。

 こんな感じでディーヴァをクリアしたのですが、まともなエンディングが無いのでは壮大な設定も台無しだなーと。とはいえエンディングのためにゲームしているわけでもなし、250円分以上は楽しめたかな、と無理やり納得することにします。

ゼビウス

2018-03-18 23:23:24 | ゲーム
 ずいぶん前の「ゼビウスと私」の記事で、ファミコン版ゼビウスに苦戦したと書きました。X1版ゼビウスから入門した私にとって、ファミコン版の動きの滑らかさと速さが苦手であり、また羨ましくもありました。当時は友人の家で遊ばせてもらっていましたが、X1版のようにうまくプレイできず、非常に悔しい思いをしておりました。

 あれから30年以上も経過した現在、ファミコン版ゼビウスのカートリッジは世の中に溢れるほど出回っておりまして、どこでも数百円で売っています。私はちょっと前に購入し、ちょくちょくプレイしていましたが、相変わらずヘタクソなままでした。それでもあの当時にこれほどのクオリティを持っていたことに改めて驚かされたのでした。



 ゼビウスといえば巨大要塞アンドアジェネシス。ファミコン版では飛んでおらず地上に張り付いています。これは当時よく残念に思われていた点かと思われます。なんせ他のPC版ではちゃんと移動していたからです。しかしながらこれについて考えてみると、PCのグラフィックは汎用性を高める設計がされていたため、工夫をすれば大抵のものはなんとかできたのです。一方ファミコンはゲームに特化しているため、どんなに工夫をしても全くできないことも多かったのです。アンドアジェネシスの飛行もその一つではありますが、飛行していようがいまいがゲームにはあまり関係ないという割り切りの判断が見事で、さすがにナムコ製なだけはあると感心していました。もちろんPC版もちゃんと再現できた工夫と努力は素晴らしいものであるので、今となってはどのゼビウスがすごいかという議論はバカバカしいものですね。



 もうひとつファミコン版でカットされた要素として砂漠の地上絵が挙げられます。ゲームの神秘性を示すには効果的なアイテムではありましたが、これも大胆にカットされました。ゲーム性に関わる点として、スペシャルフラッグ出現位置がわかりづらいということはありますが、心眼で見ればなんとかなります。



 逆にファミコン版で追加された(?)要素として、46本目のソルがあります。6面終盤には川の手前左側に他のゼビウスにはないソルが埋まっています。他にも空中物のバキュラが追加出現していたり、地上物がずれているところもあります。



 さて、私がヘタクソだった原因は9、10、14面に出現するガルザカートをうまく避けられないためでした。ガルザカートは出現後に16方向のスパリオ(通常弾)と4つのブラグスパリオ(誘導弾)を放出しますが、分裂する前に撃破できればラッキーでした。ファミコン版は画面の縦方向の長さがアーケード版より短いため、高速で出現するガルザカートの難易度が上昇しているような気がします。ところが、先日プレイしていた時になぜか突然に開眼して、ブラグスパリオの突破率が劇的に上昇したのでした。今後やりこむことがあれば、ジェミニ誘導(破壊不可能なブラグスパリオを画面内でうまく誘導して点数を稼ぐ技)にも挑戦したいところです。



 挑戦といえば、1000万点も達成してみたいですね。効率の良い方法として、残機がある程度たまった時点で9面冒頭のソル4本を破壊してはすぐ死ぬというプレイがあるようです。または、4本のソルを破壊し、前述のガルザカートを突破し、アンドアジェネシスと相打ちという方法もあり、こちらの方が時間が余分にかかるけど1機あたりの点数は高くなります。まあいずれにせよ残機を100機200機と溜め込むだけの腕前が必要ですが。



 ガルザカートをうまく突破できるようになったら、次の壁は16面突破です。16面は一応最終面だけあって、敵の配置が非常に厳しいものになっています。これをミスせずにクリアするのがゼビウス攻略度の目安となるでしょう。ゼビウスではエリアの70%を超えてミスすると次のエリアからのスタート(死に越え)になりますが、エリア16終盤でやられて2周目に入ってもあまり嬉しくないのです。私はしばらく死に越えが続きましたが、その後なんとか真っ当にクリアできるようになりました。上の写真がその状況。この感覚をキープしたいところ。



 ゼビウスでは自機ソルバルウがやられた瞬間、機体の上下が反転するというトリビアがあります。アーケード版において、これが仕様なのかアサインミスなのかはわかりませんが、ファミコン版でも再現されていました。これくらいの余裕はあったみたいですね。

 そういえばゲーム冒頭に画面右端を攻撃すると出現するコピー防止用メッセージはファミコン版にはありませんでした。ああいうのはスプライト表示数を食うから当然無理ですね。もちろん9面初めの森の中に背景として書き込まれている「namco」の文字もなし。

 まあそんな細かい点はともかく、長年のファミコン版ゼビウス苦手意識をなんとか克服できてホッとしております。

ドラゴンスレイヤーI

2018-03-12 22:54:13 | ゲーム
 前回『ドラゴンスレイヤー外伝』の記事を書きましたが、その後どうしてもまた初代をプレイしたくなり、980円+消費税で買ってきました。そして次の日に一気にクリアしてしまいました。



 『ハイドライド・スペシャル』の記事でも書いたように、1984年に8bitPCゲーム界にARPGがほぼ同時に3作発売されたうちのひとつが初代『ドラゴンスレイヤー』です。そして外伝の記事でも書いたように、非常に抽象的かつシュール、面クリア型、高いパズル性、ドラマ性皆無、などの特徴があります。ゲームボーイへの移植にあたっては、見た目のシュールさがいくらか低下したようですね。



 上の写真はゲームスタート直後。最初の目的は剣を拾うこと。リングを使って迷宮を突破して右上の剣を取るか、十字架で身を守りながら敵地の中で探すか。左にあるのはプレイヤーの家で、体力回復やパワーアップが可能。



 スタート直後の下の方には、敵モンスター群。十字架は敵の通行を禁止するアイテム。持ち歩くこともできますが、お互いに攻撃が不可能に。コインを拾って家に持ち帰ると体力アップ。宝箱にはアイテムが入っていますが、どこからか鍵を拾ってこなければなりません。

 このドラスレのPC版のパッケージには「前代未聞麻薬的爽快遊戯」というアオリ文句が書かれていました。今のご時世なら「麻薬的はいかんだろう」となりそうですが、確かに病みつきになるような中毒性があります。

 その中毒性の正体は、「プレイヤーが自分でテクニックを発掘し、それを応用できること」だと思われます。このゲームには厳格なルールが設定されていて、それに従って画面の外側も含めた全てが動作しています。そのゲームのルールに加えてプレイヤー自身がテクニックによる新たなルールを世界に加えることができるのです。プレイヤーの意思によってゲームフィールドを支配できるような感覚があるのです。もちろんうまくいかずに逃げ回りプレイになることもあるのですが、それでも地形やアイテムのちょっとした配置で逆転が可能だったりするのです。



 部屋いっぱいの宝箱を開けると画面中アイテムであふれます。ダイヤ型のパワーストーンを家に持ち帰ると攻撃力上昇。家が遠いと往復に大変なので、家を押して引っ越してきました。ゲームの中盤は攻撃力と経験値(防御力なども兼ねる)を上げることが目的。



 マップを表示させる魔法を使うこともできます。マップの左右はつながっていますが、一段ずれています。ここに見えている範囲は全体の2/3くらいでしょうか。



 攻撃力50万、経験値3万(斜め移動可能)のパラメータで十分にクリア可能。いよいよ終盤になります。



 最終ボスの三つ首ドラゴン。周囲の4つの宝箱には王冠が入っています。真正面から戦うと黒焦げにされてしまいます。そして周囲の十字架は私が配置したもので、こうしておくとドラゴンを倒した後に非常に楽なのです。もっとも、ドラゴン撃破後のプレイヤーへの試練はそれだけではありませんが……。



 そして王冠を4つ家に持ち帰るとクリアです! ゲームボーイ版はこの後PHASE2がスタートします。より困難でトリッキーなステージが待っています。

 私が持っていたドラスレはX1版で、カセットテープ2本組でした。各PHASEをクリアするとカセットテープから次のマップを読み込んでいました。全部で20面ほどあったかと思いますが、確か全部はクリアしていなかったような気がします。どこかのPHASEではパワーストーンが足りずに、体力が30〜40万もあるドラゴンの頭に対してわずか10ずつのダメージを与えて倒した覚えがあります。宝箱から確実にパワーストーンを出す方法があるのですが、当時は気づきませんでした。また、ドラゴンの胴体はプレイヤーがどんなに強くなっても10ずつのダメージしか与えることができないのですが、ひたすら攻撃して倒したこともありました。



