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心の病いで登校できない先生たち

2013-01-10 17:13:15 | インポート
 心の病いで学校に登校できない先生が5,274人という数字が、昨年暮れに文部科学省から発表されました。平成22年度に公立小中高や特別支援学校の教員約92万1000人を対象に休職者や処分者について調査したもので前年度より133人少ないものの、調査を始めた昭和54年当時と比べると8倍となり、依然として深刻な状況が続いていると報じられています。
 教員全体の約0.6%に当たる人数は、一般企業と比べると多いのでしょうか少ないのでしょうか。正確な統計数値はないものの、一般企業でうつ病で休職している人達が推計で50万人。労働者全体のほぼ1%ということです。他の精神疾患を加えればもっと多くなるはずですから、心の病いを抱えた先生方が一般企業に比べて特別に多いわけではなさそうです。
 文科省は「問題を抱えた先生が相談しやすいように、経験豊富な先生を『メンター教員』としたり、職場復帰プログラムを整備したりしているが、多忙化や保護者対応がストレスを生む状況は変わっていない。」としています。
 学校種別でみると最多が小学校で43・6%、次いで中学校の29・3%です。年代別では50代以上(38・6%)と40代(32・5%)が目立つということです。
 50代になって10歳前後の子どもたちとかかわるのは、プロとはいえ、なかなか厳しいものがあるだろうという予測はつきますが、先生方の話を伺うと、保護者との対応のほうが大変なのだそうです。子どもの授業参加にきているというのに、教室にも入らず廊下でお喋りをしていて注意をしてもなかなか聞き入れない。かとおもえば、学校の指導に従わずすぐに教育委員会や文科省に直接クレームをつけたりする。担任を変えろとか、クラス替えを要求する保護者も多いと聞きます。そうした悩みを抱え込んでしまうことが大きな要因のようです。
 高い倍率をくぐり抜け、子どもたちの教育に理想を掲げて教壇に立った先生方が登校できないという状況は、子どもたちの不登校と同様に悲しむべきことです。