めぐる森の物語/いまいあやの/BL出版/2018年
ふと目にしたウサギのあとをおいかけて 荒れ地にやってきた ぼくがみたものは?。
荒れ地の真ん中で、さっきのウサギが何かしています。ウサギが次々にやってきて、あなをひってうめているのは どんぐりでした。
ウサギが藪の中に消えると、今度はカラスやムクドリ、カケスやサギなどが木の実をうめていきました。
次にリス、クマ、小さな虫までも種を運んでいました。
観察していてうちにまぶたが重くなって、草むらに横になると、いつのまにか ねむってしまいました。
ふときがつくと、荒れ地だった場所には、たくさんの木が生えて、見上げるような森になっていました。
森の緑は濃くなっていき、季節もゆっくりうつりかわっていきます。
夢で見たのは百年後の森。子どもや孫が遊び、木も虫も、魚も動物もくらす森でした。
百年後の森の風景が何ページもつづき、命をまもろうという作者の思いが伝わってきます。
荒れ地は、滋賀県近江八幡の里山が舞台といいます。