どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

アレッポのキャットマン

2021年07月30日 | 絵本(外国)

     アレッポのキャットマン/アイリーン・レイサム カリーム・シャムシ・パシャ・著 清水裕子・絵 安田菜津紀・訳/あかね書房/2021年

 

 シリアのアレッポで猫の保護活動をはじめた救急車の運転手アラーの実話です。

 シリアというと、長く続く内戦とそこから逃げのびる人々がすぐに思い浮かびます。アレッポはシリア最大の都市ですが、そこで見捨てられた猫たちのために、なけなしのお金で新鮮な肉を買い求め水を運び、街に残っていた人々の協力や、ほかの国の寄付もあつめ、「ねこの家 エルネスト」を作ります。やがて街からにげなければならなくなった人たちは、自分たちの猫をつれてきました。

 エルネストには、たくさんのお金が集まり、ほかの動物たちも、助けられるようになり、子どもたちの公園を作ったアラー。

 

 戦争が始まる前の活気に満ちた市場と、その市場ががれきの山になっている風景があり、松葉杖をついていたり、包帯を巻いていたりしながらも笑顔の子どもたちがいます。

 内戦というと悲惨なことしか浮かばなかったのですが、こんななかにも日常の生活があり逞しく生きている人々がいます。


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