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万引き依存症

2013-01-09 14:53:13 | インポート
 1月8日付け朝日新聞の朝刊社会面に「万引き、という病」と大きな見出しのルポルタージュが掲載されました。万引きが止められくて逮捕され有罪判決を受けた女性医師が精神科医の治療を受けているという記事です。
 払えるお金があるのに万引きを繰り返す人は、クレプトマニア(窃盗壁)といわれます。精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-Ⅳ)には、他のどこにも分類されない障害の一つとして窃盗癖(クレプトマニア)があげられ、以下のように説明されています。(かっこ内の万引きはという言葉は、わかりやすく説明するために私が挿入したものです。)
1 個人的に用いるためでもなく、またその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうと(万引き)する衝動に抵抗できないことが繰り返される。 
2 窃盗(万引き)に及ぶ直前の緊張の高まり。
3 窃盗(万引き)を犯すときの快感、満足、または解放感。
4 盗み(万引き)は、怒り、または報復を表現するためのものでもなく、妄想または幻 覚に反応したものでもない。
5 盗み(万引き)は、行為障害、躁病エピソード、または反社会的パーソナリティ障害 ではうまくせ説明されない。
 女性医師の治療をしている群馬「赤城高原ホスピタル」の竹村医師は、払えるお金があるのに捕まる危険に見合わない万引きを繰り返す人の症状は、ギャンブル依存症に一番近い。「万引きをしたい」という衝動を抑えられず、続けているうちに習慣化し麻痺してしまうと語っています。「万引き依存症」とでもいったらよいのでしょうか。竹村医師は、そうした人達には刑罰よりも治療が必要だと言っています。
 万引き(窃盗)は、社会規範を逸脱する反社会的行為です。被害を受けた書店やコンビニの中には、倒産しているケースもあります。「万引きは病」ということで、責任を問わないことが妥当なのかどうか、難しい問題です。