 ゲームボーイ版はPHASE2をクリアするとゲーム終了。半日かけて通しでクリアしました。ちなみにゲーム中の音楽はドヴォルザークのスラブ舞曲(主に第7番)で、なんともトボケた味があります。

 というわけで、プレイヤーの意図がダイレクトにゲームフィールドに反映される感覚を久しぶりに味わうことができました。また、厳密なルールの裏側にあるのが「リソース管理の重要性」であり、考えなしにプレイするとすぐに行き詰まってしまいます。この緊張感も不可欠です。これら「ルール」と「リソース管理」を突き詰めて大ヒットしたのがドラゴンスレイヤーII『ザナドゥ』なのですが、現在の私の環境への移植がなくて残念。『ファザナドゥ』で我慢するか……。

ドラゴンスレイヤー外伝 眠りの王冠

2018-02-10 22:44:16 | ゲーム


 ドラゴンスレイヤーシリーズとは、日本ファルコムに在籍していた木屋善夫氏が制作した一連の作品群のことで、シリーズとは言っても相互に関連はありません。エポック社が制作した本作「外伝」は、シリーズの外伝ではなく、初代ドラゴンスレイヤーの外伝だと思われます。4つの王冠を集めるという目的、敵を倒すと墓から補充されるというシステム、十字架を持つと相互に攻撃が不可能になるというルールがあり、これらは初代ドラゴンスレイヤーから引き継いだものです。写真のタイトルロゴも初代と同じですね。

 初代ドラスレはARPGというジャンルの源流の一つではありますが、非常に抽象的かつシュールなゲームでした。面クリア型でパズル性が高くドラマ性が皆無なので、当時としてもプレイヤー層が限られていたような雰囲気がありました。本作では初代のそういった難解さやとっつきの悪さを取り除き、「ドラゴンを倒して4つの王冠を集める」などの設定から当時風のわかりやすいARPGを作った、というところでしょう。



 ゲームの雰囲気としては割とよくあるタイプのもので、フィールド上で剣や魔法で敵を倒すというものです。プレイヤーの職業は、ナイト、ウィザード、ハンター、タンカーから選ぶことができます。上の写真はナイトで、剣による近接攻撃を繰り出します。ウィザードはもちろん魔法攻撃、ハンターは弓矢、そしてタンカー(大食漢)は体当たりからの捕食です。



 上の写真の下の方にいるパックマンみたいなのがタンカー。ボスでもなんでもかじりついてダメージを与えます。職業によって攻撃範囲が異なるので、それぞれの職業を新しい感覚でプレイすることができます。難易度はどれもそれほど変わりませんが、ウィザードだけは魔力を消費して攻撃するので、ボス戦で回復を待つ必要もあり、やや上級者向けかもしれません。展開はどの職業もほぼ同じですが、ウィザードには比較的大きな独自イベントがあります。



 ボスには上のネズミのようなコミカルなものの他に、このようなシリアスなドラゴンも登場。攻撃範囲が狭い武器しか持っていないと、ボスの攻撃を丁寧に避ける必要があります。レベルを上げてゴリ押しという戦法はできないようなバランス。

 本作ではレベルアップのシステムが特殊で、ダンジョンなどにいるボスを倒すとレベルアップします。それ以外に、敵を100体倒すごとに体力か魔力が上昇します。したがって、敵が溢れ出てくる墓に向かって(あるいは重なって)攻撃し続けると、ゲーム開始直後からそこそこの体力を得ることができます。まあ上限が255なので、あまり早く上げても後のレベルアップの意味が薄れますが。

 全体的にレベルアップにはさほどの重要性は無く、持っている武器の種類が攻略に大きな影響を与えるでしょう。武器や魔法によって攻撃範囲が異なるため、状況に合わせた使いやすい武器を選ぶと良いでしょう。武器の種類はそこそこの量がありますが、最終的には攻撃の瞬間に全画面にダメージを与えるというチート級の武器も手に入ったりするサービスぶり。



 戦闘も謎解きも易しめではありますが、上の写真の謎かけだけはイカサマレベル! 手前で練習もできるし、回答に間違っても手前のマップに戻されるだけではありますが、謎に気付かない人はいくらやってもわからないのではないでしょうか。



