中国で問題なのは、当局に睨まれるとひどい人権侵害の憂き目にあうことである。売血の注射針の使い回しのためにエイズが蔓延していることを告発した医師が自宅軟禁されているという記事が今月初めに掲載されていた。我々日本人は名前からは判断できないが、軟禁されているのは80歳のおばあさんである。
さらに上記の記事の続報を見つけた(China Covers Up Detention of AIDS Doctor - New York Times; http://www.nytimes.com/2007/02/16/world/asia/16china.html)
。国際的非難を避けるために、13日の河南日報には河南省の高官三人が春節の挨拶に高耀潔氏宅を訪れる記事が掲載されたらしい。高耀潔氏が健康であり自由であることを示すためである。しかし自宅軟禁は、その厳しさはゆるんでいるが、まだ継続されている。
緩和されているというのは、ニューヨークタイムズの記者が高耀潔氏と電話で話をすることができているからである。2月中旬から電話が通じるようになった。家族も訪問できる。そして高耀潔氏はちょっと外出することができる。しかしそれだけだ。アパートの外には数人の警官が常駐している。高耀潔氏を監視するためである。
高耀潔氏は「二つのことを知りたい。誰がこのような決定をしたのでしょうか。私は80歳であり、私が何の罪を犯したのでしょうか?第二に、インターネット上で誰が私を中傷しているのか見つけなければなりません」と語る。
もっとも高耀潔氏は、河南省の役人の求めに応じて「多忙のために表彰式に出られない」との二行の手紙を書いた。地方の衛生局と彼女の家族に対する政治的圧力を緩和するためである。
記事に引用されていた高耀潔氏の以下の力強い言葉が救いである。
「幸いなことに、私はまだ頭がはっきりしています。そうでなければ政府によりだまされ、政府のために話し、嘘をついたでしょう。私が表彰されるかどうかは問題ではありません。」「表彰式に出席するよりも欠席する方が影響力が大きいと思います。」
エイズ研究者、中国が軟禁…実態暴露恐れ訪米阻止
【香港=吉田健一】6日付の香港紙・明報などが報じたところによると、米国の民間人権団体の表彰式に出席するため訪米準備をしていた中国のエイズ対策の第一人者、高耀潔・元河南中医学院教授(80)が、中国当局により河南省内の自宅に軟禁された。
高氏は、同省農村部での売血によるエイズ被害の実態を告発するなどエイズ対策に尽力しており、新たな実態暴露を警戒する当局が訪米を阻止しようとしたものと見られる。
同紙などによると、高氏は訪米ビザ申請のため、4日に同省鄭州から北京に向かう予定だったが、10日前から当局者数十人が高氏の自宅を厳しい監視下に置き、高氏の外出を妨害。電話回線も切断されているという。
(読売新聞 2007年2月6日)
さらに上記の記事の続報を見つけた(China Covers Up Detention of AIDS Doctor - New York Times; http://www.nytimes.com/2007/02/16/world/asia/16china.html)
。国際的非難を避けるために、13日の河南日報には河南省の高官三人が春節の挨拶に高耀潔氏宅を訪れる記事が掲載されたらしい。高耀潔氏が健康であり自由であることを示すためである。しかし自宅軟禁は、その厳しさはゆるんでいるが、まだ継続されている。
緩和されているというのは、ニューヨークタイムズの記者が高耀潔氏と電話で話をすることができているからである。2月中旬から電話が通じるようになった。家族も訪問できる。そして高耀潔氏はちょっと外出することができる。しかしそれだけだ。アパートの外には数人の警官が常駐している。高耀潔氏を監視するためである。
高耀潔氏は「二つのことを知りたい。誰がこのような決定をしたのでしょうか。私は80歳であり、私が何の罪を犯したのでしょうか?第二に、インターネット上で誰が私を中傷しているのか見つけなければなりません」と語る。
もっとも高耀潔氏は、河南省の役人の求めに応じて「多忙のために表彰式に出られない」との二行の手紙を書いた。地方の衛生局と彼女の家族に対する政治的圧力を緩和するためである。
記事に引用されていた高耀潔氏の以下の力強い言葉が救いである。
「幸いなことに、私はまだ頭がはっきりしています。そうでなければ政府によりだまされ、政府のために話し、嘘をついたでしょう。私が表彰されるかどうかは問題ではありません。」「表彰式に出席するよりも欠席する方が影響力が大きいと思います。」