サブ・ローザ(Sub rosa)。著者の説明によるとラテン語で「薔薇の下で」、転じて「陰謀をめぐらすこと」を意味するという。これを一語にまとめてサブローザ(Sabrosa)とすると、私などは元ポルトガル代表の左サイドハーフ、シモン・サブローザ(現トルコのベシクタシュ所属)を思い出してしまう。がしかし、本書における意としては、著者の師でありパトロンである石井恭二(現代思潮社の創業者)の死(1928-2011)に哀悼を表するかたちで緊急出版となったことを、「陰謀」という発想に託したものと思われる。
正直に言うと、私はどうも著者のヒステリックで子どもじみた文体はあまり得意ではなく、今回の新著にしても赤面を禁じ得ぬ箇所も少なくない。しかしそれでも、「テル・ケル」一派の東洋における最後の末裔をみずから任じるかのごとき切羽つまった書きっぷりは、著者の面目躍如たるものがある。
著者は、初期EP-4のメンバーである。EP-4といえば、1983年にリリースされた彼らのファーストアルバム『昭和崩御』(現タイトル『昭和大赦』)のジャケットにあしらわれた一柳展也(1980年に起きた、浪人生金属バット両親殺人事件の受刑者)の自宅写真(撮影 藤原新也)を思い出す。彼らが『昭和崩御』をリリースした当時、電柱など都内のあらゆる場所にこのジャケ写のステッカーが不法に張られていたものだ。
正直に言うと、私はどうも著者のヒステリックで子どもじみた文体はあまり得意ではなく、今回の新著にしても赤面を禁じ得ぬ箇所も少なくない。しかしそれでも、「テル・ケル」一派の東洋における最後の末裔をみずから任じるかのごとき切羽つまった書きっぷりは、著者の面目躍如たるものがある。
著者は、初期EP-4のメンバーである。EP-4といえば、1983年にリリースされた彼らのファーストアルバム『昭和崩御』(現タイトル『昭和大赦』)のジャケットにあしらわれた一柳展也(1980年に起きた、浪人生金属バット両親殺人事件の受刑者)の自宅写真(撮影 藤原新也)を思い出す。彼らが『昭和崩御』をリリースした当時、電柱など都内のあらゆる場所にこのジャケ写のステッカーが不法に張られていたものだ。