 全部で4体のドラゴンを倒すとゲームクリア。意味深な(といってもよくある)セリフを残してボスが消滅。そしてちょっぴり寂しい結末のエンディングを迎えます。



 というわけで、4種の職業で立て続けにクリアしました。クリアの手順を把握しマップを知り尽くしていれば、2時間程度でクリア可能でしょう。

 一点だけややストレスだったのが、移動にもたつくことでした。キャラが16×16ドットで、移動は16ドット=1マスごとになるわけですが、1マス移動するのに若干時間がかかるので慣れるまでは少しかかりました。

 木屋善夫氏が作ってきたドラゴンスレイヤーシリーズはいずれの作品も尖った部分がありましたが、エポック社が作ったこの外伝はなかなか王道なゲームでした。ただし、タンカーを除く。

 ゲームの途中でプレイヤーを導く先代のドラゴンスレイヤーが現れ、その力を受け継ぎます。そして主人公は次代のドラゴンスレイヤーを導くための使命が待っているのですが、それがタンカーだったら嫌だろうなあ……。

ネメシスII

2017-12-10 23:04:16 | ゲーム


 その昔、大学受験に落ちて予備校に通い始めた私ですが、隣の席の学生と友人になり、しかもその友人もゲーマーであったため一緒に予備校近くのゲーセンに入り浸っておりました。「日々是決戦」ならぬ「日々是ゲーセン」でありました。その友人がゲームボーイごと貸してくれたのが『ネメシスII』なのでした。その時は借り物だったため早くクリアして返そうと思っていたので、例によって詳細を覚えていなかったのですが、先日2000円ちょっとでようやく入手できたのでじっくりプレイしてみました。

 本作はもちろん『ネメシス』の続編ですが、それまでにはないストーリー展開のようなものがあり、グラディウスシリーズとしてはなかなか新鮮な感覚がありました。セリフも説明もありませんが、時間的に連続したシーンのデモにおいて敵を倒すという明確な意思を持っているのが感じ取れます。



 ゲームスタート時のデモ。前作のミッションを遂行し、友軍の艦隊に合流するところに背後から攻撃を受け、艦隊は全滅!



 なんと敵戦艦が執拗に追跡してきます。ステージ1は敵戦艦から逃走し、逃げ込んだ遺跡で未知の敵に襲われます。



 遺跡の奥にはなんとなくR-TYPEに出てくるような敵が待っていました。



 遺跡をなんとか抜けると、先回りしていた敵戦艦に拿捕されてしまいました! ここでパワーアップを全て失うという衝撃の展開。



 敵要塞を内部から倒して脱出してみると、敵に支配された惑星近くまで連行されていたようです。ターンして惑星へと向かいます。



 大気圏に突入しながらの敵戦艦との戦闘。負けた方は破片も残らず燃え尽きてしまいます。こういうシーンはガンダム世代の大好物ですね。



 惑星中心部にあるコアの猛攻をしのいで、なんとか破壊すると……。



 コアからポッドが逃げていくので追撃です! ゲーム最初に破壊された味方艦隊が漂う中、ステージ1とは立場が逆転! 

 このような展開でゲームクリアなのですが、スタートボタンを押すと難易度が少し上がった2周目が始まります。難易度ハードで始めて2周クリアするのが目標です。

 本作では、ミサイル・ダブル・レーザーをそれぞれ3種類から選ぶことができます。

 まず2周クリアを目指したのが、「ノーマルミサイル・ノーマルダブル・ノーマルレーザー」のレジェンダリー装備。いずれもクセがなく、そこそこ強いので使いやすいです。シリーズ初心者はダブルを要所で使うと楽になりますが、慣れると使わなくても十分クリア可能。

 次は「2WAYミサイル・テイルガン・ツインレーザー」の死角のない最強装備。ツインレーザーは攻撃力も高いです。

 そして最後は「テイルミサイル・ツインガン・リップルレーザー」のナイヨリマシナ装備。苦戦するかと思ったら、問題なくクリアできました。



 レジェンダリー装備では8周目の3面ボスまで到達しましたが、レトロフリークのゲームボーイ動作環境が暴走してやむなくリセット。7周目クリアを公式記録としました。1周およそ16万点なので、カウンターストップはさすがに無理。

 シリーズに慣れていないと難しい部分があるかもしれませんが、難易度はまずまず無理のない程度。グラフィックは写真の通り質感と重量感を感じさせる描き込み。音楽は家庭用に特徴的な少し影のある作風ながら名曲揃い。2000円以上という値段でも、カートリッジに前の持ち主の名前が書いてあっても、なかなか良い買い物でありました。