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今日は残暑の厳しい気温30℃のなかでの活動となりました。作業内容としては、主に咲き終わった蓮の果托の切り取りと下草の処理を行いました。
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日陰のない炎天下での作業なので、汗が滝のように流れてきます。湿度が高かったので辛かったです!
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それでも美しく咲き誇る蓮たちを見ていると、涼しい穏やかな気持ちになります。請所(うけしょ)という背の高い蓮と、同じく背の高いボランティアK氏です。
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刈った下草をあつめていたら、クワガタの残骸がたくさん散っていました。おそらく鳥に食べられたあとでしょう。
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ハス品種見本園では、珍しいチョウトンボが飛んでいます。今年はじめて発見したときは、ボランティア一同どよめきました。ボランティアO氏による一枚です。
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ここで、なぜハス品種見本園では、咲き終わった蓮の果托を必ず切り取るのかについて少しお話します。
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毎年、種がこぼれる前に果托を切り取るのは、蓮の品種を現状のまま保存・維持するためで、「系統保存」と言います。大賀ハスのふるさとの会では、すべての蓮を蓮根からのみ繁殖させています。蓮根から増やさないと純粋な品種であると言えないからです。下の写真は、長いあいだ系統保存されてきた艶陽天と西光寺白蓮です。(ボランティアO氏撮影)
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例えば、ハス品種見本園では「大賀蓮」が栽培されています。名札に「大賀蓮」とあるのは、70年前に検見川の遺跡から発掘されて発芽した一粒の実の蓮根からのみ増やしてきているからです。
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逆に、大賀蓮の蓮根ではなくその「種」から育った蓮は、姿かたちが同じに見えても、もはや「大賀蓮」とは呼んでいません。見本園ではそれを「検見川蓮」と名付けて栽培しています。下の写真は検見川蓮の果托です。
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それでも広い見本園、見逃されて大きくなった果托は多くの成熟した種をかかえて茶色くなります。空洞ばかりの果托が残っているということは、種を採取したのでなければ、水中に落ちた種は発芽し、異品種が交雑した蓮が生まれる可能性があります。
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翌年以降、そこから咲いた花が明らかに名札の品種名の特徴と異なる場合は、系統保存された蓮根と差し替えることにしています。きれいに花を咲かせるだけでなく、ちゃんと系統保存しようと思ったらけっこう大変なのです。下の写真は、品種の特徴がちゃんと出ている系統保存された杏花春雨です。
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とは言え、この状況を蓮の立場からみるとどうでしょう? 1億年以上前から激しい気候の変化を生きのびてきた蓮は、蓮根と実生(みしょう)からの繁茂をうまく使い分けてきたのではないでしょうか。というのが、実際にお世話をしていて感じるのは、蓮とは蓮根の生長もすごいのですが、種の生成と拡散も凄まじい勢いがあるということです。
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今年は特にベトナム蓮が多くの花をつけています。
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夏になれば日本のあちこちで蓮の花が咲きますが、なかでもこの見本園に来れば大賀蓮をはじめ、世界の蓮の花の景色に触れることができる素晴らしさを実感した活動でした。
活動報告は以上です。
(担当: れい)