どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

漁師とウルマとチャラーナ

2014年07月25日 | 昔話(外国)
          漁師とウルマとチャラーナ/太陽の木の枝 ジプシーのむかしばなし/内田莉莎子 訳/福音館文庫/2002年初版


 福音館文庫のジプシーのむかしばなしのうちで、ジプシ-という呼称がでてこない少ないもの。

 他の話には、ジプシーの若者、ジプシーとその妻、貧乏なジプシーの少年などがでてくる。

 ジプシーが差別用語といわれると、やや腰がひける。しかし、なぜそうなのか今一つ納得がいかない。

 素敵な表現がでてくるというので読んでみました。

 たしかに、少年がでくるところでは、「かみを風になびかせた美しい少年」「きらきらひかるきものをきた美しい少年」「銀いろにひかるマントをきた美しい少年」。

 むすめは、「キンポウゲをあんでつくったくつをはき、木の葉をぬいあわせたきもの」など、イメージがひろがる表現が多い話。

 内田莉莎子さんの訳が魅力的な話にしあがっているようです。
 「おおきなかぶ」からはじまっってなじみのある内田訳。内田さんは69歳でなくなっていますが、もっと仕事をしてほしかったひとりです。