ねがいのいえ理事長 藤本真二のブログ

障害を持つ方たちに寄り添い支援する日々の中で感じたこと、そのほか伝えたい話題などを、思いのまま日記風に綴ります。

今が一番幸せ

2015-01-31 09:48:04 | Weblog
 心のケアの先生が持ってきたスマイルリフティングという新ネタに仰天し、さっそく研修に行ってみたら。気を合わせると力を使わずに相手を動かせるという不思議な現象。介護者の体の使い方には格闘技や武術の経験があると役立つが、自分の体力が衰えた時に必要なのは合気道に違いないと以前から思っていた通り。これは極めてみたい奥義。

 全国に少しづつ増加中の重心デイを、もっと広げたいと、やりたい人がいたら現地まで行って立上げ支援をしているネットワークの代表から研修の依頼を受け、事業所を訪問した1週間前。

新しい時代の扉が開かれて、今まで福祉の世界にはいなかった人材が参入するようになり。福祉だけの人間にはできなかった事業展開を見せる経営者が次々に現れる今。

 短い期間で急成長している団体からはこちらが教わる立場だと思いながら、福祉しか知らない人間だから話せる経験談とノウハウを一日語り、利用者に寄り添う想いを伝えた。新しい時代が来てこの世界に入ったみなさんには、制度のなかった時代の話は新鮮だったようで、「胸にずんと響きました」と言っていただき。

一般企業でも優秀な頭脳だったに違いない代表が、
「景気のいい時代には大きな利益を上げたが、ストレスも大きく、お金を使って遊んでもいつも気は晴れなかった。重心の子たちと毎日過ごす今は、お金はもうかるわけではないけれど、今までで一番幸せです」
と語られたことに感動。



 

必ずまた会える

2015-01-23 23:39:43 | Weblog
 全部署のスタッフが全員集まる総会を開くために、夜の利用をお断りした今夜、利用者のみなさまにはご協力ありがとうございました。来週発送するニュース最新号で詳しくお知らせしますが、急発展の動きが大きくうねり出した年末年始。今年の飛躍を祈って、スタッフ全員で決意を新たに団結することが出来ました。

そして、一度は悲しい体験をしたスタッフから届いた幸せのメッセージに、みんなが涙して喜びを分かち合ったこの2日間の話題でも沸きました。

 一方、素晴らしいスタッフとやむを得ず別れの時を迎える事態も起きました。まだあとひと月、一緒に働くことが出来ますが。人生には、自分の意志ではどうにもならないことが起き、運命に翻弄される時がある。それは誰にでも起こること。素敵なスタッフと別れなければならないのはいつも悲しいけれど。

 ねがいのいえにずっといられれば、幸せになれるに違いない。けれど、どんなに大変な境遇に見舞われようと、心優しく、そして正しく生きてきた人間が、決して不幸になるはずがない。いつか状況が許せば、また帰ってきたらいい。必ずまた会えることを信じて。

 たくさんのスタッフを見送って来た今までと同じように、今は笑顔で見送ろう、そう思っています。

利益では動かない

2015-01-21 00:18:23 | Weblog
週末スタッフと共に参加した「ふわりんくるーじょん」は学び多い充実の2日間。レベルの高い素晴らしい実践をスタッフに聴かせることが出来て大満足でした。初めて姿を拝見した、有名なフローレンスの駒崎さんが、想像よりずっと若かったのと、全身から発する情熱の質量に圧倒されました。

そして今日は埼玉よりどころねっとの定例会で、みなさんの事業展開の素晴らしさにまた感動。2年がかりで販路まで確保した上で就労部門をスタートさせた事業所、生活介護の建設計画を進めながらすでに次の建設準備に入っている事業所、すごい人たちが集まってお互いにすごいと言い合っている状況がすごい。

中でも、またしても大変なケースを背負い込んで、決して見放す気はない上村さんの情熱は泣けるほど素晴らしい。

利益優先で参入する業者が続出する時代がついにやってきた中、ニーズ優先、利益では動かないわれわれは、決してその悪しき流れには乗らず、困っている人に寄り添い続けよう。

夢に近づく日々

2015-01-15 23:01:44 | Weblog
震災から20年が経った長田の復興計画は大失敗、住民を苦しめている現状のリポート。見通しもセンスもない行政主導の事業には憤りさえ感じ。役所との日々の掛け合いと全く同じ構造。全ての国民は、納めた税がどんな職員を養っているのかもっと関心を向けるべき。

