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脳に磁場をあてて依存症を治す

2013-01-31 15:58:21 | インポート
 1月29日付け日本経済新聞に興味深い記事が掲載されていました。理化学研究所の林拓也副チームリーダーとカナダのマギル大学の研究チームが、脳の一部に磁場をあてて、たばこを吸いたいと思う欲求を抑えることに成功したというのです。
 喫煙の欲求には認知などを担う大脳前頭前野の腹内側部や背外側面が関係しているようですが詳細な役割は不明でした。研究チームは10人の喫煙者に喫煙シーンのビデオなどを見せて脳の活動を測ったということです。ビデオ視聴後にたばこが吸えるとわかっていると、喫煙者の大脳前頭前野の背外側面が盛んに働いたので、そこに、磁場を約30分あてると、吸いたい気持ちを表すとみられる活動が収まったということです。詳細に調べると、背外側面は周囲の状況に応じて欲求を促す働きをしており、その影響で腹内側部が喫煙したい衝動をつくっていたということがわかった。実験では脳機能を調べる「経頭蓋磁気刺激法」の磁場が利用されたということです。
 これは、薬物やアルコールなどの依存症の新たな治療法に道を開く成果で、ほかの依存症でも同様の仕組みが関わっているとみられるとあります。記事は、「今後は詳細に仕組みを解明し、効果的な治療法の可能性を探る。」と結ばれています。
 以前、NHKのテレビ番組「NHKスペシャル ここまできたうつ病治療」で、(2012.2.15のブログを参照してください)磁気刺激によるうつ病治療について紹介していました。うつ病患者は前頭葉の血流量が少なくなっているということで、前頭葉の左側にあるDLPFC(背外側前頭前野)という意欲や判断をつかさどる機能を磁気刺激により活性化させ、不安や恐怖、悲しみなどの感情が過剰に活動している「扁桃体」を押さえ込むことで回復させる方法です。一日40分くらいの治療を継続することで回復していくということでした。
 自分の意志によらず、欲求や感情をコントロールできる時代がきたということでしょうか。

下記のブログを参考にしてください。
(http://pub.ne.jp/ogyorii/?page=7)