ねがいのいえ理事長 藤本真二のブログ

障害を持つ方たちに寄り添い支援する日々の中で感じたこと、そのほか伝えたい話題などを、思いのまま日記風に綴ります。

今年もありがとうございました。

2009-12-31 20:39:53 | Weblog
 オープン以来初めて、余裕の年末年始を過ごしています。まだ少しだけ仕事を残してますが、スタッフも早く上がることができ、自分も格闘技をのんびり観る念願の大晦日を迎えています。

 今年は新規事業に取り組み無事に乗り切れるかという挑戦の年でしたが、現場のスタッフが素晴らしいプログラムを作り上げ、みなさまに喜ばれる関わりを持ってくれたおかげで、利用者からもご家族からも支持を得ることができました。経営的にも来年は安心できるめどがつきました。

 本来事業のほうでも、ひとりひとりのスタッフが成長し後進を育て、非常勤から入ったスタッフが常勤並みの力をつけていくという構図が出来上がり、組織としても成長を遂げました。

 また、膨れ上がる雑務にしだいに身動きがとれなくなり、秘書的な役割が欲しいとずっと思っていたところへ、優秀な人材が現れ一番大変な部分を背負ってくれたおかげで、自分は地域との協働や新しい挑戦に取り組むことができました。

 そして、新しい試みや勉強を積み重ねたこの一年。実現しなかったこともありましたが、そのプロセスからたくさんのことを学びました。

 障害があっても地域で暮らすために。世は地域移行の時代。スタッフみんなで全国の先進事例を視察し学ぶことで、来年はさらに大きく伸びる年になります。

 来年もよろしくお願いします。

幕末マニア

2009-12-30 23:03:58 | Weblog
 明日の夜のんびり年を越すことを夢見て、今夜も事務作業をがんばってます。TVを見ながら。

 さんまの番組。「不都合な真実」とか、環境に関する報道は全部嘘で、リサイクルとかエコバッグとかを進めるのは全く無意味なのだと、大ショックなことを言ってました。どれがほんとなんだろう・・・

 来年の大河は「龍馬伝」。「坂の上の雲」と合わせて、幕末から明治にまつわる番組がいっぱい。来年は幕末マニアには嬉しい一年になりそうです。勘違いでもいい、自分も龍馬になりたい、という若者が増えたら、社会にとって日本にとって、いい影響があると信じます。

 福山龍馬はきれい過ぎてちょっと・・・もう少し粘り気と汗臭さが欲しいのだが。しかしガリレオ湯川先生も原作と全然違うイメージを見事に成功させたから、期待してみましょう。34年前の大河、高杉晋作(中村雅俊)、大村益次郎(中村梅之助)、22年前の大久保利通(加賀たけし)は絶品だったなあ、忘れられない。あと、高田屋嘉平(竹中直人)もよかった。「坂の上の雲」の小村寿太郎役もいい。陸奥宗光がちょっと今いち。

 「坂の上の雲」先週分をまだ見てないので、見てから第1部を総括したいのですが。幕末の英雄の伊藤、山県、大山巌が出てくるのが嬉しい。長州時代、高杉の使い走りだった伊藤が、維新後は大久保の政治姿勢に傾倒し、晩年怪物的な政治家になっていったのは興味深かったけど、日本人の魂はやはり、伊藤や木戸のような慎重居士よりも、龍馬や高杉のような英雄が好きである。

 2月には放課後連の全国大会で京都まで行くので、休みをとって寺田屋と司馬遼太郎記念館へ行ってわくわくしてみよう。

見返りを求めない献身

2009-12-29 23:48:16 | Weblog
 「容疑者X」見入りました。気がつけばあっという間の2時間半。

 トリックの壮大さはもちろんですが、このストーリーに引きつけられるのは、主題にもなっている「見返りを求めない献身」という、三浦綾子の世界観にも通じる強烈な深さだと言えます。

