どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

はなききまごべ

2019年02月07日 | 昔話(日本)

     (さてさて、きょうの おはなしは・・・/瀬田貞二:再話・訳 野見山響子・絵/福音館書店/2017年)


 「さてさて、きょうの おはなしは・・・」に収録されている瀬田さんの再話は、業績のごく一部。

 「はなききまごべ」は、かせぎがあっても、毎日おかゆしか食べさせないかみさんを疑った男が、仕事に行くふりをして、そっと裏口にしのびこんで、かみさんが小豆餅を仏壇の引き出し、焼いた魚を長持ちにかくしたのをみて、おどろかせようと、はなをフンフンならし、小豆餅と魚をださせます。

 次は、店の旦那と五十里さきから、フンフンはなをならし、自分の家が焼けていると賭けをします。
 賭けの代償は旦那の家ですが、家についてみると、確かに男の家は火事でなくなっていて、旦那の家を手に入れます。仕掛けはきわめて単純で、かみさんに、自分がかえるころ、古い家に火をつけさせたのです。

 ところで、この話には、今ではあまりみられない表現があります。

 まずここにでてくる”まごべ”というのは、おたなもん。おたなもんというのは店にやとわれている人という注釈がありますが、一回聞いただけではわかりにくそうです。

 このまごべが、とのさんの病気の原因を、はなでかぎだしてくれるようにたのまれ、天狗の話しを聞く場面で、「西の天井にには、おろちがおって、あっきをはくし、北のねだにはがまがおって、じゃっきをだしている」というのがあります。
 ”あっき”というのは”悪気”、”じゃっき”というのは”というのは”邪気”を意味していると思いますが、読む人の対象年齢を考えて、ひらがなでかかれているので、よりわかりにくそうです。

 もちろん、話の内容は、こまかなところは別にして楽しめるのですが、語るとなると。こまかいところが気になります。


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