どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ケーン ケーン バタバタ・・兵庫

2021年11月08日 | 昔話(関西)

          兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟/日本標準/1978年

 

 あれっ?とおもうタイトル。昔話のタイトルは誰がつけたものでしょうか。

 

 山へしばかりに行ったじいさまが、木陰で一休みし竹筒のお茶を飲もうとすると、キジがやってきて「ケーン ケーン バタバタ ばあばのはらにくっつきたい」と、なんども鳴きます。

 じいさまが、ばあさまにその話をすると、ばあさまはげらげらわらって、「そりゃおもしろい。あしたの朝は山につれていってそのキジの声をきかせてくれ」と言うた。

 きのういたあたりまでいくと、バタバタと羽音がして「ケーン ケーン バタバタ ばあばのはらにくっつきたい」という声。

 ばあさまがうなずいて、おもいっきり大きな声で、「くっつきたけりゃくっつけ」と、わめくと、ばあさまのはらがずしんと重とうなった。重くてとても歩けなくたおれてしまったばあさまが、「何がひっついているかみてくれ」と、帯をとくと、びっくりぎょうてん、大判小判がざくざくおちてきて、腰が抜けてしもうたそうや。

 この話を聞いたとなりのよくのふかいじいさまとばあさまが、山へのぼっていき、帯をとくと、ばあさまのはらからおちてきたのは、岩のカケラやいしころばっかりやったそうじゃ。

 

 大判小判を手にしたじいさまは、山にいくと、キジに、にぎりめしを やっていたので、その見返りでした。じいさまはキジの声を聞いてバタバタしますが、ばあさまの方は面白いと肝が据わっています。


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