あなのなかには・・/レベッカ・コップ:作絵 長友恵子・訳/フレーベル館/2016年
庭のさくらの木のそばの小さな穴に ボールが入っちゃて、のぞきこんだが なにもみえない。
ぼくの手もママの手でも とどかない。パパは なんにもしてくれない。
ママが、穴は ネズミの家に つながっているかもと。
カエルがにがてなパパは、カエルがいるかもしれないと。
おねえちゃんは、トロルが すんでいるかもよと。
ともだちは リスかな?ヘビだよ! ハリネズミかも? キツネじゃないと。
いちばんのともだちは ドラゴンのすみかだよと。
おばあちゃんは、モグラかも、おじいちゃんは、アナグマだろうって。
みんな それぞれ あれこれ 想像しています。
どんどん広がる想像。見えないから 生まれる世界。
穴一つで、みんなつながっている実感。
桜の木が開花し、桜が散ると緑の葉、秋には紅葉し、冬には葉が全部なくなり、穴一つで、長い間楽しめています。
みんなが想像する生き物のそばには、さりげなくボールが!