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アメリカのイラン政策変更とイラク新石油法

2007-03-01 00:54:09 | 時事問題
チェイニー副大統領がカブール郊外バグラム基地滞在中に自爆テロが行われたことについて、アルカイダは副大統領を狙ったと声明を出した。しかし自爆テロが行われた際に、チェイニー副大統領滞在を知っていたかどうかは疑問視されている。副大統領の滞在は悪天候によるハプニングであるからだ。もっとも自爆テロでは二十名以上の人物が亡くなるという実害をもたらした。それだけでなくアルカイダの活動を印象づける象徴的な意味があった。

頭の痛いニュースばかりが続くが、明るいニュースもないわけではない。たとえばアメリカが、方針転換をしてイランやシリアを含むイラク隣国とイラク問題について交渉のテーブルに着くという。ライス国務長官が米上院歳出委員会で明らかにした。イランやシリアとの対話は、昨年12月のイラク研究グループから提案されていたが、ブッシュ政権がかたくなに拒否してきたものである(もっとも今回の会議は、イラク研究グループが主張したアメリカ主宰ではなく、イラク主宰である)。米国はシリアと外交関係があるが、イランとは79年革命以来外交関係が断絶したままである。

二週間以内に開始される大使級会談では、イラクやその隣国だけでなく、国連安保理常任理事国も参加する。アジェンダはイラク復興問題で、イランの核問題は取り扱われないとされる。さらに4月には閣僚級の会談が行われる予定である。
CNN.co.jp : イラク国際会議開催へ 米国がイラン・シリアと会談か
"ライス長官はまた、会議の成果を踏まえて、4月に主要国(G8)とイラク周辺諸国による閣僚級会議を開く意向を示した。G8に含まれていない国連安全保障理事会の常任理事国、中国も招く。長官はさらにイランとシリアについて、両国政府が「こうした機会にイラクとの関係を改善し、域内の和平と安定に向けて努力することを望む」とコメントした。"
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200702280001.html

ということは閣僚級会議には日本も参加することになるのだ。

さらにイラク政府が石油の収益を分配する法案を閣議レベルで決定した。
"イラク新石油法、閣議が法案承認・地方政府が開発交渉
【カイロ=金沢浩明】イラク政府は26日、新しい石油法案を閣議で承認した。国民議会に提出し5月末の施行を目指す。石油収入を中央政府が管理・分配すると同時に、外国企業との開発交渉などを地方政府に認めた。イラクではクルド系とイスラム教シーア派の居住区に偏在する石油資源が、宗派・民族間の深刻な対立を生んできた。新法が治安回復への好材料になるとの期待も出ている。"http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070227AT2M2700Y27022007.html

アメリカ政府がイラク情勢安定のために求め続けていたものである。もちろんこの二つが具体的な結果に結びつくかどうかは分からないが、イラク安定化につながる明るい兆しであることだけはまちがいない。
コメント
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