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名古屋旅行記(2)

2007-02-06 22:14:41 | 

名古屋の名物数あれど、やはり「名古屋は城で持ち」ます。
江戸最初期に築城された、まさしく「名城」。
とりわけ、金のしゃちほこ(金鯱)が有名で、名古屋のマスコット的象徴でもあります。

名古屋駅に降り立ったわたしたちは、もう1人の同期生Aを伴って名古屋城に行こうということになりました。
その前に、駅前の松坂屋にて別の同期生Sとちょっと会いました。Sはまだ用事があるというのでまた後ほどの会おうということで、Sとは分かれました。
名古屋は地下鉄が発達している割には、ゴチャゴチャしておらずとてもわかりやすく、名古屋城までの道のりも地下鉄を乗り継いでいきました。
名古屋市営地下鉄桜通線を久屋大通駅で名城線に乗り換え、わずか一つめの市役所駅で降ります。そして、歩いて3分ほどで名古屋城への入り口の一つである東門につきます。
名古屋城の周囲には、市役所などが集まるオフィス街ですが、名古屋城を圧倒するような高い建物もなく…いや、周りのビルディングが名古屋城に圧倒されているのか。
とにかく、ものすごい存在感を持つ城です。
甲府にも城跡があり、武田家の居館であった躑躅ヶ崎館もありますが、正直名古屋城とは比較になりません。

名古屋城でもらった資料によれば、名古屋城は1609(慶長14)年に築城。家康が、関ヶ原前後に下った新参大名を中心に普請させました。
以後、家康9男徳川義直(1601~1650)から続く御三家筆頭尾張家の居城となりました。
東海随一の名君と謳われる義直をはじめ、尾張徳川家には優秀な殿様が多く、7代宗春(1696~1764)、14代・17代慶勝(1824~1883)などを輩出しました。
また、現在の名古屋が大阪とも東京とも違った文化を持つようになったのは、その一因を尾張徳川家の独自の治世に探っても間違いではないでしょう。

入場料500円を払って中に入ります。
入ってすぐ右手には、実質上藩主の居住区であった旧二の丸庭園があります。そちらの方も見てみたかったのですが、事情により断念。早速、本丸へと向かいます。
ちなみに、織田信長(1534~1582)が生誕したと言われている那古野城は二の丸付近にあったといい、その後継城として名古屋城が建てられたというのは、深い意義がありそうでなさそうですね。
東門入口から、本丸へ向かう途中に左手に長槍を持ち、右手に日の丸扇を振りかざす、愉快なおじさんの像がありました。
このおじさんが誰あろう賤ヶ岳七本槍の一人、あるいは肥後熊本藩初代藩主の加藤清正(1562~1611)です。関ヶ原前後に徳川家に降った大名の一人で、秀吉の縁者だった清正は、名古屋の城普請を命じられました。
清正は築城の名手で、特に石垣造りが得意で美しい反りが特徴でした。熊本城や江戸城の石垣も組んだといいます。
名古屋城本丸の石垣には清正石という、それはそれは大きな石があり清正は石垣づくりを命じられた際、自ら陣頭指揮を執り、見事に完成させたということでそれを記念した像のようです。
KやAと「愉快で、陽気なおじさんだなぁ」などと話しながら、表二之門から本丸、天守閣へと向かいました。
さすが、日本三名城の一つ名古屋城天守閣です。
その壮大で広大な土地たるや、甲府城など足元にも及びません。広いしでかいし白いし。実に素晴らしいと思いました。
甲府城は今、石垣や白壁ぐらいしかないのですが、もし天守閣を再現するなら、けちらずに壮大なものを作って欲しいですね。

さて、いよいよ天守閣へと足を踏み入れます。入口では「本丸御殿」再建の寄付を募っていました。個人で50万一口を十口寄付している人がいて、すごい人もいるものだと驚きました。
「本丸御殿」というのは言うなれば官邸です。
天守閣が政務を執るところで、生活はこちらの方で行っていたようです。
その全容に迫っているのが2階の3Dシアターで、名古屋城の簡単な歴史と本丸御殿について教えてくれます。
その全容というのもたいそう豪奢な造りで、ふすま絵は狩野派の絵師たちにより描かれ、欄間の彫刻も繊細にして写実。中でも、障壁画の一部である『竹林豹虎図』は重要文化財にもしてされている狩野派の一級品です。
さすがは、藩主の御寝所といったところでしょうか。
ちなみに、シアターのナビゲートを務めたのは7代藩主・徳川宗春で、8代将軍・徳川吉宗(1684~1751)や大岡忠相(1677~1752)で有名な享保の改革(1716~1745)に反対したというのですから、さぞかし強者だったのでしょう。

さて、その本丸御殿。
最初期こそ寝所や接待などで使われていたものの、のちには使われなくなったということで…最近の議員宿舎とか、事務所費の問題と同じような目で見てしまうのは…悪いことでしょうか。

今日の一枚は、愉快なおじさんこと加藤清正公像です。
実に、おめでたい加藤さんです。