個の才能ひとつで世界に通用する企業を作り上げた事業家は素晴らしく、今週のカンブリアも感動。

予想外の急展開に戸惑いながらも、ひとつひとつ課題をクリアしながら夢が実現に近づく毎日。充実感があふれる日々。まもなく報告します。

そのストレスを受け止めよう

2015-01-14 23:01:37 | Weblog
亡くなる人が多過ぎて病院で死ねない時代が来る。前田先生から教わった「多死社会」という言葉が、先に葬儀場の不足という問題からクローズアップ。数年後、社会問題になるとは聞いていたが、こんなに早く一般の報道に躍り出たことに驚き。

大切な人を送れなくなったら誰もが困るはずなのに、葬儀場反対、墓地も反対、自分の町内だけは気品を守るのだという精神構造は、ケアホーム反対とも通じる気がする。

久々に市民を苦しめる行政と渡り合わなければならない相談が来て。こんな問題をひとつひとつ逃げずに解決する過程が、この地域が変わるためのステップと信じて、そのストレスを受け止めよう。

世界一のミステリー

2015-01-12 23:59:00 | Weblog
タイトルを聞いただけで犯人がわかってしまうほど世界中に知られた有名なミステリーを、三谷幸喜が描く企画は、予想以上の面白さ。本家のストーリー自体にも、その映画化された作品にも、無理があることはファンには周知のことだが、それにしてもこの見事さは本家をはるかに上回り、日本の売れっ子ライターが世界の頂きに立ったとさえ思わせた。

そしてさらに世界を圧倒するであろう、2日目の人間ドラマ。後半をまるまるこのようなドラマに仕立てるのは、ホームズのデビュー作を想わせ。法の正義を貫く杉下右京さんに慣れた日本人には、おとぎ話のようにも感じるラストだが、これは実は本家のポワロそのものだし、こんなおとぎ話はむしろ後味が爽快で温かい。

売れ過ぎ、書き過ぎで劣化の激しい時期もあったが、適度な仕事量で十分練りこまれた作品のクオリティはさすがの実力。やっぱり三谷は面白い。

演出過剰だった本家の熊倉ポワロをあんなに真似しなくてもよかったのだが、野村萬斎は見事だったし、最後の仲間に西田敏行の登場が憎すぎ。空気を一変させる演技力で引きつけたままラストまで駆け抜ける終盤も素晴らしく。観て良かったの一言に尽きる2日間の6時間だった。

勇気の道しるべ

2015-01-09 00:07:30 | Weblog
新しい技術で多くの人を救う医療技術の開発者を特集した今日のカンブリアは、同業なだけに感動もいつもの倍、涙さえ誘われた。

深く沁みる言葉の数々。
「科学は専門家になるほど細分化され、大きく見ないと解決できない課題を解決できなくなる」
「ぎりぎりまでがんばって切り開くのは単発的。好きで好きでしょうがないから苦労と思わないほうが長続きする」
「需要の少ないものは作らないのは企業のわがまま」
「必要な時にいつも必要な人が集まってきた」

ここへ来て急激に情勢が走り出した激動の毎日、数ある選択肢に迷う日々に、勇気をもらう番組だった。

まずは知ることから

2015-01-07 22:17:26 | Weblog
 都内の特養の半数が職員の定数割れで、利用者を断り、閉鎖する施設もあるというショッキングな報道。福祉予算を削って働く人たちの収入を抑えた結果。そして、誰もが将来に不安を抱える社会を作り上げた責任を、みんなが感じているだろうか?

 困っている人に出来る限りの支援をしたいと思うのに、行政からは相変わらずそれは認められないなどと言われ続け、本当に困っている人にはたとえ収入が入らなくても必要な支援を届けるわれわれの、2倍から3倍の給与を得るその行政マンたち。

 片や、NPOも株式会社も同じ仕事をしているのに、特別な厚遇を受ける社会福祉法人が、地域への貢献をしていないことが問題となり、特別待遇をやめようという議論に対して、全国から関係者が集まって猛反対しているが。制度の届かない課題に対して、税を免除される分、真摯に誠実に持ち出しでがんばっている団体もある一方で、まったくそんな気もなく、決められたことしかやらず、困っている人の訴えに合わせて新たな支援を開いていかない団体があるのもまた事実。

 そして一般市民はその詳細を知らず、自分がその困った立場になって初めて知るのも世の常。

 まずは現実を正しく知ることから、社会は変わるに違いない。新聞を読まない人、本を読まない人、多いらしいが。知らなかったことの責任は自分に返ってくる、そんな時代かもしれない。