 もしかしたら、こんなのは理解できないという人もいるのかもしれないけど、この小説がこれだけ読まれ、映画が観られたことは、誰にもその心情を理解し畏敬する思いがあることを証明しているのでは。犯罪行為は別だけど、主人公の精神は崇高ですらあると感じます。

 
 明日あさってはやっと現場を抜けることができるので、書類が片付くかも。いつもの月末と同様、請求事務に追われていつもと同じように仕事をしている毎年の大晦日、今年こそ、格闘技を観てゆっくり年を越すというはかない希望はかなうだろうか。

 まさとの引退はじっくりと観たい・・・

もちつき

2009-12-28 23:09:48 | Weblog
 ずっと続いていた緊急対応が一段落。今年最後のボクシングに行こうと思っていたのに、さすがに連日の疲れが出て夕方から休養をとり、結局行かれず残念。

 今日は農業部門でお世話になっているNPO法人自立就労支援センターの菅田さんが主催する地域でのもちつきにおじゃまし、おもちをいただいてきました。杵でついたつきたてのおもちは本当においしくて、子どもたちもいくらでも食べられるとばかりにどんどん食べ、最後はお腹をこわすからと止めるほどでした。

 この一年が支援者に支えられた素晴らしい年だったことを改めて感じる一日でした。

 

日頃の思い

2009-12-26 11:57:09 | Weblog
 相談支援のかたから、このところ行政から利用者へのサービス支給が難しくなってきているという話を聞きました。全国的に厳しい中、この地域はずっと恵まれていたのですが、さすがに財政難の波が足元から膝下あたりまで上がってきているのでしょうか。

 新規の入会は待機していただいてるねがいのいえで、新たに入会されるのはよほど困っている緊急なかたに限ります。それでも毎年数人づつ入会するし、また今年は特に入会者が多い年でした。それは一般の人でも厳しい世情が困っている人をさらに苦しめているからなのか。

 
 サービス利用を抑制させたい人からは、「サービス過剰は依存を作りだし、本来自分でやらなければならないことをしなくなる」という意見を聞きます。

 しかし本当にぎりぎりのところまで追い詰められている人に対して、そんなことが言えるのでしょうか?ねがいのいえに入会してもらうことを決めた人たちは、そんな人ばかりです。「依存」というのは別問題として議論する必要はありますが、相談をよく聞いて、必要か必要でないか正しく判断したうえで、本当に必要なら遅滞なく支給決定するのが、担当者の仕事。「依存」をたてに支給を拒む担当者がいるのなら、市民は許すべきではない。

 しかしその一方で利用者側に、何でもしますという事業所に甘えが生じるのは事実だと思います。われわれは、困っているところを何でも支えますと伝えますが、福祉がやるべきでないことまではやらない。利用する側は責任を負って使わなければならないし、事業者は収入になるからといって、本来は本人が自分でやるべきことまでやってはならない。それは税金だから。

 事業者の説明会や勉強会で行政の人に、「こういうのはやっていいんでしょうか」と質問する人を見かけますが、あらゆるケースについて質問するのは不可能。そこを正しく判断するのも事業者としての実力だと思います。

 実際の支援をする事業所が2、3軒しかないのに、相談支援センターばかりがその何倍もできてしまったこの状況。いくら相談が大事だからといって、そこに出す補助金があるのなら、実際支援に立ち上げ補助金を出すべき。

 ただ、相談支援のかたの中には、本当に理念と思いやりを持った素晴らしいかたがあります。願わくばそんなかたたちに、実際支援を先にやって欲しい。相談も大事だけどそれ以上に、実際の現場はだれにでもできることではなないから。

 施設は近くにあるけどあそこには行きたくないと利用者のかたたちは言います。


 今日は時間があるので日頃の思いを書ききりました。

今期も

2009-12-26 01:54:49 | Weblog
 先週から今週にかけては特に激動の毎日でした。大変な境遇のかたが周りにたくさんいて慣れてるはずなのに、こんなに大変な人がまだいらっしゃるのかと、びっくりの連続です。今なんとかがんばっているご家族でも、常に病気の不安にさらされている人もあり。みなさんの安泰を祈ります。

 今夜も夜なべ。緊急につぐ緊急ですが、とりあえず1件は明日で落着です。

 今期もなんとかボーナスが出せてよかった。

フェアトレード

2009-12-24 23:27:47 | Weblog
 TV東京の5分間番組から。 

 アジアの貧困な暮らしを支援したいという想いを抱いて、現地の人たちが作る衣類やアクセサリーなどの製品を適正価格で買い取り、先進国で売るビジネス、フェアトレードを始めたがなかなか売れなかったという起業家が、一眼レフカメラを入手し製作中の人々の写真を撮りまくり、商品と一緒に飾ったら、客が殺到。今ではファッションショーも行われ、フェアトレード商品が世に認知されたそうです。

 いい話でした。誰にでもできることではない。柔軟な発想と、その事業にかける高い理念、強い意志が必要です。しかしこのような話にこそ、利用者の工賃を上げることに苦労している福祉関係者が学ぶべきことが詰まっていると感じます。

 

不安の時代

2009-12-24 01:22:36 | Weblog
 なぜか緊急のケースが多いこの頃。宿泊中の子を見ながら今夜も仕事が進みます。夜型の自分には毎晩泊まりがあってもいいのかも。明日はオープン以来初の3人同時宿泊です。でっかいケーキを用意するとスタッフが張り切ってます。

 壮絶なリストラで今年は社員が半分に減ったという話を家庭訪問でお聞きし、世間は本当に厳しいのだと感じました。家族の事情などは一切考慮されなかったといいうことで、大変な不安を抱えながら暮らされています。障害のお子さんを育てる家庭に突然こんな危機が訪れたら、ますます困窮する家庭が増えることでしょう。

 怖い世の中です。そんな世の不安も知らずに、ねがいのいえのスタッフは今日も子どもたちに癒されて楽しんでいます。

 明日のケーキが楽しみです。

力を合わせて

2009-12-21 21:50:29 | Weblog
 今日は相談支援センターを訪問しいろいろ話ました。公務員から民間の法人に転職したという相談員さん。困っているかたの話をよく聞いてくださるかたでした。

 相談の多いセンターは本当に大変らしいという噂話もうかがい。そうか、動きが遅いからといってそんなに責めるわけにもいかないのかと思いました。

 全然知らないところから緊急のお願いがはいったりするのはこのブログを見られたからでしょうか。うちもいっぱいいっぱいで応えられないのですが。どこの支援センターもみんな、やってくれるところがなくて困ってるという話になります。空いてる限りは受けなければなりません。

 事業所や相談員がもっとつながって、ケースの解決にすぐに集まれるようになりましょう、と話しました。

怒りはおさまらない

2009-12-20 01:39:12 | Weblog
 今日も深夜の仕事中。

 最近似たような出来事が続けてあり。困り果てて役所に相談に行ったかたが、担当者から事業所の一覧を渡され自分で電話をかけて探すように言われたそうです。

 大変な事情を抱えてるから相談してるのに、自分で探せとは。役所の中にはケースワーカーも保健師もいる。役所内で手が回らなければ児童相談所や相談支援センターに連携をとってもらうこともできる。事情をくわしく聞いて何が必要かを考え、プランを組み立てそれに沿ったサービスをしてくれる事業所を一緒に探す。

 そこまでしなければ、制度を知らない一般市民には手の打ちようがない。そしてそれがそのかたたちの仕事なのに、相談支援も受託してないわれわれが、話を全部聞き取り、制度のあらましを説明し、一緒にケアプランを作り、役所に支給決定の交渉し、そして実際の支援までやるのですが。

 本来やらなければならない人たちが動かず、その人たちの半分の給料しか得ていないわれわれが倍の作業をしてるのはまったく理不尽です。

 自立支援法が目指す「相談支援と自立支援協議会が世の中を変える」日はいつ来るのでしょうか。