ねがいのいえ理事長 藤本真二のブログ

障害を持つ方たちに寄り添い支援する日々の中で感じたこと、そのほか伝えたい話題などを、思いのまま日記風に綴ります。

泣きたい夜に

2011-07-30 23:31:47 | Weblog
 午後は相談者を訪問。うちだけでは支えきれない部分を、近くの仲間が引き受けてくれることになり同業者を同伴しての訪問でした。先日うかがった時に、思ったより重度で事業者が尻込みするかもと思いましたが、経験豊かな同志は少しも不安な様子を見せずに、大丈夫だと言ってくれました。世間にあまた存在する事業者の中には、親切でない人も実力のない人もたくさんいますが、ネットワークをともに推進しているこの仲間が本物であることに今日あらためて感動しました。

 今日もいい一日で終わるはずでしたが、夜になってとんでもない悲報が入り。悲しみを抱きながらも山積みの仕事を処理しなければならないのは心が裂けそう・・・



気が付けば

2011-07-30 00:23:09 | Weblog
 緊急の支援で早朝から動き出し一日フル回転。まだ今日の仕事が全部終わらないけど、もう今日はこれで終わりにしてとりあえず今夜は、週末なのでアルコールとともに昨日大量買いした本を読み倒そう。

 看護師の登録がそれなりに集まってきたので、週末は街のナースステーション今年度スタートのマッチングを一気にやってしまおう。

 気が付けばこの前休んだのはいつだったか思い出せず。今年は北海道へ行けるだろうか・・・

 

次のシステム

2011-07-29 00:13:36 | Weblog
 すでに夏休みに入ってしまいましたが、夏休みの悩みを相談に来る人がまだ続きます。明日は緊急の受け入れでいつもよりさらに早い時間からスタート。緊急度の高いニーズも最近とみに増えた気がします。

 今日の相談者に「うちだけでみんな受け入れるのは不可能なので他も当たってください」と勧めましたが、いろいろ見た結果やはりここがいい、と言われ。

「うちと他のところとで何が違いますか?」
「ここはアットホームです」
「それは建物のことですか」
「スタッフのかたの関わりが違います。どのかたもみんな利用者に温かく話しかけてくれます」
「うちはこれが当たり前だと思ってやってますがみんなそうじゃないんですか」
「違います。ほっとかれたり、いい雰囲気じゃなかったりして、他では当たり前じゃないんです」

 地域で信頼できる支援者とたくさんつながっておいて欲しいと願いつつ、しかし肝心の資源が信頼を得るレベルにないなら、それは初めからないのと同じ。

 自分の事業所は自分でコントロールできるが、他団体の中に分け入ってもっといい雰囲気を作りなさいとは言えない。しかし、いい事業所になるためのコンサルティングなら出来ます。モチベーションを刺激する連続講座はもう動き出したので、次は人材育成のシステム作り。それが完成したら、次はコンサルの仕組み。そこまでやって初めて地域全体が変わっていくのかも。

心のケアを超えてゆく

2011-07-28 00:33:20 | Weblog
 自分が学んできたことをスタッフにも地域の人にも同じ学びを体験してもらおうと思って始めた連続講座。たった2回終わっただけなのに自分が一番揺さぶられた感覚です。時期を同じくして、もう一度いちから勉強しようと思って参加した「心のケア養成講座」。ねがいのいえ一年目のスタッフが必修としている入門講座ですが、改めて自分が長年積み重ねてきたものを学びなおしてみて、強く影響を受けました。

 今、確信しています。障害のある人を癒すのは、「豊かな生活」と「心のケア」。いくら心のケアに一生懸命取り組んでも、毎日の暮らしが苦しければ根本的な解決はないし、豊かな環境を用意してもなお消えずに残る個別の悲しみには心のケアが必要となる。

 これまで心のケアには相当な力を投入してきましたが、障害があっても豊かに生きられるハイレベルな環境の選択肢は用意できなかった感があり。ねがいのいえは今後その方向へ邁進します。

 豊かな環境を用意することなく心のケアに打ち込む施設の人たちには、苦言も呈しつつ。

未来への模索

2011-07-26 23:37:00 | Weblog
 昨日はデイサービスのプログラムで講師をお願いしている吉永先生と、今後のプランを考える打ち合わせ。やりたいことがたくさんあり過ぎて困っている先生の夢と、障害のある人たちに今よりもっと豊かな余暇活動を提供したい私たちの想いを語り合い。その交差するゾーンを見出すことで、うまく融合できないか。来年を飛躍の年にするために、模索を開始しました。

 ねがいのいえだけのメリットにするのではなく、地域に開かれた活動として、希望者は誰でもその良さを共有できるように。

 スタッフはみんなイルカと泳ぎたいと言っている・・・

当たり前のこと

2011-07-24 21:54:02 | Weblog
 退職したスタッフが遊びに来て目一杯活動に参加。終わってから居酒屋で囲んで語りました。うちと同じような事業を展開している団体に勤めてみたけど、利用者への関わり方など様々な面でねがいのいえとは違っていたと言い。老人施設などの経験を持つスタッフからも、利用者を第一に考えられない施設の雰囲気や、職員同士の関係などに嫌になることが多く、ねがいのいえに来て初めてこうあるべきなんだと思ったという意見が出ました。

 利用者の幸せを第一に考えつつ、実は自分たちが利用者のみなさんから幸せにしてもらっている、そんな正しい感覚を共有できて初めて、われわれは輝くことが出来る。あまりにも当たり前のことですが、理解も実践もできない同業者が多いのは残念なこと。

 何が利用者の幸せなのか、何が自分たちの幸せなのか、言葉にしなくても当たり前に理解し実践できる専門家でありたいもの。

仕切り直し

2011-07-23 22:13:18 | Weblog
 国民がデモに集まらなくなった日本は異常だとTVタックルで言ってました。

 ノルウェーで同時多発テロ。ひとりひとりの理念が高い国民性と思われる北欧でもこんなことが起きるのは衝撃的。なぜ世界中で暴力が止まらないのか。

 TVは買い替えずに済まそうと思ってたのに、今までのが3日前に壊れてしまい。ビデオが見れなくなって利用者の怒りも噴出し、結局買うハメに。それにしてもデジタル化って本当に必要なんだろうか。そんなにきれいな画面でなくても何の不満もないのに。


 忙しすぎてすべてが滞りがちですが、最重要なのは相談者に支援を届けること。来週からは一番大事なことにしっかりと焦点を絞りましょう。

環境と選択肢

2011-07-23 01:04:38 | Weblog
外出の支援で利用者の迎えに行くと、朝の4時から起きて家の中を動き回っていたと語る家族から大変さを感じつつ。デパートの中を疲れるまで歩いてみたが、最後に、こんなことをしたかったのではないとでも言いたげな顔を向けられ。

本人の意思を尊重しようとみんな言うが、言葉を持たない人たちの意思を全て理解することは不可能で、その支援は試行錯誤の連続。

また、動き続ける自分の体をうまくコントロール出来ない利用者は備品を壊し、家族の方から大変恐縮されてしまい。

ねがいのいえが得意にしている心のケアで対応することも大事だが、より根源的な課題がある。障害を持つ人たちがどれだけ人生に喜びや充実感を得て生きているのか、私たちの社会はどれだけの環境と選択肢を彼らに用意しているのか、そこが問われている。

今が転機を迎えていると感じるこの頃。何から始めるのか、どこから手をつけるのか、決めるのは自分の想い。とりあえず悩める彼らに、乗馬はいけるかもと予想中。

悲しみを溶かすのは

2011-07-21 00:27:40 | Weblog
 若いスタッフのみんなが、ねがいのいえが一番の職場と言いながらも、入所施設というところを見てみたい、という想いを持つ人も意外に多い。入所施設の悲しさを繰り返さないために地域への移行を進めることになったのが時代の流れだが、地域で生活支援をする仕事が当たり前になってきた今、新卒で施設を知らずに入職するスタッフは幸せであるが。噂に聞くだけの施設というものに関心が高いのも当然とは言える。施設と地域生活支援事業所の間で職員の交換研修をしてみたら、互いの仕事の違いを知ることができて前向きかも。願わくば施設職員に、施設はなくした方がいいという気持ちになってもらいたい。

 研修へ行くといろいろな施設から来た人の話が聞けて興味深い。しかし、倫理綱領をいち早く取り入れ、障害者の人権擁護と心のケアに力を入れている全国でもトップレベルの施設でさえ、激しいパニックに悩む利用者をたくさん抱えている事実を聞くと、やはり集団生活の悲しさを感じざるを得ず。

 自分の想いは・・・権利擁護で悲しみは融解しない。

 いつかは親元から離れて暮らすのは人間として当然の宿命。しかしそれは、どこかの施設へ行くことではなく、いつでも親の顔を確認できる同じ地域で暮らすこと。それで悲しみの大部分は解消される。そして、施設は夜ひとりの職員で50人の利用者。ケアホームのような小さな単位なら、職員ひとりに利用者5人。それだけでも関わりは10倍の差。

 そして悲しみを溶かすのは、心のケアと、充実した仕事の毎日と、そして豊かな余暇活動。

 生活支援のきめ細かさに関しては全国から見学者が訪れるねがいのいえ。そして最重度の行動障害者も帰宅後ぐっすり眠れるほど充実した作業を作り上げたやじろべえも、間違いなく全国の同業者を驚かすレベル。

 次のステージは、自己表現できない障害を持つ方たちに、どれだけ豊かな余暇活動を用意できるか。設立以来、文化活動の分野では師匠のゆきわりそうに全く近づけていなかったけれど、今回の講演会を機に、大きく舵を切りたいと願う日々。