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アルコールと自殺の関係

2013-01-30 16:54:29 | インポート
 我が国の自殺者は2003年をピークとして減少傾向にありますが、世界保健機関の最新の統計によると10万人当たりの自殺死亡率は、男性11位(36.2人)で、女性5位(13.2人)ということです。
 年齢的に見ると、10代~20代では北関東周辺が多く、30代~60代では東北と九州南部が多いようです。都道府県別にみると多いのが、①秋田(10万人当たり32.3人)②岩手(28.3人)③新潟(27.7人)③宮崎(27.7人)⑤沖縄(27.2人)で、なぜ、東北と九州南部が多いのでしょうか。共通しているのはアルコールの消費量の多い県ということです。
 ちなみに、アルコール消費量は、秋田が5位、岩手が11位、新潟が7位、宮崎が4位、沖縄が3位となっています。「酒を飲むことにより、自殺の衝動性が高くなる」ことが原因ではないかと言われています。アルコール消費量が最も少ないのは奈良県ですが、自殺死亡率も最も少なくなっています。
 しかし、それだけが原因でもないようです。先日(1月26日付け)の朝日新聞の記事によると、市町村単位で見た場合、「相談や日常品の貸し借りをするなど生活面で協力しあっている人がいる」地域のほうが意外と自殺率が高いのだそうです。何故でしょう。一見すると「絆」が深いように見えますが、弱音を吐くことができず、かつ他人と違った行動をすると排除されてしまう傾向があり、相互に監視しているような息苦しさがあり、一度排除されると逃げ場がなくなってしまうことが人を追いつめてしまうのではないかと考えられているようです。
 さらに、自殺率の高さには地形も関連があり、急勾配の地域に住む人々の自殺率は高いということです。急勾配が人と人との往来を疎遠にし、孤立感を深めるからではないかと推測されています。
 では、自殺を予防するにはどうすればよいのでしょうか。①ゆるやかなつながりを持つ②排他的傾向を弱める③援助を求めることの抵抗を少なくする④「どうせ自分なんて」と思わない⑤本質をみて人を評価すると指摘されています。