国際学どうでしょう

私が気にしている情報のメモ

6カ国協議の難航

2007-02-11 23:54:02 | 時事問題
6カ国協議もついに決着がつくのかと思った。北朝鮮は何らかの見返りを得て、核開発をやめるのだろう。結局は94年の「枠組み合意」のやり方しかなかったのだと考えていた。

でもブッシュ政権は、今回の6カ国協議は、民主党クリントン政権が行った「枠組み合意」とは違う、リビア型なのだと言っている。時事通信が次のように伝えている。
「北の核、「リビア型」解決目指す=枠組み合意と異なる方式-米紙
 【ワシントン10日時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は10日、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の合意文書案について、北朝鮮が2カ月以内に主要な核施設を閉鎖・封印する見返りに韓国が重油を提供し、さらに米国との関係正常化交渉を開始する行程表を盛り込む案で、米朝両国が合意に近づきつつあるようだと報じた。
 米政府高官は同紙に対し、同案の内容について、核兵器開発を断念して関連資材の引き渡しを決定した「リビア型」と説明。北朝鮮核施設の「凍結」にとどまった1994年の米朝枠組み合意とは、大きく異なると指摘した。」

細かいところは分からないが、核の「凍結」ではなく「閉鎖・封印」がポイントということなのだろう。「凍結」は周知のように再開される可能性があるが、「閉鎖・封印」にはそれがないということなのだろう。ともかくも、週末にも成果が出ると報道されていたが、案外交渉は難航しているという。産経ウェッブは共同通信のニュースを次のように引用している。
「複数の外交筋によると、北朝鮮は9日に行った米国や韓国との2国間協議で、核施設凍結など核放棄に向けた「初期段階措置」に応じる見返りとして重油年間200万トンに加え電力200万キロワットという大量のエネルギー支援を要求した。電力支援に関しては2005年9月の共同声明に盛り込まれた内容の確認を求める形だったという。」
(「佐々江局長「北の過剰な期待が問題」 6カ国、調整続く」;http://www.sankei.co.jp/kokusai/korea/070211/kra070211000.htm)

94年の米朝枠組み合意では、北朝鮮は核開発を凍結する代わりに、総計200万キロワット分の軽水炉二基の建設が約束され、それが完成するまで年間50万トンの重油提供が約束されていた。上記記事のように、今回北朝鮮は核開発「凍結」ではなく「閉鎖・封印」の見返りとして、電力支援に関しては94年の枠組み程度の要求であるが、それと同時に年間原油200万トンを要求しているのが過大なのだろう。

94年とは異なり北は「核保有国」になったのだから、開発を「停止」する代価は高くつくということなのだろうか。困ったものである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セキュリティ(Mac OSX)

2007-02-09 18:00:23 | PCSkills
パソコンが盗まれ、その中にあった学生の個人データが流出するかもしれないという事件があった。他人事ではないと対策を考えた。私が常用しているOSはMac OSXである。

梅田のヨドバシに行って、それらしいものを物色したが、すべてWindows対応である。Mac OSXは、ダメなのかと落胆したが、それはとんでもない誤解であった。Mac OSXには、デフォルトでいろんな手段が提供されていたのだ。うかつにも気がつかなかった。

たとえば、Mac OSX(10.4)には標準で"FileVault"が備わっている。データを暗号化して、万一パソコンが盗難にあっても、ファイルの内容を覗かれないようにするものである。
「FileVault の仕組みは、ホーム・フォルダ(アカウント毎に割り当てられている作業領域)内の全てのデータを暗号化された Disk-image に移し、外部からの接続を阻むというものです。ログインしたときに暗号化された Disk-image をマウントし、通常のホーム・フォルダとして利用できるようにします。ログアウトしたときには、すぐにマウントが解除され、ホーム・フォルダはなくなります。」

これは優れている。もっとも同時に限界も指摘されている。
「ただし、FileVault は万能ではありません。確かに、ログアウト中は暗号化された Disk-image ファイルとして存在するだけなので安全なのですが、ログインした時点でマウントされ、通常のホーム・フォルダ内のデータとして利用できてしまうからです。よって、ウイルスやネットワークからの攻撃を防ぐことはできません。」

これ以外にも問題はある。個人データをUSBメモリに入れて、持ち歩きしているという現実に対処できないことだ。データの持ち歩きをやめるのが一番の対策だが、おそらくこの対策は長続きしないであろう。

なんと、それに対する別の対策もあった。
「Mac OS X は、Disk-image ファイル(接尾辞が .dmg)をマウントすることで得られる仮想ディスク機能が提供されています。この Disk-image ファイルを作成するときに、パスワードを設定した暗号化が行えます。」
持ち運びするときにこのようなDisk-imageを作り、その中にファイルを書き込んで持ち運べば良いのである。出先のMac OSXでマウントさせれば、ファイルを見ることができる(ただし出先にMac OSXがなければ、解決にならない)。

もっとも慢心がセキュリティにとっての一番の問題であるということを忘れてはならないであろう。

Tomio's Page:Mac OS X ユーザーのためのセキュリティ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松坂攻略にもiPod

2007-02-07 01:09:41 | PCSkills
ひどく感心したので備忘のための記録。米大リーグではプレー分析のための動画再生ツールとして、iPodが活用されているらしい。このような使い方もあるのだ。
 人気の携帯型デジタル音楽プレーヤーiPodが、大リーグの情報戦を大きく変えようとしている。昨季中から動画データを取り込んだiPodをビデオ代わりに見る選手が現れはじめ、より手軽に対戦相手の研究ができるようになった。大リーグの情報戦は高度化しつつあり、その波は間もなく日本球界にも押し寄せてくることだろう。…
 もっともiPodの使用が進んでいるとされているのが、松井稼頭央内野手のいるロッキーズだ。
 主力投手が対戦相手打者の研究のために使用し始めたのをきっかけに、動画データを自分の愛用iPodに取り込む選手が増えたという。
 現在は、自分の趣味の音楽の合間に野球の動画を見る程度の選手も多いが、球団のビデオ担当者も「操作も簡単だし、うまく使えば相当の効果が期待できる」とiPodの本格使用に前向きだ。
 「画面が小さすぎてよく見えない」という選手の声もあるが、どこにでも携帯できる利便性がある。今季大リーグのベンチでは、iPodがあふれかえるということになるかもしれない。
(松坂攻略iPodがキク? メジャー情報戦の秘密兵器:http://www.zakzak.co.jp/spo/2007_02/s2007020606.html)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学習ツールとしてのiPod

2007-02-03 18:35:32 | PCSkills
さらに先日学内FD講演で、学習ツールとしてのiPodの有用性を聞いた(C.P.Ho, Educational Technology:Designing Ubiquitous Learning Opportunities for Students)。iPodで動画を見ることができるとは知らなかった。だが動画を作って配信するのは敷居が高い。

ただそれだけでなくiPodをテキストビューワーとして使うこともできるというのだ。自分の書いたテキストを少し工夫すれば、iPod上で読むことができる。次のサイトが参考になる。

多言語テキストビューワーとしてのiPod

単なる音楽プレーヤーと考えて、自分には関係ないものと思っていたiPodもいろいろと使えそうなことが分かった。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

森達也『ドキュメンタリーは嘘をつく』

2007-02-02 21:58:04 | 雑談
やられたと思った。テレビ東京系で昨年12月31日に再放送された、森達也『ドキュメンタリーは嘘をつく』を見た。

森の同名の著書をドキュメンタリーにするという話で、森が旧知の映画監督村上賢司を呼び出し、さらにリポーターの人選もまかせる。村上は、森の「あまり業界に染まっていない人」をというリクエストに応え、専門学校の女子学生を連れてくる。

そして原一男、佐藤真、緒方明などという映画監督との対談が行われる。しかし森は多忙という口実で、遅刻したり、インタビューの最中に携帯電話に出たり、別の原稿を書き出し、「金のために仕事をしている」とうそぶき、最後にはとうとう番組を降りてしまう。そうしてその後を引き継いだディレクターは、妊娠している妻に新型の洗濯機を買うため嫌々ながら引き受けたと告白する。

あまりにも森の偽悪さ加減が目立ったので、偽悪な所を見せて、整然と放映されるドキュメンタリーの裏側では、常に不協和音が起きていることを示したいのだと思った。そして真実を追究するドキュメンタリーといっても、お金のために作られているという一面があるということをあくどく見せているのだと思っていた。

しかし最後を見て驚いた。専門学校女子学生は、女優の水木ゆうなが演じていることがばらされた。そして途中で番組を降りたはずの森も参加しているし、最後のエンドロールではディレクター(役)となっている。ドキュメンタリー中に登場した、父を捜すために自分でドキュメンタリーを作っているという青年、さらに再会を果たし、修羅場を演じた父も、ニセ者であったのだ。もちろんディレクターの妊娠している妻もニセ者だ。

映画監督との対談は本物であり、森が断片的に語っていたこと(たとえば「街頭インタビューはつまらない。多くの意見の中で、ディレクターの意見に合うものを拾うだけなのだ」)は正しいとは思うが、ドキュメンタリー自体がヤラセであったのだ。

メディアリテラシーとは、メディアで報じられていることの真贋を見抜くことだと思うが、そんなことは言われなくても分かっていると考えていた自分が恥ずかしかった。私は完全にメディアにだまされうるという認識から出発しなければならないと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする