ねがいのいえ理事長 藤本真二のブログ

障害を持つ方たちに寄り添い支援する日々の中で感じたこと、そのほか伝えたい話題などを、思いのまま日記風に綴ります。

冬来たりなば、春遠からじ

2008-10-06 23:56:04 | Weblog
 4月から始めたキックボクシング。最近ようやくスパーリングもどきをしてもらえるようになり、今日初めて3ラウンド耐えぬくことができました。起きている時間はすべて仕事中の自分にとって、唯一仕事から離れる時間です。ローキックを蹴られた左足をひきずりながら、さわやかな疲労を感じながら帰ってきました。

 本日の話です。信じられないような突然の苦労に見舞われた利用者の家族から、「ねがいのいえがなかったらどうなってたことかと思います」と言われました。また、スタッフから、送りに行った子のご家族が泣いていたという報告を受けました。

 世の中は本当に、大変なことが弱い立場の人たちに容赦なく襲いかかります。過去にも、どうしてこれほどまで、ある特定の人にばかり、これでもかというほどの不幸が訪れるのかと神様をうらんだことがあります。

 ボランティアでたくさんの方を支援していた頃、たくさん感謝されました。プロではないことによって過剰にいただくその感謝は、自分にとって爽快なものではありませんでした。今はちゃんと報酬をいただいて支援していますので、なんら感謝の必要はなく、プロのサービスとして行き届かない点は、遠慮なく苦情をくださって結構なのです。われわれはプロとして、支援を必要としているみなさまに、苦情を言われないような質の向上を常にめざします。

 願わくば。ねがいのいえという小さな団体の力だけで、世の中のすべてはおろか、この周辺のさいたま市・上尾市の困っている人たちをすべて支えることはできません。私たちは、専門家と呼ばれるたくさんの仲間にがんばって欲しいのです。制度にないことはできないとか、障害の重い人はできないとか、医療的ケアがあると受けられないとか、その時間はやってないとか、そんなことは言わずに。人の生活というのはそんなものじゃないんです。その日、その時間が困っていると言われたら、たとえ深夜でも早朝でも正月でも、なんとかしますと言ってあげて欲しいのです。

 現に、「ねがいのいえ」というたった40坪の一軒家に看護師がひとりいるだけの事業所で、100名の会員を24時間体制で支え、どんな障害の方も受け入れるという運営を実現しています。やる気と工夫でできるのだと、私たちは日々感じています。

 2年前に信じれないような不幸が重なった利用者の家族に、今年ようやく幸福が訪れました。それは私たちの心にも温かい幸せを運んでくれました。毎日かかわるその利用者のお子さんを本当に愛らしいと感じます。

 私たちは利用者のみなさんから、毎日たくさんの愛情と癒しをいただいています。今、悲しみの中にいる方たちにも、1年後、2年後、きっと幸せな日々がやってくることを信じ、願っています。