ねがいのいえ理事長 藤本真二のブログ

障害を持つ方たちに寄り添い支援する日々の中で感じたこと、そのほか伝えたい話題などを、思いのまま日記風に綴ります。

住みなすものは心なりけり

2017-08-31 23:04:52 | Weblog
国産牛を安く販売する焼肉チェーンの会長が出演した今日のカンブリア。下積からたたき上げて肉に関しては何でも知っていると語る専門家の姿は、自分と重なった。

新規店オープンの時には必ずその地域の養護施設の子どもたちを招き、好きなだけ食べさせるというエピソードに、嗚咽しそうになった。その裏には、貧困を経験した自身の子ども時代の想い出があるという話。

困っている人から相談が来ても断ることが多い最近の自分に、原点を忘れがちかもしれないと思わされた。

昨日の生活介護の学習会では、貧困の家庭に育ち食事も満足にできない子どもたちに、長年ご飯を食べさせる「ばっちゃん」のドキュメンタリーを上映。重度障害で多動の人たちが、立ち歩くことなく集中して鑑賞していた姿に、きっと自分なりに何かを受け取ってくれたに違いないと確信。

「言葉も話せるし体も自由に動く人たちだけど、みなさんとは違う苦労をしている人が世の中にはいます。でもどんな人でも、幸せに生きられるかどうか決めるのは、それぞれの心だと思います」と伝えた。

ごちゃ混ぜ福祉

2017-08-26 22:56:54 | Weblog
子どもの自殺が一番多いのが夏休み明けと、北村さんから聞いてはいたが。この時期に全ての生徒に葉書を送っているという自治体の取り組みを見て、障害者も不登校も高齢者も様々な人が集まるごちゃ混ぜ福祉を通じて、福祉団体が貢献できることはないだろうかと考えていたところ。

NHKの再放送で見たタイムリーな特集「ひとのま」。誰でも自由に来ていい場所。学校に行けなくなった子、会社に出勤できなくなった人、生活に困って米と食材だけもらいに来る人もOK。

発達障害と認められた途端、みんなが優しくなった。しかし同時に、何も求められなくなった。前の方が良かった、という訴えが深く考えさられた。

主催者の宮田さんが、「自分で考えて乗り越えるそばにはいたいが、宮田さんのおかげと言われるのはまっぴらだ」と語った言葉に、深く共感。この人に会いたい、と思った。

急に3つのプロジェクトが回り出し、来年度からの展開を考えて始めたところに、大きなヒントを得た夜。耳の奥では、歌い放題に行った一昨日に歌った歌が回り続けながら。



最大の勝負所

2017-08-24 00:33:05 | Weblog
高校卒業まで育った町より、埼玉で暮らした期間のほうがとっくに超えているのに、甲子園はやはり育った地元を応援。でもいつも弱くてすぐ消えてしまうので興味が低く。埼玉勢に今まで優勝がなかったというのも初耳。ここは素直に喜びに乗っかりたいが。意図しないと喜べないのが、環境にとらわれない自由人なところ。

3年間学ぶと決めたトラウマ解放を学んで以来、今までわからなかったことがわかるようになり、出来なかったことも可能になり。まるで臨床心理士の仲間入りしたかのように個別セッション全開。そして、障害当事者と同様に重いものを背負いこんでいるご家族にもセッション開始でさっそく上々の成果。心理士の喜びをプチ体験している日々。

2年間滞ったケアホームの開発に、先週は大ピンチが訪れ自暴自棄にも陥りかけたが。今週は突然の光明が射しテンション急上昇。同時にたくさんのことが回り出し、これから年越しまで超絶多忙の予感。人生最大の勝負所かも。

可能な限り現場に入らなくてもいい予定を立てて欲しいが。この想い、優秀なスタッフ陣に届くだろうか・・・

ナイゲン2017

2017-08-20 01:04:07 | Weblog
大好きな演劇が今週上演中だと気づき、急きょ親友を誘ったら奇跡的に都合が合い一緒に観劇。終演後に居酒屋で語り合い。演劇の素晴らしさと友人が喜んでくれたことに感激。

20年前には観劇後に居酒屋で盛り上がる集いは頻繁だったが。みんなが家庭を持ってから機会が減り。この年になって逆に今、こんな機会をちょくちょく持とうと語り合った。

頑固一徹を通し時に変人とそしられる人。誰にもいい顔をする穏便な人。おかしいとわかっていても体制に飲み込まれる人。観客が登場人物の誰かに必ず共感するだろう。そしてまた、ひとりの人間の中に全ての登場人物の要素を内包してもいるだろう。

日常のもめごとから、国家のあり方までも投影し、一晩かけても語り尽くせそうにない傑作中の傑作。毎年のようにどこかで再演されるこの名作を、全ての日本人に観て欲しいと熱く語り合った。

来年は親友4人で観るために集合しようと約束した。
「ナイゲン2017」新宿で8/21まで。
毎年観たい。何度でも観たい。

飛躍に期待

2017-08-17 23:10:05 | Weblog
ジムもお盆休みで1週間の休みの間、「はじめの一歩」を読み直して攻撃のパターンを学び直し臨んだスパーリングだったが。まだ練習生もあまり出てこなくて、ふだんは戦わせてもらえない強豪と 当てられ全く歯が立たず。ボコボコにされて退散。

アウトボクシングをすればもっと戦えたが、足を止めて打ち合ってしまったのも一歩の影響。これは仕方あるまい。昨日の世界戦の影響もあったかも。インサイドのファイターとして戦えるようになりたい55才。

今日も生活介護のヨガは、家庭や他の場所では落ち着くのが難しい人たちが、静寂を保ちながら脱力してすっかりリラックス。ますます成果を上げていくのが素晴らしい。

4月以降、組織の立て直しで現場に入り多忙を極めていたのが嘘のように、どこの部署からももう来なくていいと言われて、設立以来初めてと言っていいほど余裕の8月。おかげで部屋に閉じこもって考えることに集中。来年度のプランやら助成金やら、物件の内覧にも出かけることができて。

新しいアイデアが次々と浮かび、来年度からの飛躍が期待できそう。優秀なスタッフ陣に感謝しきり。

ジャーナリストのおかげ

2017-08-13 22:20:48 | Weblog
いつも心が暗かった20代から30代の頃。戦争の歴史を学びたくていつも情報収集していた。しだいに心が明るく幸せになるにつれて、戦争の歴史を学ぶのが苦しくなり、昨今はTⅤでもそんな番組を避けるようになっていた。

チャンネルを回してたら目に入った池上彰の番組に釘付けになったのは、逆に、そういう番組を見ても、暗かった心の時代に引き戻される不安がなくなった成長の証しかもしれない。

昔は学びの源は本や新聞など、活字が中心だった。今は映像が充実している時代。多くの人が学ぶのにいい時代になった。そして、朝は松本人志と馬鹿話で大笑いしていたタレントが、夜は池上彰の話に涙するのも、一般ピープルに大きな影響を与え、この国の成長を感じる。

困っている人を現場で支えるために奮闘するのは私たち事業者。しかしその私たちに社会課題を教えてくれたのは、ジャーナリストの人たち。彼らがいたから、私たちは心を奮い立たせ、現場で出会った人たちに寄り添うことができた。

大熊夫妻、池上彰氏、そして、盟友の北村年子さん。

感謝に絶えない。

人生の季節

2017-08-06 23:21:35 | Weblog
先週見た塙の「お義父さん」の歌が忘れられなかった1週間。

自分の育った家庭も機能不全だったけど、世の中は何の問題もない家庭のほうが実は珍しいらしいということにようやく気づいたのはつい最近。傷つきやすい人のことが理解できるようになった一方で、つらい境遇に育ったことを感じさせない、いつも笑顔でまわりを幸せにする人の存在に、癒され感謝が絶えない。

5年間楽しませてもらった「真夜中のパン屋さん」の最終巻は、登場人物のエピソードを順に総まとめ的に締めくくる短編集。まだ半分のところですでに泣きそうになったのでひと休み。

おとぎ話のように優しすぎる人々の優しさは、間違いなく自分を支えてくれたけど、今はおとぎ話で終わらせたくない、自分の人生に反映させて活かしたい想いがとめどなく溢れる、そんな人生の季節。

仕事は充電中で自分に向き合う年。自然にそう思えるのが不思議な今年は、これも抗えない巡り合わせか。

しがらきから吹いてくる風

2017-08-04 01:13:41 | Weblog
出張に行くとたいていひとりカラオケに行くのに、今回の研修は毎日飲み会で行く暇がなく。歌いたい衝動が帰って来てもおさまらず、今日は早々に仕事を終えてジムに行き、ダウン3度喫する容赦ない激しいスパーリングをしたあと、シダックスへ。夕食も忘れて閉店まで歌い今帰宅。金曜日の夜だとどこか勘違いしていたことにふと気づき。明日は1日現場に入るのだった・・・

最後に歌い上げた中島みゆきは、自分の中にある今の想いの全てを込めていた。画像を撮ってアップしてもいいかもと歌いながら思った。

4月から引き継いだ部署では、重度障害のみなさんに新たな試みをスタートして4ヶ月。行動の激しい人たちが、ヨガの時間をすっかり落ち着いて過ごす姿は感動的。

同じ障害のある人たちが様々な生き方をしていることを知って学んで欲しいという思いで始めた学習会では、他団体の映像を集中して鑑賞。30年前、障害のある人が街の中で普通に暮らすことが常識ではなかった頃に、街の中に溶け込んで暮らすことにチャレンジした歴史的名作「しがらきから吹いてくる風」を見終わって、いつもみんなを笑わすことに専念しているダウン症の青年が、目に涙を浮かべていた。

「みなさんの友達で、こんなに長い時間、この学習会に集中できる人は少ないと思います。みなさん、本当に素晴らしい。そして、障害のある人が暮らしにくい時代から、社会は少しづつ変わって来た。でもまだまだ不自由なことがいっぱいあります。
みなさんが今よりももっと幸せになることは、これから生まれて育っていく子供たちの道を開くことになります。そんな想いも持ちながら、これからも頑張ってくれたら嬉しいです」

そう伝えた言葉も、誰ひとり立ち歩くことなく聴き続けてくれたみなさんと、想いを共有できたと